
この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀

倉庫の解体って、一体いくらかかるんだろう?
これは、解体を検討されている方がもっとも気にされる点です。ご心配になるお気持ちはよく理解できます。
倉庫の解体費用は、建物の構造や大きさ、立地条件によって大きく変動します。まずはおおよその相場感を掴み、ご自身の予算計画の参考にしてください。
ただし、費用だけで業者を選ぶのは非常に危険です。本記事では解体工事の専門家である「あんしん解体業者認定協会」全面監修のもと、適正な工事価格と信頼できる業者の選び方を解説します。
- 倉庫解体の費用相場がわかる。木造2万円/坪~の坪単価や、50坪の総額事例を解説。
- 悪徳業者に騙されない選び方がわかる。「建設業許可」や「マニフェスト」の確認は必須。
- 怠ると10万円以下の過料も。「建物滅失登記」など、必須の法的手続きと流れがわかる。
- 高額な追加費用や不法投棄の罠を回避する方法。あなたも問われる排出事業者責任とは。
- 上限50万円の補助金も?相見積もりや残置物処分で賢く費用を抑える方法がわかる。




一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一(はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。


「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。


「スッキリ解体」専属ライター
丸山 夏実(まるやま なつみ)
「”わからない”という不安を、”わかった!”の安心に変えるお手伝いをします。」
はじめて解体工事に直面する方の不安な気持ちに、誰よりも共感することを大切にするライター。数多くの業者インタビューや専門勉強会を通じて、プロの専門用語を一般の方にもわかりやすく伝える。読者と同じ目線に立ち、一緒に不安を解決していくパートナーのような記事作りを信条としている。


解体工事で失敗しない!
中野達也監修 完全ガイド
私、中野が監修した全51ページの完全マニュアル&解説動画を、今だけ無料でプレゼント中!


個人情報は厳重に保護。いつでも解除可能で安心です。
ガイドのお受け取り方法を
お選びください
【構造別】木造・鉄骨・RC造の倉庫解体にかかる費用


倉庫の解体費用は、主に「構造」によって坪単価(1坪あたりの費用)が決まります。頑丈な構造であるほど、解体に手間と時間がかかるため費用は高くなる傾向です。
以下に、一般的な坪単価の目安をまとめました。
構造 | 坪単価の目安 | 特徴 |
---|---|---|
木造(W造) | 2万円~5万円/坪 | 比較的解体しやすく、費用は安価な傾向。個人所有の古い農機具倉庫など。 |
鉄骨造(S造) | 3万円~6万円/坪 | 事業用の倉庫でもっとも多い構造。柱や梁の太さ、壁材によって費用が変動。 |
RC造(鉄筋コンクリート造) | 5万円~10万円/坪 | 非常に頑丈で、解体には大型重機や特殊な工法が必要。高額になる場合が多い。 |
※費用目安は「あんしん解体業者認定協会」が保有する解体工事データから費用幅を算出したものです。
たとえば、30坪の木造倉庫なら60万円~150万円、50坪の鉄骨倉庫なら150万円~300万円が、解体工事本体の一つの目安となるでしょう。
ただし、これはあくまで本体工事の目安です。実際には、この後説明する付帯工事の費用が加算されることを忘れないでください。
見積もり前に確認!費用が追加で発生する4つのケース
見積書に記載された金額以外に、後から追加費用が発生するケースがあります。優良な業者であれば事前に説明してくれますが、悪質な業者はこれを隠して後から高額請求してくることも少なくありません。
とくによくある追加費用のケースは以下の4つです。


- 残置物の処分
倉庫内に残された機械や資材、不用品などの処分費用です。産業廃棄物か一般廃棄物かで処分費が異なり、量が多いと数十万円以上かかることもあります。 - アスベストの除去
2006年以前に建てられた倉庫の場合、屋根材や壁材にアスベストが使われている可能性があります。法律で定められた調査と除去作業が必要となり、規模によっては高額な費用が発生します。 - 地中埋設物の撤去
建物を解体した後、地中からコンクリートガラや過去の建物の基礎などが出てくるケースです。これは実際に掘ってみないと分からないため、契約時の見積もりには含まれていない場合がほとんどです。 - 外構の撤去
倉庫周りのブロック塀、フェンス、コンクリート舗装などの撤去費用です。これも解体範囲に含まれているか、契約前に必ず確認すべきポイントとなります。
これらの費用は状況によっては避けられないものです。重要なのは、こうしたリスクについて事前にしっかりと説明してくれる誠実な業者を選ぶことです。
「見積もりが安い」という理由だけで業者を選ぶと、必要な費用が含まれておらず、後から次々と追加請求される可能性があるため危険です。
【事例】50坪の鉄骨倉庫を解体した場合の費用シミュレーション
では、より具体的にイメージしていただくために、一般的な50坪の鉄骨倉庫を解体する際の費用シミュレーションを見てみましょう。これはあくまで一例であり、実際の費用は現場の状況によって変動することを念頭に置いてください。
項目 | 単価 | 数量 | 金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|
本体工事費 | 40,000円/坪 | 50坪 | 2,000,000円 | 軽量鉄骨造を想定 |
足場・養生費 | 1,000円/㎡ | 300㎡ | 300,000円 | 安全対策・防音防塵 |
残置物処分費 | – | 一式 | 200,000円 | 金属くずや棚など |
廃棄物運搬・処分費 | – | 一式 | 500,000円 | 鉄骨、コンクリートガラ等 |
重機回送費 | – | 一式 | 100,000円 | 重機の運搬費用 |
諸経費 | – | – | 310,000円 | 現場管理費、事務手数料等 |
合計(税抜) | 3,410,000円 | |||
消費税(10%) | 341,000円 | |||
総額 | 3,751,000円 |
このように、坪単価だけで計算した金額(この場合200万円)と、実際の総額には大きな差が出ることがお分かりいただけるでしょう。見積もりの総額は、「建物を解体する費用」以外にもさまざまな費用が含まれることを忘れないでください。
倉庫解体工事の全手順|相談から工事完了までの流れを7ステップで解説


倉庫の解体は、思い立ってすぐに始められるものではありません。事前の準備や法的な手続きなど、踏むべき手順がいくつか存在します。
これから、もっともスムーズで安心な7つのステップをご紹介します。「何から手をつけていいか分からない……」という方も、この流れを把握しておけば、計画的にプロジェクトを進められます。
1.解体業者への相談・現地調査の依頼
まず、すべての始まりは解体業者への相談です。インターネットや知人の紹介などで、いくつかの業者候補を見つけましょう。
電話やメールで、解体したい倉庫の「所在地・大きさ・構造」といった基本情報を伝え、現地調査を依頼します。正確な見積もりを出すためには、プロの目で現場の状況(周辺道路の広さ、隣接する建物との距離など)を確認してもらうのが不可欠です。
この段階で、電話対応の丁寧さやレスポンスの速さも、業者を見極める一つの材料となります。



解体してほしい倉庫を業者の目で実際に確認してもらうのが大事なんだね!
2.相見積もりの取得と比較検討
現地調査が終わると業者から見積書が提出されます。ここで絶対にやっていただきたいのが、「相見積もり」です。
必ず3社以上の業者から見積もりを取り、内容を比較検討してください。なぜなら、1社だけではその金額が適正なのか、工事内容が適切なのか判断できないからです。このひと手間を惜しむと、相場より数十万円も高い契約をしてしまうことも珍しくありません。
見積書を比較する際は、総額の安さだけでなく、工事内容の内訳が詳細に記載されているか、追加費用の可能性について説明があるか、といった点を重点的にチェックしましょう。
見積書の内容で不明な点があれば納得がいくまで業者に質問し、できれば書面で回答をもらうようにしましょう。契約前に不安を解消することが重要です。
3.解体業者との契約締結
比較検討の結果、もっとも信頼できると判断した業者と工事請負契約を結びます。契約書には、工事内容、金額、工期、支払い条件などが明記されています。
口約束は絶対に避け、必ず書面で契約を交わしてください。契約書の内容に少しでも疑問があれば、遠慮なく質問しましょう。ここで曖昧な回答しかできない業者は、残念ながら信頼できるとは言えません。
とくに、「追加費用が発生する条件」については、納得がいくまで確認することが、後のトラブルを防ぐ上で極めて重要です。
▼解体工事契約書のチェックポイント解説 完全版はコチラ!▼


4.建設リサイクル法など関連法規の届出
解体工事を行う前には、いくつかの法的な届出が必要です。代表的なものが「建設リサイクル法」に基づく届出で、これは工事開始の7日前までに、依頼主(あなた)が都道府県知事に提出する義務があります。
また、一定規模以上の建物の場合は、アスベストの事前調査結果の報告も義務付けられています。
「手続きが面倒だな……」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。ほとんどの場合、優良な解体業者がこれらの届出を代行してくれます。契約時に、届出の代行についても確認しておくと良いでしょう。
▼建設リサイクル法など、解体工事に必要な届出の徹底解説はコチラ!▼


5.工事前の近隣挨拶と養生
解体工事でもっとも多いトラブルが、騒音やホコリによる近隣トラブルです。これを未然に防ぐために、工事開始前の「近隣挨拶」が非常に重要となります。
工事の概要や期間、連絡先などを伝えておくことで、近隣住民の方々の理解を得やすくなります。これも通常は業者が主体となって行ってくれますが、可能であればあなたも一緒に挨拶に回ると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
同時に、工事現場の周囲を防音・防塵シートで覆う「養生」をしっかりと行うことも、信頼できる業者の証です。


6.倉庫本体の解体工事と廃棄物処分
いよいよ、倉庫本体の解体工事が始まります。工事は「内装材の撤去→屋根材の撤去→壁の解体→基礎の撤去」という順で進むのが一般的です。
この際、法律にしたがって、木材、コンクリート、鉄くず、プラスチックなどを現場で分別しながら作業を進めます。分別された廃棄物は、それぞれ許可を受けた中間処理施設や最終処分場へ適切に運搬されます。
この廃棄物処理が適正に行われているかどうかが、優良業者と悪質業者を分ける大きなポイントの一つです。



倉庫の解体は、小さいものだと1~2日で終わる場合もあるし、大型だと1週間以上かかることもあるんだって。
7.整地・工事完了の確認と建物の滅失登記
建物の解体が終わったら、重機で土地を平らにならす「整地」作業を行います。すべての工事が完了したら、契約通りに工事が行われたか、地中にガラなどが残っていないか、あなた自身の目で最終確認をしてください。問題がなければ、工事代金の残金を支払い、工事は完了です。
しかし、まだ終わりではありません。
工事完了後、絶対に忘れてはならないのが、法務局への「建物滅失登記」です。これは単なる推奨ではなく、建物を解体した日から1ヶ月以内に申請することが法律(不動産登記法第57条)で義務付けられています。
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されるだけでなく、土地の売却や新たな建築ができなくなるなど、将来の資産活用に重大な支障をきたします。
【初田理事に聞いた】滅失登記、業者のサポートはどこまで期待できる?
解体後の重要な手続きである「建物滅失登記」は、誰がどのように行うのでしょうか。工事後のお客様と数多くコミュニケーションを重ねる、顧客対応のプロである初田理事に実情をうかがいます。


一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一 (はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
稲垣:建物滅失登記の手続きにおいて、業者は一般的にどこまでサポートしてくれるのでしょうか。



基本的には、工事完了後に「取り壊し証明書」をお客様にお渡しするだけで終わる業者が大半ですね。ごく稀に親切な業者が無料で登記申請を代行してくれることもありますが、これは例外と考えた方が良いでしょう。ほとんどの場合「ご自身でやってください」というスタンスなんです。


稲垣:業者のサポートは思ったより限定的なんですね。



そうですね。なので「業者が全部やってくれる」と安易に考えず、自分で手続きを進める準備をしておく必要があります。手続きは自分で行えますし、不動産登記の専門家である「土地家屋調査士」に依頼する方法もあります。
土地家屋調査士に依頼した場合の費用相場は、5万円~10万円程度となります。業者選びの段階で登記手続きのサポート範囲を確認しておくことは重要ですが、基本的には自分で手配するものと心得ておきましょう。


後悔しない倉庫解体業者の選び方!プロが教える7つの確認ポイント


倉庫の解体で後悔しないためには、業者選びがすべてと言っても過言ではありません。
11万件以上の相談に携わってきた立場から申し上げますが、トラブルのほとんどは業者選びの失敗が原因です。あなたが後悔しないために、そして安心・安全な解体工事を実現するために、これからお伝えする7つのポイントは必ず確認してください。
ポイント1:解体工事に必要な「許可」や「登録」を持っているか
これは基本中の基本ですが、見落としてはならない最重要ポイントです。解体工事を行うには、「建設業許可(解体工事業)」または「解体工事業登録」のいずれかが必要となります。


500万円以上の工事を請け負う場合は「建設業の許可」が、500万円未満の場合は「解体工事業の登録」が必要です。これらの許可や登録がない業者は違法業者です。不法投棄や杜撰な工事のリスクが高いため契約は避けるべきです。
見積書や会社のウェブサイトに許可番号・登録番号が記載されているか、必ず確認しましょう。また、業者の資格保有の状況は、国土交通省の検索システムで検索もできます。
ポイント2:万が一に備える「損害賠償保険」に加入しているか
解体工事には、細心の注意を払っていても、事故のリスクがゼロではありません。たとえば、重機が隣の家の壁を傷つけてしまったり、通行人にケガをさせてしまったりする可能性も考えられます。
こうした万が一の事態に備え、優良な業者は必ず「損害賠償保険」に加入しています。もし業者が保険に未加入だった場合、損害の賠償責任があなたに及ぶ可能性すらあります。
「保険には加入していますか?」と直接質問し、必要であれば保険証券のコピーを見せてもらうようにしてください。
賠償の限度額は、一般的な家屋程度の建物であれば、対人で1億円、対物で数千万円程度あれば安心です。


ポイント3:見積書の内訳が詳細で「一式」表記が多くないか
見積書の書き方には、その業者の姿勢が如実に表れます。判断基準として「解体工事一式 〇〇円」といった、内訳のない大雑把な見積書を出す業者は要注意です。
これは、後から「あれは含まれていない」「これは別途費用だ」と追加請求するための典型的な手口だからです。
優良な業者の見積書は、本体工事費、足場養生費、重機回送費、廃棄物処分費など、項目ごとに詳細な金額が記載されています。何にいくらかかるのかが明確であれば納得して契約できますし、業者側も誠実な仕事をする意識が高まります。





パッと見ただけで何にいくらかかっているかわかる見積書だったら、安心してお支払いできるよね!
ポイント4:解体したい倉庫と似た「工事実績」が豊富か
一口に倉庫と言っても、木造、鉄骨造、RC造と構造はさまざまで、規模や立地条件も異なります。あなたが解体したい倉庫と類似した条件での工事実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
とくに、鉄骨造やRC造の大きな倉庫の解体には、専門的な知識と技術、そして適切な重機が必要となります。業者のウェブサイトで施工事例を確認したり、担当者に直接「うちのような鉄骨倉庫の解体経験はありますか?」と質問したりしてみましょう。
経験豊富な業者であれば、起こりうるリスクを予測し、的確な対策を提案してくれるはずです。
ポイント5:担当者の対応が誠実で専門的な質問に答えられるか
現地調査や見積もりの説明の際に、担当者の対応をよく観察することも大切なポイントです。あなたの質問に対して、専門用語を並べるのではなく、素人にも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるでしょうか。
リスクやデメリットについても、包み隠さず誠実に話してくれるでしょうか。「解体工事は不安なことが多いと思いますが、何でも聞いてくださいね」という姿勢の担当者であれば、安心して任せられる可能性が高いです。
逆に、質問に対して曖昧な返事をしたり、契約を急かしたりするような担当者には注意しましょう。
ポイント6:マニフェストを発行し「適正な廃棄物処理」を行うか
解体業者選びでもっとも重要な点の一つが廃棄物処理です。なぜなら、法律(廃棄物処理法)では、工事で発生した廃棄物の処理責任は、工事を依頼した依頼主、つまり「あなた自身」にあると定められているからです。これを「排出事業者責任」と呼びます。
万が一、依頼した業者が不法投棄をした場合、あなたも廃棄物の撤去費用などを負担するよう命じられるリスクがあります。このリスクから身を守る方法が、廃棄物の適正処理を証明する「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の写しを受け取ることです。


法律で厳しく罰せられる不法投棄。そのリスクからご自身の身を守るために、依頼主としてできるもっとも確実な方法が、業者から渡される「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」を正しくチェックすることです。
マニフェストの写しを受け取った際は、排出事業者の欄にご自身の現場の住所・氏名が正しく書かれているか。そして、どこに運ばれ、何のゴミがどれくらいの量出たのかという3点に注意してチェックしましょう。


ポイント7:騒音や粉塵など「近隣トラブルへの対策」を説明できるか
解体工事は、どうしても騒音や振動、ホコリが発生します。これらが原因で近隣トラブルに発展するケースはあとを絶ちません。
トラブルを未然に防ぐためには、工事前の丁寧な挨拶回りはもちろん、防音パネルや散水といった対策が不可欠です。業者を選ぶ際には、「近隣への配慮として、具体的にどのような対策をされますか?」と質問してみてください。
「しっかりやりますから大丈夫です」という曖昧な答えではなく、「防音シートで全体を覆い、工事中は定期的に水を撒いてホコリが舞うのを防ぎます」といった具体的な対策を説明できる業者が信頼できます。
▼悪徳業者を回避するための業者選びチェックリスト完全版はコチラ!▼


知らないと数十万円損する!倉庫解体でよくあるトラブルと回避策


「こんなはずじゃなかった……」と解体工事で後悔する方の多くは、残念ながら何らかのトラブルに巻き込まれています。しかし、これらのトラブルは、正しい知識を持ち、適切な業者を選ぶことで、そのほとんどを回避できます。
ここでは、とくに多い3つのトラブル事例とその回避策をご紹介します。これを読めば、あなたが同じ失敗を繰り返すことはなくなるはずです。
トラブル事例1:契約後に高額な追加費用を請求された
これはもっとも多いトラブルと言えるでしょう。「見積もりが一番安かったから契約したのに、工事が始まったら次々と追加費用を請求され、最終的には他社より高くなってしまった」という悲痛な声は後を絶ちません。
原因は、契約時の見積もりが「一式」表記ばかりで、何が含まれていて何が含まれていないのかが不明確だったことにあります。悪質な業者は、意図的に必要な工事項目を抜いた安い見積もりを提示し、契約後に「これは別途です」と請求してきます。
不当な追加費用を回避するには……
- 詳細な内訳が書かれた見積書を複数社から取得すること
- 契約前に「この見積もり以外に追加費用が発生する可能性はありますか?」と業者へ確認すること
- 追加費用の可能性がある項目を契約書に明記してもらうこと


これらを意識することが、あなた自身を守る最強の武器となります。
トラブル事例2:騒音やホコリが原因で近隣からクレームが入った
工事が始まってから、近隣住民の方から「工事の音がうるさい!」「洗濯物が干せない!」といったクレームが殺到し、工事がストップしてしまった……というケースも少なくありません。
この原因のほとんどは、業者が工事前の近隣挨拶を怠ったり、防音・防塵対策が不十分だったりすることにあります。「どうせ壊すだけだから」という安易な考えで工事を進める業者に依頼すると、こうしたトラブルに発展しがちです。あなたと近隣住民との関係にまで、亀裂が入りかねない深刻な問題です。
業者選びの段階で、近隣対策について具体的にどのようなことを行うのかを確認しましょう。「工事開始前に、工程表と連絡先を書いた書面を持って、一軒一軒ご挨拶に伺います」と明確に答えてくれる業者を選ぶのが重要です。
▼近隣クレームや追加費用など解体工事のトラブル事例と回避方法をご紹介▼


トラブル事例3:解体業者が廃棄物を不法投棄していた
これは、あってはならない最悪のケースです。解体費用を安く見せかけるため、正規の処分費用を払わず、山中などに廃棄物を不法投棄する悪徳業者が残念ながら存在します。
後日、投棄された廃棄物からあなたの情報が見つかり、警察から連絡が来てはじめて発覚する、という衝撃的な実話もあります。前述の通り、不法投棄は業者だけでなく、依頼したあなたも「排出事業者」として責任を問われ、罰金や懲役刑が科される可能性があります。
不法投棄を防ぐために確実な方法は、工事完了後に「マニフェスト」の写しを必ず受け取ることです。マニフェストは、あなたの倉庫から出た廃棄物が、いつ、誰によって、どこへ運ばれ、どのように処分されたかを証明する公的な書類です。これを提出できない業者は、不法投棄をしている可能性があります。
アスベスト含むがれき約270トンを不法に投棄か 元代表取締役の男を逮捕
このニュースを詳しく見る
住宅から出たがれきなどおよそ270トンを不法に投棄したとして、兵庫県姫路市にあった解体業者の元代表取締役の男が逮捕されました。
廃棄物処理法違反の疑いで逮捕されたのは、姫路市にあった解体業者の元代表取締役の男(26)です。
警察によりますと、男は実質的な経営者だった男性(43)と共謀の上、2022年12月、姫路市飾東町の山中に住宅から出た木くずやがれきなどおよそ268トンを不法に投棄した疑いが持たれています。
警察は2023年2月の現場検証で、廃棄物の中から基準値を超えるアスベストを検出。
これまで会社の従業員だったとみられる男5人を逮捕しています。
男の認否については明らかにしていません。
警察は、男らが播磨地域を中心に犯行を行っているグループの一員とみて、詳しく調べています。
倉庫解体の費用を抑える方法と使える補助金制度


ここまで、安さだけで業者を選ぶ危険性について繰り返しお伝えしてきました。しかし、もちろん無駄な費用は1円でも払うべきではありません。
後悔しない業者選びを大前提とした上で、賢く費用を抑えるための正当な方法がいくつか存在します。知らないと損する節約術と、お得な補助金制度について解説しましょう。
相見積もりで適正価格を把握することが最大の節約術
何度も繰り返しますが、これがもっとも重要かつ効果的な節約術です。必ず3社以上から相見積もりを取ることで、あなたの倉庫解体における「適正な価格帯」が見えてきます。
飛び抜けて高い業者はもちろん、不自然に安い業者も候補から外すことで、結果的に高額な請求やトラブルを避け、適正価格で質の高い工事を実現できます。これは単なる値引き交渉のためではなく、あなた自身が倉庫解体の相場感を掴み、賢い発注者になるための必須の行動だとお考えください。


解体工事で失敗しない!
中野達也監修 完全ガイド
私、中野が監修した全51ページの完全マニュアル&解説動画を、今だけ無料でプレゼント中!


個人情報は厳重に保護。いつでも解除可能で安心です。
ガイドのお受け取り方法を
お選びください
倉庫内の不用品(残置物)は自分で処分する
倉庫の中に、まだ使える機械や資材、あるいは単なる不用品が大量に残っていませんか?これらを解体業者に「残置物」として処分を依頼すると、多くの場合、産業廃棄物としての処分費用が上乗せされます。
もし時間と労力に余裕があれば、解体工事が始まる前に、ご自身で処分することをおすすめします。金属くずなどは専門の買取業者に売却できるかもしれませんし、不用品は自治体のルールにしたがって処分すれば、業者に依頼するよりも費用を大幅に抑えられる可能性があります。
残置物の中には、木製のタンスなど業者が無料で引き取ってくれる物もあります。(木の廃材と一緒に処分できるから)どれを残してどれを自分で処分したらお得なのか、現地調査の際に業者に聞いてみるといいでしょう。
自治体によっては解体費用の補助金・助成金が利用できる場合も
あまり知られていませんが、お住まいの自治体によっては、老朽化した危険な建物の解体に対して補助金や助成金を出している場合があります。とくに、倒壊の危険性が高いと判断された「特定空家」に指定されている場合などが対象となりやすいです。
補助額や条件は自治体によってさまざまですが、工事費用の一部(例:費用の5分の1、上限50万円など)が補助されるケースがあります。「うちの倉庫も対象になるかも?」と思ったら、まずは市区町村の役所のウェブサイトで「空き家 解体 補助金」などと検索してみるか、建築指導課などの担当窓口に問い合わせてみてください。
【FAQ】倉庫の解体に関するよくある質問


最後に、倉庫の解体を検討している方から、特によくいただく質問にお答えします。多くの方が同じような疑問や不安を抱えています。ここでスッキリ解消して、次の一歩に進みましょう。
倉庫の中の不用品(残置物)も一緒に処分してもらえますか?
はい、多くの解体業者で対応可能です。ただし、ほとんどの場合、解体費用とは別に「残置物処分費」として追加費用が発生します。
注意点として、解体業者が持つ「産業廃棄物収集運搬業許可」では、家庭から出るゴミ(一般廃棄物)は処分できません。もし倉庫内に家庭ゴミが混ざっていると、別途、一般廃棄物収集運搬の許可を持つ業者に依頼する必要があり、さらに費用がかさむ場合があります。
少しでも費用を抑えるためには、ご自身で事前に片付けておくのが賢明でしょう。
解体後の土地の固定資産税はどうなりますか?


建物を解体すると、土地の固定資産税が上がる可能性があります。これは、住宅がある土地の税金が軽減されていたものが、更地になることで通常の税額に戻るためです。
ただし、家屋分の固定資産税はなくなるため、全体として税額が何倍にもなるわけではなく、おおむね1〜3倍程度の増加が一般的です。
✅【ポイント解説】解体後の固定資産税、知っておきたい3つのポイント
- なぜ上がる?
住宅が建っていた土地の税金を最大1/6に軽減する「住宅用地の特例」がなくなるためです。ただし、元々事業用の倉庫でこの特例が適用されていない場合は、税額が変わらない、または下がることもあります。 - いつから上がる?
税額は毎年1月1日時点の状況で決まります。12月31日までに解体すると翌年から、1月2日以降に解体すると翌々年から税額が上がります。 - 対策はある?
多くの自治体で、老朽家屋の解体後の土地に対する固定資産税の減免制度があります。必ず工事契約前に、市区町村の役所に相談しましょう。



解体による固定資産税の増減はそれぞれの条件によるから、絶対に上がる訳ではないんだね!
アスベスト調査は必須ですか?
はい、必須です。法律の改正により、現在すべての解体工事でアスベストの事前調査が義務付けられています。とくに重要なのは、2023年10月1日からの調査は、「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者が行わなければならないと定められた点です。
令和5年10月1日以降着工の工事から事前調査は厚生労働大臣が定める講習を修了したものが行います。
調査できる資格者:建築物石綿含有建材調査者/工作物石綿事前調査者
【中野理事に聞いた】アスベスト調査の義務について
解体工事におけるアスベストの取り扱いは、近年の法改正によって、より重要になっています。具体的に何に注意すべきか、解体業界の法務に深く関わってきた専門家、「あんしん解体業者認定協会」の中野理事に話を伺いました。
稲垣:解体工事前に必須なアスベスト調査を依頼する上での注意点はありますか?



業者を選ぶ際、自社でアスベスト調査を行う業者には「アスベスト調査を行える有資格者が在籍しているか」を確認してください。調査後は、アスベストの有無にかかわらず調査結果を国に報告する義務もあります(解体部分の床面積が80㎡(約24坪)以上の場合)。これらの法的手続きを適切に行わないと、依頼主であるあなたも罰則の対象となる可能性があるため注意が必要です。
▼中野理事の保有する「石綿作業主任者資格者証」


▼解体工事のアスベスト解説完全版はコチラ!▼


緊急で解体が必要な場合、どうすればいいですか?
台風で倉庫が半壊した、行政から指導が入ったなど、「今すぐ解体しないと危険だ」という状況は、本当に焦りますよね。一刻も早く業者を見つけたい、そのお気持ちは痛いほど分かります。
まずは「地域名 解体 緊急」などで検索し、ウェブサイトで「即日対応」などを掲げる業者に連絡し、状況を正確に伝えることが第一歩です。
しかし、一番お伝えしたいのは、そんな緊急時こそ焦って業者を決めてはいけないということです。足元を見られて高額請求をされたり、安全対策が不十分なまま工事をされたりするリスクが非常に高まります。
業者を選ぶ際は最低限、この記事でお伝えした「許可の有無」と「損害賠償保険の加入状況」だけは、契約前に必ず確認してください。あなたの安全と財産を守るために、冷静な判断を忘れないようにしてください。
まとめ:倉庫 解体を依頼する前の最終チェックリスト


この記事の要点を踏まえ、最後に確認すべき重要事項をまとめました。一つずつチェックし、万全の準備で次の一歩に進みましょう。
- 業者の適法性の確認
解体工事には「建設業許可」または「解体工事業登録」が必要です。見積書やウェブサイトで許可番号を確認し、無許可の業者とは契約しないようにしましょう。 - 詳細な相見積もりの取得
必ず3社以上から見積もりを取り、費用を比較検討します。「一式」表記が多い見積書は避け、追加費用が発生する可能性とその条件を書面で確認することが、予期せぬ出費を防ぐ上で重要です。 - 廃棄物処理の適正性の担保
不法投棄のリスクを避けるため、廃棄物が適正に処理されたことを証明する「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の写しを業者から必ず受け取りましょう。これは依頼主としての法的責任を果たす上で不可欠です。
これらのポイントを着実に実行し、安全で後悔のない倉庫解体を達成しましょう。


解体工事で失敗しない!
中野達也監修 完全ガイド
私、中野が監修した全51ページの完全マニュアル&解説動画を、今だけ無料でプレゼント中!


個人情報は厳重に保護。いつでも解除可能で安心です。
ガイドのお受け取り方法を
お選びください
コメント