岩手県釜石市の解体業者3社を比較|費用相場と地域の解体事情

釜石市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

釜石市に所在する3社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「釜石市の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「釜石市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

釜石市の解体工事事情と地域特性

釜石市の概要

かつて「鉄の都」として栄え、現在は平地が少なく急斜面に市街地が広がる地形的な特徴を持つ都市です。

釜石市は、岩手県の沿岸南部に位置し、リアス式海岸の深い入江と急峻な山地に囲まれた都市です。2025年11月末時点の人口は約3万人ですが、かつては近代製鉄発祥の地「鉄の都」として栄え、昭和30年代には約9万人が暮らしていました。

現在の市街地は、震災からの復興が進む沿岸部と、高度経済成長期に開発され老朽化が進む内陸の斜面地という、二つの顔を持っているのが大きな特徴です。平地が限られているため多くの住宅が山裾の急斜面に建てられており、これが解体工事における特有の難しさにつながっています。

地形・道路事情と解体費用の傾向

急峻な斜面地の住宅群と迷路のような狭い道が多いため、手壊しや小型車両での搬出が必要になり、解体費用は割高になる傾向があります。

  • 地形の特徴:リアス式海岸の地形で平地が極端に少なく、多くの住宅が急斜面に密集しています。特に甲子町(かっしちょう)の旧鉱山社宅群や小佐野町(こさのちょう)の山側エリアでは、重機の進入ができない現場が多数あります。また、唐丹町(とうにちょう)周辺は土砂災害警戒区域が多く、片岸町(かたぎしちょう)では津波浸水リスクや軟弱地盤への注意が必要です。
  • 道路事情:廃棄物搬出の主なルートは国道283号と三陸沿岸道路ですが、冬期は仙人峠などで「ブラックアイスバーン」による凍結リスクが高まります。加えて、中妻町(なかづまちょう)などの旧市街地は、昔ながらの幅員4m未満の一方通行路や袋小路が入り組んでいます。
  • 費用への影響:重機が使えない現場では、手壊しや小型トラックでのピストン輸送(小運搬)が必須になり、人件費や運搬費が増加します。狭い道路では交通誘導員の配置も必要です。また、冬期(12月〜3月)は、凍結や強風への対策、作業効率の低下を考慮した「冬期補正」として、費用が5%〜10%程度上乗せされるのが一般的です。
運営者 稲垣運営者 稲垣

釜石市の旧鉱山社宅群のような現場は、日本の空き家問題の縮図ともいえます。私がこれまで見てきた中でも、権利関係が複雑で、さらに手壊しが必須な急傾斜地という条件は特に難しいケースです。だからこそ、法的な手続きや近隣への配慮について、経験豊富な業者を慎重に選ぶことが何よりも重要になります。

『鉄の都』の産業遺産と行政代執行の現実

かつての鉱山社宅群が廃墟化し、市が初めて行政代執行による解体に踏み切るなど、産業遺産の管理が大きな課題です。

釜石市の解体事情を象徴するのが、甲子町大橋地区に残る旧釜石鉱山社宅群の問題です。1993年の閉山後、数千人が暮らした巨大な社宅群は無人化し、30年以上を経てゴーストタウンと化しました。これらの建物は急斜面に雛壇状に建てられており、多くが再建築不可の土地です。

所有権が複雑に分散し、相続人も不明なケースが多いため、管理されない状態が続いていました。この状況を受け、2022年9月、釜石市は倒壊の危険が非常に高い所有者不明の空き家に対し、市内で初となる「略式代執行」による解体を実施しました。

この問題の背景には、長屋構造で権利者が数十人に及ぶことや、手壊しが必須で解体費用が平地の倍以上になる経済的な壁があります。単なる空き家問題ではなく、日本の基幹産業を支えた企業城下町の歴史的な後始末という、重い側面があるのです。

解体工事・空き家対策の補助金

危険空き家の除却を対象とした補助金制度がありますが、例年早期に予算上限に達するため、次年度に向けた早めの準備が重要です。

制度名補助金額・率対象・条件
老朽危険空家等除却促進事業上限 50万円倒壊の恐れがある危険空き家の除却。市内の解体業者との契約が必須。
がけ地近接等危険住宅移転事業除却費:最大 97.5万円土砂災害特別警戒区域などから移転する際の住宅除却。

※2025年12月9日時点で、令和7年度(2025年度)の主な補助金はすべて受付を終了しました。例年、春に募集が始まり秋には予算上限に達する傾向があるため、次年度の活用を検討する場合は、冬の間に業者選定や事前相談を済ませておくことが重要です。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
釜石市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

解体で出る産業廃棄物は市のクリーンセンターには搬入できず、民間の処理施設へ運搬する必要があり、建設リサイクル法の届出は市の土木センターが窓口です。

釜石市で発生した解体工事の廃棄物(コンクリートガラ、木くず、廃プラスチック等)は、市の一般廃棄物処理施設「釜石大槌クリーンセンター」には一切搬入できません。これらは全て産業廃棄物として、市内の民間中間処理施設(株式会社エフ・ジュウキ、株式会社アトラスなど)へ運搬する必要があります。

品目によっては市内で処理できず、内陸部の処理施設まで長距離運搬になる場合もあります。また、床面積80㎡以上の建物の解体に必要な建設リサイクル法の届出は、釜石市役所ではなく、県の出先機関である「釜石土木センター」が窓口なので注意が必要です。

運営者 稲垣運営者 稲垣

釜石市での解体工事は、急斜面や狭い道といった厳しい地形条件への対応が必須です。特に、旧鉱山社宅群の廃墟化問題に見られるように、行政が代執行に踏み切るほどの深刻な空き家問題も抱えています。適切な施工計画と補助金活用の知識が、業者選定の重要な鍵です。

釜石市の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 42,600 35,300~58,000
鉄骨造 46,200 25,700~89,800
RC造 82,500 55,000~110,000
内装解体 47,500 15,000~80,000

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

釜石市の解体業者一覧

釜石市の解体業者、全3社をご紹介します。

株式会社青紀土木の公式サイトスクリーンショット

株式会社青紀土木

釜石市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社青紀土木は、東日本大震災の発生直後から復興作業に携わってきた会社です。特徴的なのは、JR東日本や三陸鉄道といった鉄道沿線での近接工事を数多く手掛けている点です。列車の安全運行を守る現場では、振動や騒音を抑えるための精密な作業と徹底した安全管理が求められます。こうした厳しい条件下での経験は住宅地の解体工事にも応用されています。同社には「ブジカエルくん」という、社員の無事を願う公式キャラクターがいます。

スッキリ解体の分析

「鉄道の近くで工事をした経験がある」という点は、業者の技術力や安全意識を判断する上で参考になります。電車の運行を止めずに工事を行うには、近隣への振動や騒音を基準値以下に抑え、事故を起こさないための厳格な計画と管理が欠かせません。これは住宅密集地での解体工事で求められる、近隣への配慮と共通する点が多いです。多くの人が利用する公共交通機関の安全を守るという厳しい基準の現場を経験している業者であれば、自宅の解体工事も安心して任せられます。

注目ポイント
  • 東日本大震災における道路啓開やがれき撤去などの復興実績
  • JR東日本などの鉄道運行に影響を与えない精密な近接工事の経験
  • 社員の無事を願う公式キャラクターに見られる安全第一の姿勢
株式会社及川工務店の公式サイトスクリーンショット

株式会社及川工務店

釜石市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社及川工務店は釜石市を拠点に半世紀以上にわたり、海洋土木事業を専門としてきた会社です。その技術は、国の「波力発電実証事業」の担い手に選ばれた実績からも伺えます。漁港や防波堤といった海の難工事で培われた特殊重機の操作技術は、水辺にある建物や複雑な構造物の解体といった特に慎重さが求められる現場で生かされます。「未来の子どもたちへ誇れる仕事」というモットーを掲げ、環境への影響を考慮した施工を行っている点も特徴です。技術的な難易度が高い工事を検討している場合に相談できる業者の一つです。

スッキリ解体の分析

「海洋土木」が専門と聞くと、一般的な解体工事とは関係が薄いように感じるかもしれません。しかし、これは業者の技術力を判断する上で参考になる点です。例えば海上で重いものを吊り上げる起重機船を正確に操作するには、陸上の工事とは異なる高度な技術と判断力が求められます。こうした経験は、特殊な重機の扱いや予期せぬトラブルへの対応力にもつながります。そのため他社では断られるような難しい条件の解体工事であっても、同社であれば技術的な視点から解決策を提案してくれる可能性があります。

注目ポイント
  • 港湾工事など「海洋土木」の現場で培った特殊重機の操作技術
  • 国の「波力発電実証事業」に参画した実績
  • 環境負荷の低減を目指す、企業の基本姿勢
佐野建設株式会社の公式サイトスクリーンショット

佐野建設株式会社

釜石市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

佐野建設株式会社は釜石市の「水道事業所庁舎」など、地域の公共施設の解体工事を多数手掛けています。従業員の半数近くが国家資格である土木施工管理技士の資格を保有しており、公共工事で求められる厳しい安全基準にも対応できる技術力があります。解体後の整地・アスファルト舗装・造園といった工事も一貫して任せられるため、複数の業者に依頼する手間を省きたい場合にも相談できます。

スッキリ解体の分析

業者を選ぶ際、自治体の公共工事を請け負った実績があるかは技術力や信頼性を判断する上での参考になります。公共工事は安全管理・書類作成・周辺への配慮など、民間の工事に比べて基準が厳しい傾向にあるからです。佐野建設のように市の施設解体を継続して受注しているという事実は、そうした厳しい基準をクリアし続けていることの裏付けになります。堅実な工事を求める方にとって、安心して相談できる1社です。

注目ポイント
  • 釜石市の保育園や庁舎など、公共施設の解体実績
  • 従業員の半数近くが1級・2級土木施工管理技士の有資格者
  • 解体後の整地・アスファルト舗装・造園まで一貫した対応

釜石市の解体業者が見つかりませんでした。

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解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。