三重県いなべ市の解体業者2社を比較|費用相場と地域の解体事情
いなべ市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
いなべ市に所在する2社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「いなべ市の解体費用相場」や「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「いなべ市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
いなべ市の解体工事事情と地域特性
いなべ市の概要
いなべ市は三重県最北端に位置し、自動車関連産業が集まる一方、4つの町が合併したためエリアごとに異なる特性があります。
三重県いなべ市は、鈴鹿山脈と養老山地に挟まれた員弁川流域に広がる、人口約4万4千人(令和6年10月時点)の街です。
2003年に北勢町、員弁町、大安町、藤原町の4町が合併して誕生したため、エリアごとに街の性格が大きく異なります。
例えば、大安町には自動車関連の工場が集まり働く世代が多い一方、北勢町の旧市街地や藤原町の山間部では高齢化が進み、空き家問題が深刻化しています。工業地帯から歴史的な商業地、山間部まで多様な顔を持っているのが特徴です。
地形・道路事情と解体費用の傾向
養老断層が作る急勾配の地形や、昔ながらの狭い道が、解体工事の難易度と費用を押し上げる大きな要因です。
- 地形の特徴:市の東側を走る活断層「養老断層」の影響で、急な崖に面した集落が多く見られます。こうしたエリアでは、現在の基準に合わない古い擁壁の崩壊リスクに注意が必要です。また、員弁川沿いの低地では、基礎の解体時に地下水が湧き出し、排水作業などの追加工事が発生する可能性があります。
- 道路事情:市の中心地である北勢町阿下喜地区は、昔の町割りがそのまま残っており、道幅2〜3mほどの狭い路地が網の目のように広がっています。このため、一般的な重機や4tダンプが入れない現場が数多くあります。
- 費用への影響:急な坂道や狭い道が多い現場では、小型車で何度も往復して廃棄物を運び出したり、重機が使えず手作業で壊す部分が増えたりします。結果として、運搬費や人件費が通常より1.5倍から2倍に膨らむ傾向があります。加えて、冬場は「鈴鹿おろし」と呼ばれる強風や藤原町での大雪で、足場の安全対策や除雪作業のために工期が延びるリスクも考慮しなければなりません。
運営者 稲垣阿下喜地区のような密集地では、隣家との境界や壁の補修をめぐるトラブル相談が本当に多いんです。特に長屋の切り離しは、隣家への配慮と高度な技術が求められます。だからこそ、見積もりの段階で「隣の家の補修はどうするのか」を具体的に説明し、書面に残してくれる誠実な業者を選ぶことが、後々のトラブルを防ぐ一番のポイントです。
阿下喜地区の歴史的景観と危険空き家の解体問題
北勢町阿下喜地区では、昭和レトロな街並みを残そうという動きと、倒壊寸前の危険な空き家を解体する必要性の間で、技術的にも費用的にも難しい問題が起きています。
いなべ市の解体事情を象徴するのが、旧市街地である北勢町阿下喜地区です。この地区はかつて三岐鉄道北勢線の終着駅として栄え、昭和初期の面影を残す建物が点在することから、市が観光資源として活用を進めています。
しかし一歩裏通りに入ると、屋根が落ち、壁が崩れた危険な空き家が数多く放置されているのが現状です。
特に問題なのが、隣家と壁や柱を共有する「長屋建て」の解体です。一軒だけを壊すには、隣の家の壁を補修したり、屋根の雨漏りを防ぐ工事をやり直したりする必要があり、高額な追加費用がかかります。
加えて、昭和の時代にリフォームされた建物も多く、見た目では分からなくても外壁材にアスベスト(石綿)が含まれている可能性も。これも解体費用を押し上げる一因です。市の補助金制度もありますが上限額が約20万円のため、特殊な工事費を賄うには十分とはいえず、結果として危険な空き家が放置される悪循環が生まれています。
解体工事・空き家対策の補助金
いなべ市の補助金は、景観改善よりも地震対策に重点を置いており、昭和56年以前に建てられ、倒壊の危険性が高いと診断された木造住宅の解体が対象です。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| 木造住宅耐震補強等補助事業(木造空き家除却補助事業) | 対象工事費の23% (上限 20万7,000円) | ・昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震基準の木造住宅であること。 ・市の無料耐震診断で評点が0.7未満(倒壊の可能性が高い)と判定されていること。 |
この補助金を利用するためには、必ず解体工事の契約や着工の前に申請し、市から交付決定を受けなければなりません。工事後の申請は一切認められないので注意が必要です。
また、予算の上限に達すると受付が終了してしまうため、年度が始まったら早めに市の担当課へ相談することをおすすめします。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
いなべ市の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
いなべ市は広域の清掃組合から脱退したため、解体で出る産業廃棄物は市外の遠くの施設まで運ぶ必要があり、運搬費用が高くなりやすい点に注意が必要です。
いなべ市は「桑名広域清掃事業組合」から脱退し、単独の廃棄物処理体制へ移行しました。この変更により、市内の「あじさいクリーンセンター」では、解体工事で出るコンクリート殻や木くずといった産業廃棄物を原則として受け入れていません。
したがって解体業者は、桑名市南部や四日市市、あるいは県境を越えて岐阜県大垣市方面など、民間の処理施設まで長距離をかけて運ばなければなりません。この運搬距離の長さは、人件費や燃料費として解体費用の見積もりに直接反映されます。
運営者 稲垣いなべ市での解体工事は、阿下喜地区のような歴史的市街地での長屋切り離しといった特殊技術や、養老断層沿いの急傾斜地に対応できる業者選びが鍵です。また、産業廃棄物の処理施設が市外の遠方にあるため、運搬計画をしっかり立てられるかどうかも重要な確認点です。
いなべ市の解体費用相場
| 建物構造 | 坪単価あたりの解体費用 | 価格幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 26,400円 | 24,900~28,300円 |
| 鉄骨造 | 35,000円 | 35,000~35,000円 |
| RC造 | 87,500円 | 55,000~120,000円 |
| 内装解体 | 37,900円 | 22,000~51,600円 |
※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
いなべ市の解体業者一覧
いなべ市の解体業者、全2社をご紹介します。
株式会社岡興産
株式会社岡興産は、1947年に創業し、長年にわたり三重県いなべ市で事業を展開してきました。その技術力は、三重県やいなべ市から複数回にわたって「優良工事表彰」を受けていることからもうかがえます。また、同社は品質管理、環境への配慮、労働安全衛生という3つの分野で国際規格(ISO)の認証を取得しています。これは、工事の進め方や作業員の安全管理について、国際的な基準を満たす仕組みが社内に整えられていることを示しています。
- 三重県やいなべ市から複数回の「優良工事表彰」
- 国際規格(ISO)の3分野(品質・環境・労働安全衛生)での認証
- 木くずの自社処理が可能な「産業廃棄物処分業許可」の保有
水谷建設株式会社
水谷建設株式会社は、三重県いなべ市で70年以上にわたり事業を続ける総合建設業者です。長年、地域の公共事業にも携わってきたため、周辺環境や土地の特性をよく理解しています。同社の特徴は、解体工事だけで終わらない点にあります。解体後の土地の造成や舗装、新築、外構工事までをすべて自社で請け負うことが可能です。そのため、解体後の土地活用についても、次の工程を見据えた具体的な相談ができます。
解体工事が終わった後の土地は、売却したり、新しく家を建てたりといった次の使いみちがあります。その際に、解体と建築を別々の業者に依頼すると、業者間の情報共有がうまくいかず、話がスムーズに進まないことも考えられます。その点、水谷建設株式会社のように解体から建築までを一貫して手掛ける会社であれば、まとめて対応可能です。土地の状況をよく知る担当者と継続して相談できるため、解体後の計画も立てやすいでしょう。
- 創業70年以上、いなべ市に根差した総合建設業
- 解体、土木、舗装、新築、外構までを自社で対応
- 公共事業の実績あり
いなべ市の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?
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「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?
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それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?
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いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?
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相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる? 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?
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問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?
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いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。

多くの業者が「安全・安心な工事」を掲げますが、その裏付けを客観的な形で示せるかは重要なポイントです。岡興産が取得している品質や労働安全衛生に関する国際規格(ISO)の認証は、その言葉を判断するための一つの材料になります。こうした認証は、個人の経験則だけに頼るのではなく、会社全体として安全や品質を管理する「仕組み」が機能していることを意味します。万が一の事態を防ぐための組織的なリスク管理能力は、安心して工事を任せられる業者を選ぶ上で、参考になるでしょう。