静岡県富士市の解体業者15社を比較|費用相場と地域の解体事情 | 2ページ目

富士市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

富士市に所在する15社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「富士市の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「富士市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

富士市の解体工事事情と地域特性

富士市の概要

富士市は、製紙業の「紙のまち」から産業構造の転換期を迎え、大規模な工場解体と旧市街地の再生という課題に直面しています。

静岡県富士市は、富士山南麓に位置する県内有数の産業都市です。豊富な地下水を背景に明治時代から製紙業が発展し「紙のまち」として知られていますが、近年はデジタル化による紙需要の減少で、工場の再編・縮小が進んでいます。

これに伴い、大規模な工場跡地の解体と再利用が市の大きなテーマになっています。

一方で、旧東海道の宿場町「吉原宿」を起源とする歴史的な市街地も持ち合わせており、工業都市と宿場町という二つの顔を持つ、多様な特徴があるエリアです。

地形・道路事情と解体費用の傾向

富士山麓の傾斜地や旧宿場町の狭い道、そして冬季の強風「富士おろし」が、解体費用と工期を押し上げる大きな要因です。

  • 地形の特徴:市の北部は富士山の噴火でできた溶岩台地や傾斜地が広がります。そのため基礎解体時に岩盤が出て、追加の掘削費用がかかるリスクがあります。特に吉永・大淵地区は茶畑が広がる傾斜地で、敷地と道路の高低差が大きい現場も珍しくありません。一方で、沿岸部の田子の浦周辺は埋立地で地盤が軟弱なため、重機の扱いや地中の障害物には注意が求められます。
  • 道路事情:旧東海道の吉原宿周辺は、昔ながらの間口が狭く奥行きの長い「うなぎの寝床」状の敷地が多く、重機が入れない袋小路もあります。加えて、山間部の集落では道が急勾配で、軽トラックがやっと通れるほどの道幅という場所も少なくありません。
  • 費用への影響:冬季(11月~3月)に吹く局地風「富士おろし」は非常に強力です。そのため足場の補強や、強風による作業中止が頻発し、工期の遅延や冬期割増費用が発生することがあります。傾斜地での廃材の手運び(小運搬費)や古い擁壁の補強、そして狭い道での手壊し解体などが、見積もり額を押し上げる主な要因です。
運営者 稲垣運営者 稲垣

私がこれまで見てきた中で、工場解体で最もトラブルになりやすいのが、見積もりになかった土壌汚染やアスベストの追加費用です。特に富士市のような工業地帯では、契約前に「地中障害物や汚染が見つかった場合の対応」を業者にしっかり確認しておくことが、後々の高額請求を防ぐための重要なポイントになります。

産業構造の転換期:「工場解体」特有のリスクと動向

製紙業の縮小に伴う大規模工場解体が進んでおり、土壌汚染やアスベストといった「負の遺産」への対応が最大の課題です。

富士市の解体市場で最も大きなトピックは、基幹産業であった製紙業の構造変化に伴う大規模な工場解体です。一般的な建物の解体とは異なり、製紙工場には特有の深刻なリスクが潜んでいます。

まず、土壌汚染の問題が挙げられます。過去の製造工程で使われた化学物質によって、ヒ素や鉛などの有害物質で土壌が汚染されているケースがあり、日本製紙富士工場の事例も報告されました。もし汚染が見つかれば、浄化費用は数億円規模に達し、解体費用を大きく上回ることもあります。

次に、アスベスト(石綿)やダイオキシン類のリスクです。古い工場では、ボイラーや配管の断熱材に飛散性の高いアスベストが大量に使われている可能性があります。また、敷地内の焼却炉を解体する際はダイオキシン類対策の厳格な作業が求められ、コストと工期が大幅に増加する要因になります。

こうした広大な工場跡地は、近年、東名・新東名高速道路へのアクセスの良さから、物流倉庫として再開発されるのが主流です。今後もこの動きは続くと見られます。

解体工事・空き家対策の補助金

防災目的の木造住宅解体補助金は人気が高く早期に終了する傾向があるため、次年度の申請に向けた早めの準備が重要です。

制度名補助金額・率対象・条件
富士市木造住宅解体費用補助金除却費用の2/3(上限60万円等)※過去実績参考昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震基準の木造住宅など
プロジェクト「TOUKAI-0」耐震改修工事費の一部(上限あり)旧耐震基準の木造住宅の耐震診断・補強計画・改修工事
ブロック塀等撤去改修事業撤去費用の2/3(上限あり)道路に面した危険なブロック塀等の撤去

富士市の木造住宅解体補助金は、防災対策の一環として非常に人気があります。例年、年度の早い段階で予算の上限に達し、受付を終える傾向にあります。2025年12月17日現在、令和7年度の募集はすでに終了している可能性が高いでしょう。解体を考えている方は、次年度(令和8年・2026年)の4月頃に始まる募集に向けて、今のうちから見積もりを取るなど準備を進めることをお勧めします。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
富士市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

解体で出た産業廃棄物は市内の民間処理施設へ運搬する必要があり、搬入先が山側に偏在するため運搬コストに注意が必要です。

富士市では、建設リサイクル法にもとづき、木くず、コンクリートガラ、アスファルトなどを現場で分別する「分別解体」が義務付けられています。

解体工事で出たこれらの産業廃棄物は、市のクリーンセンター(富士市大淵)には持ち込めません。そのため、許可を受けた民間の産業廃棄物中間処理施設へ運搬する必要があります。

これらの施設は市の山側、大淵地区周辺に集まっている傾向があります。だからこそ、沿岸部の田子の浦地区などからの解体工事では運搬距離が長くなり、登り坂の燃料費もかさむため、運搬費が割高になる可能性があります。

運営者 稲垣運営者 稲垣

富士市での解体工事は、冬の強風「富士おろし」や山間部の傾斜地といった自然条件への対応がまず重要です。それに加え、市の基幹産業だった製紙工場の解体に伴う土壌汚染など、特殊なリスクへの理解も不可欠です。吉原宿周辺の旧市街地では手壊しの技術が求められるなど、エリアごとの特性を見極めた業者選びが成功の鍵を握ります。

富士市の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 31,800 22,700~62,100
鉄骨造 30,800 30,800~30,800
RC造 72,300 59,300~93,800
内装解体 30,700 21,200~43,200

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

富士市の解体業者一覧

富士市の解体業者、全15社をご紹介します。

有限会社笠井技建の公式サイトスクリーンショット

有限会社笠井技建

富士市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

有限会社笠井技建は、富士市・富士宮市を中心に公共事業を手掛ける総合建設業者です。宅地開発や水道工事、住宅基礎工事なども行っており、解体工事単体だけでなく、その後の土地活用まで一貫して依頼できます。同社は、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO 9001」の認証を取得しています。そのため工事の品質を保つための仕組みが、国際的な基準を満たしているとうかがえます。解体から造成、インフラ整備まで、土地に関わる工事をまとめて相談したい場合に適した業者です。

スッキリ解体の分析

解体後の土地に家を建てるなど、具体的な活用方法が決まっている場合は、笠井技建のように宅地開発や基礎工事を専門とする業者も選択肢になります。家を建てるには、どのような状態の土地が最適かを熟知しているためです。例えば、水はけや地盤の安定性といった、見ただけでは分かりにくい部分まで考慮して整地を行う技術が期待できます。解体後の土地活用をスムーズに進めたい方にとって、相談しやすい業者の一つと言えるでしょう。

注目ポイント
  • 宅地開発から水道、解体まで一貫して対応
  • 品質マネジメントの国際規格「ISO 9001」の認証取得
  • 解体後の造成や擁壁、住宅基礎工事も自社で施工
株式会社望月解業の公式サイトスクリーンショット

株式会社望月解業

富士市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社望月解業は、静岡県富士市を拠点に県内全域で解体工事を手掛けています。会社としての設立は新しいですが、代表は業界で20年の経験を持っています。ウェブサイトでは「三島市のSRC造ビル」や「沼津市の木造家屋」といった、具体的な地名と建物構造を記した施工実績を確認できます。加えて、400件を超えるブログが更新されており、日々の作業の様子を確認できます。依頼を検討する上で、過去の実績や現在の仕事ぶりを事前に詳しく確認できるため、安心して相談しやすい業者と言えます。

スッキリ解体の分析

初めて依頼する業者を選ぶ際、どんな会社か分からないと不安に感じるかもしれません。その点でこの会社は、判断材料となる3つの情報を公開することで、依頼者の不安を軽くする工夫をしています。1つ目は代表の「20年」という経験年数。2つ目は具体的な「施工実績」。そして3つ目が、400件を超える日々の「ブログ」です。特にブログを継続的に更新している点は、会社の姿勢を判断する上で参考になります。どのような工事を、どんな人が、どういう考えで行っているのかが伝わってくるためです。こうした情報公開は、依頼前に会社の信頼性を判断するための一つの目安になるでしょう。

注目ポイント
  • 解体業界で20年の実務経験を持つ代表
  • 地名と建物構造を明記した施工実績をウェブで公開
  • 400記事以上のブログによる日々の業務報告
株式会社三井工業の公式サイトスクリーンショット

株式会社三井工業

富士市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍

株式会社富士解業

富士市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍

奥平株式会社

富士市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍

富士市の解体業者が見つかりませんでした。

静岡県の市区町村一覧

解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。