
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
鉄骨造の建物解体って、一体いくらかかるの……?
鉄骨造の建物の解体を検討する際、多くの方がまず気になるのは「一体いくらかかるのか?」という費用面でしょう。特に坪単価の相場は、計画を立てる上での最初の目安になります。
しかし、坪単価だけを信じて計画を進め、あとで「こんなはずではなかった」と後悔する方は本当に多いのです。
なぜなら、最終的な金額は「アスベスト調査」や「地中の障害物」といった、坪単価には決して含まれない無数の要因で大きく変動するからです。
この記事では、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の中野達也理事(監修)と初田秀一理事(現場解説)に直接取材。単なる費用相場だけでなく、費用の総額が決まる仕組みや法律で定められた注意点、そして賢く費用を抑える方法まで、後悔しない解体工事の第一歩となる知識を網羅的に解説します。
- 鉄骨造の建物解体費用がわかる。軽量は坪4~6万円、重量は坪6~8万円が目安。
- 想定外の追加費用を防ぐ!アスベスト調査の法的義務や、付帯工事費など総額が決まる内訳がわかる。
- 数十万円損しないための鉄則!自治体の補助金や中間マージンを避ける方法など5つのコツがわかる。
- 悪徳業者を回避する「建設業許可」の確認方法や、マニフェストの5年間保管義務がわかる。
- 見積書に潜む注意点(「一式」表記や安すぎる金額)を見抜く、プロが教えるチェックポイントがわかる。
一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一(はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
「スッキリ解体」専属ライター
秋田 栞(あきた しおり)
「どんな専門的な情報も、『なるほど!』に変わる瞬間を大切に、解説します。」
複雑な情報を分かりやすく紐解くことを得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た最新知識を元に、読者の「なぜ?」「どうして?」を「わかった!」に変える記事を執筆。現場の職人さんが話す言葉と、お客様が使う言葉の橋渡し役となることを目指している。
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鉄骨造の解体費用相場|構造別の坪単価
まずは、鉄骨造の解体費用の目安となる坪単価の相場から見ていきましょう。鉄骨造は、使われている鋼材の厚みによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に大別され、それぞれ費用が異なります。
軽量鉄骨造(住宅・アパートなど)の費用相場
▼平均坪単価 | |||
---|---|---|---|
3万8,917円/坪 |
一般的に、個人の住宅やアパートで多く使われる軽量鉄骨造の解体費用は、坪単価4万円~6万円程度が目安となります。
軽量鉄骨は、柱や梁に使われる鋼材の厚みが6mm未満のものを指します。比較的解体しやすい構造ではありますが、木造に比べると頑丈なため、費用は少し高くなる傾向にあります。ご自身が相続された実家や、所有されているアパートがこのケースに当てはまる方も多いのではないでしょうか。
坪数・地域別
▼平均坪単価【坪数・地域別】 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
坪数/地域 | 関東 | 中部 | 関西 | 北海道・東北 | 中国・四国 | 九州・沖縄 |
10坪 | 4万480円 | 3万8,623円 | 5万4,293円 | ー | ー | ー |
20坪 | 4万61円 | 3万3,119円 | 4万1,707円 | 4万1,792円 | 3万366円 | 2万9,695円 |
30坪 | 3万9,525円 | 3万6,027円 | 4万2,614円 | 3万3,797円 | ー | 3万9,705円 |
40坪 | 4万716円 | 3万3,111円 | 3万6,822円 | ー | 3万4,392円 | 2万5,853円 |
50坪 | 4万1,235円 | 3万1,469円 | 4万447円 | 3万5,276円 | 3万9,125円 | ー |
60坪 | 4万1,519円 | 3万852円 | ー | ー | ー | ー |
70坪 | 4万1,407円 | 3万1,447円 | 3万3,857円 | ー | ー | ー |
80坪 | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
90坪 | ー | ー | ー | ー | ー | 2万6,886円 |
100坪~ | 3万6,908円 | ー | ー | ー | ー | ー |
※上記の解体費用相場は、『あんしん解体業者認定協会』が保有する解体工事データに基づく目安です。実際の価格は現場条件により変動します。
重量鉄骨造(ビル・工場など)の費用相場
▼平均坪単価 | |||
---|---|---|---|
4万9,102円/坪 |
ビルやマンション、工場などで採用されることが多い重量鉄骨造の場合、解体費用の坪単価は6万円~8万円程度が相場です。
重量鉄骨は、鋼材の厚みが6mm以上あり、非常に頑丈な構造が特徴です。そのため、解体には大型の重機や特別な工法が必要になることが多く、軽量鉄骨造に比べて費用も手間もかかります。「提示された見積もりが高すぎるのでは?」と疑問に思われている元経営者の方などは、まずこの相場感を一つの基準としてみてください。
坪数・地域別
▼平均坪単価【坪数・地域別】 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
坪数/地域 | 関東 | 中部 | 関西 | 北海道・東北 | 中国・四国 | 九州・沖縄 |
10坪 | 4万8,459円 | 4万9,162円 | 4万2,989円 | ー | ー | ー |
20坪 | 5万5,432円 | 3万1,049円 | 5万2,831円 | ー | ー | ー |
30坪 | 5万1,869円 | 4万1,980円 | 4万7,328円 | ー | ー | ー |
40坪 | 5万3,734円 | 3万8,161円 | 5万399円 | ー | ー | ー |
50坪 | 3万8,604円 | 3万8,604円 | 5万1,599円 | ー | ー | 4万6,501円 |
60坪 | 5万3,770円 | 4万1,741円 | ー | ー | ー | ー |
70坪 | 4万1,908円 | 3万7,789円 | 3万9,801円 | ー | ー | ー |
80坪 | 5万6,353円 | 3万7,918円 | ー | ー | ー | ー |
90坪 | 5万7,488円 | ー | ー | ー | ー | ー |
100坪~ | 4万8,334円 | 2万7,478円 | 3万8,162円 | ー | ー | ー |
※上記の解体費用相場は、『あんしん解体業者認定協会』が保有する解体工事データに基づく目安です。実際の価格は現場条件により変動します。
木造やRC造の解体費用との違いは?
建物の解体費用は、その構造によって大きく変わります。一般的な費用の順序としては、「木造 < 軽量鉄骨造 < 重量鉄骨造 < RC造(鉄筋コンクリート造)」となることが多いです。
下の表で、構造ごとの坪単価の目安を比較してみましょう。
構造 | 坪単価の目安 | 主な用途 |
---|---|---|
木造 | 3万円~5万円 | 戸建て住宅、アパート |
軽量鉄骨造 | 4万円~6万円 | 住宅、アパート、小規模店舗 |
重量鉄骨造 | 6万円~8万円 | ビル、マンション、工場 |
RC造 | 7万円~10万円 | マンション、公共施設 |
鉄骨造の費用が木造より高い理由は、構造が頑丈であることに加え、分別・処分が必要な建材が多く、手間とコストがかかるためです。RC造はさらに頑丈で、コンクリートガラが大量に発生するため、最も高額になる傾向があります。
【要注意】坪単価だけでは危険!解体費用の総額を決める3つの内訳
ここからが本題です。坪単価はあくまで概算であり、それだけで総額が決まることは絶対にありません。
解体費用の総額が「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」という3つの要素で構成されているという事実を知ることが、何よりも重要です。この内訳を知らないと、見積もりの妥当性を判断できず、業者の言いなりになってしまう危険性があります。
建物の取り壊しにかかる「本体工事費」
本体工事費とは、建物そのものを取り壊すためにかかる中心的な費用です。これには、工事前の足場や養生シートの設置、重機を使った建物の解体作業、そして解体で出た廃材の分別やトラックへの積み込み、搬出費用などが含まれます。
見積書の中では最も大きな割合を占める項目であり、坪単価で計算されるのは主にこの部分です。しかし、これはあくまで総額の一部に過ぎません。
建物以外の撤去費用「付帯工事費」
付帯工事費は、建物本体以外にあるものを撤去するための費用です。例えば、ブロック塀やフェンス、カーポート、物置、庭木や庭石の撤去などがこれに当たります。
「庭の大きな木も切ってくれるだろう」と思い込んでいたら、別途高額な費用を請求された、というケースは少なくありません。見積もりを依頼する際には、どこまでが工事範囲に含まれているのかを必ず確認することが重要です。
見積書に隠れがちな「諸経費」
諸経費は、工事を円滑に進めるために必要な、細々とした経費の総称です。これには、重機を現場まで運ぶための回送費、工事車両の駐車場代、官公庁への各種届出の代行費用、近隣への挨拶回りの人件費などが含まれます。
悪質な業者の場合、この「諸経費一式」という項目で、不透明な金額を上乗せしてくることがあります。見積書にこの項目があったら、具体的な内訳を質問してみることが、信頼できる業者か見極めるポイントの一つになります。
鉄骨造の解体費用が高額になるケース【4つのポイント】
鉄骨造の建物を解体するにあたって、不測の事態などで費用が高くなってしまうケースを4点ピックアップしてお伝えします。
ケース1:アスベスト調査・除去費用の発生
解体工事を行う前には、有害物質である「アスベスト」の調査が義務付けられています。この調査で建物にアスベストが使われていると判明した場合は、特殊な工法による撤去工事が行われます。
アスベストのレベル、量、場所によって撤去費用は変動しますが、場合よっては数十万円の費用がかかることもあります。
ケース2:地中埋設物による追加費用の発生
解体工事を進めている中で「地中埋設物」が掘り起こされる場合があります。古い建物の基礎(コンクリートガラ)や浄化槽、古井戸などが地中から見つかった場合、撤去作業が必要になります。
これらは当初の見積もりには含まれていないため、発見されると追加費用となり、数十万円単位の高額な請求に繋がることも珍しくありません。
ケース3: 重機が入れない・道が狭いなどの立地条件
立地条件が特殊な場合は費用が高くなる傾向にあります。現場の前の道が狭くて解体用の重機や廃材を運ぶトラックが入れない場合、作業の大部分を手作業で行う「手壊し」解体となります。
また、隣家との距離が近すぎる場合や、隣家が老朽化している場合も手壊し解体になる場合があります。重機を使えば1日で終わる作業が、手壊しだと数日かかることも珍しくありません。その分、人件費が大幅にかさみ、結果として総額が数十万円単位で高くなります。
ケース4: 残置物(不用品)の処分量が多い
家の中に家具や家電、衣類などの不用品(残置物)が多く残っていると、その処分費用が上乗せされます。また、解体業者の見積もり時に「この残置物は処分しておきます」と約束したのに処分していなかった場合、当初の見積もり金額よりも高額になってしまいます。
今回は鉄骨造の解体費用が高くなるケースをピックアップしてお伝えしました。専門家の解説を含む、詳細な費用のロジックは以下の記事で網羅的に説明しています。ぜひご確認ください。
鉄骨造の解体費用を安くする方法【7つのポイント】
正しい知識を持って行動すれば数十万円単位で費用を安く抑えられるケースがあります。ここでは鉄骨造の解体費用を安くするために必要なポイントをピックアップしてお伝えします。
方法1:解体業者の閑散期を狙って依頼する
解体業者の年間スケジュールには閑散期と繁忙期があります。一般的に年末年始や年度末、引っ越しシーズンは(12月~3月)は需要が集中するため、繁忙期とされています。
反対に4月~9月は解体業界の閑散期とされており、この時期に工事を依頼することで日程調整の融通が効きやすく、費用を安くできる可能性が高まります。
方法2:自治体の補助金制度を活用する
主に古くなった建物が周囲や景観に被害を与えるのを防ぐため、各自治体は解体工事を促進するための補助金を設けています。
解体工事を計画する際には、事前に「自分の地域で補助金が支給されているか」を調べておきましょう。ネットで検索する際には、「○○市 空き家 補助金」や「○○市 危険ブロック塀 補助金」など、市町村名を入れて検索すると情報を見つけやすくなります。
- 東京都台東区|「台東区老朽建築物等除却工事費用助成金」(最大支給額50万円)
- 福島県郡山市|「郡山市老朽空家除却費補助金」(最大支給額50万円)
- 大阪府岸和田市|「岸和田市不良空家除却事業補助金」(最大支給額80万円)
- 鹿児島県鹿児島市|「鹿児島市危険空家解体工事補助金」(最大支給額30万円)
方法3:必ず3社以上から相見積もりを取る
見積もり依頼は1社だけでなく、3社以上から相見積もりを取りましょう。複数の見積書を比較することで、ご自身のケースにおける費用の適正相場が分かり、不当に高い業者・安すぎて危険な業者を見抜けます。
方法4:家の中の不用品は自分で処分する
家の中にある家具や家電などをなるべく処分しておくと、解体費用を抑えられます。
これらの不用品をそのまま放置した場合は解体業者が処分を請け負うため、その処分費用が見積もりに上乗せされます。
▼不用品の処分方法の例 | ||||
---|---|---|---|---|
具体的な品目 | 費用の目安 | 処分方法 | ||
日用品 | 可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ | 基本的に無料 | 自治体のゴミ回収 | |
家電製品 | エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ | 基本的に無料(売却で収益発生) | フリマアプリやリサイクルショップ | |
パソコン | ノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ | 基本的に無料 | 家電量販店やメーカーの回収サービス | |
粗大ゴミ | タンス、布団、机 | 数百円~/点 | 自治体の粗大ゴミ回収 |
▼不用品の処分方法の例 | ||||
---|---|---|---|---|
具体的な品目 | 費用の目安 | 処分方法 | ||
日用品 | 、 可燃ゴミ 不燃ゴミ、 資源ゴミ | 基本的に無料 | 自治体のゴミ回収 | |
家電製品 | 、 エアコン 洗濯機、 冷蔵庫、 テレビ | 基本的に無料 (売却で収益発生) | 、 フリマアプリ リサイクルショップ | |
パソコン | 本体、 液晶ディスプレイ | 基本的に無料 | 家電量販店、 メーカーの回収サービス | |
粗大ゴミ | タンス、 布団、 机 | 数百円~/点 | 自治体の粗大ゴミ回収 |
残置物の種類や処分について詳しく解説した記事は以下です。
方法5:庭木や雑草を自分で撤去する
敷地内の庭木や雑草の撤去を業者に依頼した場合、1m3あたり9,899円~の費用がかかります。
大きな樹木を切り倒すのは危険ですが、雑草の除去や高さ3m未満・幹の太さ20cm以下ほどの小さな庭木なら、自身で撤去すれば費用を抑えられます。作業の際は軍手をはじめ、安全対策してから取りかかりましょう。
方法6:必要な届け出を自分で行う
解体工事が完了してから1ヶ月以内に、建物滅失登記を届け出る必要があります。
土地家屋調査士に手続きを代行してもらうことも可能ですが、その場合は5万円程度の費用がかかります。自分で手続きをすればその分の費用を抑えられるため、手続きの方法を確認しておきましょう。
方法7:解体業者に値引き交渉する
解体業者に値引き交渉をするのはマナー違反ではありません。
ただし、複数の解体業者に同時に値引き交渉を行うことは避けましょう。値引き交渉をしたにもかかわらず、最終的に依頼しなかった場合、業者から不誠実と受け取られ、信頼関係を損なう可能性があります。適切な交渉を行うためにも、依頼先を決めたうえで値引き交渉を進めることが重要です。
今回は鉄骨造の建物を解体するにあたって効果的な費用の抑え方をピックアップしてご紹介しました。以下の記事では専門家による詳細な解説を含め、費用を安くするための方法をより網羅的に掲載しています。ぜひご確認ください。
鉄骨造の解体における優良業者の選び方【6つのポイント】
費用を安く抑えることも大切ですが、それ以上に重要なのが「信頼できる優良業者」を選ぶことです。
価格の安さだけで業者を選ぶと、不法投棄や近隣トラブル、手抜き工事といった事態を招きかねません。悪徳業者に騙されないための最低限のチェックポイントをお伝えします。
基準1:建設業許可の保有・解体工事業の登録がされていること
解体工事を行うためには、「建設業許可」の保有または「解体工事業の登録」のいずれかが必要です。許可・登録がない状態で解体工事を行うことは違法行為にあたるため、必ずどちらかを保有・登録している業者を選びましょう。
それぞれ取得している場合は、解体業者のホームページに許可番号・登録番号が記載されています。
ホームページを保有していない場合は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」から検索することで確認できます。
基準2:産業廃棄物収集運搬業許可を保有していること
廃棄物の収集運搬を自社で行える「産業廃棄物収集運搬業許可」を保有していると、業者にとってベストな処分場を選べるため、費用を削減できる可能性があります。
また、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得するためには、会社の経歴や経営状況などの要件をクリアする必要があるため、会社としての信頼感の裏付けになります。
基準3:過去に違反歴がないこと
国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」や、産業廃棄物処理事業振興財団の「許可取消処分情報」で解体業者名を検索し、過去に違反歴や行政処分歴がないかを確認してください。
処分歴があるからといって必ずしも危険な業者とは限りませんが、安全意識の高さを判断する基準として有効です。
基準4:鉄骨造の解体実績が豊富であること
鉄骨造の建物を解体する場合は、鉄骨造解体の実績が豊富な業者に依頼しましょう。
解体業者はそれぞれに得意分野である工事が存在し、それは過去の工事実績や所有する重機、可能な工法、職人の技術力などによって左右されます。
その得意分野を判断する1つの根拠として、計画する解体工事と同様の工事実績が豊富であるかを確認しておきましょう。
基準5:見積金額、内訳項目それぞれの金額に根拠があること
優良な解体業者は見積書の項目を詳細に記載し、どのような根拠で見積額を算出しているかを明確に提示します。
項目を詳細に分けず「一式」でばかり記載する業者には注意しましょう。
また、不明点や詳細について質問された際にちゃんと答えられる業者は、見積もりに後ろめたいことがない裏付けになります。
基準6:資格を持った従業員が在籍していること
解体工事に活かせる資格を保有している従業員が在籍していると、様々なメリットがあります。とくに解体工事施工技士は、現場の作業員の安全を守る上で大事な資格です。
解体工事を行う作業員にとってメリットのある資格 | |
---|---|
解体工事施工技士 | 持っていると500万円以下の解体工事を行うための解体工事業の登録ができ、技術管理者として従事できる国家資格。解体工事の現場作業や監理における知識や技術の裏付けになる資格。 |
石綿作業主任者 | アスベストの調査や作業、作業完了確認を行う上で必須の資格。有資格者の在籍がない場合、アスベスト調査や除去は外部への委託が必要となる。 |
建築物石綿含有建材調査者 |
今回は、鉄骨造の建物を解体する業者を選ぶにあたって効果的な判断基準をピックアップしました。以下の記事ではさらに網羅的な業者の選び方を紹介しています。「どうしてそれが優良業者の裏付けになるのか」といった、各基準における専門家の詳細な解説が読めますのでぜひご確認ください。
【FAQ】鉄骨造の解体費用に関するよくある質問
相見積もりを依頼する際、業者に他社にも依頼していると伝えるべき?
はい、伝えるべきです。これを隠す必要は全くありません。むしろ、「他社さんとも比較検討しています」と正直に伝えることで、業者側も誠実に対応せざるを得なくなり、適正な価格での競争が期待できます。優良な業者であれば、他社と比較されることに自信を持っていますので、嫌な顔をすることはないでしょう。
見積もり後、しつこい営業をされたらどうすればいい?
もし、見積もり後に電話や訪問でしつこい営業をされた場合は、「まだ検討中ですので、こちらから連絡します」と、きっぱりと断ることが大切です。それでも営業が続くようであれば、その業者は避けた方が賢明かもしれません。業界の実情として、本当に仕事に自信のある優良な業者は、お客様を急かすような強引な営業はしません。
近隣への挨拶は誰がいつ頃行うもの?費用はかかる?
近隣への挨拶回りは、工事を円滑に進める上で非常に重要です。通常は、工事開始の1週間前から前日までの間に、業者の担当者が粗品を持って行います。施主であるあなたが同行する必要はありませんが、もし希望すれば一緒に回ってくれる業者がほとんどです。挨拶回りにかかる費用は、一般的に「諸経費」の中に含まれていますが、念のため見積もりの段階で確認しておくとより安心できます。
まとめ:鉄骨造の解体を依頼する前の費用相場チェックリスト
この記事の要点を踏まえ、最後に確認すべき重要事項をまとめました。一つずつチェックし、万全の準備で次の一歩に進みましょう。
1.総額費用の内訳と相見積もりの取得
坪単価だけでなく「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の内訳を理解することが重要です。必ず3社以上から見積もりを取り、各項目の詳細が記載されているか比較検討しましょう。
2.業者の公的許可と法的義務への対応
信頼性の高い「建設業許可」の有無を確認しましょう。また、法律で義務付けられたアスベストの事前調査や、工事後のマニフェスト発行と5年間の保管について、適切に対応できる業者を選ぶことが不可欠です。
3.利用可能な費用削減策の事前確認
解体業者と契約する前に、自治体の補助金・助成金制度が利用できないか確認することが重要です。また、家の中の不用品を事前に自分で処分することも、総額を抑える有効な手段となります。
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