岩手県奥州市の解体業者5社を比較|費用相場と地域の解体事情

奥州市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

奥州市に所在する5社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「奥州市の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「奥州市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

奥州市の解体工事事情と地域特性

奥州市の概要

奥州市は、人口が減る一方で世帯数は横ばいの状況にあり、北上川流域の広大な平野に位置する県南の物流拠点です。

岩手県南部に位置する奥州市は、北上盆地の平坦な地形を活かした農業や工業が盛んな地域です。2020年時点の人口は約113,000人ですが、人口が緩やかに減り続ける一方で世帯数はほぼ横ばいで推移しています。

これは世帯の小規模化、特に単身高齢者世帯が増えていることを示しており、将来的には管理が難しい空き家が増える可能性があります。

地形・道路事情と解体費用の傾向

広大で平坦な地形は大型重機を使いやすい一方、国道4号水沢バイパスの慢性的な渋滞や、豪雪地帯ならではの冬の工事の難しさが、解体費用を押し上げる要因になっています。

  • 地形の特徴:北上川流域の堆積平野にあり、地盤は比較的良好です。ただし、河川沿いでは地盤が軟弱な可能性もあり、重機を入れる通路の補強が必要になる場合があります。また、豪雪地帯のため、冬は地面の凍結が深くなることへの対策も求められます。
  • 道路事情:東北自動車道や国道4号が市内を縦貫する交通の要衝ですが、特に国道4号水沢バイパスの三ケ尻交差点周辺は朝夕の渋滞が激しく、廃棄物の運搬効率に大きく影響を与えます。
  • 費用への影響:渋滞による運搬時間のロスや、冬期(12月~3月)の除雪作業、散水が凍らないための対策(凍結防止剤の使用など)は、追加費用として見積もりに上乗せされることがあります。
運営者 稲垣運営者 稲垣

水沢の武家屋敷周辺や胆沢のイグネが関わる現場は、私がこれまで見てきた中でも特に業者さんの経験と技術力が問われるケースです。見積もりの段階で「景観条例はこうなので、こういう手順で進めます」と具体的に説明できない業者は要注意です。後から「条例で追加工事が必要です」と言われないよう、地域の特性を熟知した業者を選んでください。

武家屋敷や散居村の景観が解体工事に与える特有の制約

奥州市には歴史的景観を守るための厳しい規制が存在します。特に水沢の武家屋敷周辺や胆沢の散居村では、通常の解体工事とは違う特別な配慮と技術が求められます。

奥州市で解体工事をするには、市が定めた景観計画の理解が欠かせません。特に以下のエリアでは、ただ建物を壊すだけでは条例違反になる可能性があります。

一つは、水沢の武家屋敷通り周辺です。このエリアでは建物の色彩がマンセル値で細かく指定され、派手な原色は使えません。このルールは工事用の仮囲いにも適用されることがあるため、注意が必要です。また、景観の一部である生垣や黒板塀を無断で撤去することも禁じられています。

もう一つは、胆沢地区に見られる「イグネ」と呼ばれる屋敷林です。イグネは地域の重要な景観資産とされ、伐採を極力避けるよう計画で定められています。だからこそ、イグネを残したまま内側の母屋だけを解体する必要があり、重機の操作や作業手順に高い技術が求められるのです。これらの規制は、工期や費用に影響する重要なポイントです。

解体工事・空き家対策の補助金

倒壊の危険が極めて高い空き家を対象にした補助金制度はありますが、年間の募集戸数が非常に少なく、利用のハードルは高いのが実情です。

制度名補助金額・率対象・条件
危険空き家除却費補助金上限50万円(対象経費の4/5)市の事前調査により不良住宅評点が100点以上と判定された「著しく危険な状態」の空き家。令和7年度の募集戸数は6戸。

この補助金を利用するには、市の交付決定が出てから契約・着工し、令和8年3月20日までに工事完了の報告をしなければなりません。

なお、2025年12月時点では、奥州市にブロック塀の撤去だけを対象とする単独の補助金制度はない可能性が高いです。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
奥州市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

市内の廃棄物処理は分別ルールが厳格ですが、県南という立地を活かし、宮城県の処理施設へ搬出する広域処理がコスト削減の鍵です。

解体で出る木くずや畳などの一般廃棄物の一部は「胆江地区衛生センター」へ搬入できますが、コンクリートガラや石膏ボードなどの産業廃棄物は受け入れていません。このセンターは奥州市と金ケ崎町からの廃棄物のみを対象としており、分別が不十分だと受け入れを断られることもあります。

だからこそ、多くの産業廃棄物は民間の処理施設へ運ぶことになります。特に奥州市は宮城県境に近いため、国道4号線を使って宮城県岩沼市などにある大規模なリサイクル施設へ石膏ボードなどを運び出すルートが確立されています。これは運搬費を含めてもコストを抑えられる場合があります。

運営者 稲垣運営者 稲垣

奥州市での解体工事は、国道4号水沢バイパスの渋滞や冬の気候といった物理的な条件への対応が求められます。それ以上に重要なのが、水沢の武家屋敷や胆沢のイグネ(屋敷林)など、市が定める景観規制への深い理解です。こうした地域の歴史を尊重し、適切な施工計画を立てられる業者を選ぶことが、トラブルを防ぎ、工事をスムーズに進めるための鍵といえます。

奥州市の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 40,300 27,100~63,500
鉄骨造 56,900 25,700~82,300
RC造 82,500 55,000~110,000
内装解体 47,500 15,000~80,000

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

奥州市の解体業者一覧

奥州市の解体業者、全5社をご紹介します。

株式会社広岡組の公式サイトスクリーンショット

株式会社広岡組

奥州市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社広岡組は、自社でリサイクルプラントを保有している点が特徴です。解体工事で出た木材やコンクリートなどを外部の業者に委託せず自社で処理・再資源化しています。そのため廃棄物処理にかかる中間マージンが発生せず、解体費用を抑えることにつながります。また、廃棄物の処理まで一貫して自社で管理しているため、法令に沿った適正な処理が期待できます。環境への配慮や法令遵守の体制は環境経営システム「エコアクション21」の認証を受けていることからも分かります。

スッキリ解体の分析

解体工事の費用は、主に「重機を使う費用」と「廃棄物の処理費用」で構成されています。広岡組のように自社で廃棄物の中間処理場まで持っている会社は多くありません。自社で処理できると費用を抑えられるだけでなく、誰がどのように廃棄物を処理したのかが明確になります。万が一、委託した業者が不法投棄などを行った場合には、依頼主も責任を問われる可能性があります。その点、最初から最後まで自社で管理している業者であれば、そうしたトラブルに巻き込まれる心配が少なく安心して任せられます。

注目ポイント
  • 解体から廃棄物の再資源化まで行う一貫体制
  • 自社のリサイクルプラントで廃棄物の処理費用を抑制
  • 環境経営の認証「エコアクション21」を取得
EC南部コーポレーション株式会社の公式サイトスクリーンショット

EC南部コーポレーション株式会社

奥州市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

EC南部コーポレーション株式会社は解体専門の業者とは異なり、土木部・建築部・重車両部など6つの専門事業部を持つ企業です。各事業部が連携することで、大規模な工場を解体した後の土地を宅地に造成し、そこに新しい施設を建設するといった一連の流れを自社グループ内で完結させられます。公共事業を請け負った実績もあり、障がい者雇用優良事業所として表彰されるなど、地域に根差した事業を展開しています。

スッキリ解体の分析

EC南部コーポレーションは解体工事だけでなく、その後の土地活用まで視野に入れている場合に相談先の一つの選択肢となります。通常、建物の解体・造成・建築はそれぞれ別の専門業者が担当します。しかし同社は、これらの工程をすべてグループ内で対応できる体制を持っています。そのため複数の業者とのやり取りが発生せず、計画全体をスムーズに進めやすいという利点があります。特に工場跡地のような広い土地の活用を考えている場合、構想段階から相談できる相手と言えます。

注目ポイント
  • 土木部・建築部・重車両部など6つの専門事業部を保有
  • 宮古警察署庁舎の建築工事など大規模案件に一貫対応
  • 公共事業の実績と障がい者雇用優良事業所としての表彰歴
髙惣建設株式会社の公式サイトスクリーンショット

髙惣建設株式会社

奥州市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

髙惣建設株式会社は、1929年に岩手県で創設された総合建設会社です。本社を置く奥州市のほか、盛岡市や陸前高田市にも拠点を構え、地域に密着した事業を展開しています。公共の土木工事から、企業向けの工場・倉庫、個人向けの注文住宅まで幅広く手掛けているのが特徴です。自治体と民間が協力して公共サービスを行うPFI事業にも参画した実績があり、企業の信頼性を測る一つの指標となります。また、工場や倉庫などの建設では部材を標準化して工期短縮とコスト削減を図る「システム建築」を導入しており、事業用の建物を計画している場合にも相談が可能です。

スッキリ解体の分析

一般的に「総合建設会社」と聞くと公共事業のイメージが強く、個人の住宅は依頼しにくいと感じるかもしれません。しかし髙惣建設のように公共工事から住宅まで手掛ける会社は、大規模な工事で求められる厳しい品質管理や安全基準に慣れています。特に自治体から施設の整備・運営を任されるPFI事業の実績は、経営の安定性や技術力を判断する上で参考になる点です。長年にわたり地域で事業を継続してきた歴史と合わせ、安心して相談できる会社の一つと言えます。

注目ポイント
  • 1929年創設の長い歴史
  • 公共事業から一般住宅まで対応する総合力
  • 工場や倉庫に適した「システム建築」にも対応
株式会社ホワイトアウルの公式サイトスクリーンショット

株式会社ホワイトアウル

奥州市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社ホワイトアウルは、解体工事だけでなく建物の診断や活用方法の提案も行っている会社です。専門資格を持つスタッフが建物の状態を調査し、解体以外の選択肢として修繕や売却などの可能性も検討します。その上で、それぞれの方法の利点と欠点を所有者に報告し、判断材料を提供します。そのため、所有する建物をどうすべきか迷っている段階でも相談しやすいのが特徴です。

スッキリ解体の分析

多くの解体業者は、工事の受注を主な目的としています。それに対して同社は、まず建物を診断し、解体が本当に必要かを判断する段階から関わる点に特徴があります。例えば専門家が客観的に調査することで修繕すればまだ十分に使える建物や、資産価値のある建物を不要に壊してしまう事態を避けられる可能性があります。すぐに解体を決めるのではなく、専門家の意見を聞いてから慎重に判断したいと考える人にとって心強い相談相手です。

注目ポイント
  • 解体・再生・再活用など複数の選択肢の提示
  • 専門資格者による建物診断と活用コンサルティング
  • 中間業者を介さない直接契約でのサービス提供
工藤建設株式会社の公式サイトスクリーンショット

工藤建設株式会社

奥州市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍

奥州市の解体業者が見つかりませんでした。

岩手県の市区町村一覧

解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。