三重県尾鷲市の解体業者3社を比較|費用相場と地域の解体事情

尾鷲市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

尾鷲市に所在する3社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「尾鷲市の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「尾鷲市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

尾鷲市の解体工事事情と地域特性

尾鷲市の概要

尾鷲市は、リアス式海岸と険しい山々に囲まれた地形で、人口減少と空き家問題が防災面での大きな課題です。

三重県尾鷲市は、紀伊半島の南東部に位置する、太平洋のリアス式海岸と背後に迫る紀伊山地に囲まれた独特の地形が特徴です。かつては林業と漁業で栄えましたが、現在の人口は約1.6万人まで減少し、深刻な空き家問題に直面しています。

特に南海トラフ巨大地震への備えは急務です。この地域での老朽化した建物の解体は、単なる資産整理以上の意味を持ち、津波や土砂災害から命を守るための重要な防災対策といえます。

地形・道路事情と解体費用の傾向

日本有数の雨量、平地が極端に少ない急な斜面、そして重機の進入を阻む狭い路地。これらが解体費用を押し上げる主な要因です。

  • 地形の特徴:山が直接海に落ち込むようなリアス式海岸が特徴で、平地は河口付近の限られたエリアしかありません。そのため、多くの集落は津波を避けるために斜面を切り拓いて階段状に作られており、家屋の多くが急傾斜地に建っています。年間降水量が4,000mmを超える多雨気候は、建物の腐食を早め、地盤を緩ませるリスクにもなっています。
  • 道路事情:階段状の集落には、人がすれ違うのがやっとの路地(セコ)が張り巡らされ、重機やトラックが入れない「無接道地」が非常に多いです。特に九鬼町などでは幅員1.5m以下の道も珍しくなく、現代の効率的な解体工事が物理的に難しい町並みです。
  • 費用への影響:重機が使えない現場では、人力での「手壊し解体」が基本で、廃材をトラックまで手で運ぶ「小運搬」作業が欠かせません。こうした追加作業に加え、遠い処分場までの輸送費や雨による工期の遅れなども重なり、解体費用は県内の他エリアと比べてかなり高くなる傾向があります(特殊高コストエリア)。
運営者 稲垣運営者 稲垣

私がこれまで見てきた尾鷲市の見積もりでは、「手壊し費用」や「小運搬費」が大きな割合を占めるケースがほとんどです。だからこそ、見積書にこれらの項目がきちんと明記されているかを確認することが重要です。もし「解体工事一式」としか書かれていない場合は、その内訳をしっかり説明してくれる業者を選んでください。

【九鬼・須賀利】地区で変わる解体難易度と特殊な搬出方法

尾鷲市では九鬼町や須賀利町といった地区ごとに解体の条件が大きく異なり、昔ながらの道路事情から手壊しや小運搬といった特殊な作業が必須になります。

尾鷲市内での解体工事は、対象地区によって難易度と工法が大きく変わります。

特に九鬼町は、集落内の道幅が1.5m以下と極めて狭く、軽トラックでさえ入れない場所が多くあります。そのため運搬車両は港の広場などで待機するしかなく、現場からは一輪車などを使って人力で廃材を運び出す「小運搬」が欠かせません。また、漁業で栄えた時代に築かれた立派な石垣を傷つけないよう、振動を避けた慎重な手壊し作業が求められます。

須賀利町は、限られた土地に家が密集しており、隣家との距離が数十センチという現場も珍しくありません。足場を組むスペースの確保や、お隣の敷地を一時的に借りるための近隣交渉が、工事を進める上で非常に重要です。市街地からのアクセスに時間がかかるため、重機の回送費や作業員の移動コストも見積もりに影響します。

尾鷲駅周辺の市街地エリアでも、隣家と壁を共有する長屋の「切り離し解体」や、解体後に家を建てられない「再建築不可物件」の取り扱いなど、特有の課題があります。

解体工事・空き家対策の補助金

尾鷲市では、耐震基準を満たさない木造住宅や危険な空き家の解体を対象とした補助金制度がありました。

制度名補助金額・率対象・条件
耐震性のない木造住宅除却事業費補助金工事費の23%相当額(上限20万7,000円)昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅で、耐震診断の結果、倒壊の可能性が高いと判定されたものなど。
老朽危険空き家除却費補助金(市の規定による)倒壊の危険など、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす「特定空家」レベルの物件で、市の調査で認定されたもの。
ブロック塀等撤去費補助金(市の規定による)避難路や通学路に面した、地震時に倒壊の危険があるブロック塀の撤去・改修。

※上記は2025年度(令和7年度)の情報です。耐震性のない木造住宅除却事業費補助金の公募は2025年8月18日に、老朽危険空き家除却費補助金の2次募集は11月14日に完了しました。次年度以降の制度については、尾鷲市の公式サイトでご確認ください。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
尾鷲市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

解体で出る産業廃棄物は市のクリーンセンターで処分できず、民間の処理施設へ長距離輸送するため、処分費用が割高になる傾向があります。

尾鷲市の解体工事で発生した木材やコンクリートガラなどの廃材は「産業廃棄物」にあたるため、市のクリーンセンター(清掃工場)へは持ち込めません。そのため、解体業者は民間の産業廃棄物処理業者に処分を委託します。

市内や周辺地域に中間処理施設や収集運搬業者はありますが、最終処分場が遠方になることも少なくありません。津市方面や和歌山県方面まで長距離輸送が必要になる場合、その運搬費が見積もりに上乗せされます。解体費用を少しでも抑えるには、工事が始まる前に家財道具などを自分で一般廃棄物として処分しておくことが大切です。

運営者 稲垣運営者 稲垣

尾鷲市での解体工事は、大雨や急な斜面といった厳しい自然条件に加え、九鬼町や須賀利町など地区ごとの昔ながらの狭い道路が、費用と工法を大きく左右します。人力での手壊しや廃材の小運搬が必須の現場も多いため、こうした現地の特殊な事情を熟知し、安全管理を徹底してくれる業者を選ぶことが何より重要です。

尾鷲市の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 40,800 25,200~67,400
鉄骨造 44,300 26,400~82,100
RC造 87,500 55,000~120,000
内装解体 37,900 22,000~51,600

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

尾鷲市の解体業者一覧

尾鷲市の解体業者、全3社をご紹介します。

有限会社尾鷲環境開発の公式サイトスクリーンショット

有限会社尾鷲環境開発

尾鷲市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

有限会社尾鷲環境開発の大きな特徴は、自社で廃棄物の「中間処理場」を保有している点です。これにより、解体工事で発生した廃棄物の収集運搬から処理までを、一貫して自社で管理しています。廃棄物が最終的にどこでどのように処理されるかが明確なため、不法投棄といった心配がありません。創業から30年以上、法令違反がないという事実も、法令を遵守する姿勢の高さを示しています。また、解体前に出る不要品の回収や買取も行っており、依頼者の負担を減らすためのサービスも整っています。

スッキリ解体の分析

解体業者を選ぶ上で、「自社で中間処理場を持っているか」は参考になる点です。多くの業者は廃棄物の収集や運搬までを担当し、処理そのものは外部の業者に委託します。その点、同社のように処理まで自社で完結できる業者であれば、廃棄物の流れを最後まで把握できるため安心です。どこで、どのように処理されたかが不透明になる心配がないため、コンプライアンスを重視する場合でも、安心して工事を任せやすいでしょう。

注目ポイント
  • 自社の中間処理場で廃棄物を処理
  • 創業30年以上にわたり法令違反なし
  • 解体前の不要品回収や買取にも対応
株式会社東組の公式サイトスクリーンショット

株式会社東組

尾鷲市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社東組は、昭和4年に創業した総合建設業者です。事業の95%を国や自治体が発注する公共工事が占めており、主に道路やトンネルといった社会基盤の整備を手掛けています。その技術力は、国土交通省から受けた多数の優良工事表彰によって客観的に示されています。「令和4年度42号熊野道路建設工事」のような大規模な国家プロジェクトや、特殊な技術が必要となるプラント設備の撤去など、難易度の高い工事にも対応しています。

スッキリ解体の分析

株式会社東組は、主に国や自治体の大規模な公共事業を行っています。ここで注目したいのが、国土交通省から繰り返し「優良工事表彰」を受けている点です。この表彰は、工事の品質はもちろん、安全管理や工期の遵守といった総合的な管理能力が高くなければ得られません。こうした事実から、同社が非常に高い施工技術と管理体制を持つ企業であることが分かります。個人が直接工事を依頼する機会は少ないかもしれませんが、地域にこれだけ信頼性の高い企業が存在することは、一つの安心材料と言えるでしょう。

注目ポイント
  • 国や自治体が発注する公共工事が事業の95%
  • 国土交通省などから受けた多数の優良工事表彰
  • 昭和4年創業、大規模・高難易度工事に対応
株式会社ハヤミ重機の公式サイトスクリーンショット

株式会社ハヤミ重機

尾鷲市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社ハヤミ重機は、重機のレンタル・販売・修理を主軸に、建物の解体工事や運送事業まで幅広く手掛ける会社です。最大の特徴は、解体工事の専門業者であると同時に、「重機そのもののプロフェッショナル」である点です。多種多様な重機を自社で整備・保有しているため、現場の状況に応じた最適な機材を選定し、迅速かつ丁寧に解体作業を進めることができます。

スッキリ解体の分析

解体工事の品質や効率は、現場で使われる重機の性能と、それを操るオペレーターの技術に大きく左右されます。ハヤミ重機のように、重機のレンタルや修理を本業として手がけている会社が解体工事を行う場合、機械に関する深い知識と技術的な裏付けがあるという点で、大きな信頼性があります。状況に応じた最適な重機を自社で手配できるため、無理のない効率的な作業計画が立てやすく、結果として安全性の向上や工期の短縮にも繋がります。

注目ポイント
  • 重機のレンタル、販売、修理事業を主とする高い専門性
  • 建物解体事業では、専門知識を活かした安全・的確な施工を実施
  • 創業36年以上の豊富な実績

尾鷲市の解体業者が見つかりませんでした。

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解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。