東京都世田谷区の解体業者16社を比較|費用相場と地域の解体事情 | 2ページ目
世田谷区で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
世田谷区に所在する16社を、50の独自項目(対応工事・保有資格・安全対策など)で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「世田谷区の解体費用相場」や「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「世田谷区の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
世田谷区の解体工事事情と地域特性
世田谷区の概要
東京23区で最大の人口を誇り、その高い人口密度と複雑な道路網から、解体工事の難易度が特に高い地域です。
世田谷区は2025年時点で約93万人の人口を抱え、一つの政令指定都市に匹敵する規模を誇ります。この高い人口密度のため、隣家との距離が近く、工事の騒音や振動に対するご近所の目は特に厳しいものがあります。
加えて、二子玉川、三軒茶屋、下北沢といったエリアはそれぞれが独立した街の顔を持っており、交通量や求められる配慮も異なります。だからこそ、どの地域でも同じような画一的な計画では対応が難しいのです。
地形・道路事情と解体費用の傾向
昔の農道がそのまま残る狭い道と、「国分寺崖線」がもたらす高低差が工事の大きな制約となり、解体費用が割高になる傾向にあります。
- 地形の特徴:武蔵野台地と多摩川低地の境にある「国分寺崖線」が区内を縦断しているため、成城、岡本、瀬田などのエリアでは敷地と道路に大きな高低差が見られます。特に、古い擁壁の崩壊リスクには注意が必要です。
- 道路事情:昔の農道がそのまま生活道路になっている場所が多く、太子堂や若林、北沢エリアを中心に4tトラックが入れない狭い道が網の目のように広がっています。スクールゾーン規制や一方通行も多いため、作業時間が限られてしまいます。
- 費用への影響:道が狭い現場では、2tトラックで何度も廃材を運び出す「小運搬(こうんぱん)」や、重機を使わない手壊しでの解体が必要になります。結果として工期が延び、人件費がかさむ原因です。高低差のある現場では、重機を吊り上げるクレーン代や、擁壁の補修費用が追加でかかることもあります。
運営者 稲垣私がこれまでに見てきた世田谷区のトラブルで特に多いのが、古い擁壁の崩落です。特に国分寺崖線沿いの傾斜地では、見積もりの段階で「擁壁の安全性は大丈夫か」「追加費用は発生しないか」を具体的に説明してくれる業者を選んでください。ここを曖昧にする業者は要注意です。
【2025年度末まで】不燃化特区の期限と駆け込み解体需要
地震火災の危険性が高い木造住宅密集地域では、解体費用を補助する「不燃化特区制度」がありますが、この制度が2025年度末で終了するため、駆け込み需要が高まっています。
世田谷区では首都直下地震に備え、火災の燃え広がりを防ぐ目的で、北沢三・四丁目地区、太子堂・若林地区などを「不燃化特区」に指定しています。古い木造家屋の解体や、燃えにくい建物への建て替えを促す制度です。
しかし、この助成制度は「最長で令和7年度(2025年度)まで」と期限が目前に迫っています。現在(2025年11月時点)は、補助金を使える最後の駆け込みタイミングです。
そのため対象エリア内では解体需要が急増し、年度末に向けて業者の予定が埋まりやすくなっています。結果として、解体費用が一時的に上がる可能性も考えられます。(※太子堂・三宿地区は既に助成が終了しているためご注意ください。)
解体工事・空き家対策の補助金
崖地の危険な住宅の移転を対象とした手厚い補助金や、狭い道路を広げるための塀の撤去費用助成など、防災に関連した制度が中心です。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| 世田谷区がけ地近接等危険住宅移転事業補助金 | 除却費:国の定める額 引越費用等:最大97.5万円 | 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内にある既存不適格住宅などが対象。成城、岡本、瀬田などの崖線沿いが主。 |
| 狭あい道路拡幅整備事業 | 門・塀等の除却費用助成あり | 幅員4m未満の道路に面した敷地で、セットバック(後退)して道路を拡幅整備する場合。 |
これらの補助金を利用するには、解体業者と契約する前に、必ず区役所への事前相談と交付決定が必要です。もし先に契約してしまうと対象外になるため、手続きの順序にはくれぐれも注意してください。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
世田谷区の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
区内に大規模な廃棄物処理施設がありません。そのため解体で出た廃材は、湾岸エリアや埼玉県まで長距離輸送する必要があり、運搬コストが見積もりを押し上げます。
世田谷区の現場から出るコンクリートガラや木くずといった産業廃棄物は、区外の処理施設まで運ばれます。
しかし、主要なルートである環状七号線や環状八号線は慢性的に渋滞しています。これが運搬効率を下げ、輸送費として解体費用に上乗せされる大きな要因です。
さらに、現場周辺に作業車両を停めるコインパーキング代や、安全を確保するための交通誘導員(ガードマン)の人件費も「世田谷プレミアム」として、見積もりに加算される傾向があります。
運営者 稲垣世田谷区での解体工事では、まず2025年度末に期限を迎える不燃化特区制度の動向をしっかり把握しておくことが重要です。その上で、昔ながらの狭い道や崖線の高低差といった地域ならではの課題に対応できる、経験豊かな業者を選ぶことが成功の鍵を握ります。
世田谷区の解体費用相場
| 建物構造 | 坪単価あたりの解体費用 | 価格幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 38,500円 | 26,000~68,000円 |
| 鉄骨造 | 53,300円 | 30,200~86,300円 |
| RC造 | 77,500円 | 65,500~87,500円 |
| 内装解体 | 47,000円 | 18,500~78,700円 |
※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
世田谷区の解体業者一覧
世田谷区の解体業者、全16社をご紹介します。
有限会社小野プロジェクト
有限会社小野プロジェクトは、30年以上にわたり世田谷区に特化して解体工事を行ってきた会社です。木造住宅から鉄筋コンクリート造の建物まで、様々な解体を手がけています。地域を限定して長く事業を続けてきたため、道が狭く隣家との距離が近いなど、世田谷区特有の難しい条件下での工事経験が豊富です。少人数の体制で、相談から工事完了まで同じ担当者が一貫して対応しています。ホームページには写真付きの施工事例が掲載されており、実際の工事の様子を確認できます。
- 世田谷区に特化した30年以上の事業経験
- 狭い道路や住宅密集地での豊富な工事実績
- 相談から完了まで一貫した担当者による対応
大森工業株式会社
大森工業株式会社は、リノベーションや店舗の原状回復に伴う内装解体と、コンクリートを削る斫り(はつり)工事を専門としています。業務を特化しているため、専門的な技術が求められる現場に対応可能です。特に、残すべき床や壁、設備などを傷つけないための養生(保護作業)を重視しています。安全管理や近隣への配慮とあわせて、丁寧な作業を行うことで、改修工事がスムーズに進むよう努めています。また、施主が直接発注する「分離発注」によるコスト削減の提案も行っています。
内装解体を依頼する際、解体後のリフォーム費用まで含めて考えることが大切です。例えば、残すはずだった壁や床に傷がついてしまうと、その補修のために予定外の費用が発生することがあります。大森工業株式会社が、解体しない部分の「養生(保護)」を重視している点は、業者選びの参考になります。どの部分をどのように保護してくれるのかを事前に確認することで、こうしたトラブルのリスクを減らし、安心して工事を任せやすくなるでしょう。
- 内装解体と斫り(はつり)工事への特化
- 残す部分を傷つけないための養生(保護)
- 分離発注によるコスト削減の提案
石川興業株式会社
石川興業株式会社は、代表が会社設立前から含めて20年間、解体業界で経験を積んできました。その経験を活かし、木造家屋から鉄骨、RC造の建物、店舗の内装解体まで、さまざまな現場に対応しています。すべての工事は代表自身が直接現場を管理する体制をとっており、細部まで目が行き届きやすいのが特徴です。
長く事業を続けられている背景には、既存の顧客や紹介といった口コミでの評価があると考えられます。代表個人の経験や評判が、会社の信頼につながっているタイプの業者と言えるでしょう。見積もりを依頼する際に担当者と直接話し、仕事に対する考え方や人柄を確認してみるのがオススメです。
- 代表の20年にわたる解体業界での実務経験
- 代表者自身が直接すべての現場を管理する体制
- 木造、鉄骨、RC造、内装解体まで対応可能
株式会社アキヤマ
株式会社アキヤマは、25年以上にわたり解体工事を専門に行ってきた会社です。木造家屋はもちろん、鉄骨造のビルや高層マンションといった大規模な建物の解体にも対応しています。対応できる建物の種類が広いことは、それだけ多くの現場で技術と経験を積んできたことの裏付けになります。「品質・安全・顧客対応」の三つを企業理念としており、実際の工事でも丁寧な対応が期待できます。
「三方よし」は、売り手と買い手だけでなく、社会全体にとっても良い商売を目指す考え方です。これを解体工事に当てはめると、施主と自社だけでなく、工事現場の近隣住民にも配慮するという姿勢につながります。この理念を25年以上も掲げ続けていることは、業者を選ぶ際の一つの判断材料になるでしょう。特に、住宅地での工事など、近隣への配慮が求められる現場では安心感があります。
- 木造家屋から高層マンションまで、幅広い建物の解体に対応
- 企業理念として掲げる「品質・安全・顧客対応」
- 解体専門業者として25年以上の事業継続実績
有限会社浜田商事
有限会社浜田商事は、1968年の創業から55年以上にわたり解体工事を専門に行っています。個人が所有する木造家屋はもちろん、鉄骨やRC(鉄筋コンクリート)造のビル解体まで、幅広い工事に対応可能です。その技術力は、厳しい品質基準を設ける大手ゼネコンからも評価されており、継続的に依頼を受けています。長年の経験があるため、安心して工事を任せられる業者の一つです。
55年という業歴は、業者選びの重要な判断材料になります。解体工事の現場では、古い建物で図面が残っていなかったり、地中から設計図にない障害物が見つかったりと、予期せぬ事態が起こりがちです。長年にわたり多様な現場を経験してきた業者であれば、こうしたトラブルにも過去の事例をもとに落ち着いて対処できるでしょう。万が一の際にも慌てず、的確な対応が期待できる点は、依頼する側にとって大きな安心材料となります。
- 1968年創業、55年以上の業歴
- 個人宅から大手ゼネコンまで対応する技術力
- 長年の経験に基づく、不測の事態への対応力
株式会社明正
世田谷区の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき?
-
「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか?
-
それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代(借りる費用)がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか?
-
いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか?
-
相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物(不用品)の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる? 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか?
-
問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか?
-
いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。

世田谷区には、道が狭く住宅が密集しているエリアが多く、解体工事の際には特に慎重さが求められます。重機をどこに置くか、どの道順で資材を運び出すかといった現場での判断は、教科書通りにはいかないことも少なくありません。こうした現場では、その土地での経験が重要になります。小野プロジェクトのように、30年以上同じ地域で工事を続けてきた実績は、業者を選ぶ上での一つの参考になるでしょう。難しい現場での解体を検討している場合、こうした地域専門の会社に相談してみるのも良い方法です。