神奈川県川崎市幸区の解体業者4社を比較|費用相場と地域の解体事情

川崎市幸区で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

川崎市幸区に所在する4社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「川崎市幸区の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「川崎市幸区の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

川崎市幸区の解体工事事情と地域特性

川崎市幸区の概要

川崎市の中でも幸区は、工業都市の歴史と木造住宅密集地域、近年の再開発が混在する、人口密度が非常に高いエリアです。

川崎市幸区は、市の東部にあり、多摩川と鶴見川に挟まれています。面積は約10.01k㎡と市内7区で最も小さいですが、約17.5万人が暮らす人口密度が極めて高い地域です。

明治以降は「工場の街」として発展した歴史があり、戦後に建てられた木造住宅の密集地と、近年のタワーマンションが混在する独特の景観を持っています。このように家々が密集している環境だからこそ、解体工事では騒音や振動への対策、そしてご近所への丁寧な配慮が何よりも重要になります。

地形・道路事情と解体費用の傾向

多摩川沿いの軟弱な地盤、国道409号の慢性的な渋滞、そして内陸部の狭い道が、解体費用を押し上げる主な要因です。

  • 地形の特徴:区の大部分は多摩川沿いの低地で、地盤は比較的軟弱です。特に戸手、小向、古市場といったエリアは、昔は川の氾濫原だったため、液状化のリスクも指摘されています。だからこそ、大型重機を使う工事では、転倒を防ぐための鉄板養生などを通常より厳重にする必要があります。
  • 道路事情:区を南北に走る国道409号(府中街道)は、トラックと一般車で日中は常に渋滞しており、廃棄物の搬出効率が落ちやすいのが難点です。加えて、内陸部の小倉や南加瀬といった住宅地には、バスが誘導員付きで走るほど道が狭い場所が多く、4トンダンプのような大型車両が入れない現場も珍しくありません。
  • 費用への影響:隣家との隙間がない密集地では、重機が使えず人の手で壊す「手壊し解体」になるため、工期が延びて人件費がかさみます。小倉・南加瀬エリアのように道が狭い現場では、2トン車で廃材を大通りまで何度も往復して運び出す「小運搬(ピストン輸送)」が必須です。この作業費が見積もりに上乗せされ、費用が割高になる傾向があります。
運営者 稲垣運営者 稲垣

幸区の不燃化重点対策地区では、補助金があるため解体や建て替えの相談が非常に多いです。だからこそ注意したいのが、業者選びです。補助金申請の手続きは意外と複雑なので、申請サポートの経験が豊富な業者を選ぶのが失敗しないためのポイントです。見積もりの際に、補助金利用の実績があるか、ひと言確認してみてください。

防災まちづくりが鍵。「不燃化重点対策地区」の解体需要

幸区では行政が木造住宅密集地の不燃化を強力に進めており、対象地区では解体や建て替えの需要が非常に活発です。

幸区の近年の解体工事を考える上で、川崎市が進める「防災まちづくり」は欠かせません。特にJR川崎駅西側の幸町、中幸町、都町などの一部は、大地震の際に火災が広がりやすい「不燃化重点対策地区」に指定されています。

これらの地域は戦後の復興期に木造住宅が密集して建てられた場所で、市の想定では大地震で約300棟が燃えてしまうと予測されています。

そこで市は、古い木造家屋の解体と燃えにくい建物への建て替えを促すため、最大100万円という手厚い補助金を用意しました。この制度が後押しとなり、対象エリアでは老朽化したアパートの解体や、相続をきっかけにした建て替えが活発に進んでいます。

解体工事・空き家対策の補助金

幸区では、特に「不燃化重点対策地区」を対象とした、最大100万円の老朽建築物除却補助制度が特徴的です。

制度名補助金額・率対象・条件
川崎市住宅等不燃化推進事業(老朽建築物除却工事)最大100万円幸町周辺などの「不燃化重点対策地区」内にある、旧耐震基準の建物または耐用年数を経過した老朽建築物。
ブロック塀等撤去促進助成金上限30万円(費用の1/2)道路や公園に面した高さ1.2mを超える危険なブロック塀などの撤去。※契約前の申請が必須。

【重要】不燃化推進事業の令和7年度(2025年度)の申請受付は、9月5日をもって終了しました。来年度以降の制度については、川崎市の発表を必ずご確認ください。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
川崎市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

解体で出る廃棄物の多くは川崎区臨海部の処理施設へ運びますが、そこへ向かう道の渋滞が運搬計画の大きな課題です。

幸区の解体工事で出たコンクリートガラや木くずといった産業廃棄物は、主に川崎区の臨海部(浮島町など)にある大規模な中間処理施設へ運ばれます。

ここは神奈川県内でも有数の処理能力を持つエリアですが、幸区から向かうには国道409号の激しい渋滞を抜けなければなりません。そのため、1日に運搬できる回数がどうしても限られてしまいます。

渋滞のピークを避け、いかに効率よく運搬計画を立てるかが、工期と費用を抑える上で重要なポイントです。

運営者 稲垣運営者 稲垣

川崎市幸区での解体工事を成功させるには、市の「不燃化推進事業」を理解し、補助金をうまく活用することが鍵です。特に幸町などの重点対策地区では、防災まちづくりの動きを把握しておくことが大切です。その一方で、国道409号の渋滞や小倉・南加瀬エリアの狭い道といった制約も多いため、地域の交通事情を熟知し、小運搬や手壊し解体に慣れた業者を選ぶ必要があります。

川崎市幸区の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 38,000 30,900~61,000
鉄骨造 40,600 36,200~45,000
RC造 77,300 69,600~85,000
内装解体 46,800 46,800~46,800

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

川崎市幸区の解体業者一覧

川崎市幸区の解体業者、全4社をご紹介します。

株式会社熊沢の公式サイトスクリーンショット

株式会社熊沢

中郡大磯町
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社熊沢は、1990年に大磯町で設立された会社です。解体工事だけでなく、建物を壊した後の造成工事や土地活用に関する土木工事まで幅広く手掛けています。同社の特徴は、解体から産業廃棄物の運搬、重機の回送まで工事に関わるすべての工程を自社で一貫して行っている点です。複数の業者が介在しないため余分な費用がかからず、工事の窓口も一つで済みます。責任の所在が明確であることも、依頼主にとっては安心材料です。

スッキリ解体の分析

解体業者を選ぶ際、「自社一貫体制」であるかは重要な確認点の一つです。解体工事では、廃棄物の運搬などを別の会社に依頼することがよくあります。その場合、会社間の連携がうまくいかないと工期が延びたり、トラブル時の責任の所在が分かりにくくなったりすることがあります。熊沢のように工事の始まりから終わりまでをすべて自社で管理している業者であれば、こうした心配を減らせます。すべての工程を一つの会社が把握しているため工事が円滑に進みやすく、依頼主としても安心して任せられます。

注目ポイント
  • 解体から廃棄物運搬 重機回送まで自社で完結
  • 解体後の造成工事など土地活用に関する土木工事に対応
  • 神奈川県や大磯町の公共工事の受注実績
有限会社岡里解体興業の公式サイトスクリーンショット

有限会社岡里解体興業

川崎市幸区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

川崎市で1973年に創業した有限会社岡里解体興業は、約50年にわたり地域に寄り添ってきた業者です。環境に優しい「エコ解体」を大切にし、廃棄物の分別や適正処理を徹底しています。依頼主からは「工事がスピーディー」「要望を丁寧に聞いてくれる」と評判です。地元の「川崎市建物解体業協同組合」にも加盟しており、信頼性も確かです。ブロック塀の撤去から住宅、マンションの解体まで、大小問わず安心して相談できます。

スッキリ解体の分析

解体業者を選ぶ上で、地域での長い業歴は、依頼主にとって大きな安心材料になります。一つの地域で50年近く事業を続けてこられたのは、大きな問題を起こさず、住民の方々の信頼を積み重ねてきたからです。加えて「川崎市建物解体業協同組合」といった地元の団体への加盟も、地域に根ざし責任ある仕事をするという意思の表れです。その土地の特性を知り尽くした上での安全な工事計画は、長年の経験を持つ業者だからこそ期待できる利点です。

注目ポイント
  • 1973年設立、川崎市での長い業歴
  • 環境に配慮した分別と適正処理
  • 川崎市建物解体業協同組合に加盟
  • ブロック塀からマンションまで幅広い工事に対応
畑架設工業株式会社の公式サイトスクリーンショット

畑架設工業株式会社

川崎市宮前区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

畑架設工業株式会社は、1979年の設立以来、建物の土台となる「杭打・山留工事」を専門的に手掛けてきた会社です。地面の下の構造や基礎を熟知しており、その専門知識は特に建物の基礎や地中に埋まった杭を撤去する際に活かされます。振動や騒音を抑える「SMP工法」を採用しているため、都市部の工事にも対応可能です。通常の解体業者では難しいとされる地中構造物の撤去も、安心して相談できます。

スッキリ解体の分析

解体工事の中でも地面の下に埋まっている基礎や杭の撤去は、特に専門性が求められる分野です。地盤や杭の種類を正確に把握せずに作業を進めると、隣接する地盤に影響を与えてしまう危険性もあります。その点、もともと杭工事を専門とする畑架設工業は地中の構造に関する知識が豊富です。どのような手順で撤去すれば安全かを的確に判断できるため、見えない部分の工事についても安心して任せられます。

注目ポイント
  • 杭打・山留工事で40年以上の実績
  • 都市部の工事に対応する特殊工法(SMP工法など)
  • 建物の基礎や地中杭の解体・撤去に対応
碓井建設株式会社の公式サイトスクリーンショット

碓井建設株式会社

海老名市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

碓井建設株式会社は、神奈川県海老名市で約半世紀にわたり事業を展開する業者です。個人住宅のリフォームや建て替えに伴う解体工事から賃貸物件の原状回復工事、店舗のスケルトン解体まで、幅広いニーズに対応しています。特にクッション性や透水性に優れたゴムチップ舗装を得意としており、保育園の園庭や施設の通路などの安全性が重視される場所での施工実績があります。「味の素スタジアム」の観客席増設における基礎工事といった公共性の高いプロジェクトに携わってきた実績も持っています。対応エリアは、海老名市・綾瀬市・厚木市などの県央地域を中心とした神奈川県全域と町田市です。

スッキリ解体の分析

碓井建設が「味の素スタジアム」のような大規模施設の基礎工事に協力した実績がある点は強みです。こうした公共性の高い工事は多くの場合、厳しい品質基準や工程管理が求められます。その基準をクリアできる技術力や管理体制があることは、一般的な住宅リフォームや解体工事を依頼する上でも一つの安心材料となります。工事の品質やスケジュール管理を重視したい方にとって参考になる実績です。

注目ポイント
  • 個人のリフォームから法人の原状回復まで幅広く対応
  • 商業施設や競技場の施工に携わった技術力
  • 安全性が求められるゴムチップ舗装の専門施工

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解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。