東京都葛飾区の解体業者14社を比較|費用相場と地域の解体事情 | 2ページ目

葛飾区で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

葛飾区に所在する14社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「葛飾区の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「葛飾区の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

葛飾区の解体工事事情と地域特性

葛飾区の概要

葛飾区は、ゼロメートル地帯の軟弱な地盤と木造住宅が密集するエリアという課題を抱えつつ、再開発が進む東京東部の水郷都市です。

東京都の東端に位置し、江戸川を挟んで千葉県、埼玉県と接しています。かつては水運で栄えた水郷地帯でしたが、都市化にともない、その多くは住宅地や工業地へと姿を変えました。

区の大部分は軟弱な沖積層からなる「ゼロメートル地帯」で、水害や地震時の液状化リスクが高いのが特徴です。加えて、戦後の急速な市街化で生まれた木造住宅密集地域(木密地域)が広範囲にあり、防災性の向上が急務とされています。

近年は京成立石駅周辺などで大規模な再開発事業が進んでいます。人口は日本人が減少傾向にある一方、外国人住民の流入で維持されており、空き家率は約11.8%です。

地形・道路事情と解体費用の傾向

軟弱な沖積層とゼロメートル地帯という地形、そして木造住宅密集地域の狭い道が、解体工事で追加費用(杭抜き、小運搬費)が発生する主な要因です。

  • 地形の特徴:区の全域が「東京低地」と呼ばれる沖積層の軟弱地盤でできています。過去の地下水汲み上げによる地盤沈下で区の半分以上が海抜ゼロメートル地帯で、地下水位も高いことから基礎解体時の湧水対策は必須です。特に荒川沿いの東四つ木、四つ木、堀切エリアや京成立石駅周辺は、洪水や地震時の液状化リスクが高いエリアです。
  • 道路事情:戦後に農地などが急速に宅地化された歴史から、立石、四つ木、堀切などには昔ながらの道がそのまま残る木造住宅密集地域が広がります。これらのエリアは道幅4m未満の狭い道が多く、重機や大型ダンプが入れません。また、区内を走る水戸街道(国道6号)の四ツ木橋周辺は都内有数の渋滞ポイントで、廃棄物の搬出計画にも影響します。
  • 費用への影響:軟弱地盤の土地では建物の基礎杭が長く、引き抜きに追加費用がかかることがあります。狭い道の現場では、4t車が入れず2t車で何度も往復する「小運搬」費用や、重機が使えず手作業で解体する「手壊し」費用が発生するため、坪単価が相場より高くなりがちです。
運営者 稲垣運営者 稲垣

葛飾区、特に四つ木や立石周辺の案件で私がいつも気にするのが、この土壌汚染のリスクです。見た目は普通の住宅地でも、昔の地図を見ると工場だった、というケースは本当に多いんです。汚染が見つかると費用が数百万単位で跳ね上がるため、契約前に土地の履歴調査を提案してくれるような、経験豊富な業者を選ぶことが失敗しないための鍵ですね。

産業遺産の影:めっき工場跡地の土壌汚染リスク

葛飾区、特に四つ木や立石エリアでは、かつてめっき工場が集まっていた歴史から、解体時に土壌汚染が見つかるリスクが他の地域より高くなっています。

葛飾区には、かつて日本のモノづくりを支えた中小のめっき工場が集まっていた歴史があります。昭和30年代以降に多くの工場が操業していましたが、当時は環境規制が緩く、六価クロムやシアン化合物といった有害物質が土壌に染み込んでいる可能性があります。

特に「四つ木」「東四つ木」「立石」「奥戸」といったエリアは、工場と住宅が混在する「住工混在地域」です。そのため、解体する土地が過去にめっき工場や関連作業場だったというケースは珍しくありません。見た目は普通の住宅でも、土地の履歴を調べると工場だったということもあります。

これらのエリアで解体工事をする際は、予期せぬ土壌汚染が見つかるリスクを考えておく必要があります。もし汚染が見つかれば、浄化費用は莫大になり、工事も長期間中断してしまいます。だからこそ、契約前に土地の履歴を調査したり、工事中に土の異変に気づいたりできる、専門的な知見を持つ業者選びが重要です。

解体工事・空き家対策の補助金

特に防災上の危険度が高い「不燃化特区」(四つ木、東立石など4地区)では、古い建物の解体に対して手厚い助成制度が用意されています。

制度名補助金額・率対象・条件
不燃化特区 老朽建築物除却助成「実際の除却工事費(税抜)」と「延床面積 × 33,000円/㎡」のいずれか低い方の額。道路後退などの条件により加算あり。昭和56年5月31日以前に着工された木造・軽量鉄骨造の建築物で、指定された不燃化特区内(四つ木一・二丁目、東四つ木、東立石四丁目、堀切二丁目周辺及び四丁目)にあること。

この助成金を利用するには、必ず工事の契約や着工の前に葛飾区へ事前相談と申請をし、交付決定を受けることが必要です。着工後の申請は一切認められないため注意してください。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
葛飾区の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

区内に最終処分場はないため、解体で出た廃棄物は近隣の足立区や、県外の埼玉県、千葉県の処理施設へ運搬するのが一般的です。

葛飾区内で出たコンクリートガラや木くずなどの産業廃棄物は、区外の処理施設へ運搬して処分します。近隣では足立区入谷にある株式会社ナックスなどが受け入れ先として知られます。

区の清掃工場は、解体工事で出る産業廃棄物は受け入れていません。だからこそ解体業者は、許可を持つ収集運搬業者と契約し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を使って廃棄物の流れを最後まで管理する法律上の義務(排出事業者責任)を負っています。

運営者 稲垣運営者 稲垣

葛飾区での解体工事は、ゼロメートル地帯の軟弱地盤や住宅密集地の狭い道への対応がまず基本です。それに加え、特に四つ木や奥戸などのエリアでは、昔の工場に由来する土壌汚染リスクへの備えが重要になります。京成立石駅周辺の再開発や不燃化特区制度の動きも、解体を考える上で押さえておきたいポイントです。

葛飾区の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 41,400 25,200~70,000
鉄骨造 48,000 29,400~83,200
RC造 74,300 67,200~92,500
内装解体 35,900 21,000~60,500

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

葛飾区の解体業者一覧

葛飾区の解体業者、全14社をご紹介します。

株式会社幸村の公式サイトスクリーンショット

株式会社幸村

葛飾区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

株式会社幸村は、環境への配慮を重視している解体業者です。その特徴は、解体現場で出る廃棄物を手作業で細かく分別している点にあります。この手間のかかる作業により、廃棄物のリサイクル率を高め、環境負荷を減らす取り組みを実践しています。個人住宅はもちろん、千葉県市川市の「第二忠勇ビル」といった大規模な建物の解体実績もあり、幅広い工事に対応できる技術力を持っています。

スッキリ解体の分析

解体工事で出る廃棄物は、機械を使うと様々な素材が混ざってしまいます。しかし、株式会社幸村のように手作業で丁寧に分別すると、木材、金属、コンクリートなどを純度の高い資源としてリサイクルしやすくなります。一見、遠回りに見えるこの方法が、結果的にゴミの量を減らし、環境への負担を最も少なくする方法の一つです。現場での手間を惜しまない姿勢は、工事そのものの丁寧さにもつながるため、安心して任せられる業者を選ぶ上での参考になるでしょう。

注目ポイント
  • 手作業による廃棄物の丁寧な分別
  • リサイクル率向上による環境負荷の低減
  • 個人住宅からビル解体まで対応する施工能力
コスモ総業の公式サイトスクリーンショット

コスモ総業

葛飾区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

コスモ総業は、東京と福島を拠点に活動する解体業者です。大きな特徴として、10年以上にわたり福島の復興支援工事に携わってきた点が挙げられます。公共性の高い工事では、技術力はもちろん、多くの関係者と連携する調整能力や、周辺環境への細やかな配慮が求められます。同社が大手企業からも継続して依頼を受けているのは、そうした厳しい条件下で安全に作業を進めてきた実績があるからだと考えられます。工事後の丁寧な清掃にも定評があり、次にその土地を使う人のことまで考えた仕事ぶりがうかがえます。

スッキリ解体の分析

復興事業のような大規模工事の経験は、業者選びの一つの参考になります。多くの人が関わる現場では、高い技術力だけでなく、関係各所や地域住民と円滑にやりとりする調整能力が欠かせません。こうした複雑な状況で工事をやり遂げた経験のある業者であれば、一般の解体工事でも応用が期待できます。例えば、住宅密集地での解体や、前面道路が狭い場所での作業など、特に慎重さが求められる工事も安心して任せやすいでしょう。

注目ポイント
  • 福島の復興支援工事に10年以上携わってきた実績
  • 大手企業からの依頼も受ける信頼性
  • 次に土地を利用する人のことまで考えた丁寧な清掃
株式会社至善の公式サイトスクリーンショット

株式会社至善

葛飾区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

「お客様に最善を尽くす」という誓いを社名に込めた、株式会社至善。その大きな特徴は、安全な作業の土台となる足場の設置を、外部に委託せず自社で一貫して行える点です。これにより、高い安全基準を保ちながら効率的な作業計画を立て、質の高い解体工事を実現します。木造から鉄骨、RC造まで幅広い建物に対応し、さらに解体後のリフォームの相談も可能です。

スッキリ解体の分析

安全な解体工事の生命線は、しっかりとした足場です。これを自社で組めることは、現場の状況を最もよく知る自社の職人が、最適な足場を計画・施工できることを意味します。外注業者との調整や連携ミスといった潜在リスクを避けながら、安全管理と作業効率を高められます。お客様にとって、より安全でスムーズな工事の進行を期待できます。

注目ポイント
  • 解体工事に不可欠な足場の設置を、自社で一貫して行える体制
  • 「至善(究極の善を尽くす)」という理念を掲げた、顧客への貢献姿勢
  • 解体から自然素材を活かしたリフォーム・新築まで相談できる対応力

有限会社志賀興業

葛飾区
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍

葛飾区の解体業者が見つかりませんでした。

東京都の市区町村一覧

解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。