この記事では、神奈川県横浜市磯子区の解体業者で解体工事を行った斉藤さん(仮名)の事例を紹介します。
・新築に向けた解体……費用を安く抑えるには?
・近隣トラブルを回避するには?
・安すぎる解体業者に工事を依頼しても大丈夫?
横浜市に住む斉藤さんは、住宅ローンが組めなくなる前に実家を新築へ建て替えるため、解体を計画していました。
しかしハウスメーカーから紹介された解体業者に見積りを依頼すると、提示された金額が予想以上に高額だったため困惑してしまいました。
そんな中、ハウスメーカーの担当者から「分離発注」という方法を提案されました。
ねえ中野さん、なんでハウスメーカーが提示する見積金額って高いの?
それはハウスメーカーの仕組みに関係してるよ。ハウスメーカーは解体工事を自社で行わず、提携している解体業者に委託するから、その際に手数料や管理費が上乗せされる。その分、見積金額が高くなるんだ。
なるほど!じゃあ、どこに頼めば費用を抑えられるの?
解体業者に直接依頼するのがおすすめだよ。手数料や管理費がかからないからね。このように工事ごとに専門業者に分けて発注することで、余計な中間マージンを削減する方法を「分離発注」と言うんだ。
分離発注とは、ハウスメーカーや工務店などに「解体」から「建築」までの作業を一括で依頼するのではなく、建築は建築会社に、解体は解体業者にそれぞれ分けて発注することです。分離発注をすることで一括発注時に発生する管理費などの「中間マージン」を20〜30%削減でき、費用を抑えることができます。ただし、ハウスメーカーに限らず、規模の大きな専門業者に依頼する場合にも中間マージンが発生する可能性があるため、注意が必要です。
ただし、分離発注を選ぶ場合は、一括発注のときと違って住宅ローンを使えないことに注意が必要だよ。
そうなの!?じゃあ、すぐにまとまった現金を用意できないと分離発注は難しいの?
いや、全くローンが使えないわけじゃないから安心して。たとえば、空き家解体ローンやフリーローン、プロパーローンが使える場合もあるよ。まずは銀行や信用金庫に相談して、自分に合ったローンを探してみよう。
それでは、横浜市の斉藤さんがどのようにして解体業者を探し、金額を安く解体工事を行えたのか、その流れを以下で紹介していきます。
中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。
解体工事の概要と背景
今回斉藤さんが取り壊した建物 | |
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構造/種類 | 木造2階建て/住宅 |
坪数 | 約42坪 |
所在地 | 神奈川県横浜市磯子区 |
築年数 | ー |
斉藤さんが解体した物件は坪数42坪の木造住宅で、一般的に少し大きめの物件です。
解体現場は住宅地にあり、工事による騒音や振動が原因で近隣トラブルが起きないか心配していました。
長年付き合いのある近隣住民との関係を悪化させたくない。新築工事前に余計なトラブルを避けたい。
そんな思いから、斉藤さんは近隣住民への配慮が行き届いた解体業者を選ぶことにしました。
たしかに、住宅地での解体工事だと近隣トラブルが心配だよね……どうやって対策すればいいんだろう?
一番大事なのは、近隣トラブルへの配慮がしっかりしてる解体業者を選ぶことだよ。
なるほど!具体的にはどんなことをしてくれるの?
基本的には、工事前に挨拶回りで近隣住民に工事内容を丁寧に説明したり、工事中に養生を徹底したりしてくれるよ。また、中には工事協定書を作成してくれる解体業者もいるんだ。
えっと……工事協定書ってなに?
工事協定書は発注者、施工者、隣家の住民との間で工事に関する約束事を記録する書面のことだよ。これにより、近隣トラブルを未然に防ぐことができるし、トラブルが起きても解体業者の対応が明確になるんだ。
解体業者2社に見積依頼
斉藤さんは、中野さんが選定した解体業者2社の中から業者選びをしました。
神奈川県横浜市での解体工事なら、やっぱり横浜市内の解体業者から探すのが良いの?
横浜市内の解体業者をまずは探してみると良いね。でも実は、ケースによっては横浜市内だけじゃ良くないこともあるんだよ。
え?それはどういうこと??
たとえば……横浜市内の解体工事でも、隣の川崎市や横須賀市の解体業者に依頼した方が、費用が安くなることもあるってことだね。
そんなことあるんだ!?現場に近い解体業者の方が絶対安上がりになるものだと思ってたよ!
実はそうとも限らないんだよね。解体業者の営業努力・経験・スキルによって、隣町の解体業者の方が結果的に安くなるってことも少なくないんだよ。
解体工事は現場に近い業者に依頼するのが最安値になるとは限りません。現場までの距離、解体工事内容による業者の得意・不得意、解体工事を依頼するタイミングなどにより、最安値の業者は変わります。
ちなみに、神奈川県横浜市で解体業者を選ぶ場合は、以下の情報をひとつの基準や参考にして探してみると良いでしょう。
神奈川県横浜市で解体業者を探す場合の参考情報 | |
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横浜市の登録解体業者数 | 133社 |
工事に対応して貰える解体業者の所在地 | 横浜市、横須賀市、川崎市、相模原市、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市など |
横浜市の解体工事坪単価(木造) | 37,586円 |
横浜市の解体工事坪単価(鉄骨造) | 44,719円 |
横浜市の解体工事坪単価(RC造) | 73,580円 |
横浜市特有の規制や条例 | 横浜市の景観条例や建築物の高さ制限、廃棄物処理の厳格な規制などがあるため、地域特有のルールを遵守しているか確認することが重要です。 |
横浜市の都市計画や再開発エリアの影響 | みなとみらい地区や新横浜エリアなど、再開発が行われている地域では解体工事に関する手続きや規制が特に厳しい可能性があります。これらのエリアの場合は、解体経験が豊富な業者を選ぶと、スムーズな対応が期待できます。 |
横浜市内のゴミ処理場の距離・運搬コスト | 横浜市内の解体業者が利用する廃棄物処理場までの距離や、解体物を処理するための運搬コストも工事費用に影響します。神奈川県内の他地域と比較しても、処理場までの距離や運搬費が異なる場合があるため、それも加味して業者を選ぶと良いでしょう。 |
では続いて、斉藤さんがそれぞれの解体業者から実際に貰った見積書を紹介します。
A社の見積書
B社の見積書
2社の解体業者の見積りの結果比較
2社の解体業者の見積費用総額を比較した結果、「A社227万円」「B社185万円」でした。
わわ!B社、安すぎない!?A社との金額差が42万円もあるよ!
それは木造専門の解体業者であるB社が、ノウハウやスキルを駆使して解体費用を抑えているからだよ。
専門的な工事を手掛ける業者は、主に以下の3つの理由から効率的でコストを抑えた工事を実現しています。
・手間の少ない工法を熟知しており、工期を短縮することで人件費を削減できる
・自社で専門分野に特化した重機を保有しているため、リース代が要らない
・廃材処分では、同じ処分場を継続的に利用しているため、優遇された料金が適用される
価格で比較すると、圧倒的に安いB社には「何か裏があるんじゃないか」と不安を感じるかもしれません。
しかし、その安さには「専門的なノウハウやスキルを活かして解体費用を削減する」という企業努力が背景にあり、不法投棄などの悪質なコストカットは一切行われていませんでした。
さらに、実際に依頼を受けた工事においては近隣住民からの評判が良好でした。
そのため、斉藤さんは費用が安く、信頼できるB社に解体工事を依頼することに決めました。
実際の解体工事過程
解体工事の期間は、1/15から1/30までの約2週間です。
養生シートを張って周囲への騒音やホコリの飛散を防ぎます。
許可証を見やすい場所に掲示します。
重機で解体します。
きれいな更地に仕上がりました。
今回のように解体工事後すぐに新築工事が決まっている場合、最後の「整地」が特に重要なんだよ。整地がきちんとできていないと、解体工事後にやり直しが必要になることもあるからね。
え!そうなの!?工事完了後には、現場でしっかり確認した方が良さそうだね!
【まとめ】今回の解体工事のポイント
今回の解体工事事例のポイントは、「解体工事を分離発注して費用を節約したこと」「近隣住民にも配慮してくれる解体業者を選んだこと」でした。
中野さんのおかげで、新築の際の解体について気を付けるべきことが分かった気がする!
それは良かった!とくに新築工事を控えている場合は、トラブル対策をしてスケジュールを遅らせないように心がけることが大切だよ。
わかった!今日もすごく勉強になったよ!
そう言ってもらえると嬉しいな。もし解体工事で困ることがあれば、いつでも相談してね!解体業界に10年以上携わってきた経験を活かして、一人ひとりに合った解体業者も紹介できるよ。
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