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家の解体費用を坪数・地域別に完全解説!損しない節約方法&業者選び

家の解体費用を坪数・地域別に完全解説!損しない節約方法&業者選び
なやみん

解体工事って、そもそも何から始めればいいの?費用はいくらかかる?

一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく変わるため、正確な費用を知るには解体業者に見積もりを取るのが一番です。

この記事では、実際の見積書をもとに費用の内訳や相場感を解説。あわせて、費用を抑えるコツや工事前の注意点もご紹介します。

3行で分かる!家解体のポイント
  • 家の解体費用は90万~420万円が相場。正確な金額は解体業者の見積もりで確認を。
  • 費用を抑えるには、補助金の活用・相見積もり・解体前の自主作業・値引き交渉がカギに。
  • トラブルを防ぐには、契約前に工事内容をしっかり確認し、認識のズレをなくすことが大切。
この記事の監修者

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

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目次

家の解体費用相場は90万円~420万円

家の解体費用相場は75万円~400万円

一般的な家の解体費用は、木造90万円~250万円、軽量鉄骨造160万円~280万円、鉄骨造220万円~380万円、RC造270万円~420万円が目安です。

建物の構造解体費用総額
木造90万円~250万円
軽量鉄骨造160万円~280万円
鉄骨造220万円~380万円
RC造270万円~420万円

ただし、この金額はあくまで「総額」の相場です。実際の費用の中身をより正確に把握するためには、「建物本体の解体費用(=本体工事費)」「ブロック塀や庭木などの付帯物の解体費用(=付帯工事費)」「諸経費」に分けて考えることが大切です。

本体工事費の相場

まずは、本体工事費の相場から見ていきましょう。解体費用全体の約70%を占める、最も大きな部分です。建物の構造ごとに相場が異なるため、ご自宅に近いタイプを確認することで、より具体的な費用感がつかめます。

木造住宅

平均坪単価
3万4,090円/坪

一般的な木造住宅の本体工事費は、1坪あたり3万4,090円が相場です。

坪数・地域別
スクロールできます
平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万571円3万8,538円4万7,178円3万7,417円4万723円3万8,718円
20坪3万6,676円3万3,271円3万8,284円3万7,147円3万6,491円3万1,836円
30坪3万5,270円3万2,042円3万6,185円3万3,460円2万9,038円3万99円
40坪3万4,268円3万232円3万5,695円3万2,433円3万3,443円2万8,442円
50坪3万4,670円3万639円3万4,777円3万3,337円3万2,240円2万8,406円
60坪3万5,055円3万1,305円3万5,265円3万2,588円3万2,484円3万753円
70坪3万3,340円3万2,503円3万3,563円3万3,839円3万460円2万7,410円
80坪3万3,744円2万8,339円3万7,070円2万7,732円3万3,361円2万4,641円
90坪3万2,643円2万8,147円3万5,662円3万4,095円2万4,575円
100坪~3万456円2万9,036円3万452円3万297円2万8,790円2万3,866円

軽量鉄骨造住宅

平均坪単価
3万8,917円/坪

一般的な軽量鉄骨造住宅の本体工事費は、1坪あたり3万8,917円が相場です。

坪数・地域別
スクロールできます
平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万480円3万8,623円5万4,293円
20坪4万61円3万3,119円4万1,707円4万1,792万円3万366円2万9,695円
30坪3万9,525円3万6,027円4万2,614円3万3,797円3万9,705円
40坪4万716円3万3,111円3万6,822円3万4,392円95万円~133万円
50坪4万1,235円3万1,469円4万447円3万5,276円3万9,125円
60坪4万1,519円3万852円
70坪4万1,407円3万1,447円3万3,857円
80坪
90坪2万6,886円
100坪3万6,908円

鉄骨造住宅

平均坪単価
4万円9,102円/坪

一般的な鉄骨造住宅の本体工事費は、1坪あたり4万円9,102円が相場です。

坪数・地域別
スクロールできます
平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万8,459円4万9,162円4万2,989円
20坪5万5,432円3万1,049円5万2,831円
30坪5万1,869円4万1,980円4万7,328円
40坪5万3,734円3万8,161円5万399円
50坪3万8,604円3万8,604円5万1,599円4万6,501円
60坪5万3,770円4万1,741円
70坪4万1,908円3万7,789円3万9,801円
80坪5万6,353円3万7,918円
90坪5万7,488円
100坪4万8,334円2万7,478円3万8,162円

RC(鉄筋コンクリート造)住宅

平均坪単価
5万9,169円/坪

一般的なRC造住宅の本体工事費は、1坪あたり5万9,169円が相場です。

坪数・地域別
スクロールできます
平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部関西北海道・東北中国・四国九州・沖縄
20坪5万9,517円4万226円5万2,815円
30坪6万7,442円4万3,589円6万1,715円5万1,939円
40坪7万2,036円3万8,420円5万5,969円
50坪7万8,739円4万5,813円5万8,872円
60坪6万3,406円4万3,359円5万8,085円
70坪8万3,170円6万1,255円
80坪11万9,942円5万2,732円5万2,848円
90坪6万4,705円
100坪6万7,882円3万3,374円

付帯工事費の相場

建物本体の解体に加え、庭や敷地内にあるブロック塀や庭木などの「付帯物」を撤去する場合は、別途費用がかかります。この「付帯工事費」は、解体費用全体の約20%を占めるのが一般的です。

付帯工事内容単価/単位
残置物の撤去費1万2,000円~/m3
庭木の撤去費1万2,000円~/m3
庭石の撤去費1万2,000円~/m3
土間の撤去費2,500円~/m2
ブロック塀の撤去費2,500円~/m2
物置の撤去費2万円~/ケ
カーポートの撤去費2万円~/式
太陽熱パネルの撤去費3万円~/式
ウッドデッキの撤去費4万円~/式
井戸の埋め戻し5万円~/式
コンクリート製の浄化槽の撤去費5万円~/基
FRP製(繊維強化プラスチック)浄化槽の撤去費2万円~5万円/基
付帯工事内容単価/単位
残置物の撤去費1万2,000円~/m3
庭木の撤去費1万2,000円~/m3
庭石の撤去費1万2,000円~/m3
土間の撤去費2,500円~/m2
ブロック塀の撤去費2,500円~/m2
物置の撤去費2万円~/ケ
カーポートの撤去費2万円~/式
太陽熱パネルの撤去費3万円~/式
ウッドデッキの撤去費4万円~/式
井戸の埋め戻し5万円~/式
コンクリート製の浄化槽の撤去費5万円~/基
FRP製(繊維強化プラスチック)浄化槽の撤去費2万円~5万円/基

諸経費の相場

解体費用には、「本体工事費」や「付帯工事費」のほかに、「諸経費」と呼ばれる雑費も含まれます。この諸経費は、全体の費用の約10%を占めるのが一般的です。

ただし、解体費用は現場ごとに大きく異なります。というのも、「壊しやすさ」がそれぞれの現場でまったく異なるためです。

◎費用が安くなりやすい場合

  • 木造や軽量鉄骨造など、建物の構造がシンプル
  • 家の前の道路が広く作業しやすい
  • 現場周辺の人通りが少ない
  • 解体するのが建物本体だけ など

費用が高くなりやすい場合

  • 鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造など、建物の構造が頑丈
  • 前面道路が狭く、重機やトラックが入りにくい
  • 学校(通学路)や商店街、病院などが近い
  • ブロック塀・庭木・倉庫など、付帯物の撤去も含まれる など
解体工事の専門家 中野達也

正確な金額を知るには、解体業者による現地調査と見積もりが欠かせません。

【ご注意】
・解体費用相場は『中野達也のスッキリ解体』(運営:『あんしん解体業者認定協会』)の解体工事データから独自に集計したものです。実際の価格帯とは異なる場合があります。
・解体費用相場は2025年5月時点のデータです。実際の価格帯とは異なる場合があります。
・※「ー」は、情報が少なく相場を算出できなかった地域・坪数を示しています。今後、新たなデータが集まり次第、随時更新予定です。

家の解体費用の内訳

家の解体費用の内訳

家の解体費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つに分けられます。

解体費用の内訳

※画像はクリックで拡大できます。

本体工事費

本体工事費は、建物自体を解体するためにかかる費用です。

本体工事費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 解体作業費
    建物を取り壊すためにかかる人件費で、本体工事費の約30%を占めます。
  • 廃材の運搬処理費
    解体で発生した廃材の処理にかかる費用で、本体工事費の約25%を占めます。
  • 仮設養生費
    騒音や粉塵対策として建物を覆うシートの設置費用で、本体工事費の約10%を占めます。
  • 機械器具および燃料費
    重機のリース・燃料費・回送費などで、本体工事費の約10%を占めます。ただし、重機は業者が自社保有していないこともあるため、コストがかさむ場合もあります。
  • 解体業者の利益
    会社の運営に必要な利益で、各費用に少しずつ上乗せされる形で含まれます。本体工事費の約20~30%を占めます。
解体工事の専門家 中野達也

とくに「解体作業費」「廃材の運搬処分費」は、坪数・構造・工期・立地などによって大きく変動します。見積もり時には、解体業者に「なぜその金額設定になったのか」を確認することが重要です。

付帯工事費

付帯工事費とは、建物の解体以外で必要な作業にかかる費用です。

付帯工事費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 残置物の撤去費
    建物内に残っている家具・家電・生活用品などを処分する費用です。
  • ブロック塀・門扉・フェンスの撤去費
    敷地内のブロック塀や門扉を取り壊し、撤去する費用です。
  • 庭木・庭石・植栽の撤去費
    庭に植えられている草木や、大きな庭石を処分するための費用です。
  • 地中埋設物の撤去費
    土地に埋まっている浄化槽・井戸・古い基礎などの撤去費用です。
  • アスベスト除去費
    建物に含まれる有害物質である「アスベスト」を、安全な方法で撤去するための費用です。アスベストの除去には、専門的な対応が必要となります。
  • 地下室・地下車庫の撤去費
    地下構造を解体し、埋め戻しを行うための費用です。
  • 倉庫・物置・納屋の撤去費
    敷地内にある倉庫や物置、納屋を解体・撤去する費用です。
  • 駐車場・ガレージ・カーポートの撤去費
    敷地内にある駐車場やガレージ、カーポートを解体・撤去する費用です。
解体工事の専門家 中野達也

付帯工事費は表でご紹介した項目以外にも多くあります。また、敷地内の設備や状況は家ごとに大きく異なるため、付帯工事の内容や費用も現場ごとに変わることをぜひ覚えておきましょう。

諸経費

諸経費とは、本体工事費・付帯工事費に含まれない雑多な費用です。

諸経費

具体的には、次のような費用が含まれます。

  • マニフェストの発行費・管理費
    マニフェストは、解体工事で出た廃材がきちんと処分されたことを証明するための大事な書類です。法律で発行と管理が義務づけられているため、その手続きにかかる費用が、見積もりに含まれることがあります。
  • 現場管理費
    解体工事全体の進行管理や安全管理、作業員の手配などにかかる費用です。
  • 保険費
    解体工事中に隣家の壁やフェンスを傷つけてしまった場合などに備えて、業者が加入している保険の費用です。
  • 近隣対応費
    近隣住民への事前挨拶やトラブル防止のための費用(粗品や説明資料の準備などを含む)です。
  • 各種申請費
    契約書の作成や許可申請、各種書類の管理にかかる費用です。

実際の見積書で費用感をチェック

解体費用の目安をより具体的に知るために、実際の見積書の一例をご紹介します。

40坪 木造2階建て住宅の見積書

木造住宅(40坪)の見積実例

※画像はクリックで拡大できます。

↓タブの切り替えができます↓

  • 解体費用総額:
    252万7,200円(税込)
  • 本体工事費:
    177万3,732円(税込)
スクロールできます
品目数量単位単価金額
木造住宅建屋解体工135,80m24,500611,100
基礎解体工67.90m24,000271,600
発生材運搬処分135.80m25,000679,000
土間コンクリート撤去処分75.00m22,800210,000
カーポート撤去処分1.0018,00018,000
ブロック塀塀撤去処分17.70m24,00070,800
解体養生工210.04m2800168,032
重機回送費2.0022,00044,000
諸経費1.00270,000270,000
値引き1.00-2,532-2,532
  • 解体費用総額:
    252万7,200円(税込)
  • 本体工事費:
    177万3,732円(税込)
スクロールできます
品目数量単位単価金額
木造住宅建屋解体工135,80m24,500611,100
基礎解体工67.90m24,000271,600
発生材運搬処分135.80m25,000679,000
土間コンクリート撤去処分75.00m22,800210,000
カーポート撤去処分1.0018,00018,000
ブロック塀塀撤去処分17.70m24,00070,800
解体養生工210.04m2800168,032
重機回送費2.0022,00044,000
諸経費1.00270,000270,000
値引き1.00-2,532-2,532

必要な工事がもれなく含まれているか、不要な費用が上乗せされていないかを見極めるためにも、複数の業者から見積もりを取り、内容をしっかり比較することが重要です。

※「見積書の事例データベース」も順次公開していく予定です。

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家の解体費用を安く抑える4つの方法

家の解体費用を安く抑える4つの方法

補助金制度を活用する

解体工事には、国や自治体の補助金制度を使える場合があります。条件に当てはまれば、数十万円の補助が受けられることも。たとえば、次のようなケースでは補助対象になる可能性があります。

まずは、お住まいの地域で利用できる制度があるかを調べてみましょう。ネットで検索する際には、「○○市 空き家 補助金」や「○○市 危険ブロック塀 補助金」など、市町村名を入れて検索すると情報を見つけやすくなります。

申請方法や必要書類などの調べ方

補助金の詳しい内容は、お住まいの自治体の公式サイトで確認できます。多くの場合、「補助金要綱」という資料に、申請方法や必要書類、対象となる工事内容、支給額などがまとめられています。

ただし要綱が公開されていなかったり、情報が分かりにくかったりする場合もあるので、不明点があれば自治体に直接問い合わせてみるのが確実です。一般的に市役所や区役所の「まちづくり課」「市街地整備課」「建築課」などが担当窓口です。

解体工事の専門家 中野達也

補助金を申請する際は、書類の不備準備の遅れで申請が通らなかったり、抽選枠が埋まってしまうこともあります。そのため、早めの行動と丁寧な準備が大切です。

複数の業者から見積もりを取る

家の解体時は、2~3社以上の解体業者から見積もりを取り、比較することをオススメします。費用の相場がつかめるうえ、信頼できる業者を選びやすくなります。

ただ、自分で何社も見積もりを取るのは手間がかかります。そんなときは「無料一括見積サービス」が便利です。これは、厳しい審査をクリアした優良業者から一括で見積もりを取れるサービスで、効率よく安心して比較検討ができます。

実際にこのサービスを使った方の中には、家の解体費用を50万2,000円節約できたケースもあります。

解体費用を50万2,000円節約できた事例

ただし、安さだけで決めるのはNGです。最初は安く見せておいて、あとから不当な追加費用を請求する悪徳業者もいます。そんなトラブルを防ぐためにも、実績や口コミ、対応の丁寧さなどもチェックして、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

自分でできる作業は行う

解体工事の前に自分でできる作業を進めておくことで、全体の費用を大幅に抑えられます。具体的には次の3つのポイントがあります。

不用品の整理・処分

不用品の処分費は解体業者や地域によって差がありますが、中には4tトラック1台あたり5万〜10万円で見積もられます。約30坪の家でもトラック1台分のゴミが出ることが一般的です。だからこそ、自分で不用品を片付けておくと費用を節約できます。

不用品の処分先については、次の表をご参考になさってください。

不用品の処分先については、次の表をご参考になさってください。

スクロールできます
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ基本的に無料(売却で収益発生)フリマアプリやリサイクルショップ
パソコンノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ 基本的に無料家電量販店やメーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス、布団、机数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ
不燃ゴミ
資源ゴミ
基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン
洗濯機
冷蔵庫
テレビ
基本的に無料
(売却で収益発生)
フリマアプリ
リサイクルショップ
パソコン本体
液晶ディスプレイ
基本的に無料家電量販店
メーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス
布団
数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収

不用品を片付けるときは、食器・衣類・プラごみなどの細かいモノを先にご自身で捨てておくと、解体業者による分別の手間が減って人件費が抑えられます。

また、木造の家なら木製の家具(棚など)は中身だけ出して残しておくと建物と一緒に解体してもらえる場合があり、処分費の節約につながります。

雑草の除去/庭木の伐採

植木や植栽の撤去を解体業者にお願いすると、1m3あたり9,899円~の費用がかかります。これは人件費や処分費などが含まれているため、ご自身で対応すればその分の費用を抑えられるんです。

たとえば、雑草の除去や、高さ3m未満・幹の太さ20cm以下ほどの小さな庭木なら、比較的かんたんに取り組める作業です。作業の際は軍手をはじめ、安全対策してから取りかかりましょう。

解体工事の専門家 中野達也

庭木の撤去をDIYでお考えの方は、ぜひ下の実演動画を参考にしてみてください。作業の流れやコツがつかみやすく、初めてでも安心して取り組める内容になっていますよ。

▲出典:【伐採・抜根】樹木の伐採のコツは、〇から順番に‼️枝を下ろせるスペースを作りながら🪚/ 抜根は、〇〇で切るとダメ、猛烈に大変になります💦/ 落葉樹は冬が楽な理由/ 安全第一で🦺【ガーデニング】|yamakana farm やまかなふぁーむ

届け出の手続き

建物滅失登記や建設リサイクル法に基づく届け出を自分で行えば、数万円の節約が可能です。

解体工事に必要な届け出の詳しい内容については、こちらの記事をご覧になってください。

解体業者に値引き交渉する

見積もりを取ったら、値引き交渉も検討しましょう。交渉を成功させるポイントは次の2つです。

他社の安い見積書を提示する

複数の解体業者から見積もりを取り、費用を比較することで交渉材料になります。「他社では○○万円だったのですが……」と伝えると、値引きに応じてもらいやすくなります。

自分が協力できる条件を提示する

「解体費用の一部を前払いする」「工事時期を解体業者の都合に合わせる」など、解体業者の負担を軽減できる提案をすることで、値引きに応じてもらいやすくなります。

解体工事の専門家 中野達也

あわせて、解体業界の繁忙期・閑散期カレンダーも参考にすると計画が立てやすくなりますよ。一般的に、解体業界の繁忙期は12月~3月閑散期は4月~9月です。

解体業界の繁忙期を閑散期

なお、複数の解体業者に同時に値引き交渉を行うことは避けましょう。値引き交渉をしたにもかかわらず、最終的に依頼しなかった場合、業者から不誠実と受け取られ、信頼関係を損なう可能性があります。

解体工事の流れ【依頼から完了まで】

解体工事の流れ【依頼から完了まで】

家の解体工事は、次の6ステップで進められるのが一般的です。

  1. 解体工事が本当に必要か話し合い、決定する
  2. 解体業者を探して契約する
  3. 着工前の準備・届け出を行う
  4. 着工準備をする
  5. 工事が行われる
  6. 作業が終了する

それでは、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

解体工事が本当に必要か話し合い、決定する

まずは家族や関係者と解体の必要性を話し合い、建物の構造や解体範囲を確認しましょう。土地売却やリフォーム、借地返却など目的によって解体の進め方が変わるので注意が必要です。事前に境界線や残す設備の確認も忘れずに。

解体業者を探して契約する

解体業者はインターネットで調べて相見積もりを取り、ホームページ・口コミ・連絡の取りやすさ・行政処分歴を確認します。現地調査で詳細をすり合わせて見積書を比較検討し、内容・保険・許可の有無などを確認した上で契約します。

着工前の準備・届け出を行う

解体前に不用品をどこまで片づけるかを解体業者と確認し、ライフラインの停止手続きを行います。官公庁への届け出は解体業者が代行する場合が多いので確認し、着工1~2週間前に近隣挨拶をしてトラブル防止に努めます。

着工準備をする

解体現場には法令で定められた資格や連絡先などの看板設置が義務付けられています。作業スペースや搬入経路が狭い場合は、敷地内の塀や庭木を先に撤去し、重機が敷地内で安全に作業できる環境を整えます。

工事が行われる

工事開始後はまず足場組立と仮設養生を設置し、安全対策と飛散防止を行います。続いてアスベスト除去や屋内残置物、内装撤去を手作業で進め、その後屋根材・外壁を丁寧に撤去します。駆体解体は重機で品目ごとに分別しながら行い、最後に基礎や地中埋設物、外構の撤去を実施します。

作業が終了する

解体後は廃材を撤去し土地を平らに整地、現地で仕上がりを確認して問題がないかチェックします。請求書が届いたら支払いを行い、最後に建物滅失登記の申請をして工事完了です。

解体工事で損をしないための4つの注意点

解体工事で損をしないための4つの注意点

アスベストの有無を確認する

家の解体工事を行う前には、有害物質「アスベスト」の事前調査が原則として義務付けられています。専門の有資格者による調査を受けることで、安全かつスムーズに解体を進めることができます。

とくに、2006年以前に建てられた建物にはアスベストが使用されている可能性が高いため、注意が必要です。アスベストは、吸い込むと健康被害を引き起こす危険性があるため、適切な調査と処理が欠かせません。

事前に確認をせずに工事を始めてしまうと、作業員の健康リスクや法令違反につながる恐れがあるだけでなく、途中でアスベストが見つかった場合には、数十万円の追加費用が発生することもあります。

近隣への配慮を怠らない

解体工事中に騒音や粉じん、交通渋滞などで苦情が寄せられると、行政が介入することがあります。その結果、工期の遅れや追加費用が発生したり、最悪の場合は工事の中断につながることもあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、次の4つの対策をしっかり行ってくれる解体業者を選ぶのがポイントです。

  • 事前挨拶
    工事前に近隣へ挨拶に行き、工事内容やスケジュール、騒音・粉じんの影響を説明して理解を得ます。
  • 騒音対策
    作業時間を守り、防音シートを使うなどして騒音をできるだけ抑えます。
  • 粉塵対策
    水まきや養生シートを使って粉じんの飛散を防ぎ、近隣の健康被害を防止します。
  • 交通対策
    工事車両の出入りルートや駐車場所を事前に決め、交通渋滞や迷惑駐車を避けます。
解体工事の専門家 中野達也

解体業者を選定する際は、「金銭面」だけでなく、「対応面」にも問題がないか確認することで、最終的にムダな追加費用の発生を防げます。

工事内容を明確にする

解体業者との認識のズレによるトラブルを防ぐためには、工事内容を事前に細かく確認しておくことが重要です。施工範囲や見積もりの内容はもちろんのこと、支払条件や工期などについても、あらかじめ確認しておきましょう。

支払条件を確認する

解体費用の支払い方法やタイミングは解体業者によって異なりますが、多くの場合は次のようなパターンに分けられます。

支払方法・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
支払いのタイミング・工事開始前(着手金)
・工事途中(中間金)
・工事完了後(完工金)
※一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
支払方法・現金/銀行振込
・クレジットカード/ローン払い
支払いのタイミング・工事開始前(着手金)
・工事途中(中間金)
・工事完了後(完工金)
※一般的には、着手金と完工金の2回の支払いが行われます。
解体工事の専門家 中野達也

着手金の相場は解体費用の約30〜50%です。ただ、これより極端に高い場合は要注意。中には、着手金を受け取って連絡が取れなくなる悪質な業者や、資金繰りが厳しい業者も存在します。

工期を確認する

とくに、解体後に新築や外構工事を予定している場合は、解体工事の開始日終了予定日を事前にしっかり確認しておきましょう。解体が予定より長引くと、次の工事に影響し、スケジュールの遅れや追加費用が発生するおそれがあります。

一般的に、30坪ほどの木造2階建て住宅の解体には約2週間かかります。ただし、道が狭くて重機が入らない現場や、基礎の構造が特殊な場合は、さらに時間がかかることもあります。

また、天候不良や予期しない追加作業によって工期が延びることもあります。こうした場合の対応についても、事前に業者へ確認しておくと安心です。多くの場合、工期や対応内容は契約書に記載されているので、契約前にしっかり確認しておきましょう。

解体後に「建物滅失登記」を行う

解体工事が終わったら、基本的に1ヶ月以内に「建物滅失登記」を行い、建物がなくなったことを法務局に届け出る必要があります。もしこの手続きを忘れると、税金を多く請求されたり10万円以下の罰金が科されることもあります。さらに、土地の売却や建て替えなどのスケジュールにも影響が出る可能性があるので注意が必要です。

申請は法務局の窓口に行く方法と、オンラインで行う方法があります。手続きに不安があれば、土地家屋調査士に代行を依頼することもできます。

【まとめ】家の解体費用で損しないために

【まとめ】家の解体費用で損しないために

家を解体する際の費用は、90万円〜420万円と幅広く、建物の構造や立地、残置物の有無、地中埋設物の状況などによって大きく変わります。だからこそ、「何にいくらかかるのか」をしっかり把握し、後悔のない選択をすることが大切です。

次の5つのポイントを押さえて、安心して解体工事を進めましょう。

1. 解体費用の相場を知り、事前にイメージを持つ

木造・軽量鉄骨造・鉄骨造・RC造で費用は大きく異なります。おおまかな相場を知ったうえで、自分の家に当てはめておおよその予算感をつかみましょう。

2. 見積もりは必ず2〜3社以上で比較

同じ坪数でも解体業者によって見積もりは大きく異なります。費用だけでなく、説明の丁寧さや対応力、信頼性にも注目しましょう。また、値引き交渉をしたり、工事の依頼時期をずらしたりすることで、さらに費用を抑えられる可能性があります。

3. 補助金の活用を検討する

自治体によっては、老朽家屋の解体や危険ブロック塀の除去に補助が出ることも。「○○市 解体 補助金」などで検索し、条件に合うものがあれば活用を。

4. 不用品の処分に注意

家具や家電などの残置物が多いと、その分の処分に手間がかかり、全体の費用が膨らんでしまうことがあります。できるだけ事前に片付けておくことで、スムーズかつコストを抑えた工事が可能になります。

5. 契約前に工事内容をしっかり確認する

「どこまで壊すのか」「整地の範囲は?」「近隣への対応は?」など、あいまいな部分を残したまま契約するとトラブルになりがちです。契約前にしっかり確認・相談しておきましょう。

解体工事の専門家 中野達也

家の解体は費用も手間も大きなものです。だからこそ、よく分からないまま進めるのではなく、しっかり確認・比較・相談を重ねて、納得のいく解体を目指しましょう。

この記事の監修者

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

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この記事を書いた人

「中野達也のスッキリ解体」専属ライターとして活動する解体工事の専門家。「解体工事の初心者にもわかりやすく」をモットーに、役立つ情報を発信・提供している。趣味は映画鑑賞。

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