家の解体費用を坪数・地域別に完全解説!損しない節約方法&注意点

家の解体費用を坪数・地域別に完全解説!損しない節約方法&業者選び
稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

なやみん

解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる?

一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく変わるため、正確な費用を知るには解体業者に見積もりを取るのが一番です。

この記事では、11万件以上の相談実績を持つ「あんしん解体業者認定協会」の全面的な監修のもと、家の解体費用について押さえておくべき重要なポイントを網羅的に解説します。

協会の膨大なデータと、専門家である中野達也理事への直接取材に基づいた信頼性の高い情報を基に、解体業界で6年間働いてきた私(稲垣)が「これだけは知っておいてほしい」と強く感じるポイントを、一つひとつ丁寧に紐解いていきます。

この記事でわかること
  • 構造別・坪数別の費用相場が一目でわかり、あなたの家の解体費用の目安が掴めます。
  • 総額400万円超の見積書実例から、悪徳業者に騙されないためのチェックポイントがわかります。
  • 相見積もりや補助金活用で費用を数十万円安くする7つの具体的な方法がわかります。
  • アスベスト調査や滅失登記など、罰金やトラブルを避けるために必須の6つの注意点がわかります。
  • 解体工事の依頼から完了までの全ステップがわかり、安心して準備を進められます。

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

馬場 美月執筆

「スッキリ解体」専属ライター

馬場 美月(ばば みづき)

「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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目次

【中野理事に聞いた】家の解体費用はいくら?構造・坪数別の相場一覧

家の解体費用相場は75万円~400万円

稲垣:ここからは、この記事を監修していただいている「あんしん解体業者認定協会」の理事である中野達也氏にお話をうかがいます。中野氏は、解体業界の法律や制度にも精通した、まさに費用のプロです。

中野 達也 監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也 (なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

稲垣:読者が一番知りたい「家の解体費用」についてですが、協会が保有するデータによると、一般的な家では一体いくらくらいが相場なのでしょうか?

理事 中野達也

一般的な広さ(30坪前後)の家を想定すると、総額でおよそ90万円〜420万円が相場となります。ただし、これはあくまで目安です。

稲垣:では、構造別に詳しく見ると、相場はそれぞれどうなりますか?

理事 中野達也

一般的な家の解体費用は、木造90万円~250万円、軽量鉄骨造160万円~280万円、鉄骨造220万円~380万円、RC造270万円~420万円が目安です。

稲垣:かなり幅がありますが、これは何によって変わるのでしょうか?

理事 中野達也

最も大きく影響するのが「建物の構造」です。頑丈な建物ほど、解体は難しくなり費用も高くなります。構造別に詳しく見ると、以下のようになります。

建物の構造解体費用総額
木造90万円~250万円
軽量鉄骨造160万円~280万円
鉄骨造220万円~380万円
RC造270万円~420万円

ただし、この金額はあくまで「総額」の相場です。実際の費用の中身をより正確に把握するためには、「建物本体の解体費用(=本体工事費)」「ブロック塀や庭木などの付帯物の解体費用(=付帯工事費)」「諸経費」に分けて考えることが大切です。

本体工事費の相場

まずは、本体工事費の相場から見ていきましょう。解体費用全体の約70%を占める、最も大きな部分です。

理事 中野達也

本体工事費は、建物の構造によって坪単価が異なります。下の表でご自身の家の構造と見比べながら確認してください。

木造住宅

平均坪単価
3万4,090円/坪

一般的な木造住宅の本体工事費は、1坪あたり3万4,090円が相場です。

坪数・地域別
スクロールできます
平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万571円3万8,538円4万7,178円3万7,417円4万723円3万8,718円
20坪3万6,676円3万3,271円3万8,284円3万7,147円3万6,491円3万1,836円
30坪3万5,270円3万2,042円3万6,185円3万3,460円2万9,038円3万99円
40坪3万4,268円3万232円3万5,695円3万2,433円3万3,443円2万8,442円
50坪3万4,670円3万639円3万4,777円3万3,337円3万2,240円2万8,406円
60坪3万5,055円3万1,305円3万5,265円3万2,588円3万2,484円3万753円
70坪3万3,340円3万2,503円3万3,563円3万3,839円3万460円2万7,410円
80坪3万3,744円2万8,339円3万7,070円2万7,732円3万3,361円2万4,641円
90坪3万2,643円2万8,147円3万5,662円3万4,095円2万4,575円
100坪~3万456円2万9,036円3万452円3万297円2万8,790円2万3,866円

軽量鉄骨造住宅

平均坪単価
3万8,917円/坪

一般的な軽量鉄骨造住宅の本体工事費は、1坪あたり3万8,917円が相場です。

坪数・地域別
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平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万480円3万8,623円5万4,293円
20坪4万61円3万3,119円4万1,707円4万1,792万円3万366円2万9,695円
30坪3万9,525円3万6,027円4万2,614円3万3,797円3万9,705円
40坪4万716円3万3,111円3万6,822円3万4,392円2万5,853円
50坪4万1,235円3万1,469円4万447円3万5,276円3万9,125円
60坪4万1,519円3万852円
70坪4万1,407円3万1,447円3万3,857円
80坪
90坪2万6,886円
100坪3万6,908円

鉄骨造住宅

平均坪単価
4万9,102円/坪

一般的な鉄骨造住宅の本体工事費は、1坪あたり4万9,102円が相場です。

坪数・地域別
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平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万8,459円4万9,162円4万2,989円
20坪5万5,432円3万1,049円5万2,831円
30坪5万1,869円4万1,980円4万7,328円
40坪5万3,734円3万8,161円5万399円
50坪3万8,604円3万8,604円5万1,599円4万6,501円
60坪5万3,770円4万1,741円
70坪4万1,908円3万7,789円3万9,801円
80坪5万6,353円3万7,918円
90坪5万7,488円
100坪4万8,334円2万7,478円3万8,162円

RC(鉄筋コンクリート)造住宅

平均坪単価
5万9,169円/坪

一般的なRC造住宅の本体工事費は、1坪あたり5万9,169円が相場です。

坪数・地域別
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平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
20坪5万9,517円4万226円5万2,815円
30坪6万7,442円4万3,589円6万1,715円5万1,939円
40坪7万2,036円3万8,420円5万5,969円
50坪7万8,739円4万5,813円5万8,872円
60坪6万3,406円4万3,359円5万8,085円
70坪8万3,170円6万1,255円
80坪11万9,942円5万2,732円5万2,848円
90坪6万4,705円
100坪6万7,882円3万3,374円

付帯工事費の相場

建物本体の解体に加え、庭や敷地内にあるブロック塀や庭木などの「付帯物」を撤去する場合は、別途費用がかかります。この「付帯工事費」は、解体費用全体の約20%を占めるのが一般的です。

付帯工事内容単価/単位
残置物の撤去費1万2,000円~/m3
庭木の撤去費1万2,000円~/m3
庭石の撤去費1万2,000円~/m3
土間の撤去費2,500円~/m2
ブロック塀の撤去費2,500円~/m2
物置の撤去費2万円~/ケ
カーポートの撤去費2万円~/式
太陽熱パネルの撤去費3万円~/式
ウッドデッキの撤去費4万円~/式
井戸の埋め戻し5万円~/式
コンクリート製の浄化槽の撤去費5万円~/基
FRP製(繊維強化プラスチック)浄化槽の撤去費2万円~5万円/基
付帯工事内容単価/単位
残置物の撤去費1万2,000円~/m3
庭木の撤去費1万2,000円~/m3
庭石の撤去費1万2,000円~/m3
土間の撤去費2,500円~/m2
ブロック塀の撤去費2,500円~/m2
物置の撤去費2万円~/ケ
カーポートの撤去費2万円~/式
太陽熱パネルの撤去費3万円~/式
ウッドデッキの撤去費4万円~/式
井戸の埋め戻し5万円~/式
コンクリート製の浄化槽の撤去費5万円~/基
FRP製(繊維強化プラスチック)浄化槽の撤去費2万円~5万円/基

諸経費の相場

解体費用には、「本体工事費」や「付帯工事費」のほかに、「諸経費」と呼ばれる雑費も含まれます。この諸経費は、全体の費用の約10%を占めるのが一般的です。

ただし、解体費用は現場ごとに大きく異なります。というのも、「壊しやすさ」がそれぞれの現場でまったく異なるためです。

◎費用が安くなりやすい場合

  • 木造や軽量鉄骨造など、建物の構造がシンプル
  • 家の前の道路が広く作業しやすい
  • 現場周辺の人通りが少ない
  • 解体するのが建物本体だけ など

費用が高くなりやすい場合

  • 鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造など、建物の構造が頑丈
  • 前面道路が狭く、重機やトラックが入りにくい
  • 学校(通学路)や商店街、病院などが近い
  • ブロック塀・庭木・倉庫など、付帯物の撤去も含まれる など
理事 中野達也

正確な金額を知るには、解体業者による現地調査と見積もりが欠かせません。

【ご注意】
・解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年~2025年7月の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
・解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。
・※「ー」は、情報が少なく相場を算出できなかった地域・坪数を示しています。今後、新たなデータが集まり次第、随時更新予定です。

▼より詳しい坪数別の費用相場はこちら

【中野理事に聞いた】見積書で見るべき3つの内訳とチェックポイント

解体費用の内訳

※画像はクリックで拡大できます。

稲垣:費用の内訳がよくわかりました。実際に業者さんから見積書をもらった時に、損をしないためにチェックすべきポイントを、もう少し詳しく教えていただけますか?

理事 中野達也

はい。見積書を理解する上で最も大切なのは、費用が大きく「①本体工事費」「②付帯工事費」「③諸経費」の3つに分かれていると知ることです。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

①本体工事費:建物そのものを壊す費用

本体工事費は、建物自体を解体するためにかかる費用です。

本体工事費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 解体作業費
    建物を取り壊すためにかかる人件費で、本体工事費の約30%を占めます。
  • 廃材の運搬処理費
    解体で発生した廃材の処理にかかる費用で、本体工事費の約25%を占めます。
  • 仮設養生費
    騒音や粉塵対策として建物を覆うシートの設置費用で、本体工事費の約10%を占めます。
  • 機械器具および燃料費
    重機のリース・燃料費・回送費などで、本体工事費の約10%を占めます。ただし、重機は業者が自社保有していないこともあるため、コストがかさむ場合もあります。
  • 解体業者の利益
    会社の運営に必要な利益で、各費用に少しずつ上乗せされる形で含まれます。本体工事費の約20~30%を占めます。
理事 中野達也

とくに「解体作業費」「廃材の運搬処分費」は、坪数・構造・工期・立地によって大きく変動します。見積もりで不明な点があれば、業者に「なぜこの金額なのですか?」と質問することが大切です。

②付帯工事費:建物以外の撤去費用

付帯工事費とは、建物の解体以外で必要な作業にかかる費用です。

付帯工事費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 残置物の撤去費
    建物内に残っている家具・家電・生活用品などを処分する費用です。
  • ブロック塀・門扉・フェンスの撤去費
    敷地内のブロック塀や門扉を取り壊し、撤去する費用です。
  • 庭木・庭石・植栽の撤去費
    庭に植えられている草木や、大きな庭石を処分するための費用です。
  • 地中埋設物の撤去費
    土地に埋まっている浄化槽・井戸・古い基礎などの撤去費用です。
  • アスベスト除去費
    建物に含まれる有害物質である「アスベスト」を、安全な方法で撤去するための費用です。アスベストの除去には、専門的な対応が必要となります。
  • 地下室・地下車庫の撤去費
    地下構造を解体し、埋め戻しを行うための費用です。
  • 倉庫・物置・納屋の撤去費
    敷地内にある倉庫や物置、納屋を解体・撤去する費用です。
  • 駐車場・ガレージ・カーポートの撤去費
    敷地内にある駐車場やガレージ、カーポートを解体・撤去する費用です。
理事 中野達也

敷地内の状況は一軒一軒まったく違うため、「何が撤去対象になっているか」を見積書でしっかり確認しましょう。ここが曖昧だと、後から追加費用を請求される原因になります。

③諸経費:工事を円滑に進めるための費用

諸経費とは、本体工事費・付帯工事費に含まれない雑多な費用です。

諸経費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • マニフェストの発行費・管理費
    マニフェストは、解体工事で出た廃材がきちんと処分されたことを証明するための大事な書類です。法律で発行と管理が義務づけられているため、その手続きにかかる費用が、見積もりに含まれることがあります。
  • 現場管理費
    解体工事全体の進行管理や安全管理、作業員の手配などにかかる費用です。
  • 保険費
    解体工事中に隣家の壁やフェンスを傷つけてしまった場合などに備えて、業者が加入している保険の費用です。
  • 近隣対応費
    近隣住民への事前挨拶やトラブル防止のための費用(粗品や説明資料の準備などを含む)です。
  • 各種申請費
    契約書の作成や許可申請、各種書類の管理にかかる費用です。

【実例解説】40坪・木造住宅の見積もり比較

稲垣:内訳の項目がよくわかりました!この知識をもとに、実際の見積書を見ながら、チェックするポイントを教えていただけますか?

理事 中野達也

それでは、実際の見積書を例に、費用感がどう変わるか見てみましょう。これは、同じ40坪の木造住宅に対して2社が提出した相見積もりの事例です。

同じ物件への相見積もりで、総額252万円(A社)と400万円(B社)になった事例

木造住宅(40坪)の見積実例

※画像はクリックで拡大できます。

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  • 解体費用総額:
    252万7,200円(税込)
  • 本体工事費:
    177万3,732円(税込)
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品目数量単位単価金額
木造住宅建屋解体工135,80m24,500611,100
基礎解体工67.90m24,000271,600
発生材運搬処分135.80m25,000679,000
土間コンクリート撤去処分75.00m22,800210,000
カーポート撤去処分1.0018,00018,000
ブロック塀塀撤去処分17.70m24,00070,800
解体養生工210.04m2800168,032
重機回送費2.0022,00044,000
諸経費1.00270,000270,000
値引き1.00-2,532-2,532
  • 解体費用総額:
    252万7,200円(税込)
  • 本体工事費:
    177万3,732円(税込)
スクロールできます
品目数量単位単価金額
木造住宅建屋解体工135,80m24,500611,100
基礎解体工67.90m24,000271,600
発生材運搬処分135.80m25,000679,000
土間コンクリート撤去処分75.00m22,800210,000
カーポート撤去処分1.0018,00018,000
ブロック塀塀撤去処分17.70m24,00070,800
解体養生工210.04m2800168,032
重機回送費2.0022,00044,000
諸経費1.00270,000270,000
値引き1.00-2,532-2,532
理事 中野達也

まずA社の見積もりですが、総額約252万円と、B社に比べてかなり安価です。内訳を見ると、「木造住宅建屋解体工」「基礎解体工」「発生材運搬処分」と、工事内容と処分費が比較的明確に分けられており、透明性が高いと言えます。

理事 中野達也

一方のB社は、総額が400万円と高額です。特に注目すべきは「発生材収集運搬・処分費」だけで175万円以上も計上されている点です。このように、廃材の処分費に大きな費用を割いている業者は珍しくありません。なぜこの金額になるのか、内訳を詳しく業者さんへ質問する必要があります。

稲垣:こんなに差が出るものですか?

理事 中野達也

はい、このように、同じ物件でも業者によって150万円近くも価格差が出るのが、解体業界の現実です。だからこそ、複数社から見積もりを取って比較することが非常に重要になります。

見積もりを比較する際は、総額の安さだけで判断するのではなく、A社のように項目が詳細で分かりやすいか、B社のように特定の項目(今回は廃材処分費)が突出して高額なのはなぜか、といった内訳の「質」と「バランス」まで見極めることが、信頼できる業者を選ぶ上で大切になります。

解体工事の見積書には、人件費や整地費といった必要な項目が記載されていない場合があります。なぜなら、見積書の記載方法は解体業者ごとに異なり、また解体業者側のミスで必要な項目が漏れていることもあるからです。事前に確認することで、不要な追加費用の発生を防ぎ、正確な費用を把握できます。

家の解体費用を安く抑える7つの方法

稲垣:ここまでで費用の内訳や注意点がよくわかりましたが、やはり一番気になるのは「どうすれば少しでも費用を安くできるのか」という点です。スッキリ解体にもお悩みメールがたくさん届きます。何か具体的なコツはありますか?

家の解体費用を安く抑える4つの方法
理事 中野達也

はい、もちろんです。解体費用は高額ですが、正しい知識を持って計画的に準備を進める7つの費用節約術を、具体的な手順とともに徹底解説します。

方法1:解体業者の閑散期を狙って依頼する

解体工事は、いつ依頼するかという計画段階の工夫だけで、費用を大きく抑えられることがあります。その代表的な方法が、解体業界の「閑散期」を狙うことです。

解体業界の繁忙期を閑散期

解体費用は、工事を行う時期やタイミングによって変動します。とくに、年末年始や年度末、引っ越しシーズンなどの繁忙期(12月~3月)は需要が集中するため、人件費や資材費が高くなり、それに伴い解体費用も割高になる傾向があります。

一方、閑散期(4月~9月)に工事を計画したり、解体業者の都合に合わせて柔軟に日程を調整したりすることで、解体費用を抑えられる場合があります。解体工事は半年から1年ほど前に依頼することで、通常の依頼よりも値引きが期待できるため、早めに準備を進めることが大切です。

方法2:国や自治体の補助金制度を活用する

お住まいの地域によっては、解体工事に利用できる補助金(助成金)制度があります。これも計画段階で必ず調べておきたい重要なポイントで、条件に合えば数十万円、場合によっては数百万円の補助を受けられることもあります。

補助金の対象となりやすいのは、主に以下の3つのケースです。

まずは、お住まいの地域で利用できる制度があるかを調べてみましょう。ネットで検索する際には、「○○市 空き家 補助金」や「○○市 危険ブロック塀 補助金」など、市町村名を入れて検索すると情報を見つけやすくなります。

申請方法や必要書類などの調べ方

補助金の詳しい内容は、お住まいの自治体の公式サイトで確認できます。多くの場合、「補助金要綱」という資料に、申請方法や必要書類、対象となる工事内容、支給額などがまとめられています。

ただし要綱が公開されていなかったり、情報が分かりにくかったりする場合もあるので、不明点があれば自治体に直接問い合わせてみるのが確実です。一般的に市役所や区役所の「まちづくり課」「市街地整備課」「建築課」などが担当窓口です。

補助金を申請する際は、書類の不備準備の遅れで申請が通らなかったり、抽選枠が埋まってしまうこともあります。そのため、早めの行動と丁寧な準備が大切です。

方法3:必ず2~3社以上から相見積もりを取る

解体費用を適正な価格に抑える上で、最も重要で効果的な方法が「相見積もり(あいみつもり)」です。これは、業者を選ぶ段階で欠かせないステップです。

相見積もりとは、複数の業者から同じ条件で見積もりを取り、内容と金額を比較検討すること。これにより、ご自身のケースにおける費用の適正相場が分かるだけでなく、不当に高い業者や、安すぎて逆に危険な業者を見抜くことができます。

ただ、自分で何社も見積もりを取るのは手間がかかります。そんなときは「無料一括見積サービス」が便利です。これは、厳しい審査をクリアした優良業者から一括で見積もりを取れるサービスで、効率よく安心して比較検討ができます。

実際にこのサービスを使った方の中には、家の解体費用を50万2,000円節約できたケースもあります。

解体費用を50万2,000円節約できた事例

ただし、安さだけで決めるのはNGです。最初は安く見せておいて、あとから不当な追加費用を請求する悪徳業者もいます。そんなトラブルを防ぐためにも、実績や口コミ、対応の丁寧さなどもチェックして、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

方法4:家の中の不用品は自分で処分する

工事が始まる前の事前準備として、家の中に残された家具や家電などの「残置物」をご自身で処分しておくと、費用を大幅に節約できます。

不用品の処分費は解体業者や地域によって差がありますが、一般的には 1m3あたり1万2,000円〜が相場です。

そのため、事前に不用品を自分で片付けておくことで、解体費用を大きく節約できます。不用品の処分先は、下の表を参考にしながら、計画的に進めていきましょう。

スクロールできます
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ基本的に無料(売却で収益発生)フリマアプリやリサイクルショップ
パソコンノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ 基本的に無料家電量販店やメーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス、布団、机数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ
不燃ゴミ
資源ゴミ
基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン
洗濯機
冷蔵庫
テレビ
基本的に無料
(売却で収益発生)
フリマアプリ
リサイクルショップ
パソコン本体
液晶ディスプレイ
基本的に無料家電量販店
メーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス
布団
数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収

不用品を片付けるときは、食器・衣類・プラごみなどの細かいモノを先にご自身で捨てておくと、解体業者による分別の手間が減って人件費が抑えられます。

木造の家なら木製の家具(棚など)は中身だけ出して残しておくと建物と一緒に解体してもらえる場合があり、処分費の節約につながります。

方法5:庭木や雑草を自分で撤去する

こちらも事前準備の一環ですが、見落としがちなのが庭の木や雑草の撤去費用です。業者に依頼した場合、1m3あたり9,899円~の費用がかかります。これは人件費や処分費などが含まれているため、ご自身で対応すればその分の費用を抑えられます。

たとえば、雑草の除去や、高さ3m未満・幹の太さ20cm以下ほどの小さな庭木なら、比較的かんたんに取り組める作業です。作業の際は軍手をはじめ、安全対策してから取りかかりましょう。

庭木の撤去をDIYでお考えの方は、ぜひ下の実演動画を参考にしてみてください。作業の流れやコツがつかみやすく、初めてでも安心して取り組める内容になっていますよ。

▲出典:【伐採・抜根】樹木の伐採のコツは、〇から順番に‼️枝を下ろせるスペースを作りながら🪚/ 抜根は、〇〇で切るとダメ、猛烈に大変になります💦/ 落葉樹は冬が楽な理由/ 安全第一で🦺【ガーデニング】|yamakana farm やまかなふぁーむ

方法6:必要な届け出を自分で行う

建物滅失登記や建設リサイクル法に基づく届け出を自分で行えば、数万円の節約が可能です。解体工事に必要な届け出の詳しい内容については、こちらの記事をご覧になってください。

方法7:解体業者に値引き交渉する

複数の業者から見積もりを取り、依頼したい業者を1社に絞り込んだら、契約前の最終交渉として値引きをお願いしてみましょう。交渉を成功させるポイントは、「他社の見積もり」「誠実な姿勢」です。

複数の解体業者に同時に値引き交渉を行うことは避けましょう。値引き交渉をしたにもかかわらず、最終的に依頼しなかった場合、業者から不誠実と受け取られ、信頼関係を損なう可能性があります。適切な交渉を行うためにも、依頼先を決めたうえで値引き交渉を進めることが重要です。

他社の安い見積書を提示する

複数の解体業者から見積もりを取り、費用を比較することで交渉材料になります。

交渉の切り出し方(例)

「御社の丁寧な対応にぜひお願いしたいと考えているのですが、正直なところ、他社さんから〇〇万円という見積もりもいただいており、予算的に少し悩んでいます。なんとかもう少しだけご協力いただくことは可能でしょうか?」

このように、相手への敬意契約したいという前向きな意志を示しながら、具体的な金額を提示して相談することで、業者側も「なんとかしてあげたい」という気持ちになり、交渉に応じてもらいやすくなります。

自分が協力できる条件を提示する

「解体費用の一部を前払いする」「工事時期を解体業者の都合に合わせる」など、解体業者の負担を軽減できる提案をすることで、値引きに応じてもらいやすくなります。

解体工事で損をしないための6つの注意点

解体工事は、費用だけでなく、法律や近隣関係など、様々な注意点が存在します。思わぬトラブルや追加費用で後悔しないために、6つのポイントを詳しく解説します。

注意点1:アスベストの有無を確認する

家の解体工事を行う前には、有害物質「アスベスト」の事前調査が原則として義務付けられています。専門の有資格者による調査を受けることで、安全かつスムーズに解体を進めることができます。

とくに、2006年以前に建てられた建物にはアスベストが使用されている可能性が高いため、注意が必要です。アスベストは、吸い込むと健康被害を引き起こす危険性があるため、適切な調査と処理が欠かせません。

もし、義務である調査を怠って工事を始めると、100万円以下の罰金が科される可能性もある重大な法令違反となります。

また、「見積もりが安かったのに、工事が始まってからアスベストが見つかった」というケースでは、工事は即中断。そこから特別な除去作業が必要となり、数十万円以上の追加費用と工期の遅れが発生し、計画が大きく狂ってしまいます。

理事 中野達也

余計な出費やトラブルを避けるためにも、契約前に専門家によるアスベストの事前調査を必ず済ませておきましょう。そのうえで、通常の見積書とは別に「アスベスト除去費用込み」の見積書も用意してもらうと、万が一の場合も慌てずに済みます。

注意点2:近隣への配慮を怠らない

解体工事中に騒音や粉じん、交通渋滞などで苦情が寄せられると、行政が介入することがあります。その結果、工期の遅れや追加費用が発生したり、最悪の場合は工事の中断につながることもあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、次の4つの対策をしっかり行ってくれる解体業者を選ぶのがポイントです。

  • 事前挨拶
    工事前に近隣へ挨拶に行き、工事内容やスケジュール、騒音・粉じんの影響を説明して理解を得ます。
  • 騒音対策
    作業時間を守り、防音シートを使うなどして騒音をできるだけ抑えます。
  • 粉塵対策
    水まきや養生シートを使って粉じんの飛散を防ぎ、近隣の健康被害を防止します。
  • 交通対策
    工事車両の出入りルートや駐車場所を事前に決め、交通渋滞や迷惑駐車を避けます。
理事 中野達也

解体業者を選定する際は、「金銭」だけでなく、近隣トラブルへの「対応面」にも問題がないか確認することで、最終的にムダな追加費用の発生を防げます。

境界線の確認を行うこと

住宅密集地における解体工事で、近隣トラブルになりやすいのが「境界」に関する問題です。工事着手後に「このブロック塀はお隣さんのものだった」と判明した場合、工事計画の変更や、最悪の場合は工事の中断につながる可能性があります。必ず事前に以下の点を確認し、隣人と合意形成をしておきましょう。

所有者不明のブロック塀やフェンス

どちらの所有物か、あるいは共有物なのかを法務局の資料や過去の書類で確認しておきましょう。不明な場合は、隣人と話し合い、撤去費用をどう分担するか、あるいは残すのかを書面で取り交わしておくのが理想です。

越境している庭木や給湯器など

越境している物がある場合、解体作業の邪魔になる可能性があります。事前に隣人に伝え、対応(剪定や一時的な移動など)を相談しておきましょう。

注意点3:現地調査に立ち会い「工事内容の認識」を合わせる

業者との「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、予期せぬ追加費用を回避するためには、業者による「現地調査」に必ずあなた自身が立ち会うことが極めて重要です。

口頭や図面だけでは伝わらない情報を、現場で直接指し示しながら確認することで、認識のズレをなくしましょう。

現地調査で確認すべき3つのポイント

施工範囲の確認

「どこまでを解体し、何を残すのか」を具体的に確認します。「このブロック塀はお隣さんのもの」「庭のこの木は残したい」など、曖昧な点をなくすことが重要です。また、家の中に残っている家具や家電(残置物)の量も正確に伝えることで、後からの追加請求リスクを減らせます。

現場状況(重機の搬入口)の確認

解体費用を大きく左右するのが、「重機が現場にスムーズに入れるかどうか」です。現場の前の道路が狭かったり、障害物があったりして重機が入れない場合、作業の大部分を手作業で行う「手壊し解体」となり、工期が長引き人件費がかさむため、費用が大幅に割高になります。もし、隣家の駐車場を一時的に借りることで重機の搬入路を確保できるなら、事前に相談しておくことで費用を抑えられる可能性もあります。

工期の確認

特に解体後に新築などを予定している場合、工事の開始日と終了予定日を明確にしておきましょう。解体が長引くと、後続の工事に影響し、スケジュールの遅れや追加費用が発生する恐れがあります。天候不良などで工期が延びた場合の対応についても、契約前に確認しておくと安心です。

一般的に、30坪ほどの木造2階建て住宅の解体には約2週間かかります。ただし、道が狭くて重機が入らない現場や、基礎の構造が特殊な場合は、さらに時間がかかることもあります。

また、天候不良や予期しない追加作業によって工期が延びることもあります。こうした場合の対応についても、事前に業者へ確認しておくと安心です。多くの場合、工期や対応内容は契約書に記載されているので、契約前にしっかり確認しておきましょう。

注意点4:契約内容と「不測の事態」への備えを確認する

口約束は絶対に避け、全ての合意事項が明記された契約書を隅々まで確認しましょう。特に以下の2点は、金銭トラブルに直結するため注意が必要です。解体費用の支払い方法やタイミングは業者によって異なります。契約書で必ず確認しましょう。

①支払条件を確認する

支払方法・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
支払いのタイミング・工事開始前(着手金)
・工事途中(中間金)
・工事完了後(完工金)
※一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
支払方法・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
支払いのタイミング・工事開始前(着手金)
・工事途中(中間金)
・工事完了後(完工金)
※一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
理事 中野達也

着手金の相場は解体費用の約30〜50%です。ただ、これより極端に高い場合は要注意。中には、着手金を受け取って連絡が取れなくなる悪質な業者や、資金繰りが厳しい業者も存在します。

②追加費用の取り扱い(地中埋設物など)を確認する

解体工事で最もトラブルになりやすいのが、工事を始めるまで分からない「地中埋設物」の存在です。これは、以前の建物の基礎や浄化槽、古井戸、コンクリートガラなどが地中に残っている状態で、特に古い家では発見されるリスクが高まります。

これらは当初の見積もりには含まれていないため、発見されると追加費用となり、数十万円単位の高額な請求に繋がることも珍しくありません。

この「不測の事態」によるトラブルを避けるため、施主としてできる最大限の対策は、契約前に業者と「発見時のルール」を明確に決めておくことです。優良な業者であれば、このリスクについて必ず事前に説明があります。契約書を読む際は、以下の点がどう記載されているか必ず確認しましょう。

発見時の対応

地中埋設物が見つかった場合、工事を一旦停止し、施主に報告・相談するという手順が明記されているか。勝手に処分を進めて事後報告で高額請求するような業者は要注意です。

追加費用の根拠

追加費用の具体的な算出根拠(例:コンクリートガラ1㎥あたりの単価など)が示されているか。料金体系の透明性を確認しましょう。

書面での取り決め

「追加費用は別途協議」となっている場合でも、「地中埋設物が発見された場合は、施主の了承を得た上で、別途見積もりを提示し、合意後に作業を再開する」といった、施主の権利を守る文言が明記されているかを確認するのが安心です。

注意点5:解体後に「建物滅失登記」を行う

解体工事が終わったら、1ヶ月以内に「建物滅失登記」を行い、建物がなくなったことを法務局に届け出る必要があります

もしこの手続きを忘れると、以下のような不利益が生じます。

  • 10万円以下の過料(罰金)が科される可能性がある。
  • 存在しない建物に固定資産税が課税され続ける。
  • その土地の売却や、新しい建物の建築(新築)ができなくなる。

申請は法務局の窓口に行く方法と、オンラインで行う方法があります。手続きに不安があれば、土地家屋調査士に代行を依頼することもできます。

注意点6:固定資産税が上がるタイミングに注意する

家を解体すると、土地にかかる固定資産税が最大6倍に上がる可能性があります。これは、建物がなくなることで「住宅用地の特例」という税の軽減措置が受けられなくなるためです。

土地の面積が広いほど税負担の影響が大きくなるため、解体の時期は慎重に決める必要があります。

解体の最適なタイミングは「1月2日以降」

固定資産税は、毎年1月1日時点で建物が存在しているかどうかで税額が決まります。そのため、1月2日以降に解体を始めれば、その年の固定資産税には住宅用地の特例が適用され、税金の急増を1年遅らせることができます。

更地で売却するなら「12月31日までに名義変更」

もし「解体してから土地を売る」予定がある場合は、最も税負担を抑えるには、解体と売却(買主への名義変更)を同じ年の12月31日までに完了させるのがポイントです。

1月1日時点の所有者がその年の固定資産税を支払うことになるため、名義変更が年をまたぐと、翌年の高額な固定資産税(更地価格)はあなたが支払うことになります。(※実際には、引渡し日をもとに固定資産税を日割りで清算するのが一般的ですが、原則は1月1日時点の所有者に納税義務があります。

解体工事の流れ【依頼から完了まで】

解体工事の流れ【依頼から完了まで】

家の解体工事は、次の6ステップで進められるのが一般的です。

  1. 解体工事が本当に必要か話し合い、決定する
  2. 解体業者を探して契約する
  3. 着工前の準備・届け出を行う
  4. 着工準備をする
  5. 工事が行われる
  6. 作業が終了する

それでは、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

解体工事が本当に必要か話し合い、決定する

まずは家族や関係者と解体の必要性を話し合い、建物の構造や解体範囲を確認しましょう。土地売却やリフォーム、借地返却など目的によって解体の進め方が変わるので注意が必要です。事前に境界線や残す設備の確認も忘れずに。

解体業者を探して契約する

解体業者はインターネットで調べて相見積もりを取り、ホームページ・口コミ・連絡の取りやすさ・行政処分歴を確認します。現地調査で詳細をすり合わせて見積書を比較検討し、内容・保険・許可の有無などを確認した上で契約します。

着工前の準備・届け出を行う

解体前に不用品をどこまで片づけるかを解体業者と確認し、ライフラインの停止手続きを行います。官公庁への届け出は解体業者が代行する場合が多いので確認し、着工1~2週間前に近隣挨拶をしてトラブル防止に努めます。

着工準備をする

解体現場には法令で定められた資格や連絡先などの看板設置が義務付けられています。作業スペースや搬入経路が狭い場合は、敷地内の塀や庭木を先に撤去し、重機が敷地内で安全に作業できる環境を整えます。

工事が行われる

工事開始後はまず足場組立と仮設養生を設置し、安全対策と飛散防止を行います。続いてアスベスト除去や屋内残置物、内装撤去を手作業で進め、その後屋根材・外壁を丁寧に撤去します。駆体解体は重機で品目ごとに分別しながら行い、最後に基礎や地中埋設物、外構の撤去を実施します。

作業が終了する

解体後は廃材を撤去し土地を平らに整地、現地で仕上がりを確認して問題がないかチェックします。請求書が届いたら支払いを行い、最後に建物滅失登記の申請をして工事完了です。

【まとめ】家の解体費用で損しないために

【まとめ】家の解体費用で損しないために

家を解体する際の費用は、90万円〜420万円と幅広く、建物の構造や立地、残置物の有無、地中埋設物の状況などによって大きく変わります。だからこそ、「何にいくらかかるのか」をしっかり把握し、後悔のない選択をすることが大切です。

次の5つのポイントを押さえて、安心して解体工事を進めましょう。

1. 解体費用の相場を知り、事前にイメージを持つ

木造・軽量鉄骨造・鉄骨造・RC造で費用は大きく異なります。おおまかな相場を知ったうえで、自分の家に当てはめておおよその予算感をつかみましょう。

2. 見積もりは必ず2〜3社以上で比較

同じ坪数でも解体業者によって見積もりは大きく異なります。費用だけでなく、説明の丁寧さや対応力、信頼性にも注目しましょう。また、値引き交渉をしたり、工事の依頼時期をずらしたりすることで、さらに費用を抑えられる可能性があります。

3. 補助金の活用を検討する

自治体によっては、老朽家屋の解体や危険ブロック塀の除去に補助が出ることも。「○○市 解体 補助金」などで検索し、条件に合うものがあれば活用を。

4. 不用品の処分に注意

家具や家電などの残置物が多いと、その分の処分に手間がかかり、全体の費用が膨らんでしまうことがあります。できるだけ事前に片付けておくことで、スムーズかつコストを抑えた工事が可能になります。

5. 契約前に工事内容をしっかり確認する

「どこまで壊すのか」「整地の範囲は?」「近隣への対応は?」など、あいまいな部分を残したまま契約するとトラブルになりがちです。契約前にしっかり確認・相談しておきましょう。

理事 中野達也

家の解体は費用も手間も大きなものです。だからこそ、よく分からないまま進めるのではなく、しっかり確認・比較・相談を重ねて、納得のいく解体を目指しましょう。

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この記事を書いた人

「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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