解体工事と聞いて多くの方が想像するのが、「重機を使って建物を壊していく様子」ではないでしょうか。しかし、中には「建物までの道幅が狭くて重機が通れない」「急斜面にあり敷地まで階段しか道がない」「学校や病院が近く大きな音が出せない」など、様々な事情で重機が使えない解体現場も存在しています。
そんな状況での解体工事は「手壊し解体」という手法を用います。
この記事では、「手壊し解体の費用相場と費用を抑えるポイント」「どんな事に気を付けて依頼を進めると良いか」「実際にあった手壊し解体の事例」など、重機が入れない解体工事で損をしないためのポイントを専門家の視点から詳しく解説していきます。
・重機を使わない解体工事「手壊し解体」について知る事ができる。
・手壊し解体の費用相場と費用の抑え方について知る事ができる。
・手壊し解体を依頼する際の注意点や良い解体業者の選び方を知る事ができる。
・実際にあった手壊し解体の成功事例を紹介!


解体したいお家があるんだけど、玄関までの道がすっごく
狭いんだよねぇ……



なるほど。もしかしたら手壊し解体で工事を進める必要があるかもしれないね。



「てこわし」って、手で壊すの?



そうそう(笑)、重機を使わずに人力で壊していく方法だよ。今回は重機が入らないときの解体工事について失敗せずに進められるポイントを一通り解説しよう!


中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。
▼解体工事にまつわるお悩みを解体のプロ中野が動画で解説!▼
重機が入らない解体工事とは?手壊し解体が必要なケース


重機搬入不可となる主な原因



なやみんに質問です!解体工事で重機が入らない時って、どんな時だと思う?



う~ん……場所が狭くて機械が通れないとか?



正解!でも、重機が入れない理由って場所が狭い以外にもいろんなケースがあるんだよ。
- ▼重機搬入不可となる主な原因
- 道路が狭い、現場が奥まった場所にある
- 道路と敷地に高低差があったり、敷地に入る道が階段状である
→クレーン使用なら可能も費用が高額になりがち。 - 建物に面している道路の幅が2m以下
→一般的な重機の幅は2m以上ある。 - 隣家との間隔が近い、長屋の解体
→長屋は壁が隣家と共有のため手壊し解体必須。長屋でなくても、隣家が近い場合は万が一大きな重機がぶつかったりしてトラブルに発展する事を避けるために重機不可とする場合も。
- 幹線道路沿いの人通りや交通量が多い場所
→人や車の往来が多いと作業が危険なためNG - 近くに病院や学校がある
→このような場所は騒音の配慮が必須。
etc……



うわ!思ってたよりもいろんな理由があるんだねぇ!!



びっくりした?(笑) 重機が入れない理由っていろんな要因があるんだよ。



なるほど~!
手壊し解体とは?その工法と特徴



今挙げたみたいに、重機が入れない場合には「手壊し解体」で工事を進めるよ。



てこわし?なになに?
手壊し解体とは、名前の通り重機を使わず人の手で建物を解体する工法です。「近接する建物との距離が近い」「重機が搬送できない」など現場状況によって重機が使用できない場合に行われています。デリケートな作業が必要な場合に柔軟に対応することができます。
しかし重機を使った解体に比べて手間と工期がかかることから、コストは30~50%程高くなる傾向があります。さらに、廃材を回収するためのトラックが近くに停められない場合はこれらの搬送も手作業となり、解体業者の負担が大きくなり費用の増加につながります。



なるほど手壊し!覚えたぞ~



手壊し解体では主にこんな道具を使って解体をするよ。
- ▼手壊し解体で使われる道具一例
-
-
- ハンマー
石膏ボードの内壁や土壁を破壊する時などに使用。 - チェーンソー
建物の柱の切断などに使用。 - ネコ(手押し車、一輪車)
廃材を運搬するための手押し車。廃材を運ぶトラックが現場近くに停められない場合などに使用。 - バール
棒状で片側が釘抜き用の割れ目があり、反対側はヘラ状になっている工具。 - 解体バチ
鍬(くわ)のような形をしたもの。バールに似たような形のものもある。壁を壊す際などに使用。 - 小型重機
通常重機よりもコンパクトなサイズの重機。車幅が1.5m以下で小回りがききやすい。(通常重機は2m以上)
- ハンマー



あれ?手壊しって言ってるのに重機があるよ?



そうそう!小型重機は手壊し解体の部類に入るんだよ。



そうなんだ!
小型重機を活用した解体方法



でも狭くて重機が入らないんじゃなかったっけ?



名前の通り「小型」の重機だから狭いところも大丈夫!小回りもきくから大型の重機が入れない場所でも活躍してくれてるよ。



なにそれすごいじゃあん!!
手壊し解体の主な悩みは手作業による工期延長と作業員の負担、そしてそれらによる費用の増額です。もし小型重機を使用する事ができれば依頼主にとっても作業員にとってもメリットしかありません。
- 狭い場所でも機材が使えるので工期短縮ができる
- 作業員の負担の軽減・安全性向上につながる
- 道が狭い、階段がある場所でも対応できることがある
……よって、コスト削減が可能となります!!



で、小型重機にはどんなものがあるの?



主なものを紹介しよう!
- ▼小型重機の一例
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-
- スキッドステアローダー
小回りが利く小型のローダー。狭い場所の土砂や廃材の運搬に適している。 - ハンドブレーカー(コンクリートブレーカー)
小型の粉砕機。コンクリートの粉砕に使用する。手軽に持ち運びができ、重機が入れない場所での作業向き。 - ミニバックホー(ミニショベル・ミニユンボ)
小型の油圧ショベル。狭い場所での土砂の掘削や運搬に適している。
- スキッドステアローダー



いろんな機材や方法があるんだねえ~!



サイズ感はこんな感じかな。





おお!!トラックに乗っちゃうサイズなんだ!



便利なサイズでしょ?こういう機材を使うことで、費用がかさみがちな手壊し解体でも費用を抑える事ができるんだよ!



そうだ!!!費用!!!
重機が入らない解体工事の費用相場





解体工事ってそもそもが高いじゃない?手壊し解体の場合って相場はどうなの?



完全手壊しとなると、大型重機を使った通常の解体工事よりも費用が高い傾向があるね。



ガーン!!!



重機を使わない場合の費用面についても解説していこう!
手壊し解体の費用相場:坪単価の目安



手壊し解体は費用が高いってハナシだけど、いくら必要なの……?



ちょっと解体工事の一般的な費用について見ていこうか。
解体工事の費用相場(全国平均) | |
---|---|
建物構造・工法 | 坪単価 |
木造・重機解体 | 約30,000円/坪 |
軽量鉄骨造・重機解体 | 約35,000円/坪 |
鉄筋コンクリート造・重機解体 | 約40,000円/坪 |
手壊し解体 | 約40,000円~180,000円/坪 |



坪単価は、建物の構造・階数・地域・坪数などの要素を元に変動があるよ。解体工事をしようと思ったらまず壊そうと思っている建物がある地域や建物の特徴と「費用」「坪単価」のワードで検索してみるのがいいね。



一番知りたいのは自分がいくらで解体工事ができるかだもんね。



そうだね。実際の解体費用って、坪単価から割り出した金額の他にもかかってくるからね。



まだお金かかるの!?
解体工事を見積もる際には、費用項目が大きく分けて3つあります。
本体工事費(ほんたいこうじひ)
メインとなる建物本体の解体費、廃材の運搬・処分費などを指します。見積もりの基本となる部分です。
付帯工事費(ふたいこうじひ)
建物内に残っている家具などの残置物の処理費、塀や庭の樹木など外構の撤去費、アスベスト除去費など、本体以外の工事にかかる費用です。
諸経費(しょけいひ)
契約書の作成や許可申請のための各種申請費、現場の安全管理や作業員の確保の手配をする現場管理費など、工事に関わる必要費用です。
この他にも、工事に入るための準備にかかる「仮設工事費」や「消費税」などがあります。金額の内訳比率としては、本体工事費が全体の約6割を占め、続いて付帯工事費が約2割、消費税、仮設工事費・諸経費と続きます。
【手壊し解体】重機が入れない解体工事の費用を左右する要因



ただでさえ安くないのに、どんどん必要な費用が増えていくよ……



小型重機の説明でも少し触れたけど、どうして手壊し解体は費用が大きくなるのか解説しよう。
手壊し解体の費用が高くなる主な原因としては……
- 工期が長くかかるため
本来重機で進めるような作業を手作業で行うため、単純に時間がかかります。また、安全確保は疎かにできない重要項目です。作業員の安全を確保しつつ作業を進めるため、工期が長くなり付随して人件費が多くなります。 - 作業員の負担が大きいため
こちらについても、人間のパワーをゆうに超える重機が使えないという事は、作業員の体力的な負担もかなり多くなってきます。中には体力のある若い作業員を持たない解体業者もあり、そのような場合は手壊しは受け付けないという業者もある程負担が大きい工事内容です。 - 時間と負担がかかる分、人手が多く必要になるため
じゃあ、少しでも作業員の負担を減らし工期を短くするか。もう人手をを増やして対応する他ありません。そうなると増えた人数分の人件費が加算されてきます。
などの要因があります。



……というように、手壊し解体は基本的に解体費用がかさみがちなんだけど、同じ作業でも業者によって費用が左右する事もあるよ。



ほんと!?なんでなのか教えて教えて~!!
なぜ同じ建物の解体工事でも、業者によって費用が変わってくるのか。一番大きなポイントは「その業者の特性」です。
例えば、業者が自社で小型重機を持っていればリース代はかからず作業ができます。他にも体力的な側面で、若い人材が多い業者なら作業をスピード感をもって対応してくれるでしょう。
業者によって状況は様々ですので、業者選びの際はぜひ業者のホームページ(サイト)や口コミも確認してみましょう。



業者の選び方については、この後の項目で詳しく解説するよ!
重機が入らない解体工事の注意点





ちなみに、なやみんは解体工事の依頼をする時、一番気になる点って何かな?



うーんとねぇ、やっぱお金のことと……あと、ご近所さんからのクレームが心配かなぁ……



やっぱりそうだよね。今なやみんが挙げてくれた2つって、多くの依頼主が一番気になっている点でもあるんだよ。ここについてクリアにしていこう!
手壊し解体を依頼する際に認識しておきたい大前提



まず、前提として持っていて欲しい認識について共有しよう。
手壊し解体は工期が長くなるという事をあらかじめ認識として持っていましょう。
手壊し解体は人力で作業を進める分、重機解体よりも長い期間を要します。そして、追加工事など想定外の事が起こるとそれも通常より長くなる可能性が高いです。建て替え等で解体工事の後のスケジュールも決まっている場合、解体工事の遅れによるスケジュール変更には追加費用が発生したり、最悪の場合スケジュール調整ができず着工が不可能になるという可能性も考えられます。発注は余裕を持って行いましょう。



ふむふむ……ゆとりをもってお願いが大切っと……
抑えておきたい手壊し解体注意ポイント



じゃあ大前提を踏まえた上で気にして欲しいポイントをお伝えするね。
近くにスペースがある場合は使わせてもらえるか交渉する!



手壊し解体で重機やトラックが入れない理由として多いのは、「現場までの道路が狭い」「道路と現場の接地面が狭い」など狭さが理由になるケースです。現場の敷地内に入るのは難しくても、隣の空地や駐車場にトラックやが停められることで小運搬の費用を削減する事ができます。その額数万~数十万円安価になる事もあるので見逃せません!
小運搬……重機を使わずに手作業で材料や廃材を運搬すること
ご近所への配慮を忘れない!



長い時間業者が道を占領してしまったり、気を付けていても小運搬中に歩行者と接触事故が起きてしまう可能性は通常工事でもゼロではありませんが、そのリスクも工期に比例して増えてきます。近隣の方々に不便をかけたり、不安な気持ちをさせてしまう可能性を考慮しましょう。そのためには、依頼主本人による事前の共有説明や現場周辺の都度清掃をきちんとしてくれる業者に依頼したりしましょう。



手壊し解体の依頼をする時に気にしてほしいのはこんなところかな。



対応が良い業者さんに依頼する事は、依頼主さんにとっても、そのご近所さんにとってもステキな事なんだね!



その通り!!良い業者の選び方はこの後詳しく説明するね。
ネガティブなことばかりじゃない!手壊し解体のメリット



色々説明はしてもらったけど、お金も時間も手間もかかるし……。手壊し解体ってなんだかマイナスなイメージ……。



そんな事ないよ!!手壊し解体にも大きなメリットはたくさんあるんだよ!
騒音・振動・粉塵(ふんじん)の発生を抑えることができる。
解体工事にはどうしても騒音や振動、粉塵の発生が付き物です。しかし、重機を使用しない分騒音や振動は小さく、粉塵が舞う量も抑える事ができます。病院や学校が近く大きな音が出せない現場でも採用されており、近隣への影響を抑えられます。
狭い土地や地形が特殊な土地などでも対応できる。
入口が狭かったり階段だったり、物理的に重機が入れないような場所でも対応ができます。
細かく繊細な作業にも対応できる。
隣の部屋と壁が共用である長屋や保護対象である文化財など、慎重さが求められる作業にも用いられています。また、必要な部分だけ壊す部分解体にも向いています。
より安全に作業を進めることができる。
重機を使った作業はスピード感と効率は良いものの、時に隣家の壁や車を傷つけてしまったり、作業員が重機車両の下敷きになって怪我をしたり、最悪の場合命を落としてしまう可能性もあります。手壊し解体ではピンポイントな作業が可能なため、隣家を傷つけてしまうことや作業員の怪我などのリスクは大幅に減らす事ができます。



主にはこんな感じかな。だから全然心配しなくても大丈夫!なやみんが心配していた近隣トラブルを抑えるのにも役立つよ!



そっかあ!なんだか安心かも~



折角だから、実際にあった手壊し解体の事例も紹介するね。
実例で解説!重機が入らない解体工事の成功事例





ここでは重機が入れず手壊し解体になり、通常の費用相場からどのくらいの費用変動があったか、高騰しがちな手壊し解体の費用面についてはどうやって抑えたのか実際にあったエピソードを紹介するよ。



本当にあった事かぁ!教えて教えて~!
実例1.桜木さんの場合:木造2階建て住宅・条件付き借地返却の解体工事
桜木さん(仮名)の自宅は借地に建てられていましたが、地主より土地の返却を求められました。借地契約の原状回復義務より、借地人である桜木さんは建物を解体し更地にして地主に返還するという義務があります。地主からの条件は「建物と敷地内の樹木、物置は撤去して返却」と条件を伝えられていましたが、敷地に接している道路の幅「接道」が2m以下とかなり狭く、尚且つ道路に面したコンクリートブロック塀は残さないといけない状況でした。
幅が狭く小型重機すら入れず、建物の基礎部分も含めて全手壊しが必須。あまり解体には詳しくない桜木さんは比較サイトを通じて何社か見積もりを取りました。しかし、通常の重機解体なら100万円程の費用相場で済むところが、諸々の条件より金額は倍の200万円から多い業者では400万円と出す業者も……。あまりに高額な費用に桜木さんは頭をかかえてしまいました……。



地主さんの条件は守りつつ、必要なものだけ解体……しかも土地の出入り口が狭くて重機が使えないって超難関ミッションじゃない??



そうだね……どうしてもこの条件だと費用はかさんでしまいがちだね。



もう費用面はどうしようもないの~?



続きもみてみよう!
やはり費用面は誰しもが気になるところ。桜木さんも、費用面をできる限り抑える事はできないかと解体業者に相談をしてみました。すると、解体業者から桜木さんに協力して欲しい2つの提案がありました。その内容は、「トラックを駐車するために一番近い駐車場を確保すること」「地主と撤去条件を交渉してもらうこと」。
一つ目の駐車場確保について。手壊し解体の際廃棄物の運搬も手作業になる場合が少なくありません。その手間の分費用がかかってきます。少しでも近くにトラックを入れる事ができれば、手作業で運搬をする距離を少なくする事ができるため、費用削減が可能となります。二つ目の地主との条件交渉について。今回の場合コンクリートブロックを少しだけ撤去させてもらい接道を広くする事ができれば、小型重機が使えるようになり費用削減が可能となります。しかし、言わずもがな勝手に設備を壊すわけにはいかないので借主である桜木さんと地主との交渉が必須です。
少しでも費用を抑えられるなら、という思いで桜木さんは解体業者からの提案を実行。駐車場の持ち主や地主との交渉も上手くいき、結果180万円で無事に解体を完工する事ができました。
参考:桜木さんの見積書 ※画像クリックで拡大できます
各交渉を実施した結果













さっき中野さんが言っていた近くにスペースがある場合は使わせてもらえるか交渉するを実施したんだね!



そうだね、交渉をしてみたら結果がかなり変わってくる事もあるからぜひ検討してみて!
実例2.赤木さんの場合:木造2階建て住宅・土地の奥にある建物のみの解体工事
赤木さんは同じ土地の中に複数の建物を所有していました。手前側には赤木さんも実際に住んでいるビル、奥の旗竿地には空き家となっている木造住宅があり、今回は奥の木造住宅のみ解体をしたいという希望です。旗竿地(はたざおち)とは、竿に旗がくっついているような形の事から、「道路に接している出入り口部分が細長く、その奥にまとまった敷地がある土地のこと」を指しています。そのような場所のため、重機を入れる事ができず小運搬と手壊し解体になる事が決定していました。
赤木さんも重機を使う事ができれば100万円程で済みそうな解体工事でしたが、通常より手間がかかる手壊しに小運搬の費用も重なり、見積もり額は220万円……。なんとか費用を抑えられないかと見積もり比較サイトへ問い合わせをしてみました。



桜木さんの時とは違って、手前が住んでいる建物だから間口を広げる事もできないんだね……



うん、こういうケースって結構住宅地に多いんだよ。



じゃあ、赤木さんはもう打つ手なし?



最初から諦めないで模索すれば何か希望があるかもしれないよ!諦めたら試合終了だよ!



(中野さん何言ってるの……?)
見積もり比較サイトから解体業者を紹介してもらい、状況を説明した赤木さん。やはり全手壊し工事で大変なのは建物の基礎部分の解体。建物をしっかりと支えられるように頑丈な作りをしているため労力も時間もかかります。現地調査を終え、業者から費用対策として提案されたことは「今回は基礎の解体をしない」という事。幸い、今回建物は解体希望があったものの、基礎までは解体の必要がなかった事、そして同じ敷地内にいずれ解体する予定のビルがあるという事が費用削減の希望になりました。
手前側のビルがあり重機が入れない事が今回手壊しになった原因なので、ビル解体時に一緒に作業をすれば重機解体で費用を抑えて解体ができるという事で話がまとまり、費用は147万円と73万円程も抑える事に成功。無事木造空き家を解体する事ができました。
参考:赤木さんの見積書
全手壊し実施の場合


基礎を残した場合





赤木さんの場合は、急ぎじゃない部分は残して費用を抑えたんだね。



自分が所有している土地と建物っていう状況だからできた事で、ちょっと特殊な状況だね。でも実際手壊し解体になる理由として旗竿地にあるって事例は結構あるんだよ。どうしても手壊しで基礎を解体しないといけない時でも、近くに場所を確保するなどちょっとした工夫は考えたいね!プロはこういう時のノウハウも持ってるから安心してね。



さすがプロ……!!かっこいい~!



これまでの話を踏まえて、次はいよいよ業者選びについて解説しよう!
▼こちらの記事でも実例を元に「手壊し解体」を解説!
狭い土地でも安心して依頼できる解体業者の選び方





この前自分で業者さんを検索してみたんだけど、もんのすごーーーくいっぱいあってよくわからなかったんだよぉ……みんなどうやって業者さん決めてるの?



解体を取り扱う業者って本当に多くて、少しでも解体事業に触れてる業者も含めると全国に約75,000社ほどあると言われているんだ。



なっ!?ななまんごせん!!?



そんなにあるのにちゃんと選べるの……?心配になってきたよ……



任せてよなやみん!それをスッキリさせるために僕がいるんじゃない!



なっ……中野さぁ~ん!!!(嬉しくてしっぽの鈴を鳴らすなやみん)
【手壊し解体・狭小地】安心できる解体業者選びのポイント8つ



先に解体業者選びはどんなポイントがあるか項目で紹介しよう。
各項目をクリックすると詳しい説明が見られます▼
1.建設業許可証または解体工事業登録を持っていること
解体工事を行うためには「建設業許可」もしくは「解体工事業登録」が必要です。
「建設業許可」は、建設業法で定められた「建設工事を請け負うための許可」で、全部で29種類に別れます。解体工事を行うためには、その中で「29 解体工事」の許可を得ている必要があります。建設業許可を保有していると、解体工事の施工金額を問わずに請け負うことが出来ます。
「解体工事業登録」は、建設リサイクル法で定められた「解体工事を行うために必要な登録制度」です。この登録を行っていれば、建設業許可を保有していなくても「税込み工事費500万円未満」の工事を請け負うことが出来ます。一般家屋の解体工事で500万円を超えることはレアケースなため、解体工事業登録のみを保有している解体業者も多く存在します。解体工事業登録は、営業所(事務所)を置く地域だけでなく、工事を行う地域を管轄している都道府県、それぞれで申請する必要があります。
許可や登録がない解体業者による工事は違法なので、解体業者を探す場合は、建設業許可証もしくは解体工事業登録を取得していることを必ず確認しましょう!
2.損害賠償保険に加入していること
工事中は、瓦礫の隣家への接触・重機の横転などの事故のリスクがあるため、工事業者は損害賠償保険に加入するのが一般的です。しかし、安全意識が低かったり保険料を浮かせたいと考えていたりする解体業者の中には、保険に加入していないところも存在します。
そのような解体業者に依頼すると、解体費用が抑えられていても事故発生時のリスクが上昇します。そのため解体業者を選ぶ際は、損害賠償保険に加入していることもひとつの条件にしてみてください。
3.見積もりが相場から外れすぎていないこと
解体費用はできるだけ抑えたいものですが、相場よりも明らかに外れている場合には注意が必要です。
解体業者によってある程度費用を抑えることは出来ても、相場を大きく下回ることは基本的に不可能だからです。
建物の取り壊しでは「削ることの出来ない費用」があります。工事に携わる職人の人件費や建物の養生費、廃材の処分費などが該当します。つまり、提示金額が相場を大きく下回るということは、これらの費用を不当ないし違法に削っている可能性が高いのです。
違法な賃金での労働強制、不十分な養生による近隣被害、廃材の不法投棄……これらを行う解体業者に依頼しても、完工までの良好な対応は期待できません。
4.信頼できる担当者であること
解体業者の担当者とのフィーリングも大切です。見積もり時に担当者の対応に少しでも違和感を覚える点があれば、万が一のトラブル防止のため他の解体業者の利用を検討したほうがいいでしょう。
また、連絡がつきにくい解体業者にも注意してください。優良解体業者であれば、忙しくても一両日中には折り返し連絡をしてくれます。なかなか連絡が取れない解体業者は、何かトラブルが発生したときの対応にも遅れが出やすいため、できるだけレスポンスの早い解体業者を選ぶのがおすすめです。
5.自社施工であること
自社で施工を行わないブローカーに工事を依頼すると、工事に関する細かい要望が下請けまで連携されずに、ずさんな工事をされる可能性があります。また何らかのトラブルが発生したときに、ブローカーが責任を取るのか下請け業者が責任を取るのかで揉めるおそれもあります。
ブローカーに当てはまりやすい特徴として、日本全国から解体工事を請け負っていることが挙げられます。そのため解体業者を選ぶ際は、その解体業者が地域に密着しており自社施工なのかということもチェックしてみましょう。
ブローカー……取引の仲介をする人や企業
6.マニフェストを発行してくれること
マニフェストとは、解体工事で発生する廃棄物の収集・運搬・処理までの過程において、各段階で担当する業者に記入・押印してもらう管理票のことです。
このマニフェストによって廃棄物が適正に処理されたことが確認できるため、ぜひ解体業者にはマニフェストの写しを請求してみましょう。マニフェストは作成が義務付けられているため、優良な解体業者であれば必ず発行してくれます。
マニフェストに押印漏れがあった場合は不法投棄の可能性が高くなりますが、漏れがなければ廃棄物が適正に処分されたという証明になります。
産業廃棄物とマニフェストについてはこちらも要チェック!
7.複数の業者を見積もり比較すること
解体工事にかかる費用や、工事をする作業員の雰囲気は、それぞれの解体業者によって異なります。
複数の解体業者から見積もりをとって比較・検討することが、家の解体工事費用を抑えることにつながります。工事費用の設定は解体業者によってバラつきがありますが、安すぎる価格は手抜き工事や近隣トラブルを招くリスクもあるため注意が必要です。相見積もりで費用の相場を把握し、適正価格かどうかを判断しましょう。
8.ホームページはここをチェックしよう
「この解体業者いいかも!」となるホームページを見つけた後は、見積もり依頼の前にホームページから「本当に良い解体業者かどうか」を確認してみましょう。
以下のポイントをチェックしてみてください。
■「会社概要」の連絡先・所在地
まず、連絡先と所在地はしっかり表記されているでしょうか?所在地については、その住所にきちんと会社が存在しているかを確認し、事務所を構えられているかを確認します。
ここで注意すべきは、アパートの一室を所在地としている解体業者です。
解体業者の中には、運営が危うくなると会社を潰してまた新たに会社を立ち上げるなど、自転車操業でなんとかやりくりしているところもあります。
そのような解体業者はアパートの一室を事務所とし、所在地にしていることがあります。
■工事の実績をチェック!
検討中の解体業者は、ホームページに実績や事例を載せているでしょうか?実績や事例を載せられる解体業者は業務を正しく行えているということですね。
また、事例を写真つきで載せている解体業者は、それと同じような建物を解体したいという方に向けて発信しています。自分が解体したい建物と似た条件の建物の写真がないか、チェックしてみましょう。
こんなものを載せている場合も要チェック!
①ブログやSNS・YouTube等
ブログやSNS・YouTubeなどで日々の活動を発信している解体業者は、一般のお客様に見つけてもらおうという努力が伺えます。内容から働きぶりや雰囲気が伝わる上、更新頻度が高い解体業者は積極的に活動していると言えます。
②代表あいさつやスタッフの写真
代表あいさつのページなどにある代表やスタッフ陣の写真は、「どんな人たちが仕事をしているか」ということを確認する良い機会です。「顔を出してもいいくらいしっかりと仕事をしている」ということが分かるほか、仕事中の雰囲気を伺うための機会となるでしょう。
(参照:一般社団法人あんしん解体業者認定協会 解体無料見積ガイド 解体工事で失敗しない業者選び 優良解体業者の基準8選)
【大前提!】許可の有無と実績の確認



大前提になってくるんだけど、お願いする業者はしっかりと許可を持っていてかつ工事の実績があるところがいいね。
許可がない業者や過去に処分を受けている業者もたくさんあるので依頼前に下記サイトを利用してチェックしてみて!
国土交通省が提供している情報サイト。業者が受けた過去の処分歴などのネガティブ情報が公開されています。
(公財)産業廃棄物処理事業振興財団が提供している情報サイト。解体工事後には、廃棄物が適正に処理されているかを証明する「マニフェスト」という管理票を業者に発行してもらう事がマスト。ですが、残念ながら不法投棄をしている業者は書類に不備を作り発行しているのが現状です。このサイトはそういった不正を行う業者かどうかの判断に役立ちます。



お~、これはありがたい情報!



当たり前かもしれないけど、自分がお願いするならやっぱりクリーンな業者がいいよね。
口コミや評判からどんな業者なのかを分析!



あと、上の8つのポイントには詳しく記載していないんだけど、業者の口コミの読み解き方についてもワンポイントアドバイス!
依頼する業者を絞ったら、ぜひ口コミもチェックしてみましょう。その際に気にしてみて欲しいポイントを紹介します。
・点数よりも内容を確認してみましょう。
・感情などの感想ではなく、実際に起こった事象を探してみましょう。
・Google口コミとその他媒体の口コミがあれば内容を比較してみましょう。
・低い評価の口コミほど確認してみましょう。



低い評価がない業者さんを探せばいいんだね?



待ってなやみん!低い評価があるからと言って悪い業者さんという事ではないんだよ。逆に良い評価しか載っていない時は要注意だったりするんだ。



えっ!?どうしてーー!?



これは解体業者探しだけに言える事ではありませんが、口コミというのは全て事実が載っている訳ではありません。例え事実だとしても、人によって感じ方が異なる事もありますし、事実が誇張されている事もあるかもしれません。そして中にはサクラと言って口コミ対象をよく見せようと嘘の投稿をする人も残念ながら存在します。



そんな中でどうやって業者の善し悪しを見極めるか。
まず、「こんな事があった」「こんな対応だった」など、事実が書かれた口コミを探してチェックしてみましょう。その業者が実際にどんな対応をする業者なのかを判別する材料になります。
また、高評価ばかりの業者には注意です。本当に良い会社で高評価のみ……なら良いのですが、低い評価の口コミは非公開にしたり、偽の良い評価の口コミを捏造して多数投稿している場合もあります。良い評価の口コミでも「具体性がない口コミ」や「同じような文章が多数投稿されている」ようなところは要注意かもしれません。



事実をしっかりとチェックできれば、低い評価の口コミも有益な情報源になります!
実際に自分が依頼するとなった時、「こんな事があるかもしれない」という心構えができますし、気になる点は現地調査で業者に直接質問をする事もできます。



そして今回の一番のポイント!
自分が依頼したい工事に強い業者を選ぶこと
解体業者と一口に言っても強みと弱みは業者によって様々です。「こんな工事を対応してもらった」「こんな作業が得意と言っていた」という書き込みは有力情報!自分と同じような状況で工事依頼していて「良かった」というような口コミが多い業者はその案件に強い業者の可能性が高いです。
今回の場合なら「手壊し解体」「重機が入れない」等のキーワードが入っていたら良いかもしれません!



参考になったかな?何事も鵜呑みにしちゃいけないよ。



そうなんだぁ~!低い評価でも悪い事ばっかりじゃないんだね!口コミ見る時は気にしてみるね。



うん!ぜひそうしてみて。
でも、ここまで色々と説明はしてきたけど、実際にこの項目をクリアしているかを初めて解体工事を依頼する人が1社1社確認していくことって、ものすごく大変だと思うんだ。



うん……聞きながらちょっと心配してた……



安心して!そういう人ってたくさんいるから!で、実際に解体工事をするとなったらぜひ解体工事の無料一括見積もりサイトを利用してみて!複数の解体業者の紹介はもちろん、見積もり内容の比較と業者を選ぶためのアドバイスもしてもらえるし、解体工事について疑問があればオペレーターに相談もできるよ!
▼業者比較の解体無料見積ガイドはLINEからも!中野の解説動画付き!▼



おお……そんな便利なサイトがあるのね……!で、でもそんなに便利なサイトが無料ってそれこそ大丈夫なの……?どんなカラクリ……?



なやみんは本当に心配性だねぇ(笑)大丈夫、今紹介した解体無料見積ガイドは僕が理事を務める協会が運営するサイトだよ!依頼者が無料で利用できる仕組みは、登録されている解体業者からサイトの維持費・運営費をもらっているからなんだ。



あ、トップページに中野さんいた~!これなら安心かも~!!
まとめ


今回は重機が入らないような狭い土地の解体工事、手壊し解体、手壊し解体にかかる費用について解説しました。
通常、費用が高くなりがちな手壊し解体ですが、複数の業者から見積もりを取り、費用を抑えるポイントを実践することで出費を最小限に抑える事が可能です。
ぜひ、この記事で紹介した費用相場・業者選びのポイント・注意点を参考に信頼できる業者を選び、安全かつ適正価格で解体工事を実現しましょう。まずは、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することから始めてみてください。



どう?重機が入らない解体工事について、参考になったかな?



うん!重機が使えない時はこうしたらいいってのが分かったからスッキリ安心だよ!ありがとう!



また解体工事で困ったらいつでも相談してね!


中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。
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