
長屋って他の人も住んでるけど、自分の都合で解体していいのかな……?
長屋に複数の所有者がいる場合、その1人の独断で解体工事をしてはいけません。
梁や柱、基礎などを共有しているケースでは、建物の構造設計を明らかにする構造計算が必要になります。また、それぞれの所有者の意向や認識をすり合わせたり、隣家や入居者への配慮も必要です。
本記事では、長屋を取り壊す際に起こり得るトラブル実例を参考に、長屋解体の細かいルールや周囲への配慮について解説します。
- 長屋の所有者が複数いる場合はそれぞれの承認と、施工内容のすり合わせが必要
- 梁や柱、基礎、境界線などを共有している場合は専門家による構造計算を行う
- 戸建て住宅の解体費用より5割ほど高額になる傾向がある
【中野から読者の皆様へ】
この記事は、鉄骨造の建物の解体という大きな決断を前に、不安や疑問を抱える全てのオーナー様のために作成しました。最新の法規制や専門家の知見に基づき、読者の皆様が後悔のない判断を下せるよう、正確で実践的な情報のみを提供することをお約束します。


一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
中野達也
解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。…続きを読む


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長屋の切離しにまつわる基本知識


長屋(ながや)とは



まずは長屋の定義や特徴を理解しましょう!
※クリックで詳細が読めます
長屋の定義と種類
長屋とは、2つ以上の戸建て住宅が壁を共有し、それぞれ独立した玄関を持つ集合住宅です。アパートやマンション(共同住宅)のようにエントランスや廊下、階段などの共用部分はありません。「テラスハウス」や「タウンハウス」、関西地方では「文化住宅」と呼ばれることもあります。
長屋は名前の通り「長い」建物で、複数の住戸が横に連なっているのが特徴です。また、隣家同士が壁を共有しているつくりのため建築コストが低く抑えられ、結果一戸建てや共同住宅よりも家賃が安く設定されている場合が多いです。
長屋は主に「棟割長屋(むねわりながや)」と「重層長屋(じゅうそうながや)」の2種類があります。
棟割長屋:住戸が壁を挟んで横並びに配置されている
重層長屋:1階と2階が別々の住戸になっており、2階住戸には直接外に続く階段が設けられている


「長屋」と「タウンハウス」の違いって何?
隣同士が連なっている建物という点はどちらにも共通していますが、庭や駐車場を含む土地の所有者が異なります。長屋は基本的に共有部分がないため住戸と敷地はそれぞれの所有物であるのに対し、タウンハウスは庭や駐車場が共有のため住戸とは別に建物全体の土地所有者がいる事が多いです。似たような名称の「テラスハウス」という建物もありますが、これは長屋に近い建物です。
アパート・マンションと長屋の違い
どちらも複数の世帯が住む「集合住宅」ですが、建物の構造と法律上の扱いに決定的な違いがあります。最も大きな違いは、「各住戸の玄関から、共用の廊下や階段を通らずに直接外へ出られるかどうか」という点です。
下の画像では、アパートの方に2階へと続く階段が設置されていると分かります。


長屋の切り離しや解体が増加している理由
老朽化と耐震性の問題
長屋は多くの場合古い建物であり、老朽化が進んでいます。特に耐震基準を満たさない場合、住民の安全を確保するために一部または全体の解体が必要とされることがあります。
住環境の改善
近年、プライバシーや騒音問題が重視されるようになり、隣接する住戸との間を切り離して新たな居住スペースを作るための解体工事が増加しています。
空き家の増加
長屋に限らず、昨今は空き家が増加傾向にあります。その背景には所有者の高齢化などがあります。



長屋の切り離し工事は全国的にも増えてるんだって!
老朽化した長屋を放置するのは危険
老朽化した長屋を放置すると「物理的・安全上のリスク」「法的なリスク」「経済的なリスク」の3つが生じます。
これらは個々の所有者だけの問題ではなく、周辺住民や地域社会全体に悪影響を及ぼしかねません。
老朽化した長屋を放置するのは危険
老朽化した長屋を放置すると「物理的・安全上のリスク」「法的なリスク」「経済的なリスク」の3つが生じます。
これらは個々の所有者だけの問題ではなく、周辺住民や地域社会全体に悪影響を及ぼしかねません。
物理的・安全上のリスク
・倒壊や一部落下による危害
建物の一部が落下、最悪の場合は建物全体の倒壊につながります。
(人身・物損事故、近隣への被害)
・湿気やシロアリ等による劣化の加速
日本の高温多湿な気候は、木造建築物にとって劣化を早めてしまう原因にもなります。
(構造材の弱体化、建物の寿命短縮)
・害虫・悪臭・警官悪化など周囲環境への悪影響
老朽化した長屋の放置は、ネズミや害虫の発生源になったり、悪臭が発生したり、景観や治安が悪化したりなど、周辺の生活環境にも影響を及ぼします。
(近隣住民の生活環境悪化、不法侵入・犯罪誘発)
法的なリスク
・第三者への損害賠償責任
建物の放置によって第三者に損害を与えた場合、法的な損害賠償責任を負う可能性があります。
(民法(不法行為)、連帯責任の発生)
・空家法・条例による指導・勧告
適切な管理が行われず、改善されないまま放置すれば特定空き家等に該当しうる空き家に対して「指導」、それでも改善しない場合は「勧告」が可能となります。
(行政指導、命令、代執行の可能性)
・固定資産税特例の解除
例え長屋の1室のみだとしても、空き家放置により管理不全と判断されれば、固定資産税が突然大幅に増額されるリスクがあります。
(税負担の増大)
経済的なリスク
・資産価値の低下
老朽化した空き家は、その状態が悪化するほど、解体や売却といった選択肢の実行が困難になってきます。
(売却困難、収益性喪失)
・管理・修繕コストの増大
放置期間が長くなるほど、必要な修繕や解体にかかる費用は増大し、最終的には維持管理コストが資産価値を上回る「負動産」となるリスクが高まります 。
(費用対効果の悪化、「負動産」化)



周りに迷惑がかかっちゃうのは嫌だな……
長屋切り離し時のトラブルと解決策


建物構造上の問題によるトラブル
梁(はり)や柱(はしら)を近隣と共有している
複数の住戸で梁や柱を共有している場合、一部解体によって建物の構造全体の安全性が損なわれる可能性があります。構造設計の専門家が構造計算(こうぞうけいさん)※を行わないと解体を進められず、解体業者単独では対応できなかったり、倒壊の危険性があるため解体業者に責任が帰属しない旨の覚書(おぼえがき)※が必要となったりするケースもあります。
※構造計算(こうぞうけいさん)
建築物の構造部分にかかってくる自重や積載荷重、さらに積雪・風圧・土圧・水圧・地震・衝撃などの外力に対し「安全かどうかを確かめるため」応力(建物の構造内部に生じる抵抗力のこと)や断面・接合部・基礎などを計算すること。
※覚書(おぼえがき)
契約に付随する事項の合意内容を記載する書面。合意があったことを証明する効力がある。取り交わす場合は当事者双方が署名押印を行う。
基礎を近隣と共有している
図面がなく基礎がどのように繋がっているか不明な場合、解体後に隣接する敷地に基礎の一部が残ったり、残す側の基礎を破損させてしまうことがあります。解体業者は基礎の補修に対応できない場合が多いです。
解体後に境界が変わってしまう
共有の柱を撤去する際、柱の半分が解体対象地の境界を超えることが多く、特に売却時には認識のズレからトラブルが生じる可能性があります。



長屋の一部を隣家と共有している場合は、建物の構造を確認しましょう。それぞれの箇所の所有者が誰なのかをハッキリさせることが大切です。
近隣住民との合意形成・補修に関するトラブル
隣家との意見が対立する
解体工事や切り離し後の補修に関して、隣家の所有者との合意形成がスムーズにいかない場合があります。どのような同意書が必要か、補修方法(トタン、板金、石膏ボードなど)の選択で意見が対立することもあります。
補修後の耐震性への懸念
解体後の切り離し補修が建物の耐震性に影響を与えるのではないかと隣接住民が懸念し、トラブルに発展するケースがあります。解体業者は耐震性の判断が難しく、専門家(工務店、建築家)の意見が必要となる場合があります。高額な構造計算費用がさらに紛争を招くことも。
入居者への配慮
解体工事中の騒音や振動に対する入居者の不満から、工事が中断・中止になることがあります。仮住まいの提供などの配慮が必要になることもあります。
不動産業者の介入
解体対象の借地権を狙う不動産業者が、隣接する物件の管理会社を通じて解体への不安や不満を所有者に伝え、工事が頓挫する事例があります。



長屋の所有者が複数いる場合は、解体工事の内容に関する合意が必要です。
長屋の切り離しでトラブルを避ける7つの方法
1.必ず隣家の承諾を得る
長屋の共有部分は共同の資産です。きちんと共有している全員の承諾を得てから工事を進めましょう。また、承諾が取れたら必ず書面で同意を残しましょう。工事内容・期間・費用負担・補修の責任範囲などを具体的に明記し、双方が納得した上で同意書を交わすことが重要です。
2.工事計画を明確に丁寧に説明する
具体的な工事内容、隣家にどんな影響が発生するのか、作業時間や工事期間などのスケジュール、騒音・防塵対策をする旨など、ご近所さんに安心してもらえるようにあらかじめ説明しましょう。
3.工事中の配慮とコミュニケーションを忘れない
定期的に作業の進捗を報告したり、不明点・不安点を都度確認しましょう。もし騒音や振動の苦情があった場合は必要に応じて対策をしましょう。また、施主と施工業者の連絡先を隣家に伝えておき、何かあった際にすぐに連絡が取れるようにしておくのがベストです。
4.建物の構造を事前に図面などで把握しておく
各自が所有する部分の確認や、建物全体の耐震補強の必要性を事前に把握しておきましょう。そして、倒壊リスクやその他問題がある場合は対処しておくことで信頼感が伝わります。
5.日頃から良好な関係づくりを心がける
近隣とは日頃から良好なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築いておくことが、いざという時の協力につながります。具体的には、普段から挨拶を交わす、困っていることがあれば助け合うなど、小さなことでも良いので心がけてみましょう。
6.工事前には丁寧に挨拶回りを
着工(工事開始)の1週間~10日ほど前までに、隣家だけでなく工事車両の通行などで影響が出そうな周辺の家に挨拶回りをしましょう。業者と一緒に伺う事で誠意が伝わりやすくなります。また、工事の概要(工事名、場所、期間、作業時間、施工業者名、連絡先など)を記載した挨拶文を準備し、手渡しで説明し、留守の場合はポスト投函できるよう準備しておくとスムーズです。
7.感謝の気持ちを忘れないように
工事が完了したら改めて、協力してもらった事へ感謝の気持ちを伝える挨拶回りを行いましょう。



業者選びの時に、上記に加えて作業が丁寧で信頼できる解体業者を選ぶことも近隣への配慮に繋がります!
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長屋切り離しの費用相場


長屋切り離しの費用相場
長屋の切り離し費用は、戸建て住宅の解体費用と比べると高額になる傾向にあります。
下の表では戸建て住宅より5割ほど高額になっているのがわかります。
(木造2階建て・20坪/66m2の目安) | 【長屋解体】解体費用比較表||
---|---|---|
費用項目 | 単独戸建て | 長屋 |
本体工事費 | 約40万~80万円 | 約50万~100万円 |
整地費 | 約10万~20万円 | 約10万~20万円 |
廃棄物処理費 | 約20万~30万円 | 約25万~35万円 |
構造補強・補修費 | – | 約20万~40万円 |
境界確定・測量費 | – | 約15万~30万円 |
諸経費 | 約10万円 | 約10万~15万円 |
合計金額 | 約80万~140万円 | 約120万~200万円以上 |
【実例】長屋切り離しの見積書
【建物情報】
木造一部RC造2階建て・約25坪・大阪府
kaitaikoji-nagaya-11
※画像左下ボタンにてページの変更と縮小/拡大ができます。
長屋解体が高くなる4つの理由



長屋の解体工事が高くなる原因は4点だよ!一緒に確認しよう!
複雑な構造の作業対応のため
長屋の切り離し工事では、解体する部分と残す部分の構造的な安定性を確保しながら作業を進める必要があります。通常の解体のように一気に壊せないため手間と時間がかかります。
工事中の隣家への影響回避のため
共有壁を解体する際に隣接する住戸への振動・騒音・粉塵・構造的な損傷を与えないよう、細心の注意を払う必要があります。これにより、防音・防振対策、養生の徹底など、通常の解体にはない追加の作業や費用が発生します。
手壊し作業の増加のため
隣接する部分との境目を慎重に切り離すためには、手作業や小型の工具を使用する場面が多くなります。これにより、作業員の労力と時間が増加します。
専門技術と経験が必要なため
長屋の切り離し工事は、通常の解体工事よりも専門的な知識と経験が求められます。構造を熟知し、隣家への影響を最小限に抑えながら安全に作業できる業者でなければ対応が難しいため、それだけ費用も高くなる傾向があります。



近隣への配慮や特殊な作業が増えるほど、解体費用は高くなります。
長屋の解体費用を抑えるポイント
相見積もりをする
複数の業者から見積もりを取得し比較することで、実際の費用相場がわかります。通常、見積もり段階では費用はかからずにできるので相見積もりはマストです。
依頼したい作業が得意な業者を選ぶ
今回のような長屋解体など特殊な作業・条件での解体工事は、その作業が得意な解体業者に依頼すれば費用を抑える事ができます。これは各業者の工事実績やノウハウなどを元に、より詳細な見積もりが可能なためです。
自治体の補助金・助成金制度を利用する
自治体によっては、条件に合致すると補助金や助成金を申請できます。金額や対象は自治体によって様々ですが、視野に入れるのもよいでしょう。但し、条件の兼ね合いや工事内容によっては、申請しない方が結果的に費用が安く済む場合もあるので注意が必要です。
【長屋の切り離し編】信頼できる解体業者の選び方【5つのポイント】


- 長屋の解体(切り離し)に必要な許可を持っているか
- 長屋の切り離し工事の経験や実績はあるか
- 複数の業者から相見積もりを取って比較検討する
- 見積もりの内容や説明に不明瞭な点はないか
- アフターサポートや保証内容を確認する
ポイント1:長屋の解体に必要な許可を持っているか
解体工事を請け負うには「建設業許可」または「解体工事業登録」が必要です。
また、産業廃棄物を自社で収集運搬・処理する場合は「産業廃棄物処分業許可」「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要になります。こちらは必須の資格ではありませんが、ほとんどの解体業者は保有しています。



必要な許可を取得していない、許可証の有効期限が切れている、許可証が有効なエリア外などの施工は違法になるので必ず確認しましょう!
国土交通省の「ネガティブ情報検索サイト」などでチェックできます。
専門用語を確認する
建設業許可(けんせつぎょうきょか)
建設業法で定められた建設工事を請け負うために必要な許可。29.解体工事業もしくは建設業許可一式という表記が確認できれば許可があると判断してよい。この許可があれば、金額を問わずに施工ができる。
解体工事業登録(かいたいこうじぎょうとうろく)
建設リサイクル法で定められた解体工事を行うために必要な登録制度。登録を行っていれば建設業許可を保有していなくても解体工事を請け負えるが、工事規模は500万円以下のものに限られる。
産業廃棄物処分業許可(さんぎょうはいきぶつしょぶんぎょうきょか)
産業廃棄物の処分を事業として行う場合に必要な許可証。都道府県知事より交付される。
産業廃棄物収集運搬業許可(さんぎょうはいきぶつしゅうしゅううんぱんぎょうきょか)
産業廃棄物の収集・運搬を事業として行う場合に必要な許可。こちらも都道府県知事より許可を得る。※収集・運搬のみを行い、最終的な処理を別業者へ依頼する場合はこの許可で可能。
※クリックで詳細が読めます
ポイント2:長屋の切り離し工事の経験や実績はあるか
業者のホームページをチェックする
業者のホームぺージでは、業者の電話番号や住所、必要な許可の有無など業者の基本情報が確認できます。中には、施工写真や社員の写真を掲載している業者もあります。
口コミや評価をチェックする
口コミサイトや業者のホームページ、SNS(Instagram・Facebook・Xなど)でリアルな意見をチェックしてみましょう。「こんな作業を依頼した」「こんな対応をしてくれた」などの事実を記載していたり、内容に具体性があるコメントは信ぴょう性が高いでしょう。



この他にも、電話越しの会話や現地調査で立ち会った時の印象も覚えておきましょう。実績だけでなく、自分とフィーリングが合う業者を選ぶ事も重要です。主観的にピンとくるという感覚も大切に!
ポイント3:複数の業者から相見積もり(あいみつもり)を取って比較検討する
膨大な解体業者の中から自分が依頼するベストな1社を見つける事は、かなり骨が折れる事かと思います。そんな時には解体工事の無料一括見積もりサイトを利用してみましょう。比較する事で費用の相場感を確認できます。
また、各業者が通常どんな施工に強いのか、どんな雰囲気の業者なのか等のデータを持っていますし、業者を選ぶためのアドバイスや疑問があればオペレーターに相談も可能です。


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ポイント4:見積もりの内容が不透明ではないか
誰しも解体業者を選ぶときには、現地調査に立ち会ったり、見積書の内容を確認したりして依頼する業者を決めるかと思います。各タイミングで「信頼できる業者かどうか」の判断材料があるので、これから業者探しをする際にはぜひ意識してみてください。
現地調査時などに業者からの説明が不明瞭
依頼者が解体について詳しくないことを良い事に、契約前に説明すべきことを省いて後から高額な追加料金を請求するといった悪徳業者が存在します。こちらからの質問に対して濁さず納得のできる回答があるかよく確認しておきましょう。
見積書の記載がざっくりしている
見積書に関しては、見やすいばかりが良いというわけではありません。上記でも触れましたが、見積書でもきちんと必要な事が明記されているかの確認は大切です。例えば、「各項目の単位が一式ばかり」の見積書は要注意。一式とはどんな内容を指しているのか把握できますか?難しくないでしょうか。一式とは見た目こそ明瞭ですが、なんでもかんでも一式で済まされている時には注意が必要です。「この作業は一式に含まれていません」と後から言われ追加料金を請求されても、契約をしてしまったら支払いが必要になってしまいます。



優良業者でも一式という単位はよく使われるので、言葉だけでは判断しないでください。
注意したいのは、一式の項目があまりにも多すぎる場合や追加作業が発生した際の対応について明記されていない場合です。
ポイント5:アフターサポートや保証内容を確認する
解体工事中に事故が発生したり、隣接する壁などを損壊してしまったりした場合、損害賠償請求の対象となる可能性があります。
万が一に備えて解体業者がどのようなアフターサポート、補償を行っているかを確認しておきましょう。



ただし、解体工事で発生する「騒音」「粉塵」は保険適用外となるので注意が必要です。そういう時に業者がどのような対策をしているかについても確認しておくと安心ですよ。
長屋切り離し後の土地活用アイデア7選





空いた土地でなにかできないかな?
1.住宅の再建築
切り離した土地に新しい住宅を建てられます。自分が住む以外にも、単独の戸建て住宅やアパートを建設することで家賃収入が期待できます。
2.駐車場の運営
土地を駐車場として活用するのも一つの方法です。特に都市部では駐車場の需要が高いため、月極駐車場や時間貸し駐車場として運営すれば安定した収入が見込めます。
3.カーシェアステーションの設置
カーシェアリング(通称:カーシェア)は複数の利用者が共同で自動車を借りるサービスのことで、必要な時に必要な時間だけ車を利用できます。近年カーシェアリングの需要が高まってるため、駐車場として活用できる土地さえあれば初期投資なしで事業に参入できるので収入源として土地を有効活用できます。
4.コミュニティガーデン
地域住民が共同で管理・運営する「地域の庭」のこと。地域に住む個人またはグループが自主的に集まって花・野菜・果物・ハーブなどの植物を栽培するオープンスペース、またはその活動や取り組みを指しています。地域の美化や交流の場として活用されています。
5.レクリエーション施設
土地を公園や遊び場、スポーツフィールドとして整備し解放することもできます。地域住民が利用できるレクリエーション施設を提供することで、地域の活性化に貢献できます。
6.商業スペースの設置
小規模な店舗やカフェを開くための商業スペースとして利用できます。特に、周辺に人通りが多い場所であれば、ビジネスチャンスが広がります。
7.環境教育の場
土地を利用して環境教育やエコロジーに関するワークショップの開催も可能です。地域の学校や団体と連携し、自然や持続可能性について学ぶ場を提供することで、地域貢献にもつながります。



これらのアイデアは一例だから、地域のニーズや自分の目的に応じて、最適な活用方法を選んでみてください!
まとめ:長屋の解体で後悔しないために大切な5つのポイント


長屋の解体や切り離しは、戸建て住宅の取り壊しとは違い、隣同士で建物がつながっているため、思った以上に注意すべき点がたくさんあります。
- 1.「自分だけの判断で壊せない」ことを知っておこう
-
長屋は壁や柱、土台などが隣の家とつながっていることが多く、一人だけで勝手に解体を進めることはできません。解体を考えたら、まずは隣の家の人としっかり話し合いましょう。
- 2.建物の構造や境界を必ず確認する
-
どこが自分の家で、どこが隣の家とつながっているか、古い図面がなければ専門家に相談しましょう。壊すことでお互いの家の安全に関わる場合もあるため、プロの意見が必要です。
- 3.費用は戸建てより高くなりがち。比べて選ぼう
-
長屋の解体は手間が多く、費用も高くなりがちです。複数の業者に見積もりを取り、分かりやすく丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。補助金や助成金も調べておくと安心です。
- 4.近所への説明や配慮を忘れずに
-
解体工事の音や振動は、ご近所トラブルの元にもなります。工事前後のあいさつや説明、相談は必ず行いましょう。細かな配慮が、後々のトラブルを防ぎます。
- 5.解体のあと、土地活用も計画的に
-
解体した後の土地をどう使うかも事前に考えておくと、無駄なコストや時間を減らせます。新しい家を建てたり、駐車場にしたり、さまざまな活用方法があります。



長屋の解体は「話し合い」「確認」「準備」が成功のカギです。 焦らず、信頼できる専門家に相談しながら進めていきましょう。
この記事を参考に、安心して長屋の解体・切り離しができるよう、ぜひ準備を始めてください。


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