解体工事は人生で何度も経験するものではありません。とくに、家の平均サイズが30坪とされる中で、50坪のような比較的大きな家の場合、解体費用や解体業者選びに不安を感じる方も多いでしょう。
でも、安心してください。この記事では50坪の家の解体費用に焦点を当て、相場や内訳、費用を抑える方法、注意点など、解体工事で失敗しないために知っておくべきポイントを、専門家の視点からわかりやすく解説します。
・建物構造ごとに「坪数・階数・エリア別の解体費用相場」が分かる
・見積内容を把握し、「解体業者ごとに金額が違う理由」が理解できるようになる
・契約前の確認が必須!「余計な追加費用の発生を防ぐ方法」を把握できる
・「信頼できる解体業者を選ぶ際のポイント」が丸わかり

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。
50坪の家の解体費用相場【構造別に解説】

建物本体の解体費用は様々な要因で変動しますが、中でも「建物構造」は解体費用を大きく左右する重要な要素です。ここでは、建物構造別の解体費用相場を分かりやすく紹介します。

そもそも相場が分からないから、解体業者に見積りを依頼するのも不安だなぁ……50坪の家を解体するのに、実際どのくらいかかるんだろう?



過去の施工事例を参考にすると、50坪の平均相場は木造は165万7,300円、軽量鉄骨造は209万7,512円、鉄骨造は273万3,800円、鉄筋コンクリート造は374万5,783円だよ。
▼50坪の家の解体費用 | |||
---|---|---|---|
建物構造 | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
木造 | 3万3,146円 | 165万7,300円 | |
軽量鉄骨造 | 3万8,928円 | 194万6,400円 | |
鉄骨造 | 5万1,507円 | 257万5,350円 | |
鉄筋コンクリート造 | 6万8,543円 | 342万7,150円 |
「建物構造の確認方法」
建物構造は、建築確認申請書・登記簿謄本(全部事項証明書)・検査済証・確認済証・重要な事項説明書などで確認できます。これらの書類が手元にない場合は、物件を購入した施工業者や販売業者に問い合わせてみましょう。
▼書類に記載されている建物構造の略称 | |||
---|---|---|---|
建物構造 | 略称 | ||
木造 | W造 | ||
軽量鉄骨造 | LS造 | ||
鉄骨造 | S造 | ||
鉄筋コンクリート造 | RC造 |
それでは、建物構造ごとに坪数・階数・エリア別の解体費用相場を詳しく見ていきましょう。
木造住宅の解体費用相場


▼50坪の木造住宅の解体費用 | |||
---|---|---|---|
平均坪単価 | 解体費用相場 | ||
3万3,146円 | 165万7,300円 | ||
50坪の木造住宅の平均坪単価は3万3,146円で、解体費用相場は165万7,300円です。木造は他の構造と比べて解体作業の手間が少ないため、比較的に解体費用を抑えられる傾向があります。
木造 < 軽量鉄骨造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート造
それでは、50坪の木造住宅の解体費用相場を坪数・階数・エリア別に確認していきましょう。
坪数別
▼木造住宅の解体費用【坪数別】 | |
---|---|
坪数 | 解体費用相場 |
50坪 | 165万7,300円 |
51坪 | 169万446円 |
52坪 | 172万3,592円 |
53坪 | 175万6,738円 |
54坪 | 178万9,884円 |
55坪 | 182万3,030円 |
56坪 | 185万6,176円 |
57坪 | 188万9,322円 |
58坪 | 192万2,468円 |
59坪 | 195円5,614円 |
階数別
▼50坪の木造住宅の解体費用【階数別】 | |||
---|---|---|---|
階数 | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
1階(平屋) | 3万1,273円 | 156万3,650円 | |
2階 | 3万3,052円 | 165万2,600円 | |
3階 | 4万1,642円 | 208万2,100円 |
エリア別
▼50坪の木造住宅の解体費用【エリア別】 | |||
---|---|---|---|
エリア | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
北海道・東北 | 3万3,124円 | 177万9,149円 | |
関東 | 3万4,573円 | 184万7,444円 | |
中部 | 3万0,642円 | 163万8,255円 | |
関西 | 3万4,718円 | 186万5,245円 | |
中国・四国 | 3万2,109円 | 173万1,405円 | |
九州・沖縄 | 2万8,396円 | 151万5,018円 |
築年数と解体費用の関係性は低い



木造住宅って、なんとなく古い家が多いイメージだよね!築年数が解体費用に影響することってあるの??



実は、築年数自体が解体費用に大きく影響することは少ないんだ。でも、築年数が経っていると間接的に費用が高くなることはあるよ。その理由を紹介するね!
- ▼築年数が経っていることが原因で解体費用が高くなる場合
-
老朽化による手作業が増加する
劣化が激しいと重機が使えず、手作業が増えて人件費がかさむため、解体費用が高くなります。建物構造が特殊
昔の木造建築では太い梁や柱が使われていることがあり、解体に時間と手間がかかる分、解体費用が高くなります。
軽量鉄骨造住宅の解体費用相場


▼50坪の軽量鉄骨造住宅の解体費用 | |||
---|---|---|---|
平均坪単価 | 解体費用相場 | ||
3万8,928円 | 194万6,400円 | ||
50坪の軽量鉄骨造住宅の平均坪単価は3万8,928円で、解体費用相場は194万6,400円です。軽量鉄骨造の解体費用は、木造よりやや高めですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりは低めに設定されることが一般的です。
木造 < 軽量鉄骨造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート造
その理由は、主に以下の5つです。
- ▼鉄骨造の解体費用が木造より高く、鉄骨造や鉄筋コンクリート造より安い理由
-
・木造よりも頑丈な「厚さ6mm未満の鋼材」を使用しているため、、作業工程が多くなる
・廃材の分別に手間がかかる上、処分費が高い
・重機には軽量鉄骨専用のアタッチメントが必要
・特殊な基礎構造が使われていることが多く、その場合の解体作業に手間がかかる
・特殊な外壁材が使用されていることが多く、その場合の処分費が高くなる
それでは、50坪の軽量鉄骨造住宅の解体費用相場を坪数・階数・エリア別に確認していきましょう。
坪数別
▼軽量鉄骨造住宅の解体費用【坪数別】 | |
---|---|
坪数 | 解体費用相場 |
50坪 | 194万6,400円 |
51坪 | 198万5,328円 |
52坪 | 202万4,256円 |
53坪 | 206万3,184円 |
54坪 | 210万2,112円 |
55坪 | 214万1,040円 |
56坪 | 217万9,968円 |
57坪 | 221万8,896円 |
58坪 | 225万7,824円 |
59坪 | 229万6,752円 |
階数別
▼50坪の軽量鉄骨造住宅の解体費用【階数別】 | |||
---|---|---|---|
階数 | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
1階(平屋) | 3万9,125円 | 195万6,250円 | |
2階 | 3万9,236円 | 196万1,800円 | |
3階 | 3万5,154円 | 175万7,700円 |
エリア別
▼50坪の軽量鉄骨造住宅の解体費用【エリア別】 | |||
---|---|---|---|
エリア | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
北海道・東北 | 3万5,276円 | 176万3,800円 | |
関東 | 4万1,235円 | 206万1,750円 | |
中部 | 3万1,469円 | 157万3,450円 | |
関西 | 4万447円 | 202万2,350円 | |
中国・四国 | 3万9,125円 | 195万6,250円 | |
九州・沖縄 | 2万7,005円 | 135万250円 |
鉄骨造住宅の解体費用相場


▼50坪の鉄骨造住宅の解体費用 | |||
---|---|---|---|
平均坪単価 | 解体費用相場 | ||
5万1,507円 | 257万5,350円 | ||
50坪の鉄骨造住宅の平均坪単価は5万1,507円で、解体費用相場は257万5,350円です。鉄骨造の解体費用は、木造や軽量鉄骨造より高めですが、鉄筋コンクリート造よりは低めになる傾向があります。
木造 < 軽量鉄骨造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート造
その理由は、主に以下の5つです。
- ▼鉄骨造の解体費用が木造や軽量鉄骨造より高く、鉄筋コンクリート造より安い理由
-
・木や軽量鉄骨よりも頑丈な「厚さ6mm以上の鋼材」を使用しているため、作業工程が多くなる
・廃材の分別に手間がかかる上、処分費が高い
・重機には鉄骨専用のアタッチメントが必要
・特殊な基礎構造が使われていることが多く、その場合の解体作業に手間がかかる
・特殊な外壁材が使用されていることが多く、その場合の処分費が高くなる
それでは、50坪の鉄骨造住宅の解体費用相場を坪数・階数・エリア別に確認していきましょう。
坪数別
▼鉄骨造住宅の解体費用【坪数別】 | |
---|---|
坪数 | 解体費用相場 |
50坪 | 257万5,350円 |
51坪 | 262万6,857円 |
52坪 | 267万8,364円 |
53坪 | 272万9,871円 |
54坪 | 278万1,378円 |
55坪 | 283万2,885円 |
56坪 | 288万4,392円 |
57坪 | 293万5,899円 |
58坪 | 298万7,406円 |
59坪 | 303万8,913円 |
階数別
▼50坪の鉄骨造住宅の解体費用【階数別】 | |||
---|---|---|---|
階数 | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
1階(平屋) | 2万6.276円 | 131万3,800円 | |
2階 | 4万4,710円 | 223万5,500円 | |
3階 | 6万803円 | 304万150円 |
エリア別
▼50坪の鉄骨造住宅の解体費用【エリア別】 | |||
---|---|---|---|
エリア | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
北海道・東北 | 3万3,549円 | 167万7,7450円 | |
関東 | 5万6,854円 | 284万2,700円 | |
中部 | 4万521円 | 206万6,050円 | |
関西 | 5万338円 | 251万6,900円 | |
中国・四国 | 2万円 | 100万円 | |
九州・沖縄 | 4万6,501円 | 232万5,050円 |
鉄筋コンクリート造住宅の解体費用相場


▼50坪の鉄筋コンクリート造住宅の解体費用 | |||
---|---|---|---|
平均坪単価 | 解体費用相場 | ||
6万8,543円 | 342万7,150円 | ||
50坪の鉄筋コンクリート造住宅の平均坪単価は6万8,543円で、解体費用相場は342万7,150円です。鉄筋コンクリート造の解体費用は、木造や軽量鉄骨造、鉄骨造よりも高くなる傾向があります。
木造 < 軽量鉄骨造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート造
その理由は、主に以下の3つです。
- ▼鉄筋コンクリート造の解体費用が木造や軽量鉄骨造、鉄骨造より高い理由
-
・鉄筋コンクリートは木や鉄よりも頑丈なため、作業工程が多くなる
・家の規模が大きいことが多く、解体に必要な人員や日数が増える
・鉄筋コンクリート造に対応した専用重機が必要で、解体業者が保有していない場合はリース料が発生する
それでは、50坪の鉄筋コンクリート造住宅の解体費用相場を坪数・階数・エリア別に確認していきましょう。
坪数別
▼鉄筋コンクリート造住宅の解体費用【坪数別】 | |
---|---|
坪数 | 解体費用相場 |
50坪 | 342万7,150円 |
51坪 | 349万5,693円 |
52坪 | 356万4,236円 |
53坪 | 363万2,779円 |
54坪 | 370万1,322円 |
55坪 | 376万9,865円 |
56坪 | 383万8,408円 |
57坪 | 390万6,951円 |
58坪 | 397万5,494円 |
59坪 | 404万4,037円 |
階数別
▼50坪の鉄筋コンクリート造住宅の解体費用【階数別】 | |||
---|---|---|---|
階数 | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
1階(平屋) | -円 | -円 | |
2階 | 6万3,330円 | 316万6,500円 | |
3階 | 7万4,385円 | 371万9,250円 |
エリア別
▼50坪の鉄筋コンクリート造住宅の解体費用【エリア別】 | |||
---|---|---|---|
エリア | 平均坪単価 | 解体費用相場 | |
北海道・東北 | 4万4,869円 | 224万3,450円 | |
関東 | 7万9,075円 | 431万5,184円 | |
中部 | 4万5,813円 | 257万7,262円 | |
関西 | 5万8,872円 | 324万1,900円 | |
中国・四国 | 3万3,154円 | 169万860円 | |
九州・沖縄 | 4万4,010円 | 237万6,500円 |



ここまで、建物構造ごとに坪数・階数・エリア別の解体費用相場を紹介してきたよ。



相場がわかって一安心!これなら、実際に解体業者から見積りを取っても、自分で適正価格を見極められそう!



ちょっと待って!実は、ここで紹介したのは「建物本体の解体費用相場」なんだ。解体工事にかかる費用には他にも様々な要素が含まれるから、次は「50坪の家の解体費用内訳」について詳しく解説していくね。
50坪の家の解体費用内訳


50坪の家の解体費用は、主に以下の費用から構成されます。
- ▼50坪の家の解体費用内訳
-
・仮設工事費【解体費用総額の6%程度】
・本体工事費【解体費用総額の64%程度】
・付帯工事費【解体費用総額の14%程度】
・諸経費【解体費用総額の6%程度】
・消費税【解体費用総額の10%】
※解体費用総額に対する各費用の割合は目安です。



ちなみに、前項「50坪の家の解体費用相場【構造別に解説】」でご紹介した解体費用相場は本体工事費の相場です。
では、消費税を除いた4つの費用について詳しく見ていきましょう。
仮設工事費【解体費用総額の6%程度】


仮設工事費は、解体工事を行う前に必要な準備作業にかかる費用です。具体的には、以下の費用が含まれます。
- ▼仮設工事費の具体例
-
足場設置費
解体作業を行う際に、作業員が安全に作業できるように設置する足場の費用。解体工事中に高所作業が発生する場合に必要です。養生費
解体作業中に周囲の建物や地面に傷や汚れがつかないように保護するための費用。養生シートや板などを使って周囲を覆うことがあります。仮設トイレ設置費
解体現場にトイレがない場合、仮設トイレを設置するための費用。電気・水道の仮設費
解体作業で必要な電力や水を一時的に供給するための仮設設備の費用。
本体工事費【解体費用総額の64%程度】


本体工事費は、建物自体を解体するためにかかる費用です。具体的には、以下の費用が含まれます。
- ▼本体工事費の具体例
-
建物本体の解体費
基礎・内装・外装など、建物そのものを取り壊すための費用です。建物構造によって解体方法が異なり、費用も変動します。廃材の運搬・処分費
解体で発生した廃材を現場から搬出し、適切に処分するための費用です。建設リサイクル法に基づき、木材・コンクリート・鉄などを分別しながら処理します。重機使用費
解体作業で使用するバックホー・クレーン・カッターなどの重機をレンタルする際にかかる費用です。人件費(作業費)
解体作業を行う作業員の人件費です。重機オペレーターや手作業での解体を担当する職人の費用が含まれます。整地費
解体後の土地を平らに整えるための費用です。



本体工事費は、建物構造・周辺環境・工事の難易度などによって大きく変動します。見積り時には、解体業者に「なぜその金額設定になったのか」を確認することが重要です。
付帯工事費【解体費用総額の14%程度】


付帯工事費とは、建物の解体以外で必要な作業にかかる費用です。具体的には、以下の費用が含まれます。
- ▼付帯工事費の具体例
-
残置物の撤去費
建物内に残っている家具・家電・生活用品などを処分する費用です。ブロック塀・門扉の撤去費
敷地内のブロック塀や門扉を取り壊し、撤去する費用です。庭木・庭石の撤去費
庭に植えられている木や、大きな庭石を処分するための費用です。地中埋設物の撤去費
土地に埋まっている浄化槽・井戸・古い基礎などの撤去費用です。アスベスト除去費
建物に含まれる有害物質である「アスベスト」を、安全な方法で撤去するための費用です。アスベストの除去には、専門的な対応が必要となります。地下室・地下車庫の撤去費
地下構造を解体し、埋め戻しを行うための費用です。物置の撤去費
敷地内にある物置や倉庫を解体・撤去する費用です。



付帯工事費は、作業範囲によって大きく変動します。たとえば、ブロック塀やフェンスの撤去範囲など、依頼する作業内容が正確かどうかを事前にしっかり確認しておくことが重要です。
諸経費【解体費用総額の6%程度】


諸経費とは、解体作業に直接関係はないものの、工事を実施するために必要な費用です。具体的には、以下の費用が含まれます。
- ▼諸経費の具体例
-
現場管理費
解体工事全体の進行管理や安全管理、作業員の手配などにかかる費用。道路占有許可費用
工事で道路の一部を使用する際に必要な申請や許可取得にかかる費用。重機回送費
解体作業で使用するバックホーやクレーン、カッターなどの重機を現場に運搬するためにかかる費用です。近隣対応費
近隣住民への事前挨拶やトラブル防止のための費用(粗品や説明資料の準備などを含む)。各種申請費
契約書の作成や許可申請、各種書類の管理にかかる費用。
実際の見積書をチェック!


それでは、実際の見積書で解体費用の内訳がどのように記載されているのか、過去に提出された2つの見積書を基に詳しく確認していきましょう。
見積書A【宇都宮市にある50坪の木造平屋建て住宅】


本体工事費:138万6,000円
付帯工事費:3万2,800円
諸経費:10万円
消費税:13万3,600円
→総額は税込180万3,600円です。
以下に、見積書Aに記載された見積項目をまとめました。
▼見積書Aの見積項目一覧 | ||
---|---|---|
見積項目 | 単価 | 金額 |
内装解体工事費(本) | 3,300円 | 54万4,500円 |
駆体解体工事費(本) | 3,600円 | 59万4,000円 |
基礎解体工事費(本) | 1,500円 | 17万2,500円 |
屋根材撤去工事費(本) | 600円 | 7万5,000円 |
土間及びインターロッキング撤去(付) | 600円 | 2万2,800円 |
伐採工事(運搬込み)(付) | ー | 5,000円 |
堀解体(縁切り)(付) | ー | 5,000円 |
養生費(仮) | 900円 | 15万1,200円 |
重機回送費(諸) | 5万円 | 5万円 |
一般諸経費(諸) | 5万円 | 5万円 |
消費税 | ー | 13万3,600円 |
総額(税込み) | ー | 180万3,600円 |
※(仮)は仮設工事費、(本)は本体工事費、(付)は付帯工事費、(諸)は諸経費を指します。
見積書B【名古屋市にある52坪の木造2階建て住宅】


本体工事費:119万6,000円
付帯工事費:4万3,700円
諸経費:9万円
値引き:5万5,700円
消費税:13万3,600円
→総額は税込151万2,000円です。
以下に、見積書Bに記載された見積項目をまとめました。
▼見積書Bの見積項目一覧 | ||
---|---|---|
見積項目 | 単価 | 金額 |
木造2階建建物解体工事(本) | 2万3,000円 | 119万6,000円 |
飛散防止養生シート設置工事 3面(仮) | 700円 | 12万6,000円 |
空地道路側 土間撤去処分費(付) | 4,000円 | 1万5,200円 |
ブロック塀解体撤去処分費(付) | 5,000円 | 2万8,500円 |
重機回送費(諸) | 4万円 | 4万円 |
諸経費(諸) | 5万円 | 5万円 |
値引き | ー | ▲5万5,700円 |
消費税 | ー | 11万2,000円 |
総額(税込み) | ー | 151万2,000円 |
※(仮)は仮設工事費、(本)は本体工事費、(付)は付帯工事費、(諸)は諸経費を指します。



解体工事の見積書って、こんな感じなんだね!でも、思ってたより見積項目が少ない感じがするな!人件費とか整地費とか書いてないし……



よく気づいたね!見積書に必要な項目が記載されていない場合、他の項目に合算されたり、単に漏れていたりすることがあるんだ。
「見積書に関する注意点」
見積書に不明点がある場合は、解体業者に直接確認することが重要です。なぜなら、見積書の記載方法は解体業者ごとに異なり、また解体業者側のミスで必要な項目が漏れていることもあるからです。事前に確認することで、不要な追加費用の発生を防ぎ、正確な費用を把握することができます。
50坪の家の解体費用を安く抑える5つの方法





それにしても、解体費用って高いよね……どうにかして安く抑えられないかな?



解体費用はなるべく節約したいよね。ここでは、50坪の家の解体費用を安く抑えるための5つの方法を紹介するね。
- ▼50坪の家の解体費用を安く抑える5つの方法
-
・複数業者から見積りを取る【解体費用削減の王道手段】
・解体時期を調整する【解体工事を急いでいない方にオススメ】
・補助金制度を活用する【補助金の申請条件に当てはまる方にオススメ】
・不用品を事前に処分する【普段から時間に余裕がある方にオススメ】
・解体業者に値引き交渉する【依頼先が1社に決まっている方にオススメ】
それでは、これらの方法について詳しく解説します。
複数業者から見積りを取る【解体費用削減の王道手段】


複数業者から相見積りを取って比較検討することで、見積金額の幅が広がり、結果的により安い解体業者を見つけやすくなります。
▼弊社の「無料一括見積サービス」をご利用になったお客様の中には、解体費用50万2,000円を節約された方もいらっしゃいます。


しかし、見積金額だけにこだわって解体業者を選ぶと、トラブルが発生するリスクが高くなるため注意が必要です。相見積りを取る際には、解体業者の実績や評判も考慮し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
解体工事は価格の安さだけで依頼する業者を選ぶと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。工事を受注するために安価に引き受けておきながら、後になって不当な追加費用を請求するのは悪徳業者の常套手段だということも知っておきましょう。



でも、自分で複数の解体業者に見積りを依頼するとなると、手間がかかるんじゃない??



確かに、自分で解体業者探しから見積依頼まで行うのは、結構大変だよね。でもそんな時は、「無料一括見積サービス」を使えば、誰でも簡単に相見積りができるよ。



無料一括見積サービス……??



そう!第三者機関が無料で見積代行をしてくれるんだ。しかも、第三者機関によっては、厳しい審査を通った登録業者だけを紹介してくれるから、自分で探すよりも手間が少ないし安心だよ。



それは安心だね!って言いたいところだけど、なんで無料で便利なサービスを提供してもらえるの??後から追加費用とか請求されるんじゃないかって心配だよ……



基本的に、登録業者がサイトの維持費や運営費を負担することで成り立ってるサービスなんだ。だから、お施主様には請求が来ることはないんだよ。



そういう理由があったんだね!それなら納得!!



ちなみに、僕も解体業界に10年以上携わってきた経験を活かして、無料一括見積りに対応してるんだ。優良業者の選定にも力を入れているから、気軽に相談してね!
解体時期を調整する【解体工事を急いでいない方にオススメ】


解体費用は、工事を行う時期やタイミングによって変動することがあります。とくに、年末年始や年度末、引っ越しシーズンなどの繁忙期(12月~3月)は需要が集中するため、人件費や資材費が高くなり、それに伴い解体費用も割高になる傾向があります。一方、閑散期(4月~9月)に工事を計画したり、解体業者の都合に合わせて柔軟に日程を調整したりすることで、解体費用を抑えられる場合があります。





ちちなみに、悪天候の場合は工期に影響しないの?閑散期が4~9月とはいえ、6月は梅雨で雨が続くし、8月は台風が心配だな……



確かに、台風や暴風雨が来ると解体工事を延期や中止せざるを得ないけど、よほど強い雨じゃなければ解体工事は決行されるよ。それに、梅雨時は湿度が高くて埃が舞いにくいから、実は狙い目なんだ。



それは意外だな!じゃあ、天候に関しては思ったより心配しなくても大丈夫そうだね!



そうだね。とにかく、解体工事までの期間に少しでも余裕があるなら、閑散期を狙って解体費用を節約しよう。
「早めの工事依頼は値引きにつながる」
解体工事は半年から1年ほど前に依頼することで、通常の依頼よりも値引きが期待できるため、早めに準備を進めることが大切です。
補助金制度を活用する【補助金の申請条件に当てはまる方にオススメ】


解体工事には、国や自治体が提供する補助金制度を活用できます。補助の内容は地域によって様々で、たとえば老朽化した空き家の解体、ブロック塀の撤去、アスベストの除去などに適用される場合もあります。
- ▼【2025年2月最新】補助金又は助成金制度の例
-
・老朽空き家解体費補助金|愛知県春日井市(最大支給額20万円)
・住宅等不燃化推進事業補助金|神奈川県川崎市(最大支給額100万円)
・ブロック塀等改善工事助成事業|東京都豊島区(撤去費用に対する最大支給額の設定なし)
・アスベスト分析調査費助成|東京都大田区(最大支給額10万円)
補助金制度に申請する際には、事前に申請条件や期日を確認することが重要です。なぜなら、それら遵守しない場合は補助金が交付されないからです。まずは自治体の公式ウェブサイトで「補助金要綱※」を確認し、不明点がある場合は、お住まいの地域の補助金窓口へ問い合わせましょう。一般的に、市役所や区役所の「まちづくり課」「市街地整備課」「建築課」などが担当窓口になります。
以下の表では、愛知県春日井市の補助金制度について詳細にまとめています。一例として、ぜひご参考になさってください。
▼愛知県春日井市の補助金制度の例 | |||
---|---|---|---|
制度名 | 老朽空き家解体費補助金|愛知県春日井市 | ||
概要 | 老朽化して倒壊等のおそれのある空き家の解体を促進し、もって市民生活の安心・安全な住環境を確保するため、空き家を解体する者に対し、予算の範囲内において補助金を交付する。 | ||
支給額 | 「解体費用の3分の2」(最大支給額は20万円) | ||
申請条件 | ・建築後、木造は22年、非木造は47年を経過したもの ・個人が持っているもの ・所有者以外の権利者がいないもの(権利者がいる場合は、所有者以外の権利者からの同意があるもの) ・市から「空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく措置命令を受けていないもの ・同一敷地(同一筆)内に居住者のいる住宅がないもの ・春日井市残置物撤去補助金の交付を受けていないもの など ・市内にある1年以上使用されていないもの(床面積の2分の1以上が居住の用に供されていたもの) | ||
申請方法 | 解体工事の契約前に、申請書に必要書類を添付し、春日井市住宅政策課に提出する。 →申請書類の詳細はこちらをご確認ください。 |
▼愛知県春日井市の補助金制度の例 | ||||
---|---|---|---|---|
制度名 | ||||
老朽空き家解体費補助金|愛知県春日井市 | ||||
概要 | ||||
老朽化して倒壊等のおそれのある空き家の解体を促進し、もって市民生活の安心・安全な住環境を確保するため、空き家を解体する者に対し、予算の範囲内において補助金を交付する。 | ||||
支給額 | ||||
「解体費用の3分の2」(最大支給額は20万円) | ||||
申請条件 | ||||
・建築後、木造は22年、非木造は47年を経過したもの ・個人が持っているもの ・所有者以外の権利者がいないもの(権利者がいる場合は、所有者以外の権利者からの同意があるもの) ・市から「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく措置命令を受けていないもの ・同一敷地(同一筆)内に居住者のいる住宅がないもの ・春日井市残置物撤去補助金の交付を受けていないもの など ・市内にある1年以上使用されていないもの(床面積の2分の1以上が居住の用に供されていたもの) | ||||
申請方法 | ||||
解体工事の契約前に、申請書に必要書類を添付し、春日井市住宅政策課に提出する。 →申請書類の詳細はこちらをご確認ください。 |
「補助金は早期確認・申請が大事」
補助金の申請はお早めに!補助金は予算内で締め切られるため、先着順となっています。また、年度ごとに制度の内容が更新されることがありますので、早期の確認と申請を行いましょう。



ここまで「解体費用を抑える方法」について説明してきたけど、イメージはつかめたかな?



うん、バッチリ!解体工事までの時間があるうちに、できる対策を立ててみるよ!



良いね、その調子!じゃあ次は、解体費用を確保するためのもう一つの方法、「解体費用を調達する方法」について紹介していくね。
不用品を事前に処分する【普段から時間に余裕がある方にオススメ】


解体工事前にお施主様自身で不用品を処分すると、解体費用を抑えられます。なぜなら、お施主様は家庭ゴミとして無料又は低コストで処分できるのに対し、解体業者が処理する場合は一般廃棄物として処理費用が発生するためです。さらに、「一般廃棄物処理業許可※」を持たない解体業者が不用品を回収する場合、許可を持つ業者に処分を委託する必要があり、その際の委託料も費用が高くなる要因となります。



解体業者による不用品処分の費用相場は12,000円~/m3です。
ただし、不用品の量によっては、お施主様自身で処分するのにかなりの時間がかかるため、普段から時間に余裕がない方や、解体現場が自宅から遠い方には不向きな節約方法と言えるでしょう。



過去にトラック5台分(16~20m3)の不用品があった現場があってね。お施主様が毎週末現場に通って不用品を処分してたんだけど、結局処分が終わるまでに4~5ヶ月かかってたよ。



えぇ、そんなに時間がかかるの??それなら不用品の処分は諦めたほうが良いかな……



待って、ちゃんと解決策があるよ! 実は、処分費用って基本的にトラックの出動台数で決まるんだ。だから全部を処分しなくても、トラックの出動台数を減らせる量にさえすれば、その分費用を抑えられるよ!



そうなんだ!それなら気が楽かも!できる範囲で頑張ってみることにするよ!
以下の表は、不用品の量と、それを処分するために必要なトラックの台数の目安をまとめたものです。最終的な不用品の処分量を決定する際には、ぜひご参考になさってください。
▼「不用品の量」と「トラックの出動台数」の目安 | |
---|---|
不用品の量 | トラックの出動台数 |
少ない(~4m3) | 1台 |
平均(~8m3) | 2台 |
多い(~15m3) | 3~4台 |
すごく多い(~25m3) | 5~6台 |
※木造30坪前後の住宅で、想定される家族人数は3~7人とします。
お施主様自身で不用品を処分する場合における具体的な処分方法には、自治体のゴミ回収を利用する、フリマアプリやリサイクルショップで売る、不用品回収業者に依頼するなどがあります。不用品を処分する際には、以下の「不用品の処分方法の例」をご参考になさってください。
▼不用品の処分方法の例 | |||
---|---|---|---|
具体的な品目 | 費用の目安 | 処分方法 | |
日用品 | 燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ | 基本的に無料 | 自治体のゴミ回収 |
家電製品 | エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ | 基本的に無料(売却で収益発生) | フリマアプリやリサイクルショップ |
パソコン | ノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ | 基本的に無料 | 家電量販店やメーカーの回収サービス |
粗大ゴミ | タンス、布団、机 | 数百円~/点 | 自治体の粗大ゴミ回収 |
▼日用品 | ||||
---|---|---|---|---|
具体的な品目 | ||||
燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ | ||||
費用の目安 | ||||
基本的に無料 | ||||
処分方法 | ||||
自治体のゴミ回収 | ||||
▼ 家電製品 | ||||
具体的な品目 | ||||
エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ | ||||
費用の目安 | ||||
基本的に無料(売却で収益発生) | ||||
処分方法 | ||||
フリマアプリやリサイクルショップ | ||||
▼ パソコン | ||||
具体的な品目 | ||||
ノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ | ||||
費用の目安 | ||||
基本的に無料 | ||||
処分方法 | ||||
家電量販店やメーカーの回収サービス | ||||
▼ 粗大ゴミ | ||||
具体的な品目 | ||||
タンス、布団、机 | ||||
費用の目安 | ||||
数百円~/点 | ||||
処分方法 | ||||
自治体の粗大ゴミ回収 |
解体業者に値引き交渉する【依頼先が1社に決まっている方にオススメ】


解体業者と直接交渉することで、見積金額を安くできる可能性が高くなります。具体的には、以下の2つの方法が効果的です。
- ▼値引き交渉に効果的な方法
-
他社の安い見積書を提示する
複数の解体業者から見積もりを取り、費用を比較することで交渉材料になります。「他社では○○円だったのですが……」と伝えると、値引きに応じてもらいやすくなります。自分が協力できる条件を提示する
「解体費用の一部を前払いする」「工事時期を解体業者の都合に合わせる」など、解体業者の負担を軽減できる提案をすることで、値引きに応じてもらいやすくなります。
ただし、無理な値引き交渉をすると、解体業者との関係が悪化し、工事の質や対応に影響を与える可能性があります。そのため、交渉は慎重に進め、双方が納得できる形を目指すことが大切です。
「値引き交渉に関する注意点」
複数の解体業者に同時に値引き交渉を行うことは避けましょう。値引き交渉をしたにもかかわらず、最終的に依頼しなかった場合、業者から不誠実と受け取られ、信頼関係を損なう可能性があります。適切な交渉を行うためにも、依頼先を決めたうえで値引き交渉を進めることが重要です。
解体工事で損をしないためのポイント





解体工事が無事に終わるかちょっと心配だなぁ……近隣トラブルとか、追加費用が発生しそうな気もして!



その気持ち、よく分かるよ。でも大丈夫!今から解体工事に潜むトラブルで「損をしないためのポイント」を分かりやすく説明するから、一緒に確認していこうね。
- ▼解体工事で損をしないための5つのポイント
-
・アスベストの有無を確認する
・地中埋設物の有無を確認する
・近隣への配慮を怠らない
・工事内容を明確にする
・解体後の手続きを把握する
それでは、「解体工事で損をしないための5つのポイント」について詳しく解説していきます。
アスベストの有無を確認する


解体工事を進める前に、「アスベスト※」の有無を確認することは非常に重要です。
アスベストの有無を確認せずに解体工事を進めると、以下の3つのリスクが考えられます。
- ▼アスベストの有無を確認せずに解体工事を進める3つのリスク
-
健康被害を受ける
アスベストを吸い込むことで、肺や呼吸器系に深刻な健康被害を引き起こす恐れがあります。特に解体工事中に粉塵が舞うと、作業員や近隣住民にも悪影響を与える可能性があります。違法工事につながる
アスベストを含む建材を取り扱う際には、専門業者による事前調査と適切な処理が法律で義務付けられています。そのため、アスベスト調査を行わないと違法工事となる可能性があります。追加費用が発生しやすくなる
工事中にアスベストが発見された場合、その除去費用が追加で発生します。事前にアスベスト調査を行わなければ、予期しない追加費用が工事中に発生する可能性が高くなるため注意が必要です。▼アスベスト除去にかかる費用 アスベストの処理面積 除去費用 300m2以下 2万円/m2~8.5万円/m2 300m2~1,000m2 1.5万円/m2~4.5万円/m2 1,000m2以上 1万円/m2~3万円/m2
アスベストの有無を確認するには、建築物石綿含有建材調査者、又は日本アスベスト調査診断協会の登録者に「アスベスト事前調査※」を依頼しましょう。



アスベストの事前調査を行った結果、アスベストが見つかる場合もあります。そのため、万が一発見された際に備えて、事前に解体業者へ「対応方法」や「概算費用」を確認しておくと安心です。
- ▼「アスベストが発見された場合の解体業者の対応」について確認すべき事項
-
・アスベストが発見された場合、その場でお施主様にその旨を報告し、追加作業の実施について許可を取ってもらえること
・アスベストが発見された場合、その場で見積りを再提示してもらえること
・アスベストが発見された場合、その作業前後で現場立ち会いをしてもらえる、もしくは状況を写真で記録してもらえること
「アスベスト除去に必要な資格」
建物にアスベストが使用されていることが確認された場合は、以下の資格を有する専門業者に除去作業を依頼しましょう。
・石綿取扱作業従事者
アスベストを扱うための基本資格で、アスベスト除去作業に従事する全員が取得する必要があります。
・石綿作業主任者
作業現場での安全管理や作業員の指導を行う責任者に必要な資格で、現場に1名以上の選任が義務付けられています。
地中埋設物の有無を確認する


地中には、建物の基礎や浄化槽、井戸などが埋まっていることがあります。その原因は、過去の建設活動に伴う埋め戻しや、地震・豪雨などの自然災害による地盤の変動、不法投棄など様々です。こうした地中埋設物の有無を確認せずに解体工事を進めてしまうと、以下の3つのリスクに直面する可能性があります。
- ▼地中埋設物の調査を行わない場合における3つのリスク
-
新築工事の質が低下する
地中埋設物は、新築時の基礎工事で障害となったり、地盤を不安定にする原因となったりすることがあります。違法工事につながる
地中埋設物が地中埋設物に廃材などが含まれている場合は、「建設リサイクル法」に基づいた適切な処分が求められます。そのため、事前に地中埋設物の有無を確認せず、廃材を地中に残したまま工事を終えると、違法工事と見なされる可能性があります。追加費用が発生しやすくなる
工事中に地中埋設物が発見された場合、その撤去費が追加で発生することがあります。事前に地中埋設物の有無を確認しなければ、予期しない追加費用が発生する可能性が高くなるため注意が必要です。
地中埋設物の調査方法としては、住宅地図などを用いた「地歴調査」や、実際に地面をくり抜く「ボーリング調査」、「レーダー探査」などがあります。敷地内で地中埋設物が確認された場合は、解体業者に地中埋設物の撤去を依頼しましょう。
なお、地中埋設物撤去費は数万円から、場合によっては数十万円かかることもあります。



地中埋設物についてもアスベストと同様に、万が一発見された際に備えて、事前に解体業者へ「対応方法」や「概算費用」を確認しておくと安心です。
- ▼「地中埋設物が発見された場合の解体業者の対応」について確認すべき事項
-
・地中埋設物が発見された場合、その場でお施主様にその旨を報告し、追加作業の実施について許可を取ってもらえること
・地中埋設物が発見された場合、その場で見積りを再提示してもらえること
・地中埋設物が発見された場合、その作業前後で現場立ち会いをしてもらえる、もしくは状況を写真で記録してもらえること
近隣への配慮を怠らない


近隣への配慮を怠ると、騒音や粉じん、交通渋滞などに対する不満から住民から苦情が寄せられ、行政の介入を受ける可能性があります。その結果、工期が遅れたり、最悪の場合は法的なトラブルに発展することもあります。さらに、トラブルが長引けば工事が中断されたり、追加費用が発生する恐れもあります。
近隣トラブルを避けるためには、以下の4つの対策を行っている解体業者を選ぶことが効果的です。
- ▼4つの近隣トラブル対策
-
事前挨拶
工事を始める前に近隣住民に挨拶をして、工事の内容やスケジュール、騒音や粉塵の発生について説明します。事前に理解を得ることで住民の不安を軽減し、協力を得やすくなります。騒音対策
解体工事中は騒音が避けられませんが、作業時間を規定通りに守ったり、防音シートを使用することで、音を最小限に抑えます。作業時間帯や騒音を考慮することで、住民の不満を減らすことができます。粉塵対策
解体作業では粉塵が発生しやすいため、水を撒いたり、養生シートを設置することで、粉塵の飛散を防ぎます。近隣住民に健康被害を与えないよう、配慮が求められます。交通対策
解体工事に伴い、車両の出入りが増えるため、事前に通行ルートや駐車場所を調整しておきます。交通渋滞や駐車場問題が発生しないよう、十分な対策を講じましょう。



解体業者を選定する際は、「金銭面」だけでなく、「対応面」にも問題がないか確認することで、最終的に余計な追加費用の発生を防ぐことができます。
工事内容を明確にする


工事内容を明確することで、解体業者との認識違いを避け、トラブルを未然に防ぐことができます。具体的には、以下の3つの項目が明確になっているかを確認しましょう。
- ▼明確にすべき3つの項目
-
・見積書の内訳
・支払条件
・工期
それでは、これらの項目の詳細を確認する方法について、詳しくご紹介します。
見積書の内訳
見積書の内訳を明確にするには、見積書の抜け漏れがないか、そして各項目の単価が詳細に記載されているかをしっかり確認することが大切です。
- ▼「見積書の抜け漏れがないか」を確認する方法
-
・解体業者に簡単な図面を描いてもらい、工事範囲を一つひとつ確認する
・見積り提出後に、再度現場で見積書の内容と照らし合わせる(現地確認が難しい場合は電話で確認する)
・相見積りを取り、複数の解体業者の見積項目を比較する
- ▼「各項目の単価が詳細に記載されているか」を確認する方法
-
・単価が「一式」といった大まかな単位ではなく、「m・m2・m3」などの具体的な単位で算出されていることを確認する


「見積書の内訳を確認する際の注意点」
見積書の内訳を確認する際には、見積内容と契約内容が一致しているかも確認しましょう。なぜなら、見積書に記載された内容と実際の契約内容が異なると、工事が進むにつれて追加費用が発生したり、予定外の作業が加わることがあるからです。実際、国土交通省の調査によると、解体業者の約6割が「見積金額と請求額に差が生じたことがある」と回答しています。事前に見積内容を契約書と照らし合わせて確認することで、予算内で工事を進めることができ、後々のトラブルを防ぐことができます。
支払条件
解体費用の支払方法やタイミングは解体業者によって異なるため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
- ▼支払方法の例
-
・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
- ▼支払いのタイミングの例
-
・工事開始前の支払い(着手金※)
・工事途中の支払い(中間金)
・工事完了後の支払い(完工金※)
※「着手金」と「完工金」の支払期限は、解体工事の前後1週間以内に設定されることが多いです。
「解体工事の着手金の相場は30~50%」
着手金の相場は解体費用の30~50%ですが、解体業者によっては10~20%の場合や、着手金が設定されていないこともあります。なお、着手金が相場よりも著しく高額な場合、着手金を持ち逃げする解体業者や資金繰りが厳しい解体業者である可能性があるため、十分に注意が必要です。
工期
とくに解体工事後に新築工事や外構工事を予定している場合は、工事開始日と終了日を事前に確認しておきましょう。一般的な30坪前後の木造2階建て住宅の解体には、約2週間の工期がかかります。
ただし、解体工事ではスケジュールが多少前後することも珍しくありません。
- ▼工期が延びる主な原因
-
・豪雨や突風、大雪などの悪天候
・近隣住民からのクレーム発生
・地中埋設物の撤去など、予期せぬ追加作業
そのため、工期が延びた場合の解体業者の対応についても事前に把握しておくと安心です。詳細は契約書に記載されていることが多いので、しっかり確認しておきましょう。
解体後の手続きを把握する


解体工事が完了した後には、「建物滅失登記※」を行うことが非常に重要です。なぜなら、この手続きを怠ると、税金の過剰請求や10万円以下の罰金が科される可能性があるだけでなく、土地売却や建て替えなど、解体後のスケジュールに遅れが生じることがあるからです。
この手続きはお施主様自身が法務局で直接行う、又はオンライン申請で進めることができます。また、手続きに不安がある場合は、土地家屋調査士に代行を依頼することも可能です。
滅失登記についての専門家である土地家屋調査士へ依頼した場合の費用相場は5万円程度です。
所在地や抵当権の有無、調査状況などにより加算されるケースがあります。
建物滅失登記の申請に必要な書類は以下の通りです。
- ▼建物滅失登記の申請に必要な書類
-
1. 建物滅失登記申請書
法務局の窓口で入手できます。また、法務局のホームページからダウンロードも可能です。記入例はこちらをご参照ください。2. 案内図
解体前の建物が存在していた場所を示す地図のことです。Googleマップなどのインターネット地図や、図書館で借りた住宅地図を印刷し、該当住所にマークをつけて提出しましょう。3. 建物滅失証明書
解体工事が終了した際に、解体業者が発行します。4. 解体業者の印鑑証明
建物滅失証明書と同様に、解体業者が発行します。5. 解体業者の登記簿謄本など
全国の法務局の窓口・郵送・オンラインで入手可能です。オンライン申請の流れは、法務局のはじめてのかんたん証明書請求ガイド(会社・法人の登記事項証明書編)をご参照ください。なお、申請の際には手数料が発生します。▼解体業者の登記簿謄本の申請にかかる手数料 申請・受け取り方法 手数料 窓口で申請&受け取り 600円 オンライン申請・郵送受け取り 500円 オンライン申請&受け取り 480円 ※4と5は、1に解体業者の法人番号の記載があれば省略可能です。
50坪の家の解体費用に関するよくある質問
50坪の家の解体にかかる期間は?


解体工事にかかる期間は建物構造・立地条件・作業員の人数などによって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- ▼50坪の家の解体にかかる期間
-
・木造:2~4週間程度
・軽量鉄骨造:2〜6週間程度
・鉄骨造:3~8週間程度
・鉄筋コンクリート造:4~8週間程度
解体工事の期間は近隣住民への影響も大きいため、事前に解体業者と相談し、スケジュールをしっかりと把握しておくことが重要です。また、天候やその他の理由で工期が延びる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
50坪の家を更地にする費用はいくら?


50坪の家を解体して更地にする費用は、建物構造・立地条件・廃棄物の量などによって大きく変動しますが、一般的には以下の通りです。
- ▼50坪の家を更地にする費用【平均坪単価】
-
・木造:3万3,146円
・軽量鉄骨造:3万8,928円
・鉄骨造:5万1,507円
・鉄筋コンクリート造:6万8,543円
しかし、これはあくまで目安であり、実際の費用は解体業者に見積りを依頼して確認する必要があります。また、地中埋設物やアスベストの有無によって追加費用が発生する可能性もあるため、注意が必要です。
50坪の家の整地費はいくら?


整地費は整地の方法によって異なり、整地方法は土地の活用方法によって変わります。代表的な整地方法は以下の通りです。
▼代表的な整地方法 | |||
---|---|---|---|
整地の種類 | 土地の活用方法 | 50坪あたりの単価 | |
粗(そ)整地 | 未定 | 0円※ | |
砕石(さいせき)整地 | 駐車場 | 33万578円~82万6,445円 | |
真砂土(まさど・まさつち)整地 | 土地売却 | 57万8,511円~66万1,156円 |
▼粗(そ)整地 |
---|
土地の活用方法 |
未定 |
50坪あたりの単価 |
0円※ |
▼砕石(さいせき)整地 |
土地の活用方法 |
駐車場 |
50坪あたりの単価 |
33万578円~82万6,445円 |
▼真砂土(まさど・まさつち)整地 |
土地の活用方法 |
土地売却 |
50坪あたりの単価 |
57万8,511円~66万1,156円 |
※粗整地は解体工事の一環として最低限必要とされるため、追加費用がかからないケースが一般的です。
解体工事の見積りで追加費用が発生するケースは?


解体工事の見積りで追加費用が発生するケースは、主に以下の3つが挙げられます。
- ▼追加費用が発生する主なケース
-
・見積り時には把握できなかった地中埋設物やアスベストなどが発見される
・解体工事中に予期せぬトラブルが発生し、追加の作業が必要になる
・契約後に依頼内容が変更される
追加費用については発生する条件・発生した場合の請求金額・発生した場合の解体業者の対応を事前にしっかり確認し、納得した上で契約を結ぶことが重要です。
【まとめ】50坪の家の解体費用


この記事では50坪の家の解体費用相場や内訳、費用を抑える方法など、解体工事で失敗しないために知っておくべきポイントを解説しました。
それでは最後に、50坪の家の構造別の解体費用相場をおさらいしましょう。
▼50坪の家の解体費用相場 | |||
---|---|---|---|
建物構造 | 平均坪単価 | 平均相場 | |
木造 | 3万3,146円 | 165万7,300円 | |
軽量鉄骨造 | 3万8,928円 | 194万6,400円 | |
鉄骨造 | 5万1,507円 | 257万5,350円 | |
鉄筋コンクリート造 | 6万8,543円 | 342万7,150円 |
50坪の家を解体する費用は、建物の構造や立地条件、付帯工事の有無などの条件によって変動します。そのため、複数の解体業者から見積りを取り、比較検討することが大切です。また、自治体の補助金制度を活用したり、残置物を自分で処分したりすることで、費用を抑えることも可能です。



この記事で紹介したポイントを参考に、信頼できる解体業者を選び、適正価格で安全な工事を実現しましょう。まずは無料見積りを依頼し、具体的な費用を確認することから始めることをオススメします。
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