大阪府大阪市港区の解体業者5社を比較|費用相場と地域の解体事情

大阪市港区で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

大阪市港区に所在する5社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「大阪市港区の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「大阪市港区の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

大阪市港区の解体工事事情と地域特性

大阪市港区の概要

大阪市港区は、その全域が埋立地で、商業エリア、昔ながらの住宅地、港湾施設が入り混じる独特な街です。

港区は大阪湾に面しており、エリア全体が平坦な埋立地です。推計人口は約80,100人(2025年11月時点)、高齢化率は市内平均を上回っています。

この区の特徴は、場所によって全く違う顔を持つ点です。東部の弁天町周辺は高層ビルが並ぶオフィス街、中部の市岡・磯路エリアは江戸時代の新田開発の名残がある木造住宅の密集地、そして西部の築港・海岸通エリアは観光施設と港の機能が共存しています。

こうした多様な街のつくりが、解体工事の進め方や注意点を一筋縄ではいかないものにしています。

地形・道路事情と解体費用の傾向

戦後に行われた大規模な「嵩上げ」による地中障害物のリスクと、江戸時代から続く狭い道が、港区の解体費用を押し上げる特有の要因です。

  • 地形の特徴:全域が平坦な埋立地のため、地盤は軟弱です。特に注意すべきは、戦後の地盤沈下対策で実施された約2メートルの「嵩上げ」工事です。この影響で、現在の地面の下に古い建物の基礎やコンクリートガラといった地中障害物が埋まっている可能性が、他の地域に比べて極めて高いのが特徴です。
  • 道路事情:市岡や磯路といった中部エリアは、江戸時代の農道や水路が元になっているため、道幅が4m未満の狭い道が非常に多く残っています。加えて、この辺りは複雑な一方通行の規制も多く見られます。
  • 費用への影響:工事を始めてから地中障害物が見つかり、その撤去・処分で追加費用が発生するケースが他地域より多くなります。道が狭いため4tトラックが入れず、2tトラックで何度も往復する「小運搬」が必要になり、運搬費が上がりがちです。交通誘導員の配置が必須の現場も多く、その人件費も見積もりに上乗せされます。
運営者 稲垣運営者 稲垣

港区の案件で私がよく目にするのが、見積もりに「地中障害物撤去費用は別途」と小さく書かれているケースです。特にこのエリアは「嵩上げ」の歴史から、何か出てくる可能性が本当に高い。契約前に「もし何か出てきたら、費用はいくら位かかりますか?」と具体的に質問し、誠実に答えてくれる業者を選ぶのが失敗しないコツです。

ポスト万博の物流混乱と解体工事への影響

2025年10月に閉幕した大阪・関西万博の撤去作業の影響で、廃棄物処分場へ向かう道路が混雑し、港区の解体工事では運搬コストが一時的に上昇しています。

2025年12月現在、港区の解体業界は万博の撤収作業という特殊な状況にあります。万博会場から出る大量の廃棄物と、港区の現場から出る廃棄物が、同じ舞洲の処理施設へ向かうためです。

この影響で、舞洲へつながる此花大橋周辺では慢性的な交通渋滞が起きています。普段なら往復40分ほどの道のりが、今では2〜3時間かかることも珍しくありません。

運搬効率が大幅に落ちた結果、ダンプカーの費用が上がり、解体費用の見積もりに「渋滞割増」として上乗せされる事態になっています。

解体工事・空き家対策の補助金

港区内の木造住宅が密集するエリアでは、狭い道を広げたり、防災性を高めたりするための大阪市の解体補助金制度を使える可能性があります。

制度名補助金額・率対象・条件
大阪市狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度最大75万円~200万円原則として、昭和25年以前(重点対策地区では昭和56年5月31日以前)に建てられた木造住宅が対象です。幅員4m未満の道路に面している必要があり、港区内では磯路、市岡、南市岡、波除などが対象エリアになることがあります。
防災空地活用型除却費補助制度解体費+空地整備費を補助重点対策地区内で、解体後の土地を一時的な避難場所として大阪市に無償で貸し出す場合に適用されます。固定資産税が減免されるメリットもあります。

※これらは大阪市の制度です。適用には細かい条件の確認が欠かせません。申請を考える際は、必ず事前に市の担当窓口へ相談してください。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
大阪市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

廃棄物処分場へのアクセスは良好ですが、大阪府が定める厳しい分別ルールとアスベスト(石綿)規制を守ることが絶対条件です。

港区は、廃棄物処理施設が集まる舞洲に最も近い区の一つで立地は良いものの、工事では大阪府の厳しいルールに従わなくてはなりません。特に最終処分場の受入基準が厳格で、現場では木くずやプラスチック、石膏ボードなどを徹底して分別する必要があります。

また、80㎡以上の建物を解体する際の建設リサイクル法の届出は、港区役所ではなく大阪市役所の本庁舎へ提出します。

アスベスト(石綿)についても専門家による事前調査が義務付けられています。古い工場や倉庫が残る港区では、特に注意が必要なポイントです。

運営者 稲垣運営者 稲垣

大阪市港区での解体工事を成功させる鍵は、この地域が抱える3つの課題を理解することです。具体的には「戦後の嵩上げ地盤に眠る地中障害物のリスク」「江戸時代から続く狭い道」そして「ポスト万博の物流混乱」です。これらは全て解体費用に直接影響します。だからこそ、見積もりの安さだけで判断せず、地域の歴史や最新の交通事情まで考慮して計画を立てられる、経験豊かな業者を選ぶことが何より重要です。

大阪市港区の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 39,000 23,800~58,700
鉄骨造 62,100 62,100~62,100
RC造 71,200 56,000~115,400
内装解体 39,200 38,000~40,300

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

大阪市港区の解体業者一覧

大阪市港区の解体業者、全5社をご紹介します。

株式会社昇和の公式サイトスクリーンショット

株式会社昇和

大阪市港区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社昇和は、1986年に創業した総合解体工事業者です。同社の特徴は、建物の解体と産業廃棄物の収集運搬・中間処理・再資源化までを自社で一貫して行える点にあります。大阪市と尼崎市に自社のリサイクルセンターを保有しており、外部の業者を介さずに処理を完結できる体制が整っています。事業範囲は解体工事にとどまらず、土木工事や土壌汚染対策工事など多岐にわたります。取引先には国土交通省などの官公庁や、大林組・大成建設・竹中工務店といった大手ゼネコンが名を連ねており、公共事業も手掛けています。また、2013年には環境経営システム「エコアクション21」の認証を取得しています。

スッキリ解体の分析

解体工事を依頼する際、多くの人が気になるのは「費用」と「信頼性」でしょう。昇和のように解体から廃棄物処理までを一貫して自社で行う業者の場合、いくつかの利点が考えられます。まず、複数の業者に分離発注する必要がないため手続きの手間が省けます。また、業者間の調整も不要になるため工事が円滑に進みやすくなります。費用面でも中間マージンが発生しないことからコストを抑えられる可能性があります。さらに官公庁や大手ゼネコンと継続的に取引があるという点は、業者の技術力や管理体制を判断する上での一つの目安になります。これらの発注者は業者選定の基準が厳格なことが多く、その基準をクリアしていることの証明と捉えられるからです。費用だけでなく、手続きの手間や安心感を重視する場合、同社のような一貫体制の業者は有力な選択肢の一つです。

注目ポイント
  • 解体から運搬、中間処理までの一貫対応
  • 創業1986年、35年以上の事業経験
  • 環境経営システム「エコアクション21」の認証取得
株式会社森田組の公式サイトスクリーンショット

株式会社森田組

大阪市港区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社森田組は、1978年に創業した大阪市の解体工事業者です。40年以上にわたり、関西圏を中心に事業を展開しています。同社は解体工事・土木工事・建築工事業で特定建設業許可を取得しています。これにより、個人住宅の解体はもちろん、大規模な工場の解体なども元請けとして対応可能です。木造・鉄骨造・RC造など、建物の構造に合わせて適切な工事ができるよう、油圧ショベルや各種アタッチメントを多数自社で保有しています。ホームページでは過去の工事で近隣から寄せられたクレームの内容とその後の改善策を公開しており、誠実な企業姿勢がうかがえます。問い合わせから工事完了まで一貫して自社で対応しています。

スッキリ解体の分析

解体工事では、どれだけ慎重に作業しても騒音や振動がゼロになることはありません。だからこそ、万が一トラブルが起きた際に業者側がどう向き合ってくれるかが重要です。森田組のように過去の指摘を真摯に受け止めて改善策を公表している業者は、誠実な対応が期待できるでしょう。特に住宅密集地での工事などの近隣への配慮が不可欠な現場を依頼する際には、こうした姿勢が安心材料の一つです。

注目ポイント
  • 大規模工事も可能な特定建設業許可を保有
  • 木造からRC造まで対応できる多様な自社保有重機
  • 過去のクレームを公開し改善に努める誠実な姿勢
株式会社ITOHORIの公式サイトスクリーンショット

株式会社ITOHORI

大阪市港区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社ITOHORIは、1995年に設立された総合解体業者です。主に関西圏と関東圏を拠点にゼネコンや不動産会社からの依頼を受け、全国で工事を手掛けています。特に高層ビルやマンション、工場(プラント)といった大規模な建物の解体を得意としています。ホームページではロング仕様の解体機やクレーンなど、多数の大型・特殊重機を自社で保有していることが公開されています。重機を外部からレンタルする必要が少ないため、現場の状況に合わせたスムーズな工事計画が期待できます。建設業許可のほか、東京・大阪・兵庫など11の都府県で産業廃棄物収集運搬業許可を取得しています。これにより、解体から廃棄物の処理まで一貫した管理体制が整っています。大規模な建物の解体や、複数の都道府県にまたがる工事を検討している場合に相談しやすい業者の一つです。

スッキリ解体の分析

ITOHORIの強みは、高層ビルや工場といった大規模な解体工事に対応できる組織力と設備力にあります。ホームページに掲載されている保有重機のリストを見ると、その体制がよく分かります。例えば「SK-1000」や「超ロング仕様」といった重機は、一般的な木造家屋の解体では使われない大型のものです。こうした特殊な重機を自社で複数台保有している業者は限られます。通常、重機はリース会社から借りますが、自社で保有していれば急な予定変更にも対応しやすく結果的に工期の短縮につながります。ゼネコンからの受注実績が多いというのも充実した設備と、それを扱う技術力が評価されているからでしょう。一般的な住宅解体というよりは、鉄骨造やRC造の大きな建物の解体を検討している場合に頼りになる業者でしょう。

注目ポイント
  • ゼネコンや大手企業からの受注実績
  • 関西・関東を中心に全国で工事可能
  • 産業廃棄物収集運搬業許可を11都府県で取得
日本資環株式会社の公式サイトスクリーンショット

日本資環株式会社

大阪市港区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
株式会社森川組の公式サイトスクリーンショット

株式会社森川組

大阪市港区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍

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解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。