MENU

【専門家監修】50坪の家の解体費用は?実例で見る相場と注意点まとめ

【専門家監修】50坪の家の解体費用は?実例で見る相場と注意点まとめ
なやみん

50坪の家の解体費用って、いくらかかるの?

50坪の家を解体する場合、費用相場は150万円〜690万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく変わるため、正確な費用を知るには解体業者に見積もりを取るのが一番です。

この記事では、実際の見積書をもとに費用の内訳や相場感を解説。あわせて、費用を抑えるコツや工事前の注意点もご紹介します。

3行で分かる!50坪の家解体のポイント
  • 50坪の家の解体費用は150万~690万円が相場。正確な金額は解体業者の見積もりで確認を。
  • 費用を抑えるには、相見積もり・補助金の活用・解体時期の調節・不用品の事前処分・値引き交渉がカギに。
  • トラブルを防ぐには、契約前に工事内容をしっかり確認し、認識のズレをなくすことが大切。
この記事の監修者

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

「解体工事で失敗しない!」完全ガイドの表紙

解体工事で失敗しない!
中野達也監修 完全ガイド

私、中野が監修した全51ページの完全マニュアル&解説動画を、今だけ無料でプレゼント中!

もっと情報を知る
累計5,000名以上がダウンロード済
プライバシーマーク

個人情報は厳重に保護。いつでも解除可能で安心です。

目次

50坪の家の解体費用相場

50坪の家の解体費用相場【構造別に解説】

50坪の家の解体費用は、木造150万〜495万円、軽量鉄骨造230万〜420万円、鉄骨造230万〜590万円、RC造310万〜690万円が目安です。

建物の構造解体費用総額
木造150万円~495万円
軽量鉄骨造230万円~420万円
鉄骨造230万円~590万円
RC造310万円~690万円

ただし、この金額はあくまで「総額」の相場です。実際の費用の中身をより正確に把握するためには、「建物本体の解体費用(=本体工事費)」「ブロック塀や庭木などの付帯物の解体費用(=付帯工事費)」「諸経費」に分けて考えることが大切です。

本体工事費の相場

まずは、本体工事費の相場から見ていきましょう。解体費用全体の約77%を占める、最も大きな部分です。建物の構造ごとに相場が異なるため、ご自宅に近いタイプを確認することで、より具体的な費用感がつかめます。

木造住宅

平均坪単価
3万3,146円/坪

50坪の木造住宅なら、本体工事費の相場は「1坪あたり3万3,146円」です。これを坪数に当てはめると、次の通りです。

費用相場【坪数別】
坪数費用相場
50坪165万7,300円
51坪169万446円
52坪172万3,592円
53坪175万6,738円
54坪178万9,884円
55坪182万3,030円
56坪185万6,176円
57坪188万9,322円
58坪192万2,468円
59坪195万5,614円

ただし、本体工事費は建物の階数地域などの条件によっても金額が変わるので、その点に注意が必要です。

階数別

50坪の木造住宅の場合、本体工事費は「1階建て(平屋)< 2階建て < 3階建て」の順番で高くなる傾向があります。

平均坪単価【階数別】
階数平均坪単価
1階(平屋)建て3万1,273円
2階建て3万3,052円
3階建て4万1,642円

地域別

50坪の木造住宅の場合、本体工事費は「関東」や「関西」といった都心部では、やや高くなる傾向があります。

平均坪単価【地域別】
地域平均坪単価
北海道・東北3万3,337円
関東3万4,670円
中部3万639円
関西3万4,777円
中国・四国3万2,240円
九州・沖縄2万8,396円
古い家=解体費用が高い」は間違い!

木造住宅というと、古くて年季の入った家をイメージする方も多いかもしれませんが、「家が古い」という理由だけで解体費用が高くなることは、実はほとんどありません。

ただし、家の老朽化や構造の特殊性によって、間接的に解体費用が高くなるケースはあるため注意が必要です。

▼家が古くて解体費用が高くなる場合

老朽化による手作業が増加する
劣化が激しいと重機が使えず、手作業が増えて人件費がかさむため、解体費用が高くなります。

建物構造が特殊である
昔の木造建築では太い梁や柱が使われていることがあり、解体に時間と手間がかかる分、解体費用が高くなります。

軽量鉄骨造住宅

平均坪単価
3万8,928円/坪

50坪の軽量鉄骨造住宅なら、本体工事費の相場は「1坪あたり3万8,928円」です。これを坪数に当てはめると、次の通りです。

費用相場【坪数別】
坪数費用相場
50坪194万6,400円
51坪198万5,328円
52坪202万4,256円
53坪206万3,184円
54坪210万2,112円
55坪214万1,040円
56坪217万9,968円
57坪221万8,896円
58坪225万7,824円
59坪229万6,752円

ただし、本体工事費は建物の階数地域などの条件によっても金額が変わるので、その点に注意が必要です。

階数別

50坪の軽量鉄骨造住宅の場合、本体工事費は「3階建て < 1階建て(平屋)< 2階建て」の順番で高くなる傾向があります。

平均坪単価【階数別】
階数平均坪単価
1階(平屋)建て3万9,125円
2階建て3万9,236円
3階建て3万5,154円

地域別

50坪の軽量鉄骨造住宅の場合、本体工事費は「関東」や「関西」といった地域で高くなる傾向があります。

平均坪単価【地域別】
地域平均坪単価
北海道・東北3万5,276円
関東4万1,235円
中部3万1,469円
関西4万447円
中国・四国3万9,125円
九州・沖縄

鉄骨造住宅

平均坪単価
5万1,507円/坪

50坪の鉄骨造住宅なら、本体工事費の相場は「1坪あたり5万1,507円」です。これを坪数に当てはめると、次の通りです。

費用相場【坪数別】
坪数費用相場
50坪257万5,350円
51坪262万6,857円
52坪267万8,364円
53坪272万9,871円
54坪278万1,378円
55坪283万2,885円
56坪288万4,392円
57坪293万5,899円
58坪298万7,406円
59坪303万8,913円

ただし、本体工事費は建物の階数地域などの条件によっても金額が変わるので、その点に注意が必要です。

階数別

50坪の鉄骨造住宅の場合、本体工事費は「1階建て(平屋)< 2階建て < 3階建て」の順番で高くなる傾向があります。

平均坪単価【階数別】
階数平均坪単価
1階(平屋)建て2万6.276円
2階建て4万4,710円
3階建て6万803円

地域別

50坪の鉄骨造住宅の場合、本体工事費は「関西」や「九州・沖縄」といった地域で高くなる傾向があります。

平均坪単価【地域別】
地域平均坪単価
北海道・東北
関東3万8,604円
中部3万8,604円
関西5万1,599円
中国・四国
九州・沖縄4万6,501円

RC(鉄筋コンクリート)造住宅

平均坪単価
6万8,543円/坪

50坪のRC造住宅なら、本体工事費の相場は「1坪あたり6万8,543円」です。これを坪数に当てはめると、次の通りです。

▼費用相場【坪数別】
坪数費用相場
50坪342万7,150円
51坪349万5,693円
52坪356万4,236円
53坪363万2,779円
54坪370万1,322円
55坪376万9,865円
56坪383万8,408円
57坪390万6,951円
58坪397万5,494円
59坪404万4,037円

ただし、本体工事費は建物の階数地域などの条件によっても金額が変わるので、その点に注意が必要です。

階数別

50坪のRC造住宅の場合、本体工事費は「2階建て < 3階建て」の順番で高くなる傾向があります。

平均坪単価【階数別】
階数平均坪単価
1階(平屋)建て
2階建て6万3,330円
3階建て7万4,385円

地域別

50坪のRC造住宅の場合、本体工事費は「関東」や「関西」といった都心部で高くなる傾向があります。

平均坪単価【地域別】
地域平均坪単価
北海道・東北
関東7万8,739円
中部4万5,813円
関西5万8,872円
中国・四国
九州・沖縄

付帯工事費の相場

建物本体の解体に加え、庭や敷地内にあるブロック塀や庭木などの「付帯物」を撤去する場合は、別途費用がかかります。この「付帯工事費」は、解体費用全体の約16%を占めるのが一般的です。

付帯工事内容単価/単位
残置物の撤去費1万2,000円~/m3
庭木の撤去費1万2,000円~/m3
庭石の撤去費1万2,000円~/m3
土間の撤去費2,500円~/m2
ブロック塀の撤去費2,500円~/m2
物置の撤去費2万円~/ケ
カーポートの撤去費2万円~/式
太陽熱パネルの撤去費3万円~/式
ウッドデッキの撤去費4万円~/式
井戸の埋め戻し5万円~/式
コンクリート製の浄化槽の撤去費5万円~/基
FRP製(繊維強化プラスチック)浄化槽の撤去費2万円~5万円/基
付帯工事内容単価/単位
残置物の撤去費1万2,000円~/m3
庭木の撤去費1万2,000円~/m3
庭石の撤去費1万2,000円~/m3
土間の撤去費2,500円~/m2
ブロック塀の撤去費2,500円~/m2
物置の撤去費2万円~/ケ
カーポートの撤去費2万円~/式
太陽熱パネルの撤去費3万円~/式
ウッドデッキの撤去費4万円~/式
井戸の埋め戻し5万円~/式
コンクリート製の浄化槽の撤去費5万円~/基
FRP製(繊維強化プラスチック)浄化槽の撤去費2万円~5万円/基

諸経費の相場

解体費用には、「本体工事費」や「付帯工事費」のほかに、「諸経費」と呼ばれる雑費も含まれます。この諸経費は、全体の費用の約7%を占めるのが一般的です。

ただし、解体費用は現場ごとに大きく異なります。というのも、「壊しやすさ」がそれぞれの現場でまったく異なるためです。

◎費用が安くなりやすい場合

  • 木造や軽量鉄骨造など、建物の構造がシンプル
  • 家の前の道路が広く作業しやすい
  • 現場周辺の人通りが少ない
  • 解体するのが建物本体だけ など

費用が高くなりやすい場合

  • 鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造など、建物の構造が頑丈
  • 前面道路が狭く、重機やトラックが入りにくい
  • 学校(通学路)や商店街、病院などが近い
  • ブロック塀・庭木・倉庫など、付帯物の撤去も含まれる など
解体工事の専門家 中野達也

正確な金額を知るには、解体業者による現地調査と見積もりが欠かせません。

【ご注意】
・解体費用相場は『中野達也のスッキリ解体』(運営:『あんしん解体業者認定協会』)の解体工事データから独自に集計したものです。実際の価格帯とは異なる場合があります。
・解体費用相場は2025年3月時点のデータです。実際の価格帯とは異なる場合があります。
・※「ー」は、情報が少なく相場を算出できなかった地域・坪数を示しています。今後、新たなデータが集まり次第、随時更新予定です。

50坪の家の解体費用内訳

50坪の家の解体費用内訳

50坪の家の解体費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つに分けられます。

本体工事費

本体工事費は、建物自体を解体するためにかかる費用です。

本体工事費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 解体作業費
    建物を取り壊すためにかかる人件費で、本体工事費の約30%を占めます。
  • 廃材の運搬処理費
    解体で発生した廃材の処理にかかる費用で、本体工事費の約25%を占めます。
  • 仮設養生費
    騒音や粉塵対策として建物を覆うシートの設置費用で、本体工事費の約10%を占めます。
  • 機械器具および燃料費
    重機のリース・燃料費・回送費などで、本体工事費の約10%を占めます。ただし、重機は業者が自社保有していないこともあるため、コストがかさむ場合もあります。
  • 解体業者の利益
    会社の運営に必要な利益で、各費用に少しずつ上乗せされる形で含まれます。本体工事費の約20~30%を占めます。
解体工事の専門家 中野達也

とくに「解体作業費」「廃材の運搬処分費」は、坪数・構造・工期・立地などによって大きく変動します。見積もり時には、解体業者に「なぜその金額設定になったのか」の確認が重要です。

付帯工事費

付帯工事費とは、建物の解体以外で必要な作業にかかる費用です。

付帯工事費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 残置物の撤去費
    建物内に残っている家具・家電・生活用品などを処分する費用です。
  • ブロック塀・門扉・フェンスの撤去費
    敷地内のブロック塀や門扉を取り壊し、撤去する費用です。
  • 庭木・庭石・植栽の撤去費
    庭に植えられている草木や、大きな庭石を処分するための費用です。
  • 地中埋設物の撤去費
    土地に埋まっている浄化槽・井戸・古い基礎などの撤去費用です。
  • アスベスト除去費
    建物に含まれる有害物質である「アスベスト」を、安全な方法で撤去するための費用です。アスベストの除去には、専門的な対応が必要となります。
  • 地下室・地下車庫の撤去費
    地下構造を解体し、埋め戻しを行うための費用です。
  • 倉庫・物置・納屋の撤去費
    敷地内にある倉庫や物置、納屋を解体・撤去する費用です。
  • 駐車場・ガレージ・カーポートの撤去費
    敷地内にある駐車場やガレージ、カーポートを解体・撤去する費用です。
解体工事の専門家 中野達也

付帯工事費は表でご紹介した項目以外にも多くあります。また、敷地内の設備や状況は家ごとに大きく異なるため、付帯工事の内容や費用も現場ごとに変わることをぜひ覚えておきましょう。

諸経費

諸経費とは、本体工事費・付帯工事費に含まれない雑多な費用です。

諸経費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • マニフェストの発行費・管理費
    マニフェストは、解体工事で出た廃材がきちんと処分されたことを証明するための大事な書類です。法律で発行と管理が義務づけられているため、その手続きにかかる費用が、見積もりに含まれることがあります。
  • 現場管理費
    解体工事全体の進行管理や安全管理、作業員の手配などにかかる費用です。
  • 保険費
    解体工事中に隣家の壁やフェンスを傷つけてしまった場合などに備えて、業者が加入している保険の費用です。
  • 近隣対応費
    近隣住民への事前挨拶やトラブル防止のための費用(粗品や説明資料の準備などを含む)です。
  • 各種申請費
    契約書の作成や許可申請、各種書類の管理にかかる費用です。

実際の見積書をチェック

それでは、過去に提出された2つの見積書をご紹介します。

見積書A【宇都宮市にある50坪の木造平屋建て住宅】

見積書B【宇都宮市にある50坪の木造平屋建て住宅】

本体工事費:153万7,200円
付帯工事費:3万2,800円
諸経費:10万円
消費税:13万3,600円
総額は税込180万3,600円です

見積書B【名古屋市にある52坪の木造2階建て住宅】

見積書A【名古屋市にある52坪の木造2階建て住宅】

本体工事費:132万2,000円
付帯工事費:4万3,700円
諸経費:9万円
値引き:5万5,700円
消費税:13万3,600円
→総額は税込151万2,000円です。

解体工事の見積書には、人件費や整地費が記載されていないことがあります。なぜなら、見積書の記載方法は解体業者ごとに異なり、また解体業者側のミスで必要な項目が漏れていることもあるからです。事前に確認することで、不要な追加費用の発生を防ぎ、正確な費用を把握できます。

「解体工事で失敗しない!」完全ガイドの表紙

解体工事で失敗しない!
中野達也監修 完全ガイド

私、中野が監修した全51ページの完全マニュアル&解説動画を、今だけ無料でプレゼント中!

もっと情報を知る
累計5,000名以上がダウンロード済
プライバシーマーク

個人情報は厳重に保護。いつでも解除可能で安心です。

50坪の家の解体費用を安く抑える5つの方法

50坪の家の解体費用を安く抑える5つの方法

複数業者から見積もりを取る

家の解体時は、2~3社以上の解体業者から見積もりを取り、比較することをオススメします。費用の相場がつかめるうえ、信頼できる業者を選びやすくなります。

ただ、自分で何社も見積もりを取るのは手間がかかります。そんなときは「無料一括見積サービス」が便利です。これは、厳しい審査をクリアした優良業者から一括で見積もりを取れるサービスで、効率よく安心して比較検討ができます。

なお、次の記事では、実際に約50坪の木造住宅を相見積もりして、50万2,000円の費用節約に成功した実例をご紹介しています。

解体時期を調整する

解体業界の繁忙期を閑散期

解体費用は、工事を行う時期やタイミングによって変動します。とくに、年末年始や年度末、引っ越しシーズンなどの繁忙期(12月~3月)は需要が集中するため、人件費や資材費が高くなり、それに伴い解体費用も割高になる傾向があります。

一方、閑散期(4月~9月)に工事を計画したり、解体業者の都合に合わせて柔軟に日程を調整したりすることで、解体費用を抑えられる場合があります。

解体工事の専門家 中野達也

解体工事は半年から1年ほど前に依頼することで、通常の依頼よりも値引きが期待できるため、早めに準備を進めることが大切です。

補助金制度を活用する

解体工事には、国や自治体の補助金制度を使える場合があります。条件に当てはまれば、数十万円の補助が受けられることも。たとえば、次のようなケースでは補助対象になる可能性があります。

まずは、お住まいの地域で利用できる制度があるかを調べてみましょう。ネットで検索する際には、「○○市 空き家 補助金」や「○○市 危険ブロック塀 補助金」など、市町村名を入れて検索すると情報を見つけやすくなります。

申請方法や必要書類などの調べ方

補助金の詳しい内容は、お住まいの自治体の公式サイトで確認できます。多くの場合、「補助金要綱」という資料に、申請方法や必要書類、対象となる工事内容、支給額などがまとめられています。

ただし要綱が公開されていなかったり、情報が分かりにくかったりする場合もあるので、不明点があれば自治体に直接問い合わせてみるのが確実です。一般的に市役所や区役所の「まちづくり課」「市街地整備課」「建築課」などが担当窓口です。

解体工事の専門家 中野達也

補助金を申請する際は、書類の不備準備の遅れで申請が通らなかったり、抽選枠が埋まってしまうこともあります。そのため、早めの行動と丁寧な準備が大切です。

不用品は「回収しやすい形」に整えておく

不用品の処分費は解体業者や地域によって差がありますが、一般的には 1m3あたり1万2,000円〜が相場です。たとえば、30坪ほどの家では、5万〜10万円ほどの処分費がかかることも珍しくありません。

そのため、事前に不用品を自分で片付けておくことで、解体費用を大きく節約できます。不用品の処分先は、下の表を参考にしながら、計画的に進めていきましょう。

スクロールできます
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ基本的に無料(売却で収益発生)フリマアプリやリサイクルショップ
パソコンノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ 基本的に無料家電量販店やメーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス、布団、机数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ
不燃ゴミ
資源ゴミ
基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン
洗濯機
冷蔵庫
テレビ
基本的に無料
(売却で収益発生)
フリマアプリ
リサイクルショップ
パソコン本体
液晶ディスプレイ
基本的に無料家電量販店
メーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス
布団
数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収

不用品を片付けるときは、食器・衣類・プラごみなどの細かいモノを先にご自身で捨てておくと、解体業者による分別の手間が減って人件費が抑えられます。

また、木造の家なら木製の家具(棚など)は中身だけ出して残しておくと建物と一緒に解体してもらえる場合があり、処分費の節約につながります。

解体業者に値引き交渉する

見積もりを取ったら、値引き交渉も検討しましょう。交渉を成功させるポイントは次の2つです。

  1. 他社の安い見積書を提示する
    「他社では○○万円でした」と伝えることで、値引きに応じてもらいやすくなります。
  2. 自分が協力できる条件を提示する
    例えば、解体費用の一部を先に支払う、工事の時期を解体業者の都合に合わせるなど、解体業者の負担を減らす提案をすると交渉がスムーズです。

複数の解体業者に同時に値引き交渉を行うことは避けましょう。値引き交渉をしたにもかかわらず、最終的に依頼しなかった場合、業者から不誠実と受け取られ、信頼関係を損なう可能性があります。

解体工事の専門家 中野達也

適切な交渉を行うためにも、依頼先を決めたうえで値引き交渉を進めることが重要です。

解体工事で損をしないための注意点

解体工事で損をしないためのポイント

アスベストの有無を確認する

家の解体工事を行う前には、有害物質「アスベスト」の事前調査が原則として義務付けられています。専門の有資格者による調査を受けることで、安全かつスムーズに解体を進めることができます。

とくに、2006年以前に建てられた建物にはアスベストが使用されている可能性が高いため、注意が必要です。アスベストは、吸い込むと健康被害を引き起こす危険性があるため、適切な調査と処理が欠かせません。

事前に確認をせずに工事を始めてしまうと、作業員の健康リスクや法令違反につながる恐れがあるだけでなく、途中でアスベストが見つかった場合には、数十万円の追加費用が発生することもあります。

近隣への配慮を怠らない

50坪のような大きな家の解体工事では、工期が長くなる分、近隣トラブルのリスクも高まります。騒音・粉じん・交通の混雑などで苦情が入ると、行政が介入し、工期の遅れ追加費用、最悪の場合は工事中断につながることもあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、次の4つの対策をしっかり行ってくれる解体業者を選ぶのがポイントです。

  • 事前挨拶
    工事前に近隣へ挨拶に行き、工事内容やスケジュール、騒音・粉じんの影響を説明して理解を得ます。
  • 騒音対策
    作業時間を守り、防音シートを使うなどして騒音をできるだけ抑えます。
  • 粉塵対策
    水まきや養生シートを使って粉じんの飛散を防ぎ、近隣の健康被害を防止します。
  • 交通対策
    工事車両の出入りルートや駐車場所を事前に決め、交通渋滞や迷惑駐車を避けます。
解体工事の専門家 中野達也

解体業者を選定する際は、「金銭面」だけでなく、「対応面」にも問題がないか確認することで、最終的にムダな追加費用の発生を防げます。

工事内容を明確にする

解体業者との認識のズレによるトラブルを防ぐためには、工事内容を事前に細かく確認しておくことが重要です。施工範囲や見積もりの内容はもちろんのこと、支払条件や工期などについても、あらかじめ確認しておきましょう。

支払条件を確認する

解体費用の支払い方法やタイミングは解体業者によって異なりますが、多くの場合は次のようなパターンに分けられます。

支払方法・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
支払いのタイミング・工事開始前(着手金)
・工事途中(中間金)
・工事完了後(完工金)
※一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
支払方法・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
支払いのタイミング・工事開始前(着手金)
・工事途中(中間金)
・工事完了後(完工金)
※一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
解体工事の専門家 中野達也

着手金の相場は解体費用の約30〜50%です。ただ、これより極端に高い場合は要注意。中には、着手金を受け取って連絡が取れなくなる悪質な業者や、資金繰りが厳しい業者も存在します。

工期を確認する

とくに、解体のあとに新築や外構工事を控えている場合は、工事の開始日終了日を事前に確認しておくことが大切です。50坪の家を解体する場合、一般的な工期の目安は次の通りです。

  • 木造:2~4週間程度
  • 軽量鉄骨造:2〜6週間程度
  • 鉄骨造:3~8週間程度
  • RC造:4~8週間程度
解体工事の専門家 中野達也

工期は、同じ広さや建物の構造でも、立地基礎の造りによって変動します。たとえば、道が狭く重機が入れない現場では手作業が必要となり、目安の工期より日数がかかることがあります。

解体工事は天候不良や予想外の追加作業によって、予定より工期が延びることもあります。万が一延びた場合の対応についても、事前に業者へ確認しておくと安心です。多くは契約書に記載されているので、内容をしっかり確認しておきましょう。

解体後に「建物滅失登記」を行う

解体工事が終わったら、基本的に1ヶ月以内に「建物滅失登記」を行い、建物がなくなったことを法務局に届け出る必要があります。もしこの手続きを忘れると、税金を多く請求されたり10万円以下の罰金が科されることもあります。さらに、土地の売却や建て替えなどのスケジュールにも影響が出る可能性があるので注意が必要です。

申請は法務局の窓口に行く方法と、オンラインで行う方法があります。手続きに不安があれば、土地家屋調査士に代行を依頼することもできます。

50坪の家の解体費用に関するよくある質問

50坪の家の整地費はいくら?

整地費は整地の方法によって異なり、整地方法は土地の活用方法によって変わります。代表的な整地方法は次の通りです。

代表的な整地方法
整地の種類土地の活用方法50坪あたりの単価
粗(そ)整地未定0円
砕石(さいせき)整地駐車場33万578円~82万6,445円
真砂土(まさど・まさつち)整地土地売却57万8,511円~66万1,156円
代表的な整地方法
整地の種類土地の活用方法50坪あたりの単価
粗(そ)整地未定0円
砕石(さいせき)
整地
駐車場33万578円~
82万6,445円
真砂土(まさど・
まさつち)整地
土地売却57万8,511円~
66万1,156円

粗整地は解体工事の一環として最低限必要とされるため、追加費用がかからないケースが一般的です。

解体工事の見積もりで追加費用が発生するケースは?

解体工事の見積もりで追加費用が発生するケースは、主に次の3つが挙げられます。

  • 見積もり時には把握できなかった地中埋設物やアスベストなどが発見される
  • 解体工事中に予期せぬトラブルが発生し、追加の作業が必要になる
  • 契約後に依頼内容が変更される

とくに地中埋設物は現地調査をしても工事前には発見が難しいケースが多く、追加費用がかかってしまうのはある程度仕方のないこととも言えます。そのため、「追加費用が発生する条件」「費用の目安」「発生した際の解体業者の対応」などを事前に取り決めておくことで、後からトラブルになるのを防げます。

【まとめ】50坪の家の解体費用

【まとめ】50坪の家の解体費用

50坪の家を解体する際の費用は、150万円〜690万円と幅広く、建物の構造や立地、残置物の有無、地中埋設物の状況などによって大きく変わります。だからこそ、「何にいくらかかるのか」をしっかり把握し、後悔のない選択をすることが大切です。

次の5つのポイントを押さえて、安心して解体工事を進めましょう。

1. 解体費用の相場を知り、事前にイメージを持つ

木造・軽量鉄骨造・鉄骨造・RC造で費用は大きく異なります。おおまかな相場を知ったうえで、自分の家に当てはめておおよその予算感をつかみましょう。

2. 見積もりは必ず2〜3社以上で比較

同じ50坪でも解体業者によって見積もりは大きく異なります。費用だけでなく、説明の丁寧さや対応力、信頼性にも注目しましょう。また、値引き交渉をしたり、工事の依頼時期をずらしたりすることで、さらに費用を抑えられる可能性があります。

3. 補助金の活用を検討する

自治体によっては、老朽家屋の解体や危険ブロック塀の除去に補助が出ることも。「○○市 解体 補助金」などで検索し、条件に合うものがあれば活用を。

4. 不用品の処分に注意

家具や家電などの残置物が多いと、その分の処分に手間がかかり、全体の費用が膨らんでしまうことがあります。できるだけ事前に片付けておくことで、スムーズかつコストを抑えた工事が可能になります。

5. 契約前に工事内容をしっかり確認する

「どこまで壊すのか」「整地の範囲は?」「近隣への対応は?」など、あいまいな部分を残したまま契約するとトラブルになりがちです。契約前にしっかり確認・相談しておきましょう。

解体工事の専門家 中野達也

50坪の解体は、金額も工事の手間も決して小さくありません。だからこそ、「よく分からないまま進める」のではなく、「確認・比較・相談」を重ねて納得のいく解体を目指しましょう。

この記事の監修者

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

「解体工事で失敗しない!」完全ガイドの表紙

解体工事で失敗しない!
中野達也監修 完全ガイド

私、中野が監修した全51ページの完全マニュアル&解説動画を、今だけ無料でプレゼント中!

もっと情報を知る
累計5,000名以上がダウンロード済
プライバシーマーク

個人情報は厳重に保護。いつでも解除可能で安心です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「中野達也のスッキリ解体」専属ライターとして活動する解体工事の専門家。「解体工事の初心者にもわかりやすく」をモットーに、役立つ情報を発信・提供している。趣味は映画鑑賞。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次