プレハブの解体費用相場とは?業者選び、工事の注意点まで専門家が解説

プレハブ解体完全ガイド
稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

なやみん

不要になったプレハブを解体したいけど、何から始めればいいんだろう……。自分でできるのかなぁ……。

プレハブの解体は、多くの方が初めて経験するもので、何から手をつけていいか分からず不安に感じているかもしれません。しかし、その不安な気持ちのまま、知識なく進めてしまうのは危険です。

「高額請求」「悪質業者」「DIYの失敗」などの大きなトラブルを回避するためにも、正しい知識を身につけることが大切です。

この記事では、あなたが後悔しないために必要な知識を、11万件以上の解体相談実績を持つ「一般社団法人あんしん解体業者認定協会」の全面的な監修協力のもとに解説します。

この記事でわかること
  • プレハブの解体費用相場がわかる。6坪15万円~の相場を解説。
  • 悪質業者を回避する6つの鉄則がわかる。「建設業許可」の確認は必須。
  • 分離発注で費用を10~30%削減する方法や補助金制度の注意点がわかる。
  • 解体後に固定資産税が最大6倍になる罠と「住宅用地の特例」がわかる。

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

秋田 栞執筆

「スッキリ解体」専属ライター

秋田 栞(あきた しおり)

「どんな専門的な情報も、『なるほど!』に変わる瞬間を大切に、解説します。」

複雑な情報を分かりやすく紐解くことを得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た最新知識を元に、読者の「なぜ?」「どうして?」を「わかった!」に変える記事を執筆。現場の職人さんが話す言葉と、お客様が使う言葉の橋渡し役となることを目指している。

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目次

プレハブの解体費用はいくら?構造・坪数別の相場を全解説

プレハブ解体費用相場

ここからは、皆さんが最も気になるプレハブ解体の費用について、業界のリアルな相場をもとに、具体的に解説していきます。

【構造別】木造・軽量鉄骨プレハブの解体費用単価

プレハブ解体の費用を算出する基本となるのが、1坪あたりの解体単価(坪単価)です。この単価は、プレハブの構造によって変わるのが一般的です。

※画像クリックで拡大できます

プレハブ坪単価イメージ

軽量鉄骨造の方が頑丈な構造で解体に手間がかかること、また鉄骨という廃材の処分費用がかかるため、木造よりも単価が高くなる傾向にあります。あなたのプレハブがどちらの構造かを確認することが、費用を知る第一歩です。

坪数ごとの費用シミュレーション

それでは、構造別の坪単価をもとに、プレハブの大きさごとの費用総額をシミュレーションしてみましょう。あくまで目安ですが、ご自身のプレハブの大きさと照らし合わせて、大まかな費用感を掴んでください。

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プレハブの坪数木造の費用目安軽量鉄骨造の費用目安
3坪(約10㎡)7.5万円~12万円9万円~13.5万円
6坪(約20㎡)15万円~24万円18万円~27万円
10坪(約33㎡)25万円~40万円30万円~45万円
20坪(約66㎡)50万円~80万円60万円~90万円

※上記の坪単価データは、監修の「あんしん解体業者認定協会」が保有する2023年~2024年の全国約1,200社の見積もりデータを基に算出した独自のものです。

※この表はあくまで本体の解体費用の目安です。実際の総額は、後述する「付帯工事費」によって変動することを覚えておいてください。

見積もり前に確認!総額を左右する付帯工事費とは

「解体費用は坪単価×坪数で決まる」と考えているなら、それは大きな誤解です。実は、解体費用の総額を大きく左右するのが、本体工事とは別に発生する「付帯工事費」の存在。これを知らないと、「見積もりが安いと思ったら、後からどんどん追加費用を請求された」という事態に陥ります。

具体的には、以下のような工事が付帯工事にあたります。

※画像クリックで拡大できます

付帯工事の一例
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基礎コンクリートの撤去費残置物(不用品)の処分費樹木の伐採・抜根費ブロック塀などの撤去費重機回送費
地面にコンクリートの基礎がある場合、その撤去費用がかかります。プレハブ内に残された家具や荷物などの処分費用です。工事の邪魔になる庭木などの撤去費用。プレハブ周りの外構の撤去費用。 重機を現場まで運ぶための費用。

これらの費用が見積もりに含まれているか確認することが重要です。

プレハブの解体で後悔しないために知るべき3つのリスク

プレハブ解体3つのリスク

まずは、絶対に避けるべきリスクについて解説します。

リスク1:相場を知らないと高額な費用を請求される

プレハブ解体で最も多い失敗が、費用に関するトラブルです。なぜなら、解体業界には明確な「定価」が存在せず、業者によって提示する金額が大きく異なるからです。

この情報格差を利用し、相場を知らないお客様に対して、本来より数十万円も高い金額を平気で請求する業者がいるのが現実です。実際に「最初の見積もりより100万円も高い金額を請求された」という、悲痛な声も届いています。

リスク2:悪質業者の典型的な手口に騙される

「とにかく安く済ませたい」という気持ちはよく分かりますが、安さだけで業者を選ぶのは絶対にやめてください。格安の見積もりは、悪質業者があなたを誘い込むための典型的な手口だからです。

彼らはまず安い金額で契約させ、工事が始まってから「追加工事が必要になった」などと理由をつけて、次々と高額な請求を突きつけてきます。

また、解体で出た廃材を山中などに不法投棄したり、ずさんな工事で事故を起こしたりする業者も存在します。「業者の責任だから自分は関係ない」と考えるのは非常に危険です。

(出典:環境省 排出事業者責任の徹底について)

【初田理事に聞いた】施主が巻き込まれたリアルな悲劇

実際に依頼側が責任を取らされてしまうトラブルはあるのでしょうか。

『あんしん解体業者認定協会』に所属し、数多くの解体現場を見てきた初田理事に「プレハブ解体で実際にあった悪徳業者トラブルの事例」をうかがいました。

ケース1 工事終了後にゴミが不法投棄されてしまった……

稲垣:プレハブの解体で起きたトラブル事例はありますか?

理事 初田秀一

「業者が不法投棄したゴミから施主さんの名前が判明し、最終的に施主さん自身がゴミを撤去する羽目になった」という問い合わせが協会に寄せられたことがあります。

工事が終わって安心したかと思いきや、まさかの事態ですよね。もちろん不法投棄は法律上業者の責任となります。施主には法的な責任はありませんが、名前が分かってしまったとなると近隣関係等を考え謝罪に入らなければならない状況にもなるかもしれません。

不法投棄の事例について解説し、ホワイトボードを持つ初田理事

このような時のために、契約前にしっかりとマニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行してくれる業者なのかを確認しましょう。

※クリックで詳細が読めます

マニフェスト伝票(産業廃棄物管理票)とは

解体工事で発生した廃棄物(廃材)が適切に処理されたことを証明する書類です。マニフェストの様式は、廃棄物処理法施行規則第8条にて定められています。

ケース2 工事中の火花が火災事故に発展……
理事 初田秀一

他にも、工事中の火花で建物が火災になったという事例がありましたね。

カーポートの鉄骨を切断していたバーナーの火花が燃え移り、建物が全焼。まさに大炎上です。警察が動き、近隣から猛烈な非難を浴び、ニュースにもなりました」という、建て替え計画そのものが頓挫してしまった悲惨な事例も現実に起きています。

これは悪徳業者に限らず、どの現場でも気をつけなければ起きる可能性はあると思います。法的な責任は業者にあっても、施主が精神的・物理的に大きな負担を強いられる可能性があります。

このように、業者選びの失敗は、あなた自身の問題として降りかかってくるリスクがあることを忘れないでください。

リスク3:安易なDIY解体で重大なトラブルに発展する

「小さなプレハブだから自分で壊せるのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、DIYでの解体は、費用を抑えるどころか、かえって重大なトラブルに発展するリスクをはらんでいます。

専門知識なく解体作業を行えば、大きな怪我につながる危険が常に伴います。さらに、古いプレハブには発がん性物質であるアスベストが使われている可能性があり、知らずに壊すと周囲に飛散させてしまう大惨事になりかねません。

解体で出た木材やコンクリートは「産業廃棄物」として法律に則って正しく処分する必要があり、これも個人では非常に困難です。安易なDIYは、あなたとあなたの家族、そしてご近所まで危険に晒す行為だと認識してください。

プレハブの解体の流れを6ステップで完全ガイド

「一体何から始めればいいのか…」という不安を解消するために、ここからはプレハブ解体を依頼してから工事が完了するまでの全工程を、6つのステップに分けて分かりやすく解説します。

※画像クリックで拡大できます

プレハブ工事流れ6ステップ

Step1:業者探しと現地調査・見積もり依頼

まずは、解体を依頼する業者を探すところからスタートです。インターネット検索などを利用して、候補となる業者を3社ほどリストアップしましょう。業者に連絡すると、正確な見積もりを出すために「現地調査」の日程調整を行います。担当者が実際に現場を訪れ、プレハブの大きさ、構造、立地条件などを確認します。

Step2:契約内容の確認と書面の取り交わし

複数の業者から見積もりを取り、依頼する1社が決まったら、工事請負契約を結びます。ここで絶対に焦ってはいけません。契約書に書かれている内容を隅々まで確認し、特に重要である「工事内容の範囲」「金額」「工期」「支払い条件」「追加工事が発生した場合の取り決め」は必ず目を通しましょう。

Step3:建設リサイクル法などの法的な事前届出

床面積の合計が80㎡(約24坪)以上の建物を解体する場合、「建設リサイクル法」に基づき、工事開始の7日前までに都道府県知事への届出が義務付けられています。優良な業者であれば、この届出は基本的に業者が代行してくれます。

Step4:近隣への挨拶と養生・足場の設置

解体工事は、どうしても騒音や振動、ホコリの発生が避けられません。近隣トラブルを防ぐために、工事開始前の「近隣挨拶」が極めて重要になります。これも優良業者であれば、工事の数日前に粗品を持って、近隣のお宅へ挨拶回りをしてくれます。並行して、現場では建物の周りに足場を組み、養生シートで全体を覆います。

挨拶回りは基本的に解体業者のみで行われますが、業者と一緒に回ることで誠実さが伝わり良好な近隣関係に繋がります。

Step5:建物本体の解体と廃材の分別・搬出

いよいよ、建物本体の解体作業が始まります。一般的には、まず内装材や屋根材を手作業で撤去し、その後、重機を使って構造体を解体していきます。この際、木材、コンクリート、鉄骨といった廃材を、法律に従って正しく「分別」しながら作業を進めることが重要です。

なやみん

この工程は業者さんがやってくれるよ~。

Step6:整地作業と工事完了の最終確認

建物の解体と廃材の搬出が終わったら、最後に土地を平らにならす「整地」作業を行います。すべての作業が完了したら、あなたが現地に立ち会い、契約書通りの状態になっているかなどを最終確認します。問題がなければ、工事は完了です。

プレハブの解体における優良業者の選び方【6つのポイント】

適正な費用相場を理解したら、次は「信頼できる業者」を選ぶステップです。プレハブ造を解体する際の業者選びで重要なポイントを7点ピックアップしてお伝えします。

基準1:建設業許可の保有・解体工事業の登録がされていること

解体工事を行うためには、「建設業許可」の保有または「解体工事業の登録」のいずれかが必要です。許可・登録がない状態で解体工事を行うことは違法行為にあたるため、必ずどちらかを保有・登録している業者を選びましょう。

それぞれ取得している場合は、解体業者のホームページに許可番号・登録番号が記載されています。
ホームページを保有していない場合は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」から検索することで確認できます。

基準2:産業廃棄物収集運搬業許可を保有していること

廃棄物の収集運搬を自社で行える「産業廃棄物収集運搬業許可」を保有していると、業者にとってベストな処分場を選べるため、費用を削減できる可能性があります。

また、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得するためには、会社の経歴や経営状況などの要件をクリアする必要があるため、会社としての信頼感の裏付けになります。

基準3:過去に違反歴がないこと

国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」や、産業廃棄物処理事業振興財団の「許可取消処分情報」で解体業者名を検索し、過去に違反歴や行政処分歴がないかを確認してください。

処分歴があるからといって必ずしも危険な業者とは限りませんが、安全意識の高さを判断する基準として有効です。

基準4:プレハブの解体実績が豊富であること

プレハブの建物を解体する場合は、プレハブ解体の実績が豊富な業者に依頼しましょう。

解体業者はそれぞれに得意分野である工事が存在し、それは過去の工事実績や所有する重機、可能な工法、職人の技術力などによって左右されます。

その得意分野を判断する1つの根拠として、計画する解体工事と同様の工事実績が豊富であるかを確認しておきましょう。

基準5:見積金額、内訳項目それぞれの金額に根拠があること

優良な解体業者は見積書の項目を詳細に記載し、どのような根拠で見積額を算出しているかを明確に提示します。
項目を詳細に分けず「一式」でばかり記載する業者には注意しましょう。

また、不明点や詳細について質問された際にちゃんと答えられる業者は、見積もりに後ろめたいことがない裏付けになります。

同じ工事でも見積もり内容は大きく変わる

基準6:資格を持った従業員が在籍していること

解体工事に活かせる資格を保有している従業員が在籍していると、様々なメリットがあります。とくに解体工事施工技士は、現場の作業員の安全を守る上で大事な資格です。

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解体工事を行う作業員にとってメリットのある資格
解体工事施工技士持っていると500万円以下の解体工事を行うための解体工事業の登録ができ、技術管理者として従事できる国家資格。解体工事の現場作業や監理における知識や技術の裏付けになる資格。
石綿作業主任者アスベストの調査や作業、作業完了確認を行う上で必須の資格。有資格者の在籍がない場合、アスベスト調査や除去は外部への委託が必要となる。
建築物石綿含有建材調査者

今回は、プレハブの建物を解体する業者を選ぶにあたって効果的な判断基準をピックアップしました。以下の記事ではさらに網羅的な業者の選び方を紹介しています。「どうしてそれが優良業者の裏付けになるのか」といった、各基準における専門家の詳細な解説が読めますのでぜひご確認ください。

プレハブの解体費用を抑える7つの方法【ポイント解説】

適正価格で信頼できる業者に依頼するのが大前提ですが、さらに費用を賢く抑えるための方法も存在します。ここでは、実践的で効果の高い7つの節約術をお伝えします。

方法1:業者の閑散期(4月~9月)を狙う

工事の依頼が少ない時期は、価格交渉に応じてもらいやすくなります。

方法2:自治体の補助金制度を調べる

空き家の解体やアスベスト除去などで、数十万円の補助が受けられる場合があります。

方法3:必ず2~3社から相見積もりを取る

費用相場を知り、不当な請求を見抜くための最も重要なステップです。複数の業者から見積もりを取得することで、より適正価格に近い金額で契約が可能になります。

方法4:家の中の不用品は自分で処分する

業者に頼むと高額になりがちな残置物処分費を節約できます。

方法5:庭木や雑草を自分で撤去する

ご自身でできる範囲の作業を行うことで、その分の費用を削減できます。

方法6:必要な届け出を自分で行う

数万円の代行手数料を節約できる可能性があります。

方法7:依頼先を決めた上で値引き交渉する

契約したい1社に対し、誠実な姿勢で交渉しましょう。

それぞれの方法の具体的な手順や、どれくらい安くなるかの目安については、以下の総合ガイドで詳しく解説しています。

【FAQ】プレハブの解体に関するよくある質問

最後に、これまでのご相談で特によく寄せられた質問とその回答をまとめました。

見積もり以上の高額な追加請求をされることはありますか?

契約書に記載のない不当な追加請求に応じる必要は一切ありません。ただし、例外として、工事を始めてから判明した「地中埋設物」の撤去など、予測できなかった作業には、正当な追加費用が発生する場合があります。

こうした事態を避けるためにも、契約時に「万が一、追加工事が必要になった場合の費用や対応」について、必ず業者と書面で取り決めを交わしておくことが重要です。

プレハブを解体すると固定資産税は高くなりますか

ケース1:解体して「更地」にする場合 → 税金が高くなる可能性大!
多くの方が「建物を壊せば固定資産税は安くなる」と誤解していますが、逆のケースがほとんどです。土地の上に住宅が建っている場合、「住宅用地の特例」によって土地の固定資産税が最大で6分の1に減額されています。建物を解体して更地にすると、この特例が適用されなくなり、翌年から土地の税金が跳ね上がってしまいます。

ケース2:解体して「建て替える」場合 → 税金を維持できる可能性があります!
一方、解体後に新たに住宅を建てる場合は、「住宅用地に対する課税標準の特例の継続適用(通称:建て替え特例)」という制度を利用できる可能性があります。一定の要件を満たせば、工事中で更地になっている期間も、税の軽減措置が継続されます。

【要注意】この特例は自動適用されません!

適用には「解体後1年以内に新しい家の建築に着手する」などの要件があり、自治体への申告が必要です。必ず解体前に、土地所在地の市区町村の税務課にご相談ください。

(参考:総務省 地方税制度)

解体工事にかかる期間や日数の目安は?

プレハブ本体の解体工事にかかる期間は、その規模や構造、立地条件によって異なりますが、一般的なものであれば3日~1週間程度で完了することが多いです。

ただし、これはあくまで工事期間の話です。実際には、業者探しから契約、法的手続き、近隣挨拶といった準備期間が必要になります。そのため、解体を考え始めてから工事が完了するまでには、全体で1ヶ月~2ヶ月程度の余裕を見て計画を立てることをおすすめします。

まとめ:プレハブの解体を依頼する前の最終チェックリスト

この記事の要点を踏まえ、最後に確認すべき重要事項をまとめました。一つずつチェックし、万全の準備で次の一歩に進みましょう。

  1. 費用の全体像を把握する
    坪単価だけでなく、基礎の撤去や残置物処分などの付帯工事費も確認しましょう。特に2023年10月から義務化された有資格者によるアスベスト調査の費用が含まれているか、見積もりで明確にすることが重要です。
  2. 業者の資格と法令遵守を確認する
    「建設業許可」または「解体工事業登録」の有無は必須です。加えて、アスベスト調査に対応できる「建築物石綿含有建材調査者」が在籍しているか、必ず書面で確認してください。
  3. 複数の業者から詳細な見積もりを取得する
    最低3社から相見積もりを取り、価格だけでなく担当者の対応力も比較します。「工事一式」ではなく、作業項目ごとに内訳が明記された詳細な見積書を提出する業者を選びましょう。
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この記事を書いた人

「どんな専門的な情報も、『なるほど!』に変わる瞬間を大切に、解説します。」

複雑な情報を分かりやすく紐解くことを得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た最新知識を元に、読者の「なぜ?」「どうして?」を「わかった!」に変える記事を執筆。現場の職人さんが話す言葉と、お客様が使う言葉の橋渡し役となることを目指している。

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