岩手県大船渡市の解体業者2社を比較|費用相場と地域の解体事情
大船渡市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
大船渡市に所在する2社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「大船渡市の解体費用相場」や「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「大船渡市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
大船渡市の解体工事事情と地域特性
大船渡市の概要
大船渡市は、リアス海岸の急峻な地形とセメント産業、そして震災復興の歴史が特徴的な港湾都市です。
大船渡市の人口は約3万1千人(2025年11月末時点)、高齢化率は約39.5%に達しています。この街には、大きく三つの顔があります。
一つは、赤崎町の太平洋セメント大船渡工場を中心とする「セメント城下町」。二つ目は、天然の良港である大船渡湾を拠点とした「港湾・水産都市」としての側面です。
そして三つ目が、東日本大震災からの復興で中心市街地が大規模にかさ上げされ、新しい街並みが生まれた「復興の先進都市」としての一面です。
地形・道路事情と解体費用の傾向
平地が少ない急傾斜地と、旧市街地の狭い道が多いため、解体工事には追加の作業や費用がかかりやすい傾向にあります。
- 地形の特徴:リアス海岸特有の地形で、平地が極端に少ないのが特徴です。赤崎町周辺では海からすぐに山が迫る急斜面に住宅が密集しています。また、三陸町綾里地区では津波の教訓から高台に集落が作られており、低地との高低差が大きくなっています。中心市街地は震災復興で大規模な「かさ上げ(盛土)」がされた人工地盤です。
- 道路事情:三陸沿岸道路や国道45号といった幹線道路は整備されていますが、現場周辺の道には注意が欠かせません。特に盛町(さかりちょう)の旧市街地は城下町だった名残で、見通しの悪い「鍵型道路」や3t車でも曲がるのが難しい狭い路地が数多く残っています。急斜面の生活道路も道幅3m未満の急坂が多く、大型重機の進入はほぼできません。
- 費用への影響:4tトラックが入れない現場が多く、2t車での小運搬や手作業での搬出が必要になるため、人件費が上乗せされやすくなります。加えて、冬場は地形の影響で強い風が吹くため、足場の補強や養生シートの管理に追加費用がかかることもあります。
運営者 稲垣大船渡市のような急傾斜地や道が狭いエリアでは、見積書に「小運搬費」や「手壊し費用」が追加されることがよくあります。私がこれまで見てきたトラブルで多いのが、この追加費用の説明が曖昧なケースです。契約前に「なぜこの費用が必要なのか」を具体的に説明してくれる、誠実な業者を選ぶことが失敗しないためのポイントです。
セメント産業が支える独自の廃棄物処理システム
市内の太平洋セメント工場が廃棄物処理の中心となり、運搬コストを抑えられる一方、極めて厳格な分別が求められます。
大船渡市の解体工事で最も特徴的なのは、太平洋セメント大船渡工場を中心とした産業廃棄物の処理システムがある点です。この工場ではセメントを作る過程で、建設廃材を燃料や原料として再利用する仕組みがあります。
このおかげで、解体業者はコンクリートガラなどを市内の工場へ直接持ち込めます。遠くの処分場まで運ぶ必要がないため、運搬コストを大幅に削減できるのが大きなメリットです。
ただし、セメントの品質を守るため、廃棄物の受入基準は非常に厳格です。コンクリートガラに木片などが少しでも混ざっていると受け入れてもらえません。そのため、分別せず一気に壊す「ミンチ解体」はできず、現場での徹底した「分別解体」が必須です。
この仕組みは、東日本大震災で出た大量の瓦礫を処理する中で、地元業者と工場の連携が強まり、より確かなものになりました。
解体工事・空き家対策の補助金
市の事前調査で「危険」と判定された空き家の解体や、指定された避難路沿いのブロック塀撤去を対象とした補助金制度があります。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| 大船渡市危険空き家除却工事補助金 | 対象経費の10分の8(上限50万円) | 市の事前調査で「危険」と判定された、1年以上使われていない空き家。市内の解体業者への発注が必須。 |
| 大船渡市ブロック塀等安全確保対策事業補助金 | 工事費等の3分の2以内(上限30万円等) | 市が指定する避難路などに面した、基準を超える高さの危険なブロック塀などの撤去。 |
危険空き家補助金を利用するためには、まず市の調査を受けて「危険」と認定されるのが前提です。また、ブロック塀の補助金は、必ず工事を始める前に市へ事前相談し、交付決定を受けておく必要があります。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
大船渡市の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
一般廃棄物はクリーンセンターへ、産業廃棄物はセメント工場などへ搬入しますが、それぞれに分別や搬入量の厳しいルールがあります。
大船渡市では、廃棄物の種類によって搬入先とルールが明確に分かれています。解体前に出る家財道具などの「一般廃棄物」は、大船渡地区クリーンセンターへ持ち込みますが、1日の搬入量に「軽トラック1台程度まで」といった制限があるため注意してください。
なお、解体で出た柱や梁といった建築廃材は「産業廃棄物」扱いのため、クリーンセンターへは持ち込めません。
コンクリートガラや廃プラスチックなどの「産業廃棄物」は、民間の処理業者か、太平洋セメント大船渡工場へ搬入します。特にセメント工場へ持ち込む場合は、異物を徹底的に取り除いた、高いレベルでの分別が求められます。
運営者 稲垣大船渡市での解体工事は、リアス海岸特有の急傾斜地や旧市街地の狭い道に対応できる計画性が求められます。そして、コストを左右する太平洋セメント工場への廃棄物搬入を考えると、徹底した分別解体ができる業者を選ぶことが何より重要です。
大船渡市の解体費用相場
| 建物構造 | 坪単価あたりの解体費用 | 価格幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 41,000円 | 28,200~55,400円 |
| 鉄骨造 | 46,200円 | 25,700~89,800円 |
| RC造 | 82,500円 | 55,000~110,000円 |
| 内装解体 | 47,500円 | 15,000~80,000円 |
※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
大船渡市の解体業者一覧
大船渡市の解体業者、全2社をご紹介します。
株式会社アトラス
株式会社アトラスは、解体工事で発生した廃棄物を自社で処理・リサイクルする体制を整えています。コンクリートや自動車を専門に扱うリサイクル施設「SSKコンクリートリサイクル」「SSKオートリサイクル」を自社で運営しているため、廃棄物処理を外部に委託する必要がありません。これにより、廃棄物処理にかかる費用を抑えながら法令に沿った適正な処理が可能です。また、多くの重機や車両を自社で保有しているため、大規模な工事にも対応できます。
- 解体から資源再生まで対応する自社リサイクル施設を保有
- 最終処分まで可能な「産業廃棄物処分業許可」を取得
- 大規模工事にも対応できる自社保有の重機・車両
有限会社三陸解体
大船渡市の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?
-
「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?
-
それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?
-
いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?
-
相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる? 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?
-
問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?
-
いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。

解体業者を選ぶ際、「産業廃棄物処分業許可」を持っているかは重要な判断材料になります。多くの解体業者は、廃棄物を集めて中間処理場へ運ぶことはできても最終的にどこで処分されるかまでは管理できません。その点、同社のように「処分業」の許可を持つ業者は、解体から最終処分まで一貫して自社で責任を負えます。これは依頼主が意図せず不法投棄などのトラブルに巻き込まれるリスクを減らすことにつながります。費用面だけでなく、法令をきちんと守ってくれるかという点でも安心して相談しやすい業者の一つです。