大阪府大阪市西区の解体業者4社を比較|費用相場と地域の解体事情
大阪市西区で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
大阪市西区に所在する4社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「大阪市西区の解体費用相場」や「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「大阪市西区の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
大阪市西区の解体工事事情と地域特性
大阪市西区の概要
大阪市西区は、都心3区の一角として人口が急増しており、商業と居住が高度に混在するエリアです。
大阪市西区は、大阪市の都心西部に位置します。かつては倉庫やオフィスが中心でしたが、1990年代後半からの都心回帰の流れでタワーマンションの建設が進みました。2025年5月時点の人口は約11.5万人、人口密度は1平方キロメートルあたり約22,000人を超え、非常に高密な市街地を形成しています。
地形は、川が運んだ土砂でできた土地で、区の全域が軟弱地盤という大きな特徴を持っています。この人口急増と地形の特性が、建て替えなどの解体工事の需要が多い一方で、騒音や振動に特に気を遣う必要があり、工事の難易度を上げる要因になっています。
地形・道路事情と解体費用の傾向
軟弱地盤と埋設された川の跡、そしてエリアによって大きく異なる道路事情が、解体費用を押し上げる要因です。
大阪市西区の解体工事費用は、区内のエリア特性を正確に把握することが欠かせません。特に以下の点が費用に大きく影響します。
- 地形の特徴:区全域が「Ma13層」と呼ばれる豆腐のように柔らかい粘土層の上にあり、重機が転倒するリスクや、工事の振動が遠くまで伝わりやすい特性があります。また、現在の道路の多くはかつての堀川を埋め立てて作られたため、地中から護岸の石垣や補強用の松杭といった予期せぬ障害物が見つかることが多く、発見された場合は追加の撤去費用が発生します。西部の川口エリアは「川口外国人居留地」の跡地であり、埋蔵文化財の調査で工期が延びるリスクもあります。
- 道路事情:東部の堀江・新町エリアは、大通りから一歩入ると一方通行の狭い道が広がり、4トンダンプのような大型車両の進入が困難です。一方で、西部の九条エリアには戦前から残る木造長屋の密集地域があり、隣家と構造を共有する「切り離し解体」といった特殊な技術が求められます。アーケード商店街に面した現場では、特別な養生や夜間作業が必要になることもあります。
- 費用への影響:軟弱地盤対策(地面に敷く鉄板の二重敷き、低振動工法の採用)や、地中障害物の撤去費用が見積もりに上乗せされる可能性があります。道が狭い現場では2トン車で何度も往復して廃材を運び出す(ピストン輸送)必要があるため、運搬費と人件費が増え、見積もり金額が上がりやすくなります。加えて、堀江エリアはコインパーキング代が九条エリアの3倍以上と高額で、交通誘導員の配置も多く求められるため、現場経費が大きく変動します。
運営者 稲垣西区の現場で見積もりを取ると、堀江と九条で金額が大きく変わることがよくあります。特に堀江のようなエリアでは、コインパーキング代や交通誘導員の費用だけで数十万円の差が出ることも珍しくありません。だからこそ、見積書の内訳に「現場経費」がきちんと明記されているか、しっかり確認することが大切です。
【東部:堀江・新町】と【西部:九条】、二つの顔を持つ街の解体事情
西区の解体工事は、東部のブランドエリアと西部の下町エリアで、求められる近隣対策やコスト構造が全く異なります。
大阪市西区で解体工事を計画する上で、木津川を境に東西で街の性格が大きく異なる点の理解が欠かせません。
東部の堀江・新町エリアは、かつての家具屋街からタワーマンションやおしゃれな店舗が立ち並ぶブランドエリアへと変わりました。ここでは、静かな住環境を求める新しい住民と古くからの事業者との間で、工事の騒音や粉塵に対する意識の差がトラブルの原因になりがちです。カフェやアパレルショップが密集しているため、振動や埃による営業補償を請求されるリスクも高く、防音パネルの設置や常時散水など、通常以上に厳重な近隣対策が求められます。
対照的に、西部の九条・本田エリアは、下町の風情とコミュニティが色濃く残っています。このエリアでは防災対策としての老朽家屋の解体が主な課題です。特に戦災を免れた木造長屋が密集する地域では、隣家を傷つけずに一軒だけを解体する「切り離し解体」という高度な技術が不可欠です。この作業は手壊しが伴うため工期が長引き、解体後の壁補修費用を誰が負担するかの事前調整が重要です。最新の設備よりも、地域住民との良好な人間関係の構築が工事を円滑に進める鍵です。
解体工事・空き家対策の補助金
西区では、大阪市共通の解体補助金に加え、区が独自に推進する空き家の利活用に関する補助制度が特徴です。
大阪市西区で利用できる主な補助金制度は以下の通りです。大阪市全体の制度が適用されますが、西区内で適用する際には注意点もあります。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| 狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度 | 最大75万円(戸建)/ 150万円(集合住宅) | 幅員4m未満の道路に面した、昭和56年5月31日以前建築の木造住宅。※西区は補助率の高い「重点対策地区」の指定が限定的である可能性があります。 |
| 空家利活用改修補助事業 | 最大75万円(住宅再生)/ 300万円(地域まちづくり活用) | 空き家を改修して住宅や地域公益施設(子ども食堂など)として活用する場合。西区が推進している制度。 |
| ブロック塀等撤去促進事業 | 最大40万円 | 道路に面した危険なブロック塀などを撤去する場合。 |
| 大阪市民間建築物吹付けアスベスト除去等補助金 | 調査:上限25万円 除去:最大100万円(費用の1/3以内) | 吹付けアスベスト(石綿)等の調査および除去工事。 |
※注意:いずれの補助金も、必ず解体工事の契約前・着手前に大阪市または西区役所への事前相談と申請が必要です。契約後に申請しても受理されませんのでご注意ください。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
大阪市の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
大阪府の厳しい分別ルールに加え、西区からは舞洲工場への搬入ルートで渋滞リスクを考慮する必要があります。
大阪府内では、廃棄物の分別ルールが厳格に定められており、現場での徹底した分別が必須です。そのため、建物を分別せず一気に壊す「ミンチ解体」は事実上できません。
西区から出る木くずなどの廃棄物は、主に此花区にある舞洲工場へ搬入されます。西区から舞洲へ向かうには此花大橋などを渡りますが、このルートは物流トラックや湾岸エリアの工事車両で渋滞が発生しやすいため、運搬時間に余裕を持たせた計画が求められます。
また、舞洲工場では分別や過積載に関するルールが厳しく、違反すると搬入禁止になることもあるため、法令を遵守する意識が強く求められます。
運営者 稲垣大阪市西区での解体工事は、全域に共通する軟弱地盤のリスクに加え、おしゃれな商業地の東部(堀江・新町)と木造密集地が残る西部(九条)とで、近隣対策やコスト構造が全く異なる点を理解することが成功の鍵を握ります。エリアの特性に合わせた業者選定と、市の補助金制度の事前確認が不可欠です。
大阪市西区の解体費用相場
| 建物構造 | 坪単価あたりの解体費用 | 価格幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 40,400円 | 35,000~50,900円 |
| 鉄骨造 | 50,800円 | 47,600~55,700円 |
| RC造 | 71,200円 | 56,000~115,400円 |
| 内装解体 | 33,200円 | 30,700~35,700円 |
※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
大阪市西区の解体業者一覧
大阪市西区の解体業者、全4社をご紹介します。
三同建設株式会社
三同建設株式会社は、1972年に大阪で創業した解体工事業者です。50年以上にわたる業歴の中で数多くの実績を積み重ねています。特筆すべきは、複数の大手ゼネコンの協力会に名を連ねている点です。竹中工務店・大林組・鹿島建設・三井住友建設といったスーパーゼネコンをはじめ、多くの企業の協力会に加入しています。これは大手企業が定める厳しい安全基準や技術水準をクリアしていることを示しており、同社の信頼性を客観的に判断する材料の一つとなります。また、阪神淡路大震災や東日本大震災の際には緊急災害支援工事に参画した実績もあります。高層ビル解体で用いられる階上解体や、騒音・粉塵を抑えるカッティング工法など、現場の状況に応じた技術を保有しています。アスベスト・ダイオキシン・土壌汚染といった専門的な知見が求められる特殊な工事にも対応できる体制が整っています。
- 1972年創業、50年以上の豊富な業歴
- 大手ゼネコン各社の協力会に多数加入
- 災害時の復旧支援工事にも参画
株式会社タツミ
1983年の創業以来、建物が密集する都心部での解体工事を中心に手掛けてきました。長年の経験から、特に住宅地での工事において騒音や安全への配慮が期待できます。また、従業員の健康管理に積極的に取り組む「健康経営優良法人」に認定されている点も特徴です。働きやすい環境が整っていることは、現場での安定した作業品質につながります。アスベスト除去から解体後の土地活用まで、幅広く相談可能です。
「健康経営優良法人」に認定されている点は業者選びのひとつの参考になります。解体工事の安全性は、現場で働く人たちのチームワークや集中力に大きく左右されるためです。従業員を大切にし、長く働ける環境を整えている会社であれば、経験豊富な人材がそろっていることが期待できます。結果として難しい現場でも安定した作業が見込めるため、安心して工事を任せられます。
- 建物が密集する都心部での解体工事を専門とする
- 従業員の健康に配慮する「健康経営優良法人」の認定企業
- アスベスト除去や解体後の土地活用にも対応
株式会社大和
株式会社大和は、解体業だけでなく建設業や不動産業の免許も保有している会社です。そのため単に建物を壊すだけでなく、解体後の土地活用まで含めて相談できます。同社の特徴は、特殊な工事に対応できる技術力にあります。特に、隣家と壁を共有する長屋などの「切り離し工事」では解体後の壁の補修まで一貫して対応しています。また、建物をそのまま移動させる「曳家工事」のような専門的な工事も手掛けています。これらの工事には高い技術と豊富な知識が求められるため、一般的な木造家屋やビルの解体においても丁寧で安全な作業が期待できます。
大和が手掛ける「切り離し工事」や、家を丸ごと持ち上げて移動させる「曳家工事」は、建物の構造を隅々まで理解していなければできない工事です。どの柱が建物を支えているか、どの順番で作業すれば安全かを熟知しているからこそ可能です。こうした特殊な工事の実績がある点は、業者の技術力を見極める上で一つの参考になります。住宅が密集しているエリアでの工事など、近隣への配慮が特に重要な現場でも安心して任せやすい業者です。
- 長屋などの切り離し工事に対応
- 建物を移動させる曳家(ひきや)工事も可能
- 解体後の土地活用まで見据えた相談が可能
西大阪スペース株式会社
大阪市西区の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?
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「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?
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それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?
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いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?
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相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる? 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?
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問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?
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いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。

大手ゼネコンの工事現場は安全基準が厳しく設定されています。協力会に入るには、その厳しい基準をクリアできる管理体制や過去の工事での無事故・無災害といった実績が求められます。つまり三同建設のように複数の協力会に加入しているということは、それだけ多くの大手企業から「信頼できるパートナー」として認められていることの証と見れます。特に大規模な工事や近隣への配慮が重要になる市街地での解体を検討している場合、こうした客観的な実績は安心して工事を任せられる業者かどうかを判断する上で心強い情報となります。