岩手県陸前高田市の解体業者2社を比較|費用相場と地域の解体事情
陸前高田市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
陸前高田市に所在する2社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「陸前高田市の解体費用相場」や「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「陸前高田市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
陸前高田市の解体工事事情と地域特性
陸前高田市の概要
陸前高田市は東日本大震災からの復興事業で街の姿が大きく変わり、人口減少が進む中で新たなまちづくりが進められています。
岩手県南東部の沿岸に位置する陸前高田市は、リアス式海岸の美しい自然景観が広がる街です。2025年時点の人口は約16,872人で、主に自然減によって人口減少が続いています。
東日本大震災による甚大な被害からの復興のため、中心市街地では大規模なかさ上げ事業や高台移転が実施され、街の風景は一変しました。現在は建物の再建といったハード面の復興から、コミュニティをどう維持していくかというソフト面の新たな段階に入っています。
地形・道路事情と解体費用の傾向
リアス式海岸特有の急な坂道や、一部に残る狭い道路が解体工事の運搬費用を押し上げ、見積もり金額が高くなる要因になっています。
- 地形の特徴:三陸沿岸のリアス式海岸に位置するため平地は少なく、山が海に迫るような急な傾斜地が多く見られます。沿岸部の造成地や山腹の住宅では、基礎の下に花崗岩質の硬い岩盤がある場合も多く、基礎の撤去費用が通常より高くなる可能性があります。
- 道路事情:市街地は整備されていますが、特に半島部の広田町や山間部の矢作町などでは、大型ダンプや重機を運ぶトラックの進入が難しい狭い道が点在しています。
- 費用への影響:大型車両が入れない現場では、4トントラックや2トントラックで何度も往復して廃材を運び出す「小運搬(ピストン輸送)」が必要になり、運搬費が割高になりがちです。加えて、潮風による塩害対策も無視できず、重機のこまめなメンテナンスや、解体後のフェンス設置時に錆びにくい資材を選ぶ必要があり、こうした費用が見積もりに反映されることもあります。
運営者 稲垣私がこれまでに見てきた失敗例として多いのが、古い擁壁の崩落トラブルです。特に陸前高田市のような傾斜地では、見積もりの段階で「擁壁の安全性」について具体的に説明してくれる業者を選ぶのが、失敗しないための重要なポイントです。
復興後の「かさ上げ地」と解体後の「空き地管理」という課題
震災復興で安全に整備された「かさ上げ地」で使われていない土地が増え、解体後の土地管理、特に雑草対策が所有者にとって新たな悩みの種になっています。
陸前高田市では、高田地区や今泉地区で大規模なかさ上げ事業が実施され、津波に強い安全な市街地がつくられました。しかし、復興が長期に及んだことなどから造成地に戻らない住民もおり、結果として利用されない「空き地」が目立つようになっています。
特に夏場になると、これらの空き地ではセイタカアワダチソウといった雑草が人の背丈以上に生い茂り、「通学路の視界が悪くなる」「害虫が発生する」といった苦情が寄せられるなど、新たな地域問題になっています。
私有地の管理は所有者の責任のため、行政が直接草刈りをすることは難しく、市は条例に基づいて指導をしています。だからこそ、陸前高田市で建物を解体する際は、ただ更地にするだけでなく、その後の雑草対策まで見据えた計画がとても重要です。
解体工事・空き家対策の補助金
市の補助金は、一般的な老朽空き家の解体ではなく、土砂災害の危険がある区域からの移転や避難路沿いのブロック塀撤去といった、防災目的の制度が中心です。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| がけ地近接等危険住宅移転事業 | 最大975,000円(除却費) | 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)などに建つ危険住宅の解体・移転が対象です。 |
| ブロック塀等安全確保対策事業 | 最大50万円(費用の2/3以内) | 避難路や避-難地に面している危険なブロック塀の除却や建替えなどが対象です。 |
※2025年12月現在、上記のような防災関連以外の「一般的な老朽空き家」の解体を対象とした補助金制度は、市の公式サイトでは見当たりません。解体費用は原則として自己負担となる点に注意してください。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
陸前高田市の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
解体工事で出た建築廃材は市のクリーンセンターに持ち込めません。岩手県の許可を受けた民間の産業廃棄物処理業者へ委託することが法律で定められています。
陸前高田市を含む地域の家庭ごみなどを処理する「大船渡地区環境衛生組合(クリーンセンター)」では、解体工事で発生するコンクリートがら、木くず、石膏ボードといった建築廃材(産業廃棄物)の受け入れは一切していません。
「自分の家の解体で出たゴミだから」という理由で持ち込むことはできませんので、注意が必要です。解体工事の際は、必ず岩手県から許可を得た収集運搬業者や処分業者に委託し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行し、法律に則って適正に処理する必要があります。
運営者 稲垣陸前高田市での解体工事は、リアス式海岸特有の地形や道路事情への対応が求められます。それに加え、復興事業で整備されたかさ上げ地などでは、解体後の雑草対策といった土地管理まで見据えた業者選びが成功の鍵です。
陸前高田市の解体費用相場
| 建物構造 | 坪単価あたりの解体費用 | 価格幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 35,000円 | 30,400~42,500円 |
| 鉄骨造 | 46,200円 | 25,700~89,800円 |
| RC造 | 82,500円 | 55,000~110,000円 |
| 内装解体 | 47,500円 | 15,000~80,000円 |
※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
陸前高田市の解体業者一覧
陸前高田市の解体業者、全2社をご紹介します。
株式会社戸建
株式会社戸建は、1983年に創業した陸前高田市に拠点を置く総合建設業者です。同社の特徴は、陸前高田市が発注する公共工事を数多く手掛けている点です。過去には都市計画道路や公園の整備工事など、地域のインフラ整備に関わる重要な役割を担ってきました。公共工事の受注は技術力や経営の安定性に関する厳しい審査を通過した証でもあります。従業員は47名で、その中には1級土木施工管理技士や2級建築士といった国家資格を持つ技術者が多数在籍しています。事業範囲は土木・解体・建築・水道・内装工事まで多岐にわたり、解体後の宅地造成や新築工事までを一貫して任せられます。
- 陸前高田市発注の公共工事実績が豊富
- 土木・解体・建築・水道まで幅広く対応
- 1級土木施工管理技士など国家資格保有者が多数在籍
金野設備株式会社
陸前高田市の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?
-
「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?
-
それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?
-
いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?
-
相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる? 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?
-
問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?
-
いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。

自治体から公共工事を継続的に受注しているという事実は、業者を選ぶ上で分かりやすい判断材料です。公共工事は技術力・安全管理体制・財務状況など、自治体が設ける厳しい基準をクリアしなければ請け負えません。戸建が道路や公園といった地域の基盤整備を任されている点は、地元からの信頼が厚いことの表れと言えます。また、技術者が多く対応できる工事の幅も広いことから、解体からその後の土地活用までをまとめて相談したい場合に適した業者です。