東京都豊島区の解体業者5社を比較｜費用相場と地域の解体事情
豊島区で信頼できる解体業者をお探しの方へ。
豊島区に所在する5社を、50の独自項目（対応工事・保有資格・安全対策など）で徹底調査しました。いざ業者を探し始めても、「高額な費用を請求されないか…」「近隣トラブルなく工事を終えたい」「悪徳業者に騙されたくない」など、業者選びの不安は尽きませんよね。
そこで本記事では、おすすめ業者の紹介に加え、 「豊島区の解体費用相場」や「地域の解体事情・補助金情報」 についても詳しく解説しています。
下の「豊島区の解体業者一覧」で業者を比較できます。一覧は「木造」「鉄骨造」といった工事内容での絞り込みも可能です。あなたにぴったりの、安心して任せられる一社をここで見つけてください。
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。
豊島区の解体工事事情と地域特性
豊島区の概要
豊島区は巨大ターミナル池袋駅を中心に発展する高密度都市ですが、一方で戦前から続く木造住宅が密集するエリアも混在しています。
豊島区は東京23区の北西部に位置し、池袋駅がその中心です。人口は約29.6万人と多く、人口密度が非常に高いのが特徴です。かつて「消滅可能性都市」と指摘されたこともありましたが、その後の取り組みで、若い世代や家族連れが戻ってきています。
また、総人口の10人に1人以上が外国籍住民という、多文化な街でもあります。土地が細かく分かれていて、単身世帯向けの狭い住宅やペンシルビルが密集しているため、解体工事では隣の建物との距離が非常に近く、作業には細心の注意が求められます。
地形・道路事情と解体費用の傾向
武蔵野台地の安定した地盤と谷底の軟弱地盤が入り混じり、急な坂や狭い道が多いため、解体費用は高くなりやすい傾向にあります。
- 地形の特徴：区の大部分は武蔵野台地上の関東ローム層に覆われたしっかりした地盤ですが、神田川や妙正寺川沿いの谷底では地盤が弱い可能性があります。特に雑司が谷や高田エリアに見られる「ハケ」と呼ばれる崖沿いでは、古い擁壁の安全性が問題になることが多く、解体と同時に擁壁を造り直すことになると、数百万単位の追加費用がかかるリスクがあります。
- 道路事情：戦争の被害を免れたり、昔の農道がそのまま道になったりした場所では、2トンダンプでさえ入るのが難しい、迷路のような狭い道が多く残っています。また、「のぞき坂」に代表される急な坂道や、旧河川を蓋した「暗渠（あんきょ）」上の道路もあり、重い機械を通すには、道の強度を確認したり、特別な許可が必要になったりするケースがあります。
- 費用への影響：こうした地形や道路事情から、重機が現場に入れず、手作業で壊したり、解体で出たガラを一輪車で運び出したりする「小運搬（こうんぱん）」が必要な現場が多くなります。そうなると、通常の坪単価に加えて2〜3万円以上の割増費用がかかるのが一般的です。
運営者 稲垣豊島区、特に崖線沿いのエリアでは、古い擁壁の安全性をめぐるご相談が後を絶ちません。私がこれまで見てきた失敗例で多いのが、見積もり時に擁壁のリスク説明が不十分で、後から高額な追加費用を請求されるケースです。だからこそ、現地の状況をしっかり見て、擁壁の安全性まで具体的に説明してくれる業者を選ぶことが、失敗しないための重要なポイントになります。
木造密集地域（木密）の解体と「不燃化特区」
豊島区の解体工事を考える上で、防災の観点から特に重要なのが木造密集地域の建て替えです。そこで鍵になるのが「不燃化特区」の支援制度です。
豊島区の大きな課題の一つが、地震の際に火事が広がりやすく、倒壊の危険も高い「木造住宅密集地域（木密）」です。これらの地域は第二次世界大戦の空襲を免れ、戦後の住宅不足の中で住宅が密集して建てられていった歴史があります。区は防災力を高めるため、特に危険度の高い5つのエリアを「不燃化特区」に指定し、集中的な対策を進めています。
指定地区には、サンシャインシティに隣接する「東池袋四・五丁目地区」、行き止まりの道が多い「池袋本町・上池袋地区」、古い街並みとの調和も考えなければならない「雑司が谷・南池袋地区」などがあり、それぞれに違った難しさがあります。これらの地域では、借地権が絡む複雑な権利関係や、一度解体すると家を建て直せない「再建築不可物件」が多いことも、建て替えが進みにくい大きな理由になっています。
解体工事・空き家対策の補助金
特に「不燃化特区」内では、最大1,000万円という都内でもトップクラスに手厚い老朽建築物除却助成制度が利用できます。
| 制度名 | 補助金額・率 | 対象・条件 |
|---|---|---|
| 老朽建築物除却助成 | 実工事費と標準除却費（木造:33,000円/㎡, 非木造:47,000円/㎡ ※令和7年度）の低い方の額【上限1,000万円】 | 不燃化特区内にある老朽建築物（耐用年数の3分の2を過ぎているなど）。 |
| 戸建建替え促進助成 | 設計費・工事監理費の一部を助成 | 不燃化特区内で、老朽建築物を除却し、耐火性のある建物などに建て替える個人の方。 |
| 建築工事費助成 | 建築工事費の一部を助成 | 戸建建替え促進助成の要件を満たすこと。 |
何より大切な注意点として、どの助成金も必ず「工事の契約前・着工前」に申請しなければなりません。申請してから交付が決まるまで1〜2ヶ月ほどかかるので、解体を計画するなら、この審査期間を見越したスケジュールを組むことが重要です。
※制度の最新情報や申請様式は、必ず自治体の公式サイトをご確認ください。
豊島区の公式サイトで詳細を見る
廃棄物処理と分別ルール
区内には大規模な処分場がないため、解体で出た廃棄物は埼玉や千葉まで運ぶ必要があり、その運搬費が見積もりに影響します。
豊島区内で発生したコンクリートガラや木くずを受け入れる大規模な中間処理施設や最終処分場はありません。そのため、解体で出た廃棄物の多くは、埼玉県（川口市、所沢市など）や千葉県（船橋市、市川市など）まで運ばれます。
このとき、主なルートになる首都高速5号池袋線はいつも渋滞しがちで、ダンプトラックが1日に現場と処分場を往復できる回数が限られてしまいます。この運搬効率の悪さは、ドライバーの労働時間に関する規制（2024年問題）とも重なり、運搬費を押し上げ、結果的に解体費用の総額が上がりやすくなる一因です。
運営者 稲垣豊島区での解体工事は、防災上の課題である木造密集地域の建て替えが大きなテーマです。入り組んだ地形や狭い道に対応できる技術力はもちろん、最大1,000万円にもなる「不燃化特区」の補助金制度を熟知し、うまく活用してくれる業者を選ぶことが成功の鍵です。
豊島区の解体費用相場
| 建物構造 | 坪単価あたりの解体費用 | 価格幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 40,100円 | 25,000～62,400円 |
| 鉄骨造 | 61,500円 | 42,200～82,200円 |
| RC造 | 80,800円 | 68,700～93,000円 |
| 内装解体 | 42,500円 | 21,500～69,900円 |
※費用相場データは、一般社団法人あんしん解体業者認定協会の提供データをもとに、スッキリ解体が独自に分析・算出したものです。
優良な解体業者の選び方
解体業者を選ぶ際は、価格だけでなく「建設業許可の有無」「過去の行政処分歴」「工事賠償責任保険の加入」など、多角的なチェックが必要です。以下の記事では、優良業者を見極めるための18のチェックポイントを専門家が詳しく解説しています。契約前にぜひご一読ください。
当サイト独自の50の調査項目
掲載業者は、口コミや広告といった曖昧な情報ではなく客観的な事実情報を掲載しています。
企業経験・規模 (7)
対応工事 (10)
保有資格 (9)
安全対策・リスク管理 (7)
顧客対応・サービス (17)
※項目にカーソルを合わせると詳細な説明が表示されます。
豊島区の解体業者一覧
豊島区の解体業者、全5社をご紹介します。
株式会社東京渥美組
株式会社東京渥美組は、約50年にわたり総合建設業を営んでおり、公共事業も手掛けています。解体工事だけでなく、工事後の土地活用や不動産売却の相談にも対応しているため、解体からその後の計画まで一貫して依頼が可能です。また、「安全は全てに優先する」という方針のもと、社員教育に力を入れています。会社のInstagramでは施工事例や工事の様子が公開されており、どのような会社か事前に確認できる点も特徴です。
- 公共事業の受注実績
- 解体後の土地活用や不動産売却に関する相談対応
- Instagramアカウントでの施工事例の公開
有限会社梅田商店
有限会社梅田商店は、廃棄物処理を専門とする会社です。解体工事で発生する廃棄物を自社で細かく分別し、リサイクルすることで、処理費用を抑えられます。また、現場から出る鉄くずなどの有価物は、その時々の市場価格で買い取り、解体費用から差し引かれます。廃棄物処理の専門知識を活かして、解体費用の負担を軽くする仕組みを整えています。法人取引で必要な電子マニフェストにも対応しており、コンプライアンス面でも安心して依頼できます。
解体工事の見積もりでは、建材などの廃棄物処理費用が大きな部分を占めます。梅田商店は、この処理費用そのものを専門知識で削減することを得意としています。特に、鉄くずなどを市場価格で買い取ってくれる点は、利用者にとって分かりやすいメリットです。価格が固定ではなく市場に連動しているため、取引の透明性が高いと言えます。廃棄物処理の仕組みを工夫することで、依頼主の金銭的な負担を減らしている良い事例です。
- 廃棄物の分別・リサイクルによる処理コストの削減
- 鉄くずなど有価物の市況価格での買取
- 法人取引も安心な電子マニフェスト対応
株式会社トライベッカ
株式会社トライベッカは、解体工事だけでなく不動産取引も手掛けている会社です。そのため、解体、不用品の整理、その後の不動産売却まで、すべてを一つの窓口で相談できるのが特徴です。また、古物商の許可を持っているため、家の中に残された家財などを買い取ってもらうこともできます。買取金額を解体費用に充てることで、施主の負担を軽減できる場合があります。産業廃棄物収集運搬許可は首都圏の4都県（東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県）で取得しており、広いエリアでの工事に対応しています。
通常、解体工事で家財が残っている場合、その処分には別途費用がかかります。しかし、この会社は古物商の許可を持っているため、価値のある品物を「不用品」ではなく「買取品」として扱える点が異なります。例えば、まだ使える家具や骨董品などがあれば、査定のうえで買い取ってもらえる可能性があります。その分、最終的に支払う解体費用を安く抑えられるかもしれません。解体と不用品買取を別々の業者に頼む手間が省ける点も、利用者にとっては便利な仕組みです。
- 解体、不用品買取、不動産売却まで対応するワンストップ体制
- 古物商許可に基づき、家財などの不用品買取が可能
- 産業廃棄物収集運搬許可を保有（東京・神奈川・千葉・埼玉）
荒木建設工業株式会社
荒木建設工業株式会社は、豊島区とその周辺地域を拠点とする建設会社です。ウェブサイトでは、公共施設から個人住宅まで60件以上の工事実績を公開しています。どのような工事をどのくらいの費用で行ったのか、写真付きで具体的に確認できるため、依頼する前に同社の仕事ぶりを判断しやすいのが特徴です。解体工事だけでなく、建設全般の相談にも対応しています。
自社のウェブサイトで具体的な工事実績を60件以上も公開している点は、業者選びの参考になります。過去の施工事例を写真付きで詳細に公開している業者は、それほど多くありません。どのような建物を、どのような手順で工事したのかを事前に確認できるのは、依頼を検討する側にとって大きな安心材料となります。特に、自宅の近隣で行われた実績があれば、その業者が地域の特性をどれだけ理解しているかを判断する上でも役立つでしょう。
- ウェブサイトで60件以上の工事実績を写真付きで公開
- 「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」を掲げる企業理念
- 豊島区とその周辺地域に密着した事業展開
株式会社友和
株式会社友和は、「地球、地域に優しい取り壊し工事会社」という理念を掲げる解体専門業者です。特に、工事現場の周辺環境への配慮を重視しています。解体工事で懸念されがちな騒音や粉塵を抑えるための対策に力を入れており、近隣への影響をできる限り少なくするよう努めています。また、理念に基づき、現場で発生した廃棄物を細かく分別し、リサイクルに回すことで環境負荷の軽減にも取り組んでいます。こうした方針から、住宅が密集している地域での工事や、近隣との関係を特に大切にしたい場合に、選択肢の一つとなる会社です。
解体工事を依頼する際、多くの方が心配されるのが、騒音や振動による近隣とのトラブルです。株式会社友和のように、事業の理念として「近隣への配慮」を明確に掲げている会社は、現場の作業員一人ひとりにまでその意識が共有されていることが期待できます。工事中の丁寧な対応は、依頼主の精神的な負担を軽くする上で重要な要素です。工事が終わった後も、その土地で穏やかに暮らしていくために、どのような姿勢の業者を選ぶかは大切な判断基準になります。同社の取り組みは、その点を重視する方にとって参考になるでしょう。
- 「地球、地域に優しい」を理念に掲げた事業運営
- 騒音・粉塵対策など、近隣トラブルを未然に防ぐ取り組み
- 廃棄物の分別とリサイクルによる環境負荷の軽減
豊島区の解体業者が見つかりませんでした。
解体業者の選び方でよくある質問
- 「建設業許可」と「解体工事業登録」を持つ業者、どちらに依頼すべき？
-
「建設業許可」と「解体工事業登録」の差を判断基準にすることはおすすめしません。
建設業許可は取得要件に「建設業の管理責任者として5年以上の経営経験」や「500万円以上の自己資本または資金調達力があること」などが定められているため、企業として一定の信頼感が担保されていると言えます。
しかし解体工事業登録のみを行ってる業者が信頼に欠けるわけではありません。建設業許可の取得に向けて違反や事故を起こさないようコンプライアンス意識を高く持っている業者も数多く存在します。
- 解体業者によって見積金額に差が生まれるのはどうしてですか？
-
それぞれの解体業者には得意分野・苦手分野があるからです。
同じ現場を見積もったとしても、解体業者ごとに見積金額に差が出るのが普通です。これは、「解体工事の経験」「重機などのリソース」「資格保有者」「職人の技術」などが解体業者によって異なるためです。
例えば過去に火災現場の解体を多く手掛けている業者は、火災現場が初めての業者よりも手順や流れを熟知しているため、工事をスムーズに進められます。複雑な案件であればあるほど、業者の経験値が工期に影響します。
また、重機を自社で数多く保有していればリース代（借りる費用）がかかりませんし、アスベストの調査・除去に対応できる資格を保有していれば外注の費用がかかりません。
このような要素によって解体業者には得意分野・苦手分野が存在するため、ご自身の解体現場に適した業者に依頼するようにしましょう。
- もし解体業者が不法投棄をしても、依頼した側は責任に問われませんか？
-
いいえ。工事の依頼主も責任に問われることがあります。
廃棄物がどのように処分されたか責任を負うのは「廃棄物の排出事業者」です。廃棄物処理法では解体業者ではなく工事の発注者(依頼者であるあなた自身)が排出事業者であると定められています。
不法投棄が行われた際、排出事業者に監督責任上の過失があると認められる場合は責任を問われる可能性があります。
- 相場より著しく安い価格と分かりながら契約した場合
- 許可・登録のない業者と知りながら依頼した場合
- 書面での契約を交わしていない場合
上記のような場合は依頼主の過失とみなされる恐れがあるため、解体業者の体制や見積書の内容は事前に確認しておきましょう。
- 相場よりも見積書の金額が高い場合はどうすれば良いですか？
-
相見積もりをして、「あなたの解体現場の適正価格」を見極めましょう
インターネット検索などで得られる「一般的な解体費用相場」は、参考にはなりますが絶対的なものではありません。例えば「アスベストの量が多い」「敷地の周囲が狭く重機が通れない」「残置物（不用品）の量が多い」など、個別の事情によって費用は高額になってしまいます。
あなたの解体現場の適正価格を見極めるには、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。その中で著しく高額な業者、著しく安価な業者は依頼を避けるのが無難です。
また、どのような条件下で費用が高くなるのかを事前に調べておくことで、それが正当な金額なのかを判断しやすくなります。
スッキリ解体
【完全版】解体費用が高額になる4つのケース 解体工事って、そもそも何から始めればいいの？費用はいくらかかる？ 一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく… - ホームページを持っていない業者に依頼をしてはダメですか？
-
問題ありません。ただし、業者の実態は確認しておきましょう。
解体業界ではインターネットでの情報発信を行わない事業者も多く、優良な解体業者でもホームページを持っていないことがあります。
ホームページを公開していない業者でも、実際に連絡・やり取りをした際に施工実績や得意な工事、料金体系など、気になる点が確認できれば問題ありません。
また、「普段から付き合いがある」「信頼できる人から紹介してもらった」など、業者の実態が確認できているケースであれば、ホームページの有無を気にする必要はありません。
ただし、世の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる"名前だけが存在し実態を持たない会社"も存在するため、全く知らない業者に依頼をする際には十分注意しましょう。
- 解体現場と同じ市区町村の解体業者に依頼するのが普通ですか？
-
いいえ。他の市区町村や都道府県の解体業者への依頼も検討してみましょう。
解体業者は本社の所在地だけでなく、複数の市区町村・都道府県に出張できることがほとんどです。相見積もりの結果に納得いかない場合は、他の地域も含めて相見積もりを行うことで、より良い条件での契約を目指しましょう。
会社の姿勢を知る上で、どのような情報発信をしているかは一つの判断材料になります。東京渥美組のように、長い業歴を持つ会社がInstagramのようなツールで現場の様子を公開している場合、外部の視線を意識した姿勢であるとうかがえます。長く事業を続けているという実績に加え、今の時代のツールを使って情報を伝えようとする柔軟な姿勢も、業者を選ぶ際の参考になるでしょう。