東京都国立市の解体業者2社を比較|費用相場と地域の解体事情

国立市で信頼できる解体業者をお探しの方へ。

国立市に所在する2社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。

そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「国立市の解体費用相場」「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。

下の「国立市の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

目次

国立市の解体工事事情と地域特性

国立市の概要

国立市は、計画的に整備された北部の学園都市と、昔ながらの南部の農村地帯という二つの顔を持ちます。この独特な背景を理解することが、工事計画の第一歩です。

国立市は東京都の多摩地域に位置し、2025年11月時点の推計人口は約7.6万人、高齢化率は約24.8%です。この街の最大の特徴は、JR中央線を境に市域が全く異なる性格を持つ点にあります。

北部は大正時代に学園都市として計画的に開発され、幅の広い大学通りを中心に整然とした街並みが広がります。一方で、南部は谷保天満宮を中心とした古い農村集落がもとになっており、昔ながらの狭い道が入り組んでいます。この「計画された北部」と「自然発生的な南部」という二面性が、解体工事の計画に大きく影響します。

地形・道路事情と解体費用の傾向

市を東西に走る国分寺崖線(ハケ)の急斜面と、南部に多い狭い道が特殊な重機や工法を求めるため、解体費用が上がりやすい傾向にあります。

  • 地形の特徴:市の中央部を東西に走る「国分寺崖線(通称:ハケ)」と呼ばれる高低差10m以上の段丘崖が最大の特徴です。崖沿いのエリアは土砂災害警戒区域に指定されている場所が多く、古い擁壁の安定性にも注意が必要です。建物を解体すると擁壁の土圧バランスが崩れるリスクがあり、慎重な施工計画が求められます。
  • 道路事情:北部の学園都市エリアは道路が広く整備されていますが、南部(谷保・青柳地区)はかつての農道がそのまま生活道路になっているため、4t以上の大型車両が入れない幅員4m未満の狭い道が網の目のように広がっています。
  • 費用への影響:崖沿いの現場では、道路との高低差から重機での搬出が難しく、ロングアーム仕様の重機や手作業での「小運搬」が必要になり、工期と人件費が増えます。南部の道が狭いエリアでは、2tダンプで何度も往復して運び出す必要があり、運搬効率が落ちて費用が高くなる傾向にあります。加えて、歩行者が多い大学通り周辺や狭い道では交通誘導員の配置が必須で、この人件費も見積もりに加わります。
運営者 稲垣運営者 稲垣

あのマンション解体の一件以来、国立市では「うちの前の工事は大丈夫か」というご相談が本当に増えました。だからこそ業者を選ぶ際は、過去の施工事例を見せてもらい、現場が常に整理整頓されているかを確認してください。現場の美しさは、住民への配慮の表れですから。

「景観」という見えない壁:住民意識と解体工事のリスク

2024年のマンション解体事件が象徴するように、国立市では法律を守るだけでは不十分です。住民の厳しい景観への意識が、工事の進行に大きな影響を与えます。

国立市で工事を計画する上で最も重要なのが、法律の条文にはない「景観」という住民意識の存在です。2024年、完成直前だった分譲マンション「グランドメゾン国立富士見通り」が、富士山の眺望を一部遮るという理由で、事業者判断により解体されるという衝撃的な出来事がありました。

この建物は建築基準法上は完全に適法でしたが、地域の景観価値をめぐる住民感情が、事業の継続を困難にさせました。この背景には、1990年代から続く「国立マンション訴訟」などを通じて培われた、街の景観を自分たちで守るという強固な住民意識があります。

この事件以降、市内の解体工事現場に対する市民の監視の目は一層厳しくなっています。騒音や粉塵へのクレームは通常より格段に発生しやすく、養生シートの管理や周辺清掃など、完璧な現場管理が求められます。工事用のクレーンや足場ですら「景観を阻害する」という指摘を受ける可能性があり、全国でも特に配慮が求められるエリアです。

解体工事・空き家対策の補助金

大規模な空き家解体の補助金は限定的です。主に、地震対策としてのブロック塀撤去や、古い耐震基準の木造住宅の解体が助成の中心になります。

制度名補助金額・率対象・条件
国立市ブロック塀等撤去工事費助成金撤去費用の10分の9、または延長1mあたり5,000円のいずれか低い額(上限15万円)道路に面した高さ1mを超えるコンクリートブロック塀など。
木造住宅耐震改修(除却含む)助成制度耐震改修費の1/3(上限80万円〜)など ※除却は要件確認昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震基準の木造住宅。耐震診断の結果、危険性が高いと判断された住宅の除却などが対象になる場合があります。

※ブロック塀撤去助成の申請期限は令和7年(2025年)12月26日までです。

いずれの制度も、必ず工事の契約・着手前に市役所への事前相談と申請が必要です。予算の上限に達し次第、受付が終了する場合があるため、早めの相談が大切です。

※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
国立市の公式サイトで詳細を見る

廃棄物処理と分別ルール

市内には建設廃棄物の処理施設がありません。そのため八王子市や埼玉県など市外への長距離運搬が必須で、これが運搬コストを上げる一因になっています。

国立市内で発生した建設廃棄物(コンクリートガラ、木くず等)は、市内の環境センターに搬入できません。解体業者は、八王子市や日野市、あるいは県境を越えて埼玉県などにある民間の中間処理施設まで運搬する必要があります。

主要な幹線道路である甲州街道(国道20号)は慢性的に渋滞するため、処分場までの往復に時間がかかり、運搬コストが高くなる傾向にあります。また、解体工事で出た家財道具などの残置物も、業者が搬出する場合は「産業廃棄物」扱いです。そのため、家庭ごみとして市の施設には持ち込めず、専門のルートで処分する必要があります。

運営者 稲垣運営者 稲垣

国立市での解体工事を成功させるには、国分寺崖線や狭い道といった物理的な制約への対応がまず重要です。それに加え、マンション解体事件で明らかになった厳しい景観意識を理解し、丁寧な近隣対策ができる業者を選ぶことが、何よりの鍵となります。

国立市の解体費用相場

建物構造 坪単価あたりの解体費用 価格幅
木造 39,800 31,400~57,900
鉄骨造 43,800 33,000~58,000
RC造 85,000 65,000~120,000
内装解体 40,300 31,200~49,500

※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。

優良な解体業者の選び方

解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。

当サイト独自の50の調査項目

掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。

調査項目(全50項目)を見る

企業経験・規模 (7)

1,000件以上の実績 500件以上の実績 創業30年以上 従業員30人以上 中間処理場保有 公共工事の経験 重機保有

対応工事 (10)

アスベストレベル1,2除去 ブロック塀 土木工事 リフォーム工事 新築工事 外構工事 火災 杭抜き工事 県外出張 樹木伐採

保有資格 (9)

建設業許可 解体工事業登録 産業廃棄物収集運搬業許可 産業廃棄物処分業許可 石綿作業主任者 建築物石綿含有建材調査者 解体工事施工技士 1級土木施工管理技士 1級建設機械施工管理技士

安全対策・リスク管理 (7)

工事賠償責任保険 違反歴なし 表彰・受賞 現場清掃 ISO認証 電子マニフェスト 地域貢献・ボランティア

顧客対応・サービス (17)

自社ホームページ 無料見積もり 不要品回収 不要品買取 不動産取引 補助金・助成金申請 土地活用 滅失登記 建設リサイクル届 近隣挨拶 翌営業日連絡 クレジットカード 解体ローン SNS 土対応 日祝対応 年中無休

※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。

国立市の解体業者一覧

国立市の解体業者、全2社をご紹介します。

村上工業株式会社の公式サイトスクリーンショット

村上工業株式会社

国立市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

村上工業株式会社は、大正12年に創業した解体業者です。竹中工務店や大成建設といった大手ゼネコンから表彰された実績があり、大規模な現場で培われた安全管理の技術を、個人の住宅解体にも活かしています。同社の特徴は、解体で出た廃棄物の収集運搬からリサイクル処理まで、すべて自社グループ内で対応している点です。また「オデッサシステム」という独自の分別技術も保有しています。そして不動産取引の資格も持っているため、解体後の土地活用や売却の相談も可能です。

スッキリ解体の分析

解体工事を依頼する際は、廃棄物がどのように処理されるか確認すべき点です。多くの業者は、廃棄物を集めて運ぶ「収集運搬業」の許可しか持たず、処理自体は別の会社に委託します。それに対し村上工業は、自社で処理・再資源化まで行える「処分業」の許可を持っています。そのため工事で出た廃棄物が最初から最後まで自社の管理下に置かれています。工事を依頼した人が、知らないうちに不法投棄に関わってしまうといったトラブルを避けやすくなります。解体から処分まで一貫して責任を持つこの体制は、安心して任せられる業者を探す上で、一つの判断材料になるでしょう。

注目ポイント
  • 創業100年以上の業歴と大手ゼネコンからの表彰実績
  • 解体から廃棄物の最終処分まで自社で完結する一貫体制
  • 解体後の土地売却についても相談できる不動産取引資格
古溝建設株式会社の公式サイトスクリーンショット

古溝建設株式会社

国立市
公共工事実績あり
アスベスト調査資格者在籍
業者紹介

古溝建設株式会社は、注文住宅や公共施設の新築工事を主に手掛ける総合建設会社です。大きな特徴は、解体から設計、そして新築工事までを一貫して自社で管理できる点にあります。通常、建て替えでは解体業者、設計事務所、建設会社と別々に依頼することが多く、その都度打ち合わせや調整が必要になります。同社に依頼する場合、その窓口が一つにまとまるため、情報共有がスムーズに進み、依頼主の手間も少なくなります。建て替えの全工程を一つの会社が責任を持って担当できれば、工事全体の円滑な進行につながります。

スッキリ解体の分析

建て替えを検討する際、解体と新築を別々の工事として考えがちですが、この二つは密接に関係しています。解体後の土地の状況は、新しい家の基礎工事の品質に直接影響するためです。新築工事を熟知している会社が解体を行う場合、次の工程を見越して作業計画を立てることが期待できます。「新しい家を建てる」というゴールから逆算して「どのように壊すか」を決めるため、無駄のない丁寧な作業につながりやすいでしょう。複数の業者間の連携ミスなどを避けたいと考えるなら、このようにプロジェクト全体を管理できる会社は、有力な選択肢の一つになります。

注目ポイント
  • 注文住宅から公共施設まで手掛ける総合建設会社
  • 解体から設計、新築まで一社で完結する体制
  • 業者間の調整が不要で、依頼主の負担を軽減

国立市の解体業者が見つかりませんでした。

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解体業者の選び方でよくある質問

「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?

「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。

建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。

しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。

解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?

それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。

同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。

例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。

また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。

このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。

もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?

いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。

廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。

不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。

  • 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
  • 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
  • 書面での契約を交わしていない場合

上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。

相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?

相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう

インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。

あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。

また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。

ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?

問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。

解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。

ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。

また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。

ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。

解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?

いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。

解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。