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【専門家監修】重機が入らない解体工事でも損をしない!解体費用と業者選びの完全ガイド

【専門家監修】重機が入らない解体工事 損をしない!解体費用と業者選びの完全ガイド

解体工事と聞いて多くの方が想像するのが、「重機を使って建物を壊していく様子」ではないでしょうか。しかし、中には「建物までの道幅が狭くて重機が通れない」「急斜面にあり敷地まで階段しか道がない」「学校や病院が近く大きな音が出せない」など、様々な事情で重機が使えない解体現場も存在しています。

そのような状況での解体工事は「手壊し解体」という手法を用います。

本記事では、「手壊し解体の費用相場と費用を抑えるポイント」「どんな事に気を付けて依頼を進めると良いか」「実際にあった手壊し解体の事例」など、重機が入れない解体工事で損をしないためのポイントを解説します。

3行で分かる!重機が入らない解体工事のポイント
  • 重機が使えない場合は「手壊し解体」での作業になる
  • 「手壊し解体」は重機解体より費用が高額なため、作業が得意な業者を見つけて費用を抑える
  • 許可の有無や口コミ内容で、手壊し解体が得意な優良業者を見つける
この記事の監修者

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

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目次

手壊し解体の基本知識と必要になる場面

重機が入らない解体工事とは?

手壊し(てこわし)解体とは

解体工事の専門家 中野達也

まずは手壊し解体について理解しましょう!

手壊し解体とは、名前の通り重機を使わず人の手で建物を解体する工法です。

「近接する建物との距離が近い」「重機が搬送できない」など現場状況によって重機が使用できない場合に行われています。デリケートな作業が必要な場合に柔軟に対応することができます

しかし重機を使った解体に比べて手間と工期がかかることから、コストは重機解体より30~50%程高くなる傾向があります。さらに、廃材を回収するためのトラックが近くに停められない場合はこれらの搬送も手作業となり、解体業者の負担が大きくなり費用の増加につながります。

手壊し解体で使用する道具例

手壊し解体道具一覧
  • ハンマー
    石膏ボードの内壁や土壁を破壊する時などに使用します。
  • チェーンソー
    建物の柱の切断などに使用します。
  • ネコ(手押し車、一輪車)
    廃材を運搬するための手押し車。廃材を運ぶトラックが現場近くに停められない場合などに使用します。
  • バール
    棒状で片側が釘抜き用の割れ目があり、反対側はヘラ状になっている工具です。
  • 解体バチ
    鍬(くわ)のような形をした工具です。バールに似たような形のものもあり、壁を壊す際などに使用します。
  • 小型重機
    通常重機よりもコンパクトなサイズの重機です。車幅が1.5m以下で小回りがききやすいのが特徴です。(通常重機は2m以上)
解体工事の専門家 中野達也

小型重機は一般的な重機とサイズが違うため、手壊し解体の部類に入ります。大型の重機が入れない場所でも大活躍します。

重機搬入不可となる主な原因

現場までの道幅が狭く奥まった場所にある建物に面している道路の幅が2m以下

一般的な重機の幅は2m以上あるから、接道が2m以下だと物理的に不可能です。

道路と敷地に高低差があったり、敷地に入る道が階段状である

クレーン車で対応もできますが、より費用が高額になってしまいます。

隣家との間隔が近い場合や、長屋の場合

長屋は壁が隣家と共有のため手壊し解体必須です。長屋でなくても、隣家が近い場合は万が一大きな重機がぶつかったりしてトラブルに発展する事を避けるために重機不可とする場合もあります。

幹線道路沿いの人通りや交通量が多い場所

人や車の往来が多いと作業が危険なためNGとなる場合が多いです。

近くに病院や学校がある

このような場所は騒音の配慮が必須です。

なやみん

重機が搬入できない理由は、物理的なものから配慮上の問題まで様々なんだって!

小型重機を活用した解体方法

手壊し解体の主な悩みは手作業による工期延長と作業員の負担、そしてそれらによる費用の増額です。もし小型重機を使用する事ができれば依頼主にとっても作業員にとってもメリットしかありません。

  • 狭い場所でも機材が使えるので工期短縮ができる
  • 作業員の負担の軽減・安全性向上につながる
  • 道が狭い、階段がある場所でも対応できることがある

小型重機の例

小型重機一例
  • スキッドステアローダー
    小回りが利く小型のローダー。狭い場所の土砂や廃材の運搬に適しています。
  • ハンドブレーカー(コンクリートブレーカー)
    小型の粉砕機。コンクリートの粉砕に使用します。手軽に持ち運びができ、重機が入れない場所での作業向きです。
  • ミニバックホー(ミニショベル・ミニユンボ)
    小型の油圧ショベル。狭い場所での土砂の掘削や運搬に適しています。
解体工事の専門家 中野達也

小型重機のサイズ感はトラックにも乗せられるくらい小さいです。小型と言え重機ですので、手間と工期を短縮でき、費用削減に繋がります!

トラックで運ばれる小型重機

重機が入らない解体工事の費用相場

重機が入らない解体工事の費用相場

解体工事自体、高い費用がかかるもの。完全手壊し解体の場合、手間と時間の分、より一層費用が高くなる傾向があります。

手壊し解体の費用相場:坪単価の目安

解体工事の費用相場(全国平均)
建物構造・工法坪単価
木造・重機解体約30,000円/坪
軽量鉄骨造・重機解体約35,000円/坪
鉄筋コンクリート造・重機解体約40,000円/坪
手壊し解体40,000円~180,000円/坪
坪単価とは……建物1坪(約3.3m2)の費用単価

【ご注意】
・解体費用相場は『中野達也のスッキリ解体』(運営:『あんしん解体業者認定協会』)の解体工事データから独自に集計したものです。実際の価格帯とは異なる場合があります。
・解体費用相場は2025年月6時点のデータです。実際の価格帯とは異なる場合があります。
・※「ー」は、情報が少なく相場を算出できなかった地域・坪数を示しています。今後、新たなデータが集まり次第、随時更新予定です。

坪単価は、建物の構造・階数・地域・坪数などの要素を元に変動します。解体工事を検討する際、ご自身の状況に合った相場を調べるため、まずは「壊そうと思っている建物がある地域」「建物の構造・回数」「費用」「坪単価」などのワードでインターネット検索してみるのがオススメです。

解体費用の内訳

また、解体費用には建物解体以外にも費用が発生します。解体工事を見積もる際には、費用項目が大きく分けて3つあります。

本体工事費(ほんたいこうじひ)

メインとなる建物本体の解体費廃材の運搬・処分費などを指します。見積もりの基本となる部分です。

付帯工事費(ふたいこうじひ)

建物内に残っている家具などの残置物の処理費、塀や庭の樹木など外構の撤去費アスベスト除去費など、本体以外の工事にかかる費用です。

諸経費(しょけいひ)

契約書の作成や許可申請のための各種申請費、現場の安全管理や作業員の確保の手配をする現場管理費など、工事に関わる必要費用です。

解体工事の専門家 中野達也

この他にも、工事に入るための準備にかかる「仮設工事費」や「消費税」などがあります。金額の内訳比率としては、本体工事費が全体の約6割を占め、続いて付帯工事費が約2割、消費税、仮設工事費・諸経費と続きます。

手壊し解体はなぜ費用が高いのか:要因3選

手壊し解体がなぜ通常の解体工事よりも費用が高額になりがちなのか。主な原因を説明します。

工期が長くかかるため

本来重機で進めるような作業を手作業で行うため、単純に時間がかかります。また、安全確保は疎かにできない重要項目です。作業員の安全を確保しつつ作業を進めるため、工期が長くなり付随して人件費が多くなります。

作業員の負担が大きいため

こちらについても、人間のパワーをゆうに超える重機が使えないという事は、作業員の体力的な負担もかなり多くなってきます。中には体力のある若い作業員を持たない解体業者もあり、そのような場合は手壊しは受け付けないという業者もある程負担大きい工事内容です。

時間と負担がかかる分、人手が多く必要になるため

じゃあ、少しでも作業員の負担を減らし工期を短くするか。もう人手をを増やして対応する他ありません。そうなると増えた人数分の人件費が加算されてきます。

解体工事の専門家 中野達也

上記のとおり、手壊し解体は基本的に解体費用が高くなりがちですが、同じ作業でも業者によって費用が左右する事もあります。

手壊し解体の費用を左右する要因

なぜ同じ建物の解体工事でも、業者によって費用が変わってくるのか。一番大きなポイントは「業者の特性」です。

例えば、業者が自社で小型重機を持っていればリース代はかからず作業ができます。他にも体力的な側面で、若い人材が多い業者なら作業をスピード感をもって対応してくれるでしょう。

業者によって状況は様々ですので、業者選びの際はぜひ業者のホームページ(サイト)や口コミも確認してみましょう。

重機が入らない解体工事の注意点

重機が入らない解体工事の注意点

手壊し解体に限らずですが、多くの人が解体工事に踏み切る際に気になっているのが「解体費用」と「近隣トラブル」の2つです。

手壊し解体を依頼する際に認識しておきたい大前提

手壊し解体は工期が長くなるという事をあらかじめ認識として持っていましょう。
手壊し解体は人力で作業を進める分、重機解体よりも長い期間を要します。そして、追加工事など想定外の事が起こるとそれも通常より長くなる可能性が高いです。建て替え等で解体工事の後のスケジュールも決まっている場合、解体工事の遅れによるスケジュール変更には追加費用が発生したり、最悪の場合スケジュール調整ができず着工が不可能になるという可能性も考えられます。発注は余裕を持って行いましょう。

抑えておきたい手壊し解体注意ポイント

近くにスペースがある場合は使わせてもらえるか交渉する

手壊し解体で重機やトラックが入れない理由として多いのは、「現場までの道路が狭い」「道路と現場の接地面が狭い」など狭さが理由になるケースです。現場の敷地内に入るのは難しくても、隣の空地や駐車場にトラックやが停められることで小運搬の費用を削減する事ができます。その額数万~数十万円安価になる事もあるので見逃せません。
小運搬……重機を使わずに手作業で材料や廃材を運搬すること

ご近所への配慮を忘れない

長い時間業者が道を占領してしまったり、気を付けていても小運搬中に歩行者と接触事故が起きてしまう可能性は通常工事でもゼロではありませんが、そのリスクも工期に比例して増えてきます。近隣の方々に不便をかけたり、不安な気持ちをさせてしまう可能性を考慮しましょう。そのためには、依頼主本人による事前の共有説明現場周辺の都度清掃をきちんとしてくれる業者に依頼したりしましょう。

ネガティブなことばかりじゃない!手壊し解体のメリット

費用が高額だったり、手間がかかったり、ここまでネガティブなイメージが多かった手壊し解体ですが、もちろんメリットも多数存在します。

騒音・振動・粉塵(ふんじん)の発生を抑えることができる

解体工事にはどうしても騒音や振動、粉塵の発生が付き物です。しかし、重機を使用しない分騒音や振動は小さく、粉塵が舞う量も抑える事ができます。病院や学校が近く大きな音が出せない現場でも採用されており、近隣への影響を抑えられます。

狭い土地や地形が特殊な土地などでも対応できる

入口が狭かったり階段だったり、物理的に重機が入れないような場所でも対応ができます。

細かく繊細な作業にも対応できる

隣の部屋と壁が共用である長屋や保護対象である文化財など、慎重さが求められる作業にも用いられています。また、必要な部分だけ壊す部分解体にも向いています。

より安全に作業を進めることができる

重機を使った作業はスピード感と効率は良いものの、時に隣家の壁や車を傷つけてしまったり、作業員が重機車両の下敷きになって怪我をしたり、最悪の場合命を落としてしまう可能性もあります。手壊し解体ではピンポイントな作業が可能なため、隣家を傷つけてしまうことや作業員の怪我などのリスクは大幅に減らす事ができます。

実例で解説!重機が入らない解体工事の成功事例

実例で解説!重機が入らない解体工事の成功事例

ここでは重機が入れず手壊し解体になり、通常の費用相場からどのくらいの費用変動があったか、高騰しがちな手壊し解体の費用面についてはどうやって抑えたのか実際にあったエピソードを紹介します。

実例1.桜木さんの場合:木造2階建て住宅・条件付き借地返却の解体工事

桜木さんの背景

桜木さん(仮名)の自宅は借地に建てられていましたが、地主より土地の返却を求められました。借地契約の原状回復義務より、借地人である桜木さんは建物を解体し更地にして地主に返還するという義務があります。地主からの条件は「建物と敷地内の樹木、物置は撤去して返却」と条件を伝えられていましたが、敷地に接している道路の幅「接道」が2m以下とかなり狭く、尚且つ道路に面したコンクリートブロック塀は残さないといけない状況でした。

背景続き

幅が狭く小型重機すら入れず、建物の基礎部分も含めて全手壊しが必須。あまり解体には詳しくない桜木さんは比較サイトを通じて何社か見積もりを取りました。しかし、通常の重機解体なら100万円程の費用相場で済むところが、諸々の条件より金額は倍の200万円から多い業者では400万円と出す業者も……。あまりに高額な費用に桜木さんは頭をかかえてしまいました……。

地主の条件は守りつつ、必要なものだけを解体。更に土地の出入り口が狭くて重機が使えないという難しい工事です。この条件だと、どうしても解体費用は高額になってしまいがちです。

このような場合、費用面は諦めるしかないのでしょうか……?

桜木さん:対策と結果
対策の詳細はこちら

やはり費用面は誰しもが気になるところ。桜木さんも、費用面をできる限り抑える事はできないかと解体業者に相談をしてみました。すると、解体業者から桜木さんに協力して欲しい2つの提案がありました。その内容は、「トラックを駐車するために一番近い駐車場を確保すること」「地主と撤去条件を交渉してもらうこと」。

一つ目の駐車場確保について。手壊し解体の際廃棄物の運搬も手作業になる場合が少なくありません。その手間の分費用がかかってきます。少しでも近くにトラックを入れる事ができれば、手作業で運搬をする距離を少なくする事ができるため、費用削減が可能となります。二つ目の地主との条件交渉について。今回の場合コンクリートブロックを少しだけ撤去させてもらい接道を広くする事ができれば、小型重機が使えるようになり費用削減が可能となります。しかし、言わずもがな勝手に設備を壊すわけにはいかないので借主である桜木さんと地主との交渉が必須です。

少しでも費用を抑えられるなら、という思いで桜木さんは解体業者からの提案を実行。駐車場の持ち主や地主との交渉も上手くいき、結果180万円で無事に解体を完工する事ができました。

参考:桜木さんの見積書 ※各交渉をした結果

※画像クリックで拡大できます

桜木さん(仮名)の見積書1
桜木さん(仮名)の見積書2
桜木さん(仮名)の見積書3
桜木さん(仮名)の見積書4
桜木さん(仮名)の見積書5
解体工事の専門家 中野達也

各交渉をした結果、費用を抑えることに成功しました。交渉次第で結果が大きく変わることはよくあるので、諦めずに検討してみてください!

実例2.赤木さんの場合:木造2階建て住宅・土地の奥にある建物のみの解体工事

赤木さんの背景

赤木さんは同じ土地の中に複数の建物を所有していました。手前側には赤木さんも実際に住んでいるビル、奥の旗竿地には空き家となっている木造住宅があり、今回は奥の木造住宅のみ解体をしたいという希望です。旗竿地(はたざおち)とは、竿に旗がくっついているような形の事から、「道路に接している出入り口部分が細長く、その奥にまとまった敷地がある土地のこと」を指しています。そのような場所のため、重機を入れる事ができず小運搬と手壊し解体になる事が決定していました。

赤木さんも重機を使う事ができれば100万円程で済みそうな解体工事でしたが、通常より手間がかかる手壊しに小運搬の費用も重なり、見積もり額は220万円……。なんとか費用を抑えられないかと見積もり比較サイトへ問い合わせをしてみました。

この事例は、事例1と違い、手前が現在住んでいる建物のため間口を広げることができません。住宅密集地にはよくあるケースです。

赤木さん:対策と結果
対策の詳細はこちら

見積もり比較サイトから解体業者を紹介してもらい、状況を説明した赤木さん。やはり全手壊し工事で大変なのは建物の基礎部分の解体。建物をしっかりと支えられるように頑丈な作りをしているため労力も時間もかかります。現地調査を終え、業者から費用対策として提案されたことは「今回は基礎の解体をしない」という事。幸い、今回建物は解体希望があったものの、基礎までは解体の必要がなかった事、そして同じ敷地内にいずれ解体する予定のビルがあるという事が費用削減の希望になりました。

手前側のビルがあり重機が入れない事が今回手壊しになった原因なので、ビル解体時に一緒に作業をすれば重機解体で費用を抑えて解体ができるという事で話がまとまり、費用は147万円と73万円程も抑える事に成功。無事木造空き家を解体する事ができました。

参考:赤木さんの見積書

※画像クリックで拡大できます

全手壊し実施の場合

赤木さん(仮名)の見積書、全手壊し

基礎を残した場合

赤木さん(仮名)の見積もり書、基礎残し

赤木さんは急ぎじゃない部分は残して費用を抑えることに成功しました。

自身が所有している土地と建物という状況下のためできた事で、少々特殊ではあります。しかし、実際手壊し解体になる理由として旗竿地にあるって事例はかなりポピュラーです。どうしても手壊しで基礎を解体しなければならない時は、近くに場所を確保するなどちょっとした工夫は考えてみることをオススメします。

とはいえ不慣れな状況でどんな解決策があるかのアイデアを考えることは難しいと思います。このような時は業者や解体マッチングサイトのプロを遠慮なく頼りましょう!

解体工事の専門家 中野達也

プロはこういう時のノウハウもたくさん持っているので、気軽に相談してみましょう!

狭い土地でも安心して依頼できる解体業者の選び方

狭い土地でも安心して依頼できる!解体業者の選び方

解体工事をすることになったら、解体業者を決めなくてはなりません。しかし、解体を取り扱う業者は少しでも解体事業に触れてる業者も含めると全国に約75,000社ほどあると言われています。実際に解体工事をした人たちはそのような膨大な数の中から、どのように選んだのでしょうか。

この章では手壊し解体に合った優良業者を選ぶコツを解説します。

【手壊し解体・狭小地】安心できる解体業者選びのポイント8つ

※各項目をクリックすると詳しい説明が見られます

1.建設業許可証または解体工事業登録を持っていること

解体工事を行うためには「建設業許可」もしくは「解体工事業登録」が必要です。

建設業許可」は、建設業法で定められた「建設工事を請け負うための許可」で、全部で29種類に別れます。解体工事を行うためには、その中で「29 解体工事」の許可を得ている必要があります。建設業許可を保有していると、解体工事の施工金額を問わずに請け負うことが出来ます。

解体工事業登録」は、建設リサイクル法で定められた「解体工事を行うために必要な登録制度」です。この登録を行っていれば、建設業許可を保有していなくても「税込み工事費500万円未満」の工事を請け負うことが出来ます。一般家屋の解体工事で500万円を超えることはレアケースなため、解体工事業登録のみを保有している解体業者も多く存在します。解体工事業登録は、営業所(事務所)を置く地域だけでなく、工事を行う地域を管轄している都道府県、それぞれで申請する必要があります。

許可や登録がない解体業者による工事は違法なので、解体業者を探す場合は、建設業許可証もしくは解体工事業登録を取得していることを必ず確認しましょう

2.損害賠償保険に加入していること

工事中は、瓦礫の隣家への接触・重機の横転などの事故のリスクがあるため、工事業者は損害賠償保険に加入するのが一般的です。しかし、安全意識が低かったり保険料を浮かせたいと考えていたりする解体業者の中には、保険に加入していないところも存在します。

そのような解体業者に依頼すると、解体費用が抑えられていても事故発生時のリスクが上昇します。そのため解体業者を選ぶ際は、損害賠償保険に加入していることもひとつの条件にしてみてください。

3.見積もりが相場から外れすぎていないこと

解体費用はできるだけ抑えたいものですが、相場よりも明らかに外れている場合には注意が必要です。

解体業者によってある程度費用を抑えることは出来ても、相場を大きく下回ることは基本的に不可能だからです。

建物の取り壊しでは「削ることの出来ない費用」があります。工事に携わる職人の人件費や建物の養生費、廃材の処分費などが該当します。つまり、提示金額が相場を大きく下回るということは、これらの費用を不当ないし違法に削っている可能性が高いのです。

違法な賃金での労働強制、不十分な養生による近隣被害、廃材の不法投棄……これらを行う解体業者に依頼しても、完工までの良好な対応は期待できません。

4.信頼できる担当者であること

解体業者の担当者とのフィーリングも大切です。見積もり時に担当者の対応に少しでも違和感を覚える点があれば、万が一のトラブル防止のため他の解体業者の利用を検討したほうがいいでしょう。

また、連絡がつきにくい解体業者にも注意してください。優良解体業者であれば、忙しくても一両日中には折り返し連絡をしてくれます。なかなか連絡が取れない解体業者は、何かトラブルが発生したときの対応にも遅れが出やすいため、できるだけレスポンスの早い解体業者を選ぶのがおすすめです。

5.自社施工であること

自社で施工を行わないブローカーに工事を依頼すると、工事に関する細かい要望が下請けまで連携されずに、ずさんな工事をされる可能性があります。また何らかのトラブルが発生したときに、ブローカーが責任を取るのか下請け業者が責任を取るのかで揉めるおそれもあります。

ブローカーに当てはまりやすい特徴として、日本全国から解体工事を請け負っていることが挙げられます。そのため解体業者を選ぶ際は、その解体業者が地域に密着しており自社施工なのかということもチェックしてみましょう。
ブローカー……取引の仲介をする人や企業

6.マニフェストを発行してくれること

マニフェストとは、解体工事で発生する廃棄物の収集・運搬・処理までの過程において、各段階で担当する業者に記入・押印してもらう管理票のことです。

このマニフェストによって廃棄物が適正に処理されたことが確認できるため、ぜひ解体業者にはマニフェストの写しを請求してみましょう。マニフェストは作成が義務付けられているため、優良な解体業者であれば必ず発行してくれます。

マニフェストに押印漏れがあった場合は不法投棄の可能性が高くなりますが、漏れがなければ廃棄物が適正に処分されたという証明になります。

7.複数の業者を見積もり比較すること

解体工事にかかる費用や、工事をする作業員の雰囲気は、それぞれの解体業者によって異なります。

複数の解体業者から見積もりをとって比較・検討することが、家の解体工事費用を抑えることにつながります。工事費用の設定は解体業者によってバラつきがありますが、安すぎる価格は手抜き工事や近隣トラブルを招くリスクもあるため注意が必要です。相見積もりで費用の相場を把握し、適正価格かどうかを判断しましょう。

8.ホームページはここをチェックしよう

「この解体業者いいかも!」となるホームページを見つけた後は、見積もり依頼の前にホームページから「本当に良い解体業者かどうか」を確認してみましょう。

以下のポイントをチェックしてみてください。

「会社概要」の連絡先・所在地

まず、連絡先と所在地はしっかり表記されているでしょうか?所在地については、その住所にきちんと会社が存在しているかを確認し、事務所を構えられているかを確認します。

ここで注意すべきは、アパートの一室を所在地としている解体業者です。

解体業者の中には、運営が危うくなると会社を潰してまた新たに会社を立ち上げるなど、自転車操業でなんとかやりくりしているところもあります。

そのような解体業者はアパートの一室を事務所とし、所在地にしていることがあります。

■工事の実績をチェック!

検討中の解体業者は、ホームページに実績や事例を載せているでしょうか?実績や事例を載せられる解体業者は業務を正しく行えているということですね。

また、事例を写真つきで載せている解体業者は、それと同じような建物を解体したいという方に向けて発信しています。自分が解体したい建物と似た条件の建物の写真がないか、チェックしてみましょう。

こんなものを載せている場合も要チェック!
①ブログやSNS・YouTube等
ブログやSNS・YouTubeなどで日々の活動を発信している解体業者は、一般のお客様に見つけてもらおうという努力が伺えます。内容から働きぶりや雰囲気が伝わる上、更新頻度が高い解体業者は積極的に活動していると言えます。

②代表あいさつやスタッフの写真
代表あいさつのページなどにある代表やスタッフ陣の写真は、「どんな人たちが仕事をしているか」ということを確認する良い機会です。「顔を出してもいいくらいしっかりと仕事をしている」ということが分かるほか、仕事中の雰囲気を伺うための機会となるでしょう。

(参照:一般社団法人あんしん解体業者認定協会 解体無料見積ガイド 解体工事で失敗しない業者選び 優良解体業者の基準8選

【大前提!】許可の有無と実績の確認

これは大前提ですが、依頼する業者はしっかりと許可を持っていてかつ工事の実績があるところがマストです。
許可がない業者や過去に処分を受けている業者もたくさんあるので依頼前に下記サイトを利用してネガティブ情報や許可の有無をチェックしてみましょう。

解体工事の専門家 中野達也

当たり前かもしれませんが、依頼するならクリーンな業者がいいですよね。

口コミや評判からどんな業者なのかを分析する

依頼する業者を絞ったら、ぜひ口コミもチェックしてみましょう。その際に気にしてみて欲しいポイントを紹介します。

点数よりも内容を確認してみましょう

どんな業者なのかはコメントを見てみた方が情報が得られます。

感情などの感想ではなく、実際に起こった事象を探してみましょう

「どう思った」等の感想は、人によって受け取り方が変わってくる部分です。「どんな事が起きたか」という事実であれば信ぴょう性は高まります。

Google口コミとその他媒体の口コミがあれば内容を比較してみましょう

様々な視点から情報を比較してみましょう。

低い評価の口コミほど確認してみましょう

高評価の時よりも事実が記載されている場合が多いです。

【注意】口コミを確認する際のミソ

これは解体業者探しだけに言える事ではありませんが、口コミというのは全て事実が載っている訳ではありません。例え事実だとしても、人によって感じ方が異なる事もありますし、事実が誇張されている事もあるかもしれません。そして中にはサクラと言って口コミ対象をよく見せようと嘘の投稿をする人も残念ながら存在します。

詳細はこちら……

そんな中でどうやって業者の善し悪しを見極めるか。
まず、「こんな事があった」「こんな対応だった」など、事実が書かれた口コミを探してチェックしてみましょう。その業者が実際にどんな対応をする業者なのかを判別する材料になります。

また、高評価ばかりの業者には注意です。本当に良い会社で高評価のみ……なら良いのですが、低い評価の口コミは非公開にしたり、偽の良い評価の口コミを捏造して多数投稿している場合もあります。良い評価の口コミでも「具体性がない口コミ」や「同じような文章が多数投稿されている」ようなところは要注意かもしれません。

事実をしっかりとチェックできれば、低い評価の口コミも有益な情報源になります!
実際に自分が依頼するとなった時、「こんな事があるかもしれない」という心構えができますし、気になる点は現地調査で業者に直接質問をする事もできます。

そして一番のポイントは自分が依頼したい工事に強い業者を選ぶことです。
解体業者と一口に言っても強みと弱みは業者によって様々です。「こんな工事を対応してもらった」「こんな作業が得意と言っていた」という書き込みは有力情報!自分と同じような状況で工事依頼していて「良かった」というような口コミが多い業者はその案件に強い業者の可能性が高いです。
今回の場合なら「手壊し解体」「重機が入れない」等のキーワードが入っていたら良いかもしれません。

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まとめ:重機が入れない解体工事で損をしないためのポイント

今回は重機が入らないような狭い土地の解体工事、手壊し解体、手壊し解体にかかる費用について解説しました。

通常、費用が高くなりがちな手壊し解体ですが、複数の業者から見積もりを取り、費用を抑えるポイントを実践することで出費を最小限に抑える事が可能です。

解体工事の専門家 中野達也

ぜひ、この記事で紹介した費用相場・業者選びのポイント・注意点を参考に信頼できる業者を選び、安全かつ適正価格で解体工事を実現しましょう。まずは、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することから始めてみてください。

この記事の監修者

中野達也。一般社団法人あんしん解体業者認定協会理事。解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

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この記事を書いた人

「中野達也のスッキリ解体」専属ライターとして活動する解体工事の専門家。「なるほど!」「へぇ~」をお届けできるコラム作成を目指す新米ライター。時にはイベント司会としても活動中。

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