岡山県瀬戸内市の解体業者一覧（4社）｜地域の解体事情
瀬戸内市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
瀬戸内市に所在する4社を、50の独自項目（対応工事・保有資格・安全対策など）で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「瀬戸内市の解体事情や補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「瀬戸内市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。
瀬戸内市の解体工事事情と地域特性
瀬戸内市の概要
瀬戸内市は、旧3町が合併して誕生した背景があり、エリアごとに異なる特徴を持つ地域です。
瀬戸内市は2004年に邑久町、牛窓町、長船町が合併して誕生した市で、2025年11月時点の人口は約3.6万人です。
市域は大きく3つのエリアに分けられ、それぞれ異なる顔を持っています。JR赤穂線沿いの旧邑久町は岡山市のベッドタウン、瀬戸内海に面した旧牛窓町は港町の歴史を持つ観光地、そして吉井川流域の旧長船町は田園風景が広がる宿場町としての特徴があります。
地形・道路事情と解体費用の傾向
瀬戸内市は、沿岸部の急な斜面と河川流域の軟弱な地盤という対照的な地形が混在しており、解体費用が割高になりやすい傾向があります。
- 地形の特徴：南部の牛窓地区は、かつて港町として栄えた歴史があり、平地が少なく急な斜面に家が密集しています。一方で、北部の長船・邑久地区は吉井川の氾濫が起きてきたエリアで、地盤が弱い土地が広がっており、過去に水害を繰り返してきた歴史があります。
- 道路事情：沿岸部の牛窓地区には、昔ながらの町割りが残っており、2tトラックすら入れない狭い道や、車が通れない階段だけの場所が多くあります。幹線道路として岡山ブルーラインはありますが、市街地へ向かう道は朝夕に渋滞しやすいです。
- 費用への影響：牛窓地区の車が入れないエリアでは、手作業での解体や人力での廃材運び出しが必須で、費用が相場の1.3倍から2倍以上に上がることもあります。加えて、長船地区では地盤が弱いため重機の下に敷く鉄板が不可欠で、その分の仮設費用が上乗せされます。市内に産業廃棄物の最終処分場がないため、岡山市などへの運搬費が見積もり金額を押し上げる一因です。
運営者 稲垣景観計画が定められているエリアでは、解体後のトラブル相談が後を絶ちません。特に多いのが「再建築不可」のケースです。知らずに解体してしまい、新しい家が建てられないと気づくのでは遅すぎます。だからこそ、契約前にこうした行政の規制までしっかり調査し、説明してくれる業者かどうかを見極めることが本当に重要です。
歴史的景観が影響する解体工事の制約
市内の一部エリアでは景観を守るための厳しい規制があり、解体工事の進め方や跡地の使い方に特別な配慮が必要です。
瀬戸内市、特に「備前福岡景観形成重点区域（長船町）」や「牛窓眺望景観形成重点区域（牛窓町）」では、歴史的な町並みを守るための景観計画があります。このため、解体工事には通常とは違う制約がかかります。
例えば、工事現場を囲うシートの色が、景観に合わせたグレーやベージュなどに指定される場合があります。解体後の土地の利用にも注意が必要で、ただ更地にして駐車場にするだけでも、フェンスの形や地面の素材について行政との打ち合わせが求められることもあります。
さらに重要な点として、これらの地区の建物は現在の法律で定められた道路への接道義務を満たしていないことが多く、一度壊すと新しい建物を建てられない「再建築不可」のリスクがあります。だからこそ、工事を始める前に、所有者と行政とで念入りな打ち合わせが不可欠です。
解体工事・空き家対策の補助金
市には古くなった空き家の解体を補助する制度がありますが、年度内の申請期間が決まっているため注意が必要です。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| 空家等除却支援事業補助金 | 解体工事費の3分の1以内（上限50万円） | 市の認定を受けた「特定空家等」またはそれに準ずる危険な空き家であること。 |
※2025年12月9日現在、令和7年度の申請受付は終了しています（受付期間：4月〜11月末）。来年度（令和8年度）の利用を考えるなら、春の受付開始に備え、事前に市へ特定空家等の認定について相談しておくとスムーズです。なお、危険なブロック塀の撤去だけを対象とした補助金は、現時点では確認できませんでした。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
瀬戸内市の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
市内に産業廃棄物の処分場がないため、解体で出た廃材は主に岡山市内の処理施設まで運ぶ必要があります。
解体工事で出るコンクリートガラや金属くず、石膏ボードといった産業廃棄物は、瀬戸内市内の施設では処理できません。岡山市南区などにある民間の処理施設まで運ぶ必要があり、この運搬費が見積もりに影響します。
ちなみに、家庭ごみを直接持ち込める「クリーンセンターかもめ」がありますが、解体工事で出た廃材は産業廃棄物扱いなので、業者がここに持ち込むことは認められていません。
運営者 稲垣瀬戸内市での解体工事は、牛窓地区の急な斜面や狭い道、そして長船地区の弱い地盤という、異なる二つの課題への対応が求められます。特に、歴史的な景観を守るための規制が工事の進め方に大きく関わるため、こうした地域ごとの特性と行政ルールを深く理解している業者を選ぶことが、成功の鍵です。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
瀬戸内市の解体業者一覧
瀬戸内市の解体業者、全4社をご紹介します。
株式会社元浜組
株式会社元浜組は、昭和6年から90年以上にわたり岡山で事業を続ける会社です。同社の特徴は、近隣環境への配慮から工事後のアフターケアまで一貫して管理する「トータル受注システム」を設けている点にあります。解体して終わりではなく、その後の土地の状態まで責任を持つ姿勢が見られます。近年では「大富駅」の駅前整備といった公共工事も手掛けており、長年の経験と技術力が自治体からも評価されていることが分かります。
- 昭和6年創業、岡山で90年以上の業歴
- 近隣配慮からアフターケアまで含む「トータル受注システム」
- 「大富駅」駅前整備をはじめとする公共工事の実績
株式会社松本工務店
株式会社松本工務店は、瀬戸内市で約60年間、公共工事を中心に事業を展開している会社です。これまでに「三石駐在所」や「道の駅」といった地域の施設の建設も手掛けてきました。公共工事で求められる厳しい安全基準や施工品質が、個人の家屋解体にも適用されるため、安心して任せられます。また、社内には1級建築士が在籍しており、解体後の造成や新築、リフォームまで一貫して相談可能です。複数の業者に依頼する手間が省け、窓口が一つになる点も特徴です。
公共工事を長く請け負っているという点は、業者選びの参考になります。役所が発注する工事は税金で賄われるため、業者の選定基準が非常に厳しいのが一般的です。安全管理はしっかりしているか、法律を守って工事を進められるか、といった点を細かく審査されます。その審査に60年間通り続けてきたということは、それだけ安定した施工品質と管理体制があると考えられます。自宅の解体という個人の依頼でも、公共工事と同じ水準の丁寧な対応が期待できるでしょう。
- 瀬戸内市で60年にわたる公共工事の実績
- 1級建築士が在籍し解体から造成、新築まで一貫対応
- 公共工事の基準に準拠した安全管理体制
ユージー技建株式会社
ユージー技建株式会社は1950年創業、資本金9,500万円の総合建設会社です。公共事業では「邑久駅」の駅前整備を、民間工事では「ナカシマプロペラ株式会社」の工場建設を手掛けるなど、大規模な工事の実績が多数あります。会社の規模が大きく経営が安定しているため、長期間にわたる工事でも安心して任せやすいでしょう。また、社内に不動産事業部があり、解体後の土地活用についても相談が可能です。
解体業者を選ぶ際、会社の経営が安定しているかどうかは重要なポイントです。工事期間は数ヶ月に及ぶこともあり、その間に業者が倒産してしまうリスクもゼロではありません。その点、資本金が9,500万円と大きい会社は、経営体力がある一つの目安になります。万が一、工事中に予期せぬトラブルが起きても、会社に体力があれば最後まで責任を持って対応してくれる可能性が高まります。こうした経営の安定性は、安心して工事を任せられる業者選びの基準の一つです。
- 創業1950年、資本金9,500万円の安定した経営基盤
- 公共事業や大手企業の工場建設など大規模工事の実績
- 不動産事業部による解体から土地活用までの一貫サポート
一本松商事株式会社
一本松商事株式会社は、不動産取引を専門とする会社です。そのため解体工事そのものだけでなく、工事を終えた土地を今後どうするかという点まで含めて相談に乗ってもらえます。例えば、土地の売却や賃貸、駐車場としての経営など、地域の市場の状況に応じた活用方法を一緒に検討してくれます。また、建設会社である「藤田建設グループ」の一員でもあるため、不動産の知識と建設の技術の両方をあわせ持っています。解体からその後の土地活用まで、一貫して依頼できるのが特徴です。
家の解体を考えたとき、多くの場合はまず建物を壊すことから考え始めます。しかし、更地にした後で「この土地をどうしようか」と悩んでしまうケースは少なくありません。一本松商事株式会社のような不動産会社は、まず「この土地を将来どう活用したいか」という計画を立てるところからサポートします。なぜなら土地を売るか、誰かに貸すかによって、最適な土地の整備方法が変わってくる場合があるためです。先に計画を立てておくことで、解体工事をより計画的に進められます。特に空き家の処分など、解体後の活用方法に迷っている場合には、心強い相談相手になるでしょう。
- 不動産会社として解体後の土地活用を提案
- - 地域の市況に応じた売却、賃貸、駐車場経営などの選択肢
- - 建設会社「藤田建設グループ」の一員としての施工体制
瀬戸内市の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき？
-
「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか？
-
それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代（借りる費用）がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか？
-
いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか？
-
相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物（不用品）の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体
【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの？費用はいくらかかる？ 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか？
-
問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか？
-
いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。
解体工事は、建物がなくなれば業者との関係も終わるのが一般的です。そのため「アフターケア」を掲げる会社は多くありません。株式会社元浜組がアフターケアに言及しているのは、解体後の土地がどのように活用されるかまでを視野に入れているからだと考えられます。工事中だけでなく、工事後のことまで考えてくれる業者であれば、最後まで責任を持って作業を進めてくれるだろうという安心感につながります。